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Wednesday, May 04, 2011

Yo, también [スペイン映画]

Yo tambienおはなし
ダニエルは34歳。セビーリャっ子の彼は、ヨーロッパにおいては大学の学位を取得した最初のダウン症者である。障害者支援の機関で働き始めた彼は職場の同僚ラウラに惹かれる。二人の友達づきあいが深まると、職場や私生活で注目を集めるようになるのに時間は掛からなかった。ダニエルはラウラに恋愛感情を抱くようになるが、それがラウラを当惑させる。

ラウラは孤独で、常識などかなぐり捨てているようにもみえる女だったが、これまでの人生で誰からも感じ得なかった愛情や友情をダニエルの中に見いだすのだった。

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆


Premios Goya 2010: candidatos / 第24回ゴヤ賞ノミネート作品。ダウン症候群の成人の性を描く。

一方、“健常者”という人々の心の陰の部分も映し出す。果たしてそこに温かい光が注ぐ時が来るのかどうか。観客はそれもまた見守ることになる。

意欲的にテーマに取り組んだと思う。高く評価されたことだろう。

面白いがやや冗長で散漫かな。もう少しつまむことは可能だったと思う。映画作品としての“粗”があったにせよ、ダニエルを演じたパブロ・ピネーダという人自身の存在が放つ力が強いので無事にエンディングまで漕ぎ着けたように思う。

それから私は前からローラ・ドゥエニャスの演技はいいんだか悪いんだかよくわからなくてただただ困っていたのだけど、今回もその悩みは継続です。ただ、彼女はこの作品の出演で―――『アレクサンドリア』のレイチェル・ワイズと競った上で―――ゴヤ賞主演女優賞を獲りました

...。oо○**○оo。...。oо○**○оo。...。oо○**○оo。


YO, TAMBIÉN | Una película de Álvaro Pastor y Antonio Naharro 公式
Yo, también (2009) - IMDb
英題: Me too

監督・脚本: Antonio Naharro アントニオ・ナアーロ  Álvaro Pastor アルバロ・パストール

出演:
Lola Dueñas ローラ・ドゥエニャス ... Laura Valiente ラウラ

Pablo Pineda パブロ・ピネーダ ... Daniel ダニエル
Isabel García Lorca ... Mª Ángeles マリア・アンヘレス: ダニエルの母
Pedro Álvarez-Ossorio ... Bernabé ベルナベー: ダニエルの父

Antonio Naharro(監督自身) ... Santi サンティ: ダニエルの兄 
María Bravo ... Reyes レジェス: その嫁

サンティとレジェスが(知的)障害を持つ人のためのダンスのワークショップなどを運営しているが、モデルとなっているのはこの学校だろう: Escuela de Danza --- DANZA MOBILE ---

Daniel Parejo ... Pedro ペドロ: ダンススクールに入った子
Ana Peregrina ... Encarni エンカルニ: その姉だったかな

Lourdes Naharro ... Luisa ルイサ: ダンススクールの子
Catalina Lladó ... Pilar ピラール: ルイサのお母さん

Ramiro Alonso ... Quique Valiente キケ: ラウラの長兄
Susana Monje ... Nuria Valiente ヌリア: その嫁
Peio Arzak ... Miguel Valiente ミゲル: ラウラの次兄


アントニオ・ナアーロが脚本も書いて監督もしてここに出演もしているとなると、それじゃあ身内にきっとダウン症の人がいるんだろうなと思ったらやっぱりそうだった。これを書いていてわかったが、ルイサを演じたのがナアーロ監督の実妹だった。(⇒ ここに書いてある: YO, TAMBIÉN. Equipo técnico. Los directores | Una película de Álvaro Pastor y Antonio Naharro

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Comments

語句メモなど

・聞き取りは難しいよ。「ダウン症の特徴として、口蓋が狭いんだ」とダニエルが説明していたけれども、ダニエルたちダウン症の人たちの喋りは聞き取りづらい。

・それとアンダルシア訛りが強いかも。強調されすぎてるんじゃないかと微苦笑が浮かぶほど。慣れていない人はSの気息音化などにはじめは戸惑うかも。

・ラウラはマドリードにうんざりしたからセビーリャにやってきた、という設定。これは『7 vírgenes / 7人のバージン [スペイン映画]: Cabina』の時のタノ(フアン・ホセ・バジェスタ)と同じ理由だったんじゃないか。つまりラウラを演ずるローラ・ドゥエニャスではアンダルシア訛りをそれらしく発音できなかったからじゃないかな?

Notas: 7 Virgenes / 『7人のバージン』メモ: Cabina


・venir: 8 prnl. Con "abajo" o expresiones como "al suelo" o "a tierra", ※caerse o ※hundirse una cosa. Con "abajo", abatirse por completo una persona. ※Frustrarse o ※malograrse una cosa:
例) Se vinieron al suelo nuestros planes.

