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Sunday, September 09, 2012

No habrá paz para los malvados / 悪人に平穏なし [スペイン映画]

No habra paz para los malvados Latin Beat Film Festival 2012 / 第9回ラテンビート映画祭 / ラテンビートフィルムフェスティバル2012 / スペイン・ラテンアメリカ映画祭で上映される。

この作品は、私、断言するけど、一回観ただけで話の流れ・登場人物の関係を把握できる(日本)人はいないね。エンリケ・ウルビス監督の過去の作品、『La caja 507 / 貸し金庫507 [スペイン映画]』でも同じようなことをボヤいたけど、これはもっともっと難しかった。大仕事だったよ。


だからとにかくそれを追います。

鑑賞前にこの記事で予習してもらえれば幸い。……と言いたいところだが、本来作品を観ながら理解した方がいい事柄まで私がここで淡々と説明してしまうので、鑑賞前に読んでしまうのはあまりお薦めできないという、私のブログの抱える永遠の矛盾。

鑑賞前に流れ・人間関係を知ってしまうか、鑑賞後にワケがわからなかった点を確認しに来るか、それは自分で決めてください。

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆


映画祭の作品紹介ページ(『No habrá paz para los malvados / 悪人に平穏なし』)よりストーリー: 
hairsalon マドリッドの中年捜査官サントス・トリニダは、泥酔して立ち寄った酒場で、怪しげな男たちと遭遇し、事件を起こしてしまう。サントスは、事件の発覚を恐れて、現場から逃走した目撃者の足取りを追い始めるが、まもなく、目撃者の背後に不穏な動きをする犯罪組織があることを突き止める。……略…… 2004年にマドリッドで起きた爆弾テロ事件をベースにした作品で ……略…… hairsalon


danger もう一度警告しますが、108分のうち80分くらいまでを説明してしまうよ danger

danger ↓↓↓ ほんとにかなり書くよ ↓↓↓ danger

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆


diamond サントス・トリニダによる殺戮の現場となるのはClub Leidy'sという売春宿。


(1) 売春宿にて
shadow サントス・トリニダ: 第一線を外れ失踪者捜索班で人探しに当たっている。アル中気味。

shadow イングリッド: 売春宿のママ; コロンビア人(帰化)

shadow 若い男: 売春宿の用心棒

shadow ドン・ペドロ・バルガス: 売春宿のオーナー; コロンビア人


サントスはこの3人を射殺。しかし、二階にいた若者にだけは逃げられる。サントスはこの若者(→)を探し回ることとなる。

shadow 美形の若者: 売春宿でサントスに殺されず、唯一逃れた若いイケメン; 店の防犯ビデオに写っていた; (danger 終盤まで名前は出てこないので「イケメン君」で通します)


eye サントスは死体を探り身元などを調べる。用心棒の財布からホテルのカードキー、店主のポケットからパスポートや携帯などを取り出す。用心棒の使っていた名前が“ウーゴ・アングラーダ”だとわかる。


shadow キューバ人労働者: 売春宿から出てきたサントスとすれ違った; のちにチャコンたちに目撃証言をする(→(7))


サントスは現場から持ち去った物品を燃やして処理しちゃう。自分の撃った薬莢も拾い集めてきたので捨てる。用心棒が持ってたホテルのカードキーなどは残しておいた。

サントスはホテルに電話して「“ウーゴ・アングラーダ”の部屋につないでくれ。部屋番号を教えてくれ」と言う。(danger 実際、電話でこんなこと教えてもらえるとは思えないけどな)


(2) 売春宿殺害事件の捜査
shadow チャコン判事: 殺害事件の捜査を指揮する

shadow レイバ: その部下; サントスとは同期採用


(3) 警察署内
shadow ロドルフォ: 失踪者捜索班でのサントスの相棒; サントスに仕事をすっぽかされて頭に来たりしている

eye サントスは売春宿で射殺したペドロ・バルガスらのパスポートなどを警察のデータベースと照合している。バルガスが「2003年からスペインに居住; 2004年にはコカイン密輸に関与」していた記録など。また、バルガスの携帯の発着信履歴から、下記の男が浮かび上がる

