Monday, February 09, 2009

Notas: 7 Virgenes / 『7人のバージン』メモ

映画『7 Virgenes / 7人のバージン』について、スペイン(アンダルシア)の友人とのチャットログ。コメント欄に書くには長すぎたので、一つ新記事としてメモっておくことにした。(ちょっとなんやかや仕様でここ↓隙間が空いちゃってるかもだけど、直せていない)








20:25:26 hola Reine, he estado viendo la peli 7 Vírgenes y ya he visto las imágenes rodadas en Punta Umbría 『7 Virgenes』を観てみた。プンタ・ウンブリアで撮ったシーンがあったな
20:26:11 あ、ほんと? どこ? パトリの別荘のバルコニーから見える海岸?
20:26:23 casi al principio, cuando sale la chica en una casa al borde de la playa y después coje un autobús amarillo 最初のほう、海辺の家の女の子が出てきて黄色いバスに乗るとこ
20:26:27 Esa そう、それ
20:26:36 あぁ、やっぱり。
20:27:50 ちょっと確認したいんだけど、パトリの家族は普段はセビージャ(の中心地)に住んでいて、タノとパトリはそこで知り合っていて、夏の間はパトリの家はプンタ・ウンブリアに避暑に行ってるのよね?
20:28:32 sí, creo que sí, además... eso es muy típico por aquí, gente de la ciudad que tiene una casa en la playa para veranear そう。だと思うよ。都会に住む人が避暑用の別荘を持つっていうのはこの辺じゃよくあること
20:30:25 なるふぉど。そうするとまた一つ思うことがあるんだけど、パトリはいつもはセビージャに住んでるよね。おそらく学校も地元のに行ってるよね。タノが夜中に訪れるマンションが、パトリ一家がふだん住んでいる家だよね。つまりパトリの家はタノの家とは違う社会階層に属してるんだよね。
20:30:32 exacto そう
20:30:46 あぁ、おk。ありがとう。とても参考になるわ。
20:30:52 jaja, de nada ははは、どういたしまして
20:31:40 それともう一つ興味深かったのはタノのあだ名の「Madriles」なんだけどね
20:32:51 フアン・ホセ・バジェスタはタノのワル仲間の連中のようなandalúのネイティブスピーカーじゃないから、それでタノという登場人物にはあのようなあだ名をつけたのだと思うんだけど。私の言いたいことわかる?
20:33:03 claro, es por eso わかるよ。そうあれはそのせいだよ。
20:33:13 あぁ、それでよかったんだな
20:33:13 Tano no es nativo de Andalucía タノはアンダルシアの土地の人ではない
20:33:44 そうよね。そういうことじゃないとね。で、そのせいで彼は「Madriles」と呼ばれているのよね、right?
20:34:04 of course そう
20:33:56 para ti ha debido ser difícil entender la peli, porque se habla en andaluz y el acento es difícil, no? この映画、理解するのキツかったんじゃない? アンダルシア方言だし、訛り、難しいでしょ。
20:34:56 超難しい。特にラナを聞き取るのはほとんど不可能だったわ。ラナって、一番年上っぽくて腕にタトゥー入ってた子。あなた、あれ、聞きとれんの?
20:35:12 sí, jaja 聞きとれるよ、わはは。
(……略…… 気に入ったかどうかの話など ……略……)
20:39:00 面白かったよ。アンダルシアを思い出させてくれて。
20:39:50 bueno, es que está rodada en barrios pobres de Sevilla. Los pajaritos, El Polígono San Pablo, etc まあ、セビージャの裕福じゃない地域で撮ってるしね。
20:43:22 oye, y el lenguaje de los chicos, que es tan vulgar y con tantos tacos... te habrá costado entenderlo, no? あのさ、この少年たちの言葉遣いだけどさ、これだけ俗語交じりだったら君けっこうたいへんだったでしょ?
(……略…… 長々と別の話になっちゃって ……略……)
