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Tuesday, May 03, 2011

Pa negre / ブラック・ブレッド / Pan negro / Black Bread [スペイン映画]

Pa Negreおはなし
1944年。内戦終結から5年後のカタルーニャでの出来事である。

ディオニス・セギーという男が無残な死を遂げた。幼い息子のクレットを乗せた幌馬車ごと崖から落ちたのだ。アンドレウ少年が駆けつけた時、クレットは虫の息だった。

事故の目撃者としてアンドレウは父親のファリオルに付き添われ事情聴取に応じた。

「君が見つけた時あの子はまだ生きていたんだって? 何か言わなかったかい?」
「最期にピトゥリウアって言ったと思います」

「君はなんのことだと思った?」
「ピトゥリウアっていう名前の鳥がいるんです。小さくておとなしいの」

「他には?」
「バウマスの洞穴にピトゥリウアっていう怪物が住んでるんだってみんなは言っています」


官憲はディオニスは事故死したのではなく殺害されたのではないかと疑っている。そして村長はその罪をファリオルにかぶせたがっているのだ。「“赤”なんぞは粛清しなければな」。

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆


この2月に発表されたPremios Goya 2011: palmareses / 第25回ゴヤ賞ではこの作品が一人勝ちだったので、昨年のDONOSTIA ZINEMALDIA / 58 FESTIVAL DE SAN SEBASTIÁN / 第58回 サン・セバスティアン国際映画祭で日程が合わずついに観られなかったことが残念でならなかった。

友人からも強く薦められ観てみました。(本当は3月中にはUPするはずだったのだが、震災により延ばし延ばしになっていた)


強い印象を残す作品だと思う。いろんな映画祭で受賞しまくったことも頷ける「いい作品」。だけど厳しく重い作品。そういう理由でもって私はこれを「あまり好きではない」と言っておこう。私はもともと映画はくすくすにやにや笑うために観たいから。

前半に『Secretos del Corazón / Secrets of Heart [スペイン映画]』を連想させるポイントがたびたびあったので、『Pa Negre』はたしかに重苦しい作風ではあるけれども少しはほんわかできるシーンでも待ち受けてくれるのかもしれないなどと期待もした。しかし結局『El Laberinto del Fauno / Pan's Labyrinth / パンズ・ラビリンス』並みの緊張感を保って進む作品だった。

そうだね、これは暗くて黒い“心の秘密(secretos del corazón)”だ。



ある作品をいいと思うということと、じゃあそれが好きかどうかっていうのは、また別の話。これはいい作品ですよ。観る価値のある作品。機会があったら迷わず観たらいいと思います。


DVDを回して一回目、暗部を見つめ過ぎた子供の中に魔物が巣くい、やがてその子自身が怪物と成っていく様が薄ら寒かった。もう普通のヒトではいられないであろうその子の行く末を思って、しかしそんな子供があの当時のスペインに何千、何万いたのだろうと考え、ため息をついて目を閉じた。

2回目の鑑賞の前に公式サイトを見たら「les mentides dels grans crien petits monstres = las mentiras de los adultos crían pequeños monstruos」とあった。「大人の嘘は小さな化け物を育てるのだ」と。


(続きはコメント欄で)


撮影はだいたいこの地域だったのかなと思うけど確信なし。(⇒ PA NEGRE (PAN NEGRO) - ZINEMAにロケ地は書いてある)

Ver Pa Negre / Pan Negro en un mapa más grande

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Comments

Pan negro - Pa negre公式
映画「ブラック・ブレッド」2012年初夏、銀座テアトルシネマ、ヒューマントラストシネマ渋谷他全国順次ロードショー

直訳: 黒いパン
英題: Black Bread
Pa negre (2010) - IMDb

監督・脚本: Agustí Villaronga アグスティ・ビリャロンガ
原作: Emili Teixidor

出演:
Francesc Colomer フランセスク・コロメール ... Andreu アンドレウ: 少年
Nora Navas ノラ・ナバス ... Florència フロレンシア: 母


shadow Roger Casamajor ルジェール・カザマジョール ... Farriol ファリオル: 父
フロレンシアはアンドレウに語りかける:
「お父さんは一生を畑仕事で終わりたくないって夜間学校に通ったんだよ。勉強したくてね。お前みたいにさ。お医者さんになりたかったんだって。でもそこで革命思想の先生に当たっちまった。それで左翼の政党に入ったら、途端に村八分だよ。どうしようもなくなってうちは肉屋を閉めることになった。それからはディオニスと組んじゃぁ少しだけ金を稼いできてさ。鳥の鳴き声コンクールなんかに熱中しだしたのもその頃だ」


Marina Comas マリナ・コマス ... Núria ヌリア: 従姉; 父親フォンソはフランスに行っている
Jordi Pla ... Quirze: 従兄; シオーおばの息子