NHPPLMshadow アウグスト・ロラ: コロンビアのバランキージャ出身; 前科欄には「2004年 麻薬売買, ペドロ・バルガスの関与」, 「2005年 税務犯罪」, 「マチューカという店で喧嘩」とある。


(4) ホテル
サントスは仕事をほっぽり出して、死んだ用心棒“ウーゴ・アングラーダ”が滞在していたホテルへ。部屋番号は教えてもらったし、カードキーを持っているので楽々と侵入。車のキーを見つけたので地下駐車場に下りていく


(5) 地下駐車場
用心棒“ウーゴ・アングラーダ”の車(Audi)発見。車中でGarmin社のカーナビ発見。カーナビの表示履歴に「トリブレテ通り 21番地」という番地があったので、サントスはその番地まで行ってみる。


(6) その番地を訪ねる。その建物に入ってみたが見当がつかないのでとりあえず出て、その辺のベンチでしばし独りで過ごしている

eye ちなみにグーグルのストビューはこれ(Calle de Tribulete, 21)。映画の画面と比べると、たしかにここだね。

それから、この時にサントスの隣に腰掛けているお爺さんは、Don Simonかどこかのやっすいやっすいワインをパックから直に飲んでいる(という、“貧困地域っぽさ”の演出か)。

(7) チャコンの事務室
チャコンとレイバは売春宿殺害事件発生直後に“容疑者(danger それはサントスなわけだが)”とすれちがった労働者(→ (1))から目撃証言を得る。

そしてチャコンの秘書アナが、殺害された売春宿オーナーのペドロ・バルガスについて書類を揃えてきた。「2003年からスペインに居住; 2004年にはコカイン密輸に関与」。「もう一つの死体(=用心棒)については未だ身元不明。指紋照合をインターポールに依頼中」。

danger 用心棒が“ウーゴ・アングラーダ”という名であることが未だわからないのは、サントスがいろいろ隠滅しちゃったから…)


(8) クラブ~セリアの家
サントスは手がかりを持っていそうなラチー(ド)という情報屋を探して、クラブのトイレで若い男に「ラチーを知っているか」と尋ねたりしている。(danger 逃げた男がモロッコ人かと見て、そこに近そうな人物としてラチー(ド)をまず当たることにしたのだろう) 

shadow Celia セリア: ゴーゴーダンサー; ラチーの元カノ;
サントスはラチーの居所を聞き出そうとするが「知らない」らしい; サントスはラチーの写真などをぱらぱらと見る; 「ラチーはまだコロンビア人の連中と組んで“ビジネス”してるのか」

shadow ラチー(ド):
ゲーノー活動もしているらしいが早い話が前科者のちんぴら; 警察の情報屋; (danger この男が登場するのはもっと後のシーンである)


(9) 売春宿の事務室
チャコンやレイバは売春宿の金庫を開ける。30万ユーロもの場違いな大金。

そして、この日ようやくチャコンたちは用心棒の人定ができた。“ウーゴ・アングラーダ”の他にも多数の偽名を使い分けており、ヨーロッパの複数の国から指名手配をされている人物である、と。


(10) アウグスト・ロラから聴取
チャコンは、アウグスト・ロラ(→ (3))から事情を聴く。殺害されたペドロ・バルガスと過去に様々な犯罪捜査で名前のあがった男である。周到なことに、弁護士を同行している。

アウグスト・ロラが言うには、「食料品の輸出入とかホテル業を展開している; “マチューカ”というナイトクラブは経営しているがあれは断じて売春宿ではない」。

2004年の麻薬密輸がらみの捜査でペドロ・バルガスとアウグスト・ロラの名が挙がったが、弁護士曰く、「あの件は棄却されました」。


(11) 用心棒が滞在していたホテル
danger 殺害後にサントスが痕跡を消してしまったから、レイバやチャコンがここまで辿り着くのに時間がかかった)