20:49:22 で、なんか私に質問してなかった? 言葉遣いだっけ?
20:49:48 ah, pues que como se dicen tantos tacos... y el lenguaje es tan vulgar y de la calle... que te habrá costado mucho entenderlo ああそう。これだけスラングが用いられててこんなに乱暴なストリートのことばだから、君が理解するにはキツかったんじゃないかってこと。
20:50:55 たいへんだったよ。でも幸いスペイン盤DVDにはスペイン語字幕が付いてたからね。それが無かったらこんなに理解できなかったわ。
20:51:01 claro だよな
20:51:19 特にラナね。何度も言うけど。
20:51:27 jaja, sí ははは。そうだな。
20:52:09 あのさ、あなたも友達とか、まぁ誰にせよ、定冠詞+人名で呼ぶ?
20:52:49 no. eso no está bien, es un vulgarismo, no es un uso correcto del lenguaje, pues delante de nombres propios no se pone artículo 呼ばない。それはよくないから。それは誤用表現、ただしい言葉遣いではない。人名の前に定冠詞はつけない。
20:55:05 それじゃぁ、たとえばあなたたちは映画の中で登場人物が「el Rana」とか「la Patri」とか喋っていた場合すぐに、その人たちはある特定の社会階層、低い階層に属するんだなって理解あるいは想像するわけ?
20:56:05 bueno, más o menos, digamos que entendemos que tienen poca formación, poca cultura, más que clase social baja, aunque ambas cosas suelen ir de la mano うーん、だいたいね。社会階層が低いっていうよりは、高等教育を受けていないんだなとか、教養が十分じゃないんだなとか。まあそれらはだいたいセットだけどね
(……略…… カタランだったらまた事情が違うんじゃないかとか難しそうな話を長々と ……略……)
21:04:58 最初のほうのシーンでさ、お兄ちゃんがタノを実家の前で降ろしてくれるじゃん? タノは歩きだして家に入り、お兄ちゃんは車で去って、カメラはロングショットで近所の家々を映すじゃない? あのシーンを見て、最初に何を感じるの? 何を思う? あの地区の第一印象さ。
21:05:59 que es un barrio de clase social baja y trabajadora, un barrio obrero de los años 60 probablemente, y que allí reside gente con poca formación superior 低い社会階層の地区、たぶん60年代にできたような労働者階級の。それで高等教育はほとんど受けていない人々が住んでいるだろうなと。
21:06:30 わぉ、そんなに見えるんだ? そんなことも伝わってくるんだ?
21:07:10 bueno, eso depende de la experiencia personal de cada uno. probablemente... tú no puedas deducir tanto porque no has estado en barrios así, o no te has criado en uno de ellos まあ、見る人の実体験にもよるけどね。たぶん君はこういう地区に入ったことがないし、そこで育ったわけでもないからきっとここまで推測できないだろう。
21:07:15 だね。
21:07:21 pero yo... sí puedo deducir eso, por dos razones: でも僕は想像できる。理由は二つ
21:07:38 1ª Porque he vivido en uno de ellos durante 15 años, los primeros de mi vida まず、人生の最初の15年間はこういう地区で過ごしたからね。(★彼は今29歳)
21:08:04 2ª Porque soy español, andaluz, y porque conozco Sevilla y ese tipo de barrios そして僕はスペイン人で、アンダルシアっ子で、セビージャを知っているし(★彼は大学はセビージャ、院もかな)、こういう街区もわかっているから。
(上の事柄については彼がまたあとで長いメールで補足してきてくれたので、それはまた後日)