Lluïsa Castell ... Ció シオー: おば; 未亡人
Marina Gatell ... Enriqueta エンリケタ: 未婚のおば; 自転車で村を駆け回っている; 村のグディオルという寡男(やもお)から言い寄られたりしている


shadow Elisa Crehuet ... Àvia: おばあちゃん
「まずベルナルドが死んで、次がシオー、お前の亭主だ。そしてフォンソはフランスに行ったきりだというのにたった一人残った息子のファリオルまでがいなくなってしまう」

⇒ ベルナルドっていうのはおばあちゃんの夫のことだろうか。
⇒ シオーはおばあちゃんの実の娘。つまりファリオルやエンリケタの姉。だろう。
⇒ フォンソはフランスに行った息子で、ヌリアの父親


Mercè Arànega ... Sra. Manubens 地域の有力者、マヌベンス夫人; ペレという兄が一人いた

Andrés Herrera アンドレス・エレーラ ... Dionis Seguí ディオニス・セギー
Laia Marull ライア・マルール ... Pauleta パウレタ: その未亡人; クレット少年の母

Eduard Fernández エドゥアルド・フェルナンデス ... Mestre: ヌリアたちの学校の先生
Sergi López セルジ・ロペス ... Alcalde 村長

Joan Carles Suau ... Pitorliua ピトゥリウア

Lázaro Mur ... 森の川でアンドレウが見かけた青年

Posted by: Reine | Tuesday, May 03, 2011 at 23:46

子供たちの寝る前におばあちゃんが語るおとぎ話:
「そしてその子がお城の奥に辿り着いた頃には辺りは真っ暗でした。突然白いフクロウが目の前をばさばさっと飛んでいきました。遠くからみんなの声が聞こえてきます。人々は鐘を鳴らしながら近付いてくるのです。灯りも見えてきました。とてもおそろしくなりました。なぜって殺されることがわかったからね。……どうしてみんながその子を殺したかったのかわかるかい?」

―――怪物だったから!

「“違った”からなんだよ」

―――女の子を食べてしまったから!

「そうとも言えるけど、やっぱり“違う”からだったんだよ」

Posted by: Reine | Tuesday, May 03, 2011 at 23:49

語句メモ: スペイン語吹替版を観た。カタラン版は時々発音を比べるのに観たくらい。演じた俳優自身がスペイン語吹替をしているはずなので、「スペイン語吹替版」といっても不自然な声優声ではないです。非常にナチュラル。

それで、そのスペイン語版ですが、どうかな、ヒアリングは簡単な方ではないかも。概ね聞き取りやすいけど、激昂したところやひそひそ声の箇所は聞き取りづらいと思う。

聞き取りやすさの例としてはこんなセリフなんかがくっきり聞こえます:
↓↓↓↓
・Cuando tu madre te llevaba en el vientre, tenían que haberla echado a los cerdos para que se la comieran viva. あんたが腹ん中にいた時にあんたの母親を生きたまま豚に喰わせるべきだったんだよ


・Quien la hace, la paga.

Vae victis - Wikipedia, la enciclopedia libre

・meneársela: masturbarse el hombre


・mandanga:
1 (inf.) f. Cualidad del que no se apresura ni se intranquiliza aunque las circunstancias sean para ello. Calma, ※flema, pachorra, tranquilidad.
3 (inf.; pl.) Tonterías, cuentos:
例) No me vengas con mandangas.


・boicot: 1. m. boicoteo
→・boicoteo.
→・boicotear: 1. tr. Excluir a una persona o a una entidad de alguna relación social o comercial para perjudicarla y obligarla a ceder en lo que de ella se exige.


・Corpus Christi: 聖体の祝日

・arcángel: 1. m. Rel. Espíritu bienaventurado, de orden medio entre los ángeles y los principados. 大天使

・exequias: 1. f. pl. Honras fúnebres.

赤砂糖 とは - コトバンク

Posted by: Reine | Wednesday, May 04, 2011 at 00:02

・時は1944年だと冒頭に書いたのは、一つは墓石から読み取ったもの、もう一つは刑務所の中のカレンダーが1944年10月だったから。

・「Baumesの洞穴にPitorliuaっていう怪物が住んでるんだってみんな言ってます」

その洞穴っていうのはここなのかなと思うけど確信なし
Vía Ferrata de Centelles o Ferrata de les Baumes Corcades