ローマ⇔マドリードの飛行機のチケットの半券が見つかったのでレイバは乗客名簿の照会をする。

駐車場で車も見つかるがGPSが無い(danger だってそれもサントスが…)。駐車場の防犯カメラを調べることにする。

そして、Brigada Central de Estupefacientes 麻薬取締局のセルダン刑事にアポをとる。


(12) チャコンはセルダンを訪ねる
チャコンは麻薬取締局のセルダン刑事を訪ね、殺害された用心棒“ウーゴ・アングラーダ”またの名を“アンドレス・ダビッド・ウルタード”について尋ねる。セルダン曰く、「コロンビアマフィアの殺し屋で、FARC(反政府武装組織)の元メンバーだ」。

チャコンはまた、ペドロ・バルガスとアウグスト・ロラが04年に関与した疑いのある麻薬事件の捜査がなぜ頓挫したのかを質問する。

セルダン曰く、最近はバルガス達のようなコロンビアマフィアはマグリブ(=モロッコ、アルジェリア、チュニジアなど)のハシシを取り扱うよう方針転換をしているようだ。コロンビアマフィアの捜査はすでに麻薬取締局の手を離れ中央情報局に移っている。急進的イスラム主義者の活動と関係していると考えたのだろう、と。


(13) ナイトクラブ、マチューカ
アウグスト・ロラの経営するナイトクラブである。サントスがやってきた。(danger サントスはこの店の名を(3)の時に知っている)  

そこでずっと探してきた情報屋のラチーをやっと見かける。

ちょうどその時、マチューカの事務室ではレイバがアウグスト・ロラと“会話”をしている。アウグスト・ロラは相変わらずの弁護士同伴。なかなか尻尾を出さない抜かりない男。

danger (11)の飛行機のチケットの半券の話がここで繋がる) 


ここで従業員がアウグスト・ロラを呼びに来た。

shadow フラビオ: マチューカの従業員; (danger この人はぶっちゃけチョイ役なのだけど、この人の顔をこのシーンで覚えておかないと直後のシーンで「???」ってことになっちゃう)


サントスは店内ではしゃぐラチーを見張っている。ラチーが店を出て行くのを追いかけるが、タイミングの悪いことにレイバに会ってしまい、話の相手をする間に見失った。「ちっきしょう……」と地団駄を踏んだが、そこで駐車場にいる一人の男に目を留める。

flair これがさっきの従業員、フラビオである。車が一台寄ってきてフラビオを拾って走り去る。サントスはあとを追って深夜の飲食店に入るわけです。


(14) 深夜の飲食店
すると殺害現場からただ一人逃がしてしまったあの「イケメン君」が店に来たではありませんか。

その後サントスは「イケメン君」の車を追って、とあるマンションまで来た。

「イケメン君」の部屋を「男」が訪れた。

翌朝、「イケメン君」と「男」が出て行く。サントスは後をつける。2人はバスターミナルで到着する白人男性を待っていた。

そしてショッピングセンターでサントスは三人を見失った。


(15) メリダ捜査官
shadow メリダ刑事: 中央情報局の捜査官(danger Unidad Central de Inteligencia Exteriorとのことだけど実在する機関の名称かどうかは知らない)

eye チャコン判事は、なぜ麻薬事件などを中央情報局が追うのかを質問する。メリダ捜査官は、「コロンビアマフィアとモロッコの急進的聖戦主義組織とが関係を深めていると、我々の情報屋が言うもので」「我々がマークしているのは、組織のリーダーの“セウティ”という男です」「しかしセウティはバルセロナに移動した後の足取りがわからなくなっています」。

チャコンはセウティとやらいう男の書類を送ってくれるようメリダに依頼。情報屋とも会いたいと告げるが、メリダは「それは……いろいろと難しい話なので、うちの部長と直接交渉してみてください」。