(……略…… いろいろ礼を言ってブログに載せるとことわって ……略……)

21:09:56 こんどスペインに行く時はプンタ・ウンブリアに寄るわ。そしたらいっしょに映画観て、あなた脇でずーーーっと私にこういうこと説明しててよ。

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Thursday, December 13, 2007

videos.abc.es

KLE4cさんの本日の記事で、20minutos.tvというものを知る。

それを覗いたところ、ちょうど「バチカンのイケメン聖職者カレンダー」のニュースが流れていた

イケメン聖職者カレンダーに興味が湧いたので――そりゃ湧くだろ――検索してみた

そうこうするうち、videos.abc.esというサイトに行き着いた


それだったら別にyoutubeでもあまり変わらないんじゃないかと思ったけど、たとえばこの「Los curas más guapos del Vaticano」というニュースを見てみると、右欄にニュース概要が文字で書いてあるじゃないですか。そしたらヒアリングの練習したい場合には便利だよね。(と言っても、テキストはかなりの要約になってますけどね)


というメモ。他にもこういうサイトはたくさんありそうかな。ニュース映像とそのスクリプト的なものが載っているサイト。まぁ、おいおい探せれば探します。というちょっとメモ c⌒っ゚д゚)っφ メモメモ...

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Thursday, November 22, 2007

TV番組でプロポーズに失敗した男、相手を後日刺殺

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071122-00000076-reu-ent
TV番組でプロポーズに失敗した男、相手を後日刺殺

[マドリード 21日 ロイター] 
スペインの民放テレビ局アンテナ3の人気トーク番組(※Reine注: Diario de Patricia; いつまでサイトがあるかわからん)が21日、視聴者協会などから番組の打ち切りを要請された。

番組の中で元交際相手にプロポーズを断られた男が、この女性を5日後に刺殺するという事件が起きたことが背景。番組では、男が元交際相手のロシア人女性に対し、ひざまずいて結婚を申し込んだが断られる場面が放送されていた。

1回の視聴者数が200万人を超える同番組に対し、カタルーニャの視聴者協会(Reine注: Teleespectadors Associats de Catalunya)の会長は「テレビ制作者は視聴率を上げるために人の心を操作すべきでないことを学ぶべきだ」と指摘。番組の打ち切りを要請した。

(Reine注: TAC pide la retirada del programa “El diario de Patricia” ← 打ち切り要請)

男が過去にこの元交際相手を虐待し、裁判所から500メートル以内に近づかないよう命令を受けていたこともあり、番組に対しては女性団体からも非難の声が出ている。
________________


放送された番組のYoutubeのURLを一応書いてはおきますが、ちょっと、あんまり見たくないね:
・http://www.youtube.com/watch?v=6fGFnLjIyFI
・(ちょっと解説文つき)http://www.youtube.com/watch?v=mFCY9e-eISI
・(長い解説文つき)http://www.youtube.com/watch?v=TVO4LR0GbBU


(後で読む用MEMO)
http://www.abc.es/20071122/sociedad-sociedad/cgpj-denuncia-programas-como_200711220326.html

誰が出てくるかとかどういった内容の告白をされるのかなど、被害者のスヴェトラーナさんは知らされてなかったのか?

制作会社のディレクター曰く:
事前に容疑者側にも被害者側にも同じ書式で回答してもらっていたけど被害者はDVに悩んでいたとか接近禁止命令を出してもらってるとかそういうことには触れなかった、なのか。で、彼女には「番組を通して貴女にメッセージを伝えたがっている人がいらっしゃいます」とだけ伝えてあった、模様。

「製作スタッフは本件によってかなりのショックを受けている。しかしながら、謝罪をする予定は今はない。今回の‘事件’そのものについてまで責任があるとは思っていないから」。

って!

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Saturday, July 28, 2007

La Grande y Felicísima Armada / 無敵艦隊

リンク: livedoor ニュース - 7月28日、今日はなんの日?スペイン無敵艦隊、カレー沖の海戦でイギリスに敗北

まあ、今日はこういう日らしいのですがね。私、ちょっと今は満身創痍な感じで右腕に鉛筆握るのも辛くて一昨日からは左手でヨロヨロと書いてるくらいなので、今日のところはメモだけ。って、この1ヶ月メモばっかですけど。

以前嫉妬についてちょっと書いた時にも引用したが、三省堂の『スペインハンドブック』の‘国民性’の章には、スペイン人にありがちな「嫉妬」という気性について次のように書いてある:

>この欠点は,確かに,地上最強の王,太陽の決して沈まぬ帝国の主人であったフェリーペ2世の心にも巣食っていた.無敵艦隊を指揮するのにメディナシドニヤ公爵を選んだことがその良い例である.

>フェリーペ2世は,戦いに熟練した大勢の配下の中から隊長を選びたくなかった.というのは,選ばれた者が将来の英雄になることは明らかだったからである.王にとっては軍神が,野心をもたない,とるにたらぬ知人(メディナシドニヤ公爵)に勝利を恵んでくれるほうが望ましかったのだ.この選択の結果は万人の知るところである.