・caña:
7. f. Vaso de forma cilíndrica o ligeramente cónica, alto y estrecho, que se usa para beber vino o cerveza.
8. f. Vaso de otra forma para cerveza.
9. f. Líquido contenido en este va


・ルイサの家(スイーツ店)を訪れるシーンがある
Confiteria E. Filella


・家出した人を捜して安宿街に辿り着くシーン。
Archeros通りがうつる。ああ、そうだよ、覚えがあるよ。私の最初の最初のスペインの思い出は細い細いその通りだ

(⇒ Mi primer viaje 初めての旅行 [第1章] 準備~リスボン danger その通りの宿に辿り着くまでの長い物語がたいへんだけど)

Posted by: Reine | Wednesday, May 04, 2011 at 23:03

・ダニエルの両親のやりとりなんか、けっこう面白い。母親が「なんだってとりあえず“普通”の若い女がうちのダニエルに興味なんか持つのかしら」とか言う。

・身近な人からダニエルに向けられた言葉は、きつく見えようがやはり真実でもあると思う。

例)「Ninguna mujer con 46 cromosomas se va a enamorar de ti. 染色体が46本ある女がお前に惚れるなんてことは絶対にない」

例)「No me hagas más sentir culpable por tener lo que tengo. 俺がいろんなものを持っているからって言ったって、それを理由にこれ以上俺に罪悪感を感じさせるようなことはやめてくれ。 No me pienso sentir mal por tener lo que tengo. 俺は自分に何も欠けていないからといって自分を責めるつもりは毛頭無いんだ 」


・セリフは面白い。ルイサと母親ピラールの会話なんかリアリティがあった。ピラールを演じているのがひょっとしてルイサを演じている子の実母なのかしら(つまりナアーロ監督の実母ということになるが)?と思ったくらいだった。

(⇒ 実際は違います。お母さん役のカタリナ・リャドーはジローナのサールト出身の女優さんだそうだ。El Punt - Notícia: La saltenca Catalina Lladó interpreta la mare d'una noia amb síndrome de Down en el guardonat film «Yo también»-91451


・ダニエルはエロ動画を「Apuntes Facultad (学科のメモ)」というフォルダ辺りに隠してある

・コピー機の場所をダニエルが聞く。障害者支援施設で働いているのだからラウラだってわかってはいるだろうに、わかってはいてもついついまるで幼児に説明するかのような口調になってしまっている。

・ダニエルがPCの操作で困っているとラウラが教えてくれる。「これはすごく簡単。馬鹿でもできちゃうの」と言ってしまうが即座に「その……“私でも”ってこと。私、馬鹿だけど、ってこと!」と繋げる。

・ローラ・ドゥエニャスの肉体がたるっとしててぶよっとしていて生々しい。あと酔っぱらって帰宅した時の顔がリアルだと思う。


・ダニエルがダウン症の特徴を話しているとラウラが口を挟む。「どうしてあなたは、そのぉ……頭がいいのかな」とラウラが尋ねる。「僕の場合は小さい頃からお母さんがたくさんしゃべってくれたから。歴史だ、政治だと、なんでも質問してきて僕はそれに答えてた。自分の話すことをどうも僕が理解しているみたいだって、お母さんが僕を上の学校にやろうって決心したんだよ」

これが“ダニエル”役のパブロ・ピネーダの家庭で実際に行われていたことなのかどうかはまだ調べていないのでわからない。

この辺になにか書いてあるかどうか
↓↓↓
minusval2000/Relaciones/Experiencias/PABLO PINEDA.- Entrevista

Pablo Pineda

Paso a Paso. Discapacidad: información y orientación - Pablo Pineda: "Ver un síndrome de Down besando en la calle sigue provocando un escándalo"

・PDFファイル hay_que_luchar.pdf

・インタビュー音声
Audio: Entrevista a Pablo Pineda, en La Ventana en CADENASER.com

Posted by: Reine | Wednesday, May 04, 2011 at 23:31

出演者 つづき

Joaquín Perles ... Pepe ペペ: 同僚
Teresa Arbolí ... Rocío ロシオ: 同僚
Ana De los Riscos ... Macarena マカレナ: 同僚
Ana González Madrigal ... Estrella エストレーリャ: 同僚

Consuelo Trujillo ... Consuelo コンスエロ: 福祉局(Consejería de Igualdad y Bienestar Social)から派遣されてきた人
Juan Motilla ... Hombre del bar 昼間バルで出会ったおっさん

Posted by: Reine | Wednesday, May 04, 2011 at 23:36

あと一つ言い忘れた。

たびたび言ってきたことだけど、(最近の)スペイン映画の音楽の使い方・挿れ方、私、ほんとうに受け付けないわ。大味すぎる。

ストーリーに入り込もうとしていたこちらの気持ちが音楽(歌)によってしょっちゅう断ち切られるのがたいへん煩わしい。

スペイン映画はもう音楽を間に挟むことをいっさいやめてみたらどうか。ビジネス的なしがらみかなにかで入れなきゃしょうがなくて入れてるのかもしれないけど。

Posted by: Reine | Thursday, May 05, 2011 at 10:25

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