(16) 「イケメン君」のマンションに侵入してみるサントス
室内の引き出しを開けたりして物色している。


(17) shadow 中央情報局のオンティベロス部長
チャコンはメリダ捜査官から言われたとおり、その上司であるオンティベロスと密かに会う。と、ここへやって来たのが、ラチーである。情報局のタレコミ屋とはラチーだったのだ。

ラチーはアウグスト・ロラのことも知っているし、またセウティとも知り合い。「セウティはこわいやつですよ。宗教にいかれちまいました」。

「セウティとアウグスト・ロラを引き合わせたのはあなたなんですね?」「そうっすよ。ロラは新しいことを始めたがってたから紹介してやりました」

オンティベロスはチャコンに、「そちらが捜査している売春宿殺人事件はコロンビアマフィアの殺し屋のしわざでしょう。セウティは関係ないし、ましてや聖戦主義者ウンヌンはまるで関係ないでしょう。セウティはあなた方が追うべき人物とは思えませんな」という。


(18) とある夫婦のお宅を訪ねるサントス
実はこれは「イケメン君」の住むマンション一室の大家さん夫婦。さきほど(16)で「イケメン君」の部屋に侵入した時、サントスは引き出しを探っていたでしょ? あれで大家さんのことが判ったからこちらに来てみたのでしょう。

大家さん夫婦の娘さんが結婚した時にあのマンションをあげたのだそうだ。しかし娘さん夫婦は今はあそこに住んでいない。ロンドンにいるそうだ。サントスは娘さんとその夫の写真を手に取る。

(14)で見かけて、そして見失ったあの「男」が写っているではないか。

この夫という人物はアラブ人ではなくて、セウタ生れで、国籍はスペイン、ラバピエス地区の文化センターでアラビア語の講師をしていたというので、サントスはそのセンターの場所を聞く。


(19) レイバたちの捜査本部
殺害された用心棒のホテルの防犯カメラ映像(→ (11))を見るうち、レイバはそこに写る一人の男(danger これがサントスなんだけど)に目を留めた。

そして、売春宿の事務室の金庫などから採取された指紋の照合結果が届いた。若い男のものであった。これが「イケメン君」である。


(20) イスラムの文化センター。
さっき(18)で聞いたセンターまで来てみたサントスは、壁の写真に気づく。セリアの家にあったラチーの写真とおんなじ一枚である。(→ (8))

だからセリアに厳しく迫り、今度こそラチーの電話番号を聞き出した。


(21) 「イケメン君」のマンション。
レイバらは(19)で指紋があがった「イケメン君」の部屋を家宅捜索。「イケメン君」は真面目な学生。数人の若者とハウスシェア暮らしらしい。

チャコンのもとへオンティベロスがセウティの書類を届けに来た。一枚の写真に、セウティがスペイン人妻といっしょに写っている。

「この男の奥さんはマドリードの出身なんですね!? なぜそれをもっと早く言ってくださらなかったんですか!」と、オンティベロスに対して怒気まじりに問いかけるチャコンである。


(22) サントスは遂にラチーを見つける
サントスはついにラチーをつかまえた。セウティの居場所を聞き出そうとする。「知らないわけないよな。お前、一緒に写ってるじゃないか」。

「昔のことっすよ。サッカーやって、みんなで食事したりやつの家に行ったりしてただけで」とラチーが言うので、じゃあその家とやらに案内しろという流れになるわけです。


(23) 大家さんの奥さんふたたび
チャコンたちが事情を聞いています。さっき(21)の資料を見て、セウティの妻がマドリっ子だとわかったから、その親を呼び出したというわけね。

セウティのことをいろいろ尋ねていたら奥さんが「……でも、もうこないだの刑事さんにおなじことをお話ししましたよ…?」と言うので、チャコンとレイバは「???」となる。「刑事さんとは、いったいどこの誰のことでしょうか?」。


(24) セウティの家とやらを探して
(22)でラチーがセウティの家がどうのこうのと言ったので、サントスはラチーを連れてその家を探す。ラチーの記憶を頼りに、郊外にあるその家に辿り着いた。