メディナシドニヤ公爵というのは、ほんとにそんなにベンチがアホやから戦がでけへんベンチのような御仁だったのか、歴史家たちの見解はそれで一致しているのか、その辺は私は調べたことないのでわかりません。おいおい調べる時間があれば調べていこうと思いますが、こんなこと言っててほんとにおいおい調べたことなどほとんどない私の言うことなので。

でも、その辺のいくつかの記事↑をチャッチャと斜め読みすると、「そんなに下手でもなかったんじゃないか」などという声も見られますね。

とにかく、今はメモ。

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Sunday, April 01, 2007

Juan Garcia Postigo, Mister Mundo 2007

日本語: ミスター・ワールドは!?中国でコンテスト.

スペイン語: El malagueño Juan García Postigo, Mister Mundo 2007. diariosur.es.

ミスター・スペイン(ミスター・マラガ)のフアン・ガルシア・ポスティーゴという人がミスター・ワールドに輝いたとのこと。ミス? ミスは興味ない。

「写真は? 写真は撮れたの?」ということで、探してみました。が、これは一年前の、http://www.miss-espana.com/doc/noticias/noticia.asp?id=237
ミスター・マドリード(写真左)と、ミスター・セビージャ(写真右)と競ってミスター・スペインを獲得した時の記事ですね?

25歳
191cm
青い目
栗毛
ホテル経営
特技:料理
言語:英語、フランス語、イタリア語
スポーツ:サッカー、バスケ、サーフィン

らしいけど、ホントか。

動いている彼を見るなら、http://www.telecinco.es/dn_9129.htm(「Ver video」のとこ)

(あとでもうちょっと書き加えます)(たぶん今夜中)(予定は未定)

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Wednesday, March 21, 2007

envidia

先日の『世界で一番醜い女』のコメント欄で、「先にぬっ殺すべき連中は他に居るだろが」と私もつっこんだところですが、ノラドさんのブログ(im like Heroin)にも、過去に自分をさんざん痛めつけた者への復讐による殺人ではなくて嫉妬による殺しに向かってしまうところが疑問だというようなことが書いてあった。

ホント、あれ、私もちょっと飲み込みがたい犯行だったなあ。殺害対象の選び方が八つ当たりとも思えた。被害者にしてみればとんだトバッチリじゃないですか。

さて、そこで「嫉妬」を考える。
なるほど、「嫉妬」っていう視点はけっこうおもしろいのですよ。
「嫉妬」、けっこう大事なんだよね。

私はここでやはり『スペインハンドブック』の‘国民性’の章を思い出してしまうのであった。(章の担当はコントレラス先生とある)

1) 二元的なるスペイン
2) 名誉と名誉感情
3) 面目――変質した名誉感情
4) 社会階級と自尊心
5) 自発性と即興性
6) ストイシズムあるいは無関心
7) 怠惰
8) 個人主義
9) ヒューマニズム
10) 嫉妬
11) 観客の基準,救世主志向

「10) 嫉妬」の項目は、「スペイン人の典型的欠点のひとつ」「スペイン人自身が,嫉妬がスペイン人の性格のうち最もしばしば,そして最も強く見られる欠点であると考えている」といった文から始まる。十数年前のスペイン生活時代にこの項を読んで受けた印象は強烈で、この本全体のことでほかに覚えていることはそんなに無いのに、ここだけはグッサリと頭に刻み込まれたのでした。

以下、抜粋
グラシアンは,この欠点を「スペイン人の悪性」と呼んでいる

スペイン文学で最初に書かれた伝記であるシードの物語ですでに,悪意の嫉妬に対して寛大な心が深く苦しむ様が随所に見られる

・この欠点は,確かに,地上最強の王,太陽の決して沈まぬ帝国の主人であったフェリーペ2世の心にも巣食っていた.無敵艦隊を指揮するのにメディナシドニヤ公爵を選んだことがその良い例である.
(※「有能な部下に任せたら俺たち勝っちゃうじゃん、勝っちゃったらその人が一気に人気者になっちゃうじゃん、えー、なんかそれって俺的には気に入らねー」ってことで、パッとしない人に任せたもんだから敗れちゃった、みたいなことが書いてある。あの敗戦で大西洋の制海権を失ったわけですからね、ダメージでかすぎ。ほんのジェラスのために海上権大打撃)

・豊かなヒューマニズムに満たされ,驚くほど寛大なスペイン国民は,同時に深い嫉妬心を持つ国民でもある.