(25) チャコンの事務室
レイバとチャコンの会話。


(26) トリブレテ通り 21番地
サントスは(5)(6)のトリブレテ通り 21番地まで再び来てみました。得意の不法侵入。建物内は雑然としている。

とりあえず近くのバルで飲んでいたら21番地から男たちがものを運び出していて、その中にセウティの姿をついに視認したのである。

サントスは彼らの車を追う。やがて一行は夜のアトーチャ駅に着いた。


………と、ざっとこんな感じです。ここまで来れば、残りの30分は何も見失わずに観られると思う。これでだいじょうぶ。

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Comments

じゃあもう一度キャスト解説

José Coronado ホセ・コロナード ... Santos Trinidad サントス・トリニダ
Rodolfo Sancho ロドルフォ・サントス ... Rodolfo ロドルフォ: 失踪人捜査課の相棒

Helena Miquel エレナ・ミケル ... Chacón チャコン判事
Juanjo Artero フアンホ・アルテロ ... Leiva レイバ
Elvira Cuadrupani エルビラ・クアドゥルパニ ... Secretaria Judicial: チャコン判事の秘書のアナ
Juan Carlos Villanueva ... Forense: 検屍官

Eduard Farelo エドゥアルド・ファレロ ... Cerdán 麻薬取締局のセルダン捜査官
Miguel de Lira ミゲル・デ・リラ ... Mérida 中央情報局のメリダ捜査官
Pedro Mari Sánchez ペドロ・マリ・サンチェス ... Ontiveros 中央情報局のオンティベロス部長; メリダの上司

Younes Bachir ... Rachid ラチー(ド): 情報屋; 裏社会とのつながりも濃いが、捜査機関各種と関係している
Nadia Casado ナディア・カサード ... Celia セリア: その元カノ


《コロンビア人のわるもんのみなさん》
Walter Gamberini ... Don Pedro Vargas ドン・ペドロ・バルガス: 殺害
Roberto Peralta ロベルト・ペラルタ ... Sicario 店の用心棒: 殺害
Lina Forero リナ・フォレロ ... Madame 売春宿のマダム: 殺害

Juan Pablo Shuck ... Augusto Lora アウグスト・ロラ: “実業家”; 前科もち; なかなか尻尾を出さない


《イスラムのわるもんのみなさん》
Karim El-Kerem ... Joven Guapo イケメン; 殺害現場から唯一逃走
Abdel Ali El Aziz ... Ceutí “セウティ”


《わるもん周辺のみなさん》
Chema Ruiz ... Abogado Lora: ロラのお抱えの弁護士
Ricardo Dávila リカルド・ダビラ ... Flavio フラビオ: ロラ経営のナイトクラブの従業員

Héctor Claramunt ... Tipo Rubio: (14)の場面でバスステーションに到着し、その後ショッピングセンターで姿を消した金髪白人


《その他》
María Jesús Hoyos ... Mujer Delgada: “イケメン君”の住むマンションの大家さんで、“セウティ”の姑
Miguel Guardiola ... Hombre Mayor: その夫; “セウティ”の舅

José Juan Rodríguez ... Obrero Cubano: キューバ人労働者; 殺害直後のサントスとすれ違った

Christian Esquivel ... Camarero Joven: 最初の最初のシーンでサントスが飲んだくれているバルの若いウェイター
José Cantero ... Camarero Anciano: 同じく、年配のウェイター

Julio Perillán ... Tipo Esbelto: クラブのトイレで女といちゃいちゃしようと思ったがサントスから「ラチーを知ってるか」と質問された

Bernabé Fernández ... Poli Joven Uniformado: 警官のいっぱいいるバルでサントスに「ホセ・バスケスの息子です」と話しかけてきた若い警官; 父親はサントスのことを尊敬していてよく話して聞かせてくれたのだと。自分も「Grupo」に志願しているところです。(→GEO)  「その節はたいへん残念なことで……」「なあ、俺に会ったことは親父さんに黙っていてくれないか」

Posted by: Reine | Sunday, September 09, 2012 at 19:54

語句メモ

・殺害された用心棒を演じたのはこの人か⇒Roberto Peralta - DECARA

・セリアはサントスの前でもドラッグを始める
→・caballo: 7. m. coloq. heroína2.