などなど。

それから、wikipediaですけど、「envidia(嫉妬)」の項にもこうある:
El escritor de la generación del 98 (98年の世代), Miguel de Unamuno (ミゲル・デ・ウナムーノ) afirmaba que era el rasgo de carácter más propio de los españoles (「スペイン人の特性としてしっくり来る」)

と、まぁ、こういったわけでね。
「嫉妬」ってけっこう重要なのね。
今回の『世界で一番醜い女』に限らず、今後、スペイン映画を観る時やスペイン人としゃべっている時などにね、この項目をチラっと思い出すとストンと腑に落ちたりしますよ。これ、けっこうキーワードになってくると思うよ。

たとえば、スペイン人同居人が異性を連れ込んで夜毎うるさいのでそういう生活態度を注意したとたん、「嫉妬してんじゃねーよ!」などとぶち切れられて、「( ´Д`) はぁ??? なんで俺がテメェに嫉妬しなきゃいけねーんだよ」と全力でキョトンとすることがありますが、そういう時にも、「あぁ、この発想は国民性、国民性、メンタリティ、メンタリティ……」と心の中で繰り返すと、なんとなく理解できたりしますから。

映画にしても実生活においても、「嫉妬」という視点に立つと骨組みが透けて見えたりするんですよ。


「えー、でもさー、スペイン人にだって嫉妬しない人はいるしさー、日本人にだって嫉妬深い人っているじゃーん」などと、口をとんがらしてわかりきったことを言い出す人が居ないとも限らないので、念のため、この‘国民性’の章のはじめの方に書いてあったことも抜粋しておきますよ:

・「たいへん当惑致します.いったいスペイン人の国民性というものは存在するのでしょうか.」
・「スペインに関してスペイン人は決して意見の一致を見ることはない.」
・「唯一のスペイン」について,その性格の諸要素をまとめるというのはあまりに大胆すぎはしないだろうか.
・ここではスペイン人的な特徴と思われるもののうち,根元的と思われるいくつかの特徴に焦点を絞ることにしよう.
・大部分の国民においてその特質が観察されるからといって常にそれが行動を規定するわけではないし,
・ある特質が数世紀にわたって維持されたとしても,それが不変であるとは言えない.


「一般化なんてできないじゃーん」とか、あぁ、そう言いたくなるのもわかるけども、それはそれ、これはこれとして「国民性」みたいなデカい枠組みについてああだこうだと考えてみるのが大人だったりするんじゃないかい。

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Friday, September 30, 2005

Chueca

先日『Cachorro』を観ました。映画の舞台はMadridのChueca地区です。


昔、「Madridのゲイシーン探索」をテーマにChueca地区に宿泊したことがあります。ゲイ友ミゲル(仮名)と一緒に2~3泊した。

彼が全部プランを立ててくれた。素敵♥な2DKくらいのアパートを借りて二人で過ごしたんだわ。Madridに着いて、Chueca地区に着いて、どこかホテルかオスタルで彼がフロントか誰かと言葉を交わしてた。そうこうするうちに鍵を渡されて、我々はちょっと歩いたんだ。そこに素敵♥なアパートがあった。で、すんなりとそこに宿泊決定。

インターネットだとかじゃ無い時代にどうやってあれだけ確実なinfoを彼が得ていたかがよくわからない。旅行前にゲイ雑誌を見ていたとは思う。でも、あんまり詳しいことは話してくれなかったんだよなぁ、たしか。「僕達には僕達のネットワークがあるから ;-) 」なんつって煙に巻かれた気がする。


このたび訊いてみた。「どうやって宿なんか探してたの?」等々を。以下、私のQとミゲルのA(一部伏字):

Q: あのアパートどうしてどうやって見つけたんだっけ?
A: Hostal **** に行って、「アパートは扱って無いですか?」って訊いた。それで、C/ ***** という通りのアパートを紹介してもらった。

Q: 雑誌で情報を収集してたわけ?
A: そう、雑誌だよ。ほら、恥ずかしくって俺はとてもじゃないけど買えなくって、いつもReineに頼んで買ってもらってたじゃん、あの雑誌あの雑誌。Reineがいつもうちの前の広場のキオスクで買って来てくれた雑誌があるでしょ? あの雑誌だよ。

(そう言われて思い出した。いつも私はミゲルに頼まれて、というか命じられて、ものすごく破廉恥な、表紙もいろんなものがアラワになってるホモセクシャル専門雑誌を買いに行かされてたのだ。使いっ走り。「自分の家の近所でこんな雑誌買えないよーーー」って彼は言ってたけど、アタシにとっても近所だわい。ほんとに恥ずかしかったぞ、ほんっとに)


Q: 私たち、2軒のディスコに行ったよね? 1軒は宿から近くて小さめで。細長かった印象がある。ディスコというよりはBarだったよね。でも、そこにはあんまりオトコマエがいなかったからちょっと遠くの巨大ディスコに行ったんだよね、たしか。そこはマドリードでも最大級のディスコだとかなんとか言ってた??? でも結局そこでも別にオトコマエは居なくて、っていうか、あんたが歩いてたらガンガン言い寄られて、「君が今夜一番オトコマエだ」って囁かれたりしたんじゃなかったっけ?

A: 最初のは『WHY NOT?』じゃなかったかな。その後、『ÁNGEL』に移った。『ÁNGEL』は今はもう無いよ。ちなみに、今だったらhttp://www.chueca.comとかhttp://www.gaydar.esとかで情報集めるかな。雑誌は『ZERO』ね。

だそうです。


さて。この旅行の思い出を一つメモる。
この旅行はちょうどフランコの命日の2日、3日後だった。そんな時期だったので(?)、彼を偲んで(?)スキンヘッドの人々が街にはウヨウヨしてました。(その日前後はあまり町をウロウロするなと、むかーーし誰かに言われた気がするんだが、どうなのか、そんなに危ないもんなのか)

ミゲルと私は大通りを歩いてた。日曜の昼下がりだった。首都の大通りとは言え、日曜の午後って人通りも少なく(飲食)店も閉まってるのが多かった。わりかし閑散。

そんな時、大通りの反対側を歩いてる、人が良さそうとはとても言えない風貌の若者が目に入りました。通りのこっち側の我々とだいたい平行して歩いてた。それに気づいた頃からミゲルはピリピリし始めた。「Reine、僕達、危ないのかも……」などと言い出し、蒼ざめてた。

「なんで?」っつったら、あっち側を目線で指して言った。「ゲイと東洋人の二人組なんて格好の餌食でしょ。彼らが好きじゃないものが二人並んで歩いてんだよ? 襲撃されちゃうかも…」って。ちょっと涙目で。

私もそこで遅まきながら「ひーーーーーっ」ってなった。

そういうつもりで道の反対側のスキンヘッド氏を見ると、我々と歩調を合わせてるようにしか見えなくなってきて。「こっち窺ってる、窺ってるぅっ」なんつってビクビクした。私達は立ち止まってあっちを窺ってたんだけど、そうすっとタイミングの悪いことにあっちも立ち止まってるわけ。「止まった、止まったっ」なんつってガクガクし。「こっち見た、今、こっち見たっ」っつってブルブルし。ミゲルと私はチワワくらい震えた。

そうこうする内に、道のあっち側の男は先を歩いていた仲間と合流してまた立ち止まってるんだ。それでまた、「みんなでこっち見た、こっち見たっ」って、我々は固まって動けなくなってた。


お気づきかとも思うが、ホントーーに彼らがこっちを見てたかどうかは、かなり怪しいところです。でも、ホントーに我々の恐怖はシャレにならないくらい強烈でしたってば。


「逃げよう、どっかお店に入ろう!」って慌てて方向転換するミゲル。バタバタコソコソと逃げ始めた我々。その時、私、急に態度デカくなっちゃったんだよね。で、歩みもノロくなった。なんか悠長に歩き始めた。「何やってんの! 急いで!」とミゲルは恐慌をきたしている。

私: あのね、私、いいことに気づいちゃったんだー♥ んふふふん
ミ: なによ?!

私: 私はね、きっと大丈夫。彼らは私のことは排斥しないのよ。あんたはどーか知らないけど。(ノンキ)
ミ: 根拠は何っ?