・¿Quieres hacerte un chino?
→・chino: 6 (argot) Heroína que se quema sobre papel de plata y se inhala.
酒井法ピーの言うところの「あぶり」とかのことだね。

key この時にヘロインを吸う準備をするのにセリアがCDケースの上で作業する。ロドルフォはサントスの車からそのCDケースを見つけた時に、ちょっとくっついていた粉に気づきます。


・事件被害者の家族に電話で知らせるという気の重い役割を「今度はあんたがやってくださいよ」とサントスに言ってあったのにサントスがすっぽかしたものだから、「結局俺が電話かけなきゃいけなかったよ。Estoy hasta los huevos de comerme todos los marrones.」

→・comerse [tragarse] alguien el [un] marrón: 2. frs. coloqs. apechugar (= cargar con alguna obligación ingrata).

・estupefaciente: 麻薬, 幻覚剤

・sobreseer: 3. intr. Der. Cesar en una instrucción sumarial y, por ext., dejar sin curso ulterior un procedimiento. U. t. c. tr. 打ち切る, 棄却する

・recurso: 上告, 再審請求; 嘆願書, 陳情書

・cursar: 《書類などの》手続きをする 

・al tanto: 1. loc. adj. Al corriente de, enterado. Estar, poner, quedar al tanto.


・(20)の場面で、セリアの家に行き、今度こそラチーの電話番号を教えろよ、ガタガタ言うんじゃねえぞと厳しく言う。

→・historia: 6 (inf.; gralm. pl.) ※Chisme, infundio o ※lío:
例) "No me vengas con historias".


・(26)の場面でサントスが時間を潰しに入ったバルは ⇒ Calle de Trinbulete, 25のla penultima en lavapies


・Se me encasquillo el arma. Al volver a montarla, se disparo.
→・encasquillarse: 〈銃身に〉弾丸が詰まる, 不発に終わる.

・ショッピングセンターはISLAZUL :: Centro Comercial y de Ocio


・上では書いてない終盤のシーンで、サントスの過去が述べられます。サントスは若い頃は同期のトップを行くなど華々しい活躍をし、表彰されること多数。Grupo Especial de Operaciones (G.E.O.; 反テロ組織の特殊作戦部隊)にもいた
Página oficial de la DGP-G.E.O

(Cf. 『Celda 211 / プリズン211 [スペイン映画]: Cabina』で突入していた部隊ね) 


・だからバルでサントスを尊敬する若い制服警官が「僕もGrupoに志願してるんですよ」と言ったのはGEOのことだと思うよ。

Posted by: Reine | Sunday, September 09, 2012 at 20:23

それでここからは答えの無い、私の妄想ですが:

danger ここから先は鑑賞後の方がいいかもね。他人の解釈って鑑賞前に目に入れない方がいいと私は思うので danger


サントスの過去、特に在コロンビアのスペイン大使館に赴任していた時代のことは、長い時間をかけて描かれてはいないけど、鍵はそこなのだよね。

あそこで何があったのか。
なぜそれを境にサントスはまるで別人のように荒んで酒に溺れてしまったのか。

それについては答えは無いので、観客は勝手に想像していいと思う。

銃の暴発で同僚に重傷を負わせてしまったと言うが、それは暴発ではなかったのだろうよ。サントスはその同僚を殺すつもりで撃ったと思う。あるいは逆に殺されそうになったから咄嗟に撃ってしまったか。

とにかくコロンビア勤務時代、同僚の間で不正が横行していた。

そしてサントスはその裏にコロンビアの麻薬組織が跋扈していることはもちろん知っていたでしょう。自分の同僚をどんどん腐敗させていった奴らへ憎悪を抱いていたかもしれないし、同僚を壊してしまったこと、and/or 自分の誇りを死なせてしまったことに関し、恨み骨髄に徹すという状態でこの数年ボロボロになって生きてきたのかもしれない。

そしてサントスはコロンビア時代のその、なんだかわからないけどその出来事の黒幕がドン・ペドロ・バルガスだったのは知っていたのではないのかね。わかってはいたが、当時も、そして今までも手の出しようが無かったし、もう二度と捕まえることはできないと思っていた、と。

ちなみに“暴発”事件があったのは2003年で、ドン・ペドロ・バルガスがスペインに移ってきたのも同じ年だよね。


あの夜、彼はついにソイツを見つけたんだよ。

町外れで立ち小便をしている時に売春宿のネオンが目に入ったでしょ。あの店名、あのネオン、ドン・ペドロ・バルガスがコロンビア時代からおんなじものを使っていたとしたら?

そうやって妄想して見ると、立ち小便をしていてネオンが見えた時のサントスの表情の変わり方が実に興味深い。

サントスは売春宿に入っていく。ドン・ペドロ・バルガスが出てきた。その時、サントスは相手の顔を凝視して確認してはいないかね? かなり長く見てるよ。世界中探し回った宿敵にやっと再会した、っていう顔をしてると思うよ。

だからドン・ペドロ・バルガスに肩を触られた瞬間に、何年も燃やし続けてきた闘志というか憎悪というか殺意というかが暴発してあんなことになったんだよ。

私はそう思う。


サントスがあんなに突発的に3人を射殺してしまったのは、なにも彼がそこまで泥酔していたからというのではないし、頭がオカシイ「キレる中年」だからではないでしょう。

また、最初から何もかも(コロンビアマフィアとイスラム過激派が提携しているというカラクリまで何もかも)わかってあの売春宿に入っていって最初っから騒ぎの一つでも起こすつもりだった、とは私は思わない。

ドン・ペドロ・バルガスの顔面を叩きつけてしまったのは長年精神を苦しめられた宿敵に偶然出会って、積年の恨みが爆発してしまった結果で、そこからの3名の殺戮は「流れで必然的に」だったのだと思う。

その証拠に、というわけではないが、殺害現場の片づけをして車に戻った時に、彼はハンドルを力任せに殴りつけて後悔の念にうちのめされているでしょう。

あれは「冷静になればもっといい方法があったはずなのに」「奴らへの怨みを抑えられなかった」という後悔だったと思う。

すべてのきっかけとなった売春宿殺害事件の動機はこういうことだったのではないかね。


そして唯一の目撃者がイスラム系だったことに不穏なものを直感しつつ、その若者を追い、じきにコロンビアマフィアとイスラムの聖戦主義者とのつながりに気づいて、そちら方面の捜査を進めていけたのは、それはやはり彼が優秀な捜査官だったから。ではないですか。

「やっべえ、殺したところ見られちゃった、あのイケメン、消さなきゃ」っていうだけでイケメン君を追っていたのではないと思うんだよ。

Posted by: Reine | Sunday, September 09, 2012 at 21:14

(21)の場面で、

>「この男の奥さんはマドリードの出身なんですね!? なぜそれをもっと早く言ってくださらなかったんですか!」と、オンティベロスに対して怒気まじりに問いかけるチャコンである。

というクダリがあったが、そういう、捜査機関の秘密主義・縄張り意識の描写とか、縦割り行政批判っぽさが面白かった。

そして、もしかしてもしかするとこの作品は、各種捜査機関の連携が万全だったならば2004年の列車テロだって未然に防げたかもしれないんじゃないの?っていう問いかけをしているのかなと思った。


※「縄張り意識問題」はこのシーンのみならず、ところどころで描かれています。特にチャコン判事がそれに直面してじれったい思いをしていたという印象。(←これは男の業界において上に立つことになった若いエリート女性の立場の難しさをも描いていたのだと思うけど)

Posted by: Reine | Monday, September 10, 2012 at 09:35

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