私: だってね、私は日本人だよ?
ミ: 日本人だから何なのっ

私: だーーーってさーーー。日独伊三国同盟だよ。 日本って、あぁた、枢軸国だぜ? すんごく大まかに言ってみればかつての仲間みたいなもんだよ(!)。 私、言っちゃうもん、『あらぁ、枢軸国じゃなーい♥』『枢軸国のよしみでさ♥』って。だから、私はダイジョブ。 ゲイの貴方は危ないかもだけど

ミゲルは呆れ返っており。
「Reine、お前、ヴァカじゃない? あの人達がね、中学とか高校とかでね、歴史の授業を真面目に聞いてたタイプだと思う? 枢軸国なんてね、そんなの彼ら知らないよ? 知ったこっちゃないぜ? 枢軸国だろうが日本人だろうが、あいつらにとってはただの東洋人だよ? ゲイと一緒に居る東洋女だよ?」と。

私: …ダメ?
ミ: 全然ダメ

「そう言えばそうだよねっ」っつってまた逃げ始めた私。(※ナチスもファシストもネオナチもフランコも何もかもが私の頭の中で一絡げにされてることがむしろ怖い。ごめん、全然わかってないです)

結局、一軒のBARを見つけて逃げ込もうとしたんだが、《準備中》とかいう札がかかっており。「ひゃーーー」なんつって我々、ガシャガシャすごい勢いでドアを開けようとしてた。こじ開けようとしてた。そこへ、一人の皮ジャンのスキンヘッドが近づいてきて………


……あん時はね、「万事休す」って思った。「万事休す」なんて心境、それまでの人生で滅多に味わうこと無かったけど、あれは万事休した。「もうダメ……(泪)」っつって目をつぶっちゃう感じっつうのかな。息も止まる感じで。我々二人ドアに手かけたまんま固まった。

結局そのスキンヘッド氏は我々には目もくれず通り過ぎてくれたんですけどね。


ミゲルと私、顔見合わせて苦笑いしちゃって。後から後から笑いがこみ上げてきたけど、でも、あの瞬間は色んな悲惨なシーンを想像しましたよ。バットとか鉄パイプで殴られるんだと思ったんだ。マジで怖かった。いろんな映画でさ、racismとかさ、セクシャルマイノリティへの攻撃とかさ、あるじゃないですか。『Torch Song Trilogy』とか『Carlos SauraのTAXI』とか。そういう惨劇がよぎった瞬間だったのよ。

(※それらの映画のネタバラシ的ですみませんっした)

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Saturday, July 23, 2005

Primer Viaje

こないだPIXUS MP770が届いた。フィルムの連続スキャン(6コマ)っていう機能があるので、大昔の卒業旅行の写真をやってみた(数日を要した。たいへんだった)。

昔のアルバムなどと照らしあわしつつ整理してみた。旧HPにUPしました。写真のサイズ、どれくらいにすればいいのかがよくわからなかったので、もしかしたらヒドく大きいかもしれない。ごめん。そして、苦労して読み取ったわりに、あまり美しくない仕上がりになってしまってる(※綺麗バージョンはCDにしまっといた)。

それにしても卒業旅行の顛末はとにっかく長文ですみません。もうしわけない。


ちょっとだけ写真を紹介。
セビージャ夜

エルヴァスの水道橋


あぁ、やっぱり重いかなぁ。どうかなぁ。ともあれ、懐かしかった。もう11年経ちましたからな。

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Saturday, May 07, 2005

Cachorro (Fnac)

電車の事故ね。
「90秒の‘遅れ’が遅れだって?」と海外メディアは驚きつつ報じている、などと報じられていたけども。まぁ、90秒遅れたらイライラし、時には駅員の胸ぐらを掴まん・首を絞めんばかりに詰め寄る「神様」もいるくらいなのが我が国のありようなわけでね。90秒の遅れを赦さないで来たのは俺らなわけで。

それはそれとして。
海外って、この一件に関しやっぱりそういう反応を示しましたか、というのが興味深かった。「海外」っつっても私はスペインについてしか語れるものは無いのですが。おまけに、スペインでもあんまり「電車」って乗った覚えが無いから、電車の遅れについてはコメント不能なのですが。まぁ、90秒なんて全く「定刻」だと思ってるだろうと思うよ。

テレビだ、テレビについては覚えてることが一件ある。
テレビ番組が数分遅れて始まるとかはフツー。日常茶飯事でしたよ。今はどうか知らないけど、10年位前は確実にそういうぬる~~~~い感じだった。

あるとき、1週間くらい前から「○曜、夜9時、▲チャンネルがお届けするサスペンスアクションナイト! ついにテレビ初放映、『ほにゃらら』!」とかいう番組宣伝をさんざっぱら流しておきながら、そして当日の新聞のテレビ欄にもそれは掲載されていながら、その時刻にテレビをつけて待っても待っても全く始まらず、ついに放映されなかったぞ。2時間映画が一個まるまる飛んだ。別に大事件が発生したから緊急特番を組んでた、とかいうんではなくて。


でね、本題なのだが。
こないだスペインで幾つかスペイン映画DVDを買ってきたのですが、このGW中にさまざまな身辺整理も済んだので、あれらのDVDを見てみようとようやく思えたのでした。

Cachorro』(ゲイ関連映画)(15.95€=2248円くらいか)から観ましょうと手に取った。私はパッケージに貼りついている薄いビニールのシートを引き裂くところから始めましたよ。
外袋はずしたとこ

で、蓋をカチンと開けました。
空かよ


空っぽかよ!


私、呆気にとられた(Me quedé boquiabierta.)。「あ。そっかそっか、BarcelonaのFnacで買って帰ってから、美優の家で観ようとして、ディスクを美優の家に忘れてきたのか……」って一瞬思ったけど、ちっがーーーーーうだろ、このビニール外袋は何よ、じゃぁ。たった今、私はこのパッケージを破いたんだろ。箱を開けたのは今が初めてのはずだろ。

私は、Fnac スペイン(www.fnac.es)のページに行きました。「Conoce la Fnac(=Fnacとは?)」ってところの、「Nuestras tiendas(=店舗一覧)」」へ。私が購入したのは、El Triangleっていうショッピングセンターにある支店でしたから、triangle@fnac.es宛にメールした:

いついつ、何と何のDVDを、合計いくらいくらで、これこれのクレジットカードで購入したが、蓋開けてみたら(文字通り「蓋開けてみたら」)、中は空っぽだった、貴社のように日本の旅行ガイドブックにまで掲載されてるほどの有名企業がこんなものを売っているとは信じがたい、ちゃんと中身の入ったものを早々に送ってください、とにかく至急連絡を。


数十時間経過したけど、黙殺されてます。きっとこの先も何も言って寄越さないよ。この15.95€は泣き寝入りってことになるんだろう。面白そうな映画だっただけに残念でならない。

これがスパニッシュクオリティ。電車遅れましたけどそれが何か? / 番組飛ばしましたけどそれが何か? / DVDカラッポで売りましたけどそれが何か?………そういう国。素敵だよな。

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Monday, April 11, 2005

Nitsa / Apolo

《書き忘れてたこと》

Dietrichに出かけた夜は‘ambiente=はってんば’巡りだったのですが、翌日(3/26土)は実益のありそうなclubに出かけました。……実益?

1軒目: Fonfone
C/ Escudellers 24、電話93-317-1424
可愛らしい店でしたよ。

2軒目: Nitsa(っていうかapolo?)
Nou de la Rambla 113
昔はタンゴだとかそういう舞踏会の場だったとかなんとかで、桟敷席みたいな作りにもなってて、広い空間。Nitsaっていうのがレーベルの名でapoloがハコの名前……かい? よくわからじ。


そのNitsaでその夜は誰が来てたんだっけか…というのを調べたかったら、www.salirenbarcelona.com(直訳: バルセロナで(夜)遊びドットコム)を見に行けばわかりそうなんだな。

左フレームのGuía →
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3/26をクリック →
lugar(店) の欄でNitsaっていうかapoloを探すんだ

そうすると、なにやら「KIKI (Dj) + PAUL KALKBRENNER live! + DJ FRA + DJ COCO」っていう顔ぶれだったんだなっていうことがわかる。で………誰?ってな感じでサッパリわからないままだが、それはまぁよし。

あぁ、そうそう、こういう顔してた、この顔だ、この顔にピンと来たよ、この人この人(http://www.bpitchcontrol.de/artist/3/40)。

楽しかったですよ。スペインの夜遊びはホントに気楽で楽しいわ。

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