・baumesっていうのは別に固有名詞じゃないのかも? 英語字幕はThey say in the Baumes cave there's like a ghost called Pitorliua.だからやっぱり固有名詞のような気がするが。カタランはよくわからない。この作品で苦労したのは一つのことをググりたくても「pa negre」と「pan negro」の二通りを検索しなければいけなかった点。


danger 今から書く二点はストーリーに触れてるかも danger

↓↓↓

・事情聴取のあと別室でおやつをもらうアンドレ。パンに手を伸ばそうとした時に、「白いパンはあんたのじゃないんだよ! 他のにしな」と叱りつけられる。

・村長に食ってかかる:
「黒パンと赤砂糖。何時間も並ばなきゃならない配給の帳面。あんたたちがくれたものってそれだけじゃないか。魂も徳も何にもこもっていないパンだよ。死んだパンさ。死んでるんだよ。あたし達みんなみたいに。馬鹿馬鹿しい戦争であたし達みんな殺されたんだよ」

Posted by: Reine | Wednesday, May 04, 2011 at 00:18

あとは、まあ、個人的にメモしたいPDFファイルなど:

Productividad, costes y eficiencia en la industria textil algodonera catalana, 1840-1930. ¿Qué nos enseñan las empresas?


Revolución industrial
> La industria se limitó a dos focos periféricos: la industria textil catalana y, desde finales de siglo, la siderurgia vasca. Pero ambas industrias eran poco competitivas en el exterior, lo que obligaba a seguir una política proteccionista para que pudieran abastecer al menos al mercado interior.


Temas_Historia_de_España.pdf

近現代のカタルーニャ(資料)――19世紀、カタルーニャの繊維工業――

Posted by: Reine | Wednesday, May 04, 2011 at 00:49

(以下、太字やアラビア数字、改行なんかは私)

bookスペイン学を学ぶ人のために

第6章 フランコからユーロランドへ
1 フランコ時代―――1975年まで

……略……内戦終結後の39年5月、国際連盟を脱退したスペインは55年末に国際連合に加盟するが、それ以前の46年には独裁政権国家であるとして国連で排斥されたこともあり、内戦で生まれた二つのスペインのうちの敗者側を抑圧することでフランコは独裁国家を成立させていた。……略……


bookスペインハンドブック

(前にも書いたことあると思うけど)第2章 歴史

内戦による人命の犠牲に関しては正確な数字が得られていないが,信憑性のある最近の研究によれば以下の通りである.

戦闘による死者 ――― 285,000
空襲による死者 ――― 10,000
内戦中の栄養不足による死者 ――― 50,000
共和国側のテロ犠牲者 ――― 20,000
フランコ側のテロ犠牲者 ――― 200,000
内戦後(1939-43)の処刑者と獄中死亡者 ――― 200,000

総計 ――― 765,000


book 同じく『スペインハンドブック

§3. フランコ時代(1939~1975)
1)フランコ体制の成立

……略……内戦中に作り上げられたフランコ体制は全国に拡大した.新体制の社会的基盤が地主・資本家などの支配階級であったことは言うまでもない.土地所有は旧に復し,南部の大土地所有と北部の零細的土地所有が温存された.

1972年の段階でも1%未満の土地所有者が土地の53%を所有している.それに対して5ヘクタール以下の土地所有者は全体の92%で,土地の10.5%を占めるにすぎない.

一方,労働者はストライキ権を剥奪され,御用組合(垂直的組合理念に基づく)に強制加入させられた.

だが新体制は,秩序と平和を望む広汎な中産階級や保守的カトリック農民の共感を受けていた.

これらの社会的基盤と共に新体制は軍隊,新ファランヘ党,教会という3つの基本的柱に支えられていた.そして伝統的諸勢力,右翼諸勢力の連合によるフランコ政権は,反共主義・反自由主義(国際的孤立後に一定の民主的権利は復活するが)を国是としてそれら諸派の均衡を保ちながら約40年にわたって存続する.……略……
・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆


pencil ファリオルが言い放ったセリフ: Nada de curas. Son unos chupasangres y unos traidores.

Posted by: Reine | Wednesday, May 04, 2011 at 09:36

bookスペイン現代史―模索と挑戦の120年

引き裂かれるスペイン人―――フランコ体制の成立

内戦によるスペイン人の死者の確定は難しいが、次の数字が挙げられる。

戦闘と爆撃によるもの ――― 21~30万人
弾圧と処刑 ――― 11~15万人
栄養不良 ――― 約2万5千忍
戦後の処刑 ――― 10~20万人

さらに公式発表でも1939年末に27万の収監者がおり、収容所や労働部隊には別に10万人以上がいた。……略……

……略……内戦中に少しずつ形成されて来たフランコ体制は、いまや勝者として振る舞った。共和国を完全に清算するため、すでに内戦中に始まっていた共和制の撤回(農地の旧所有者への返還など)や革命の清算(集産体の解体や接収された資産の返還)が進められ、……略……

……略……

……略……実際に、反乱は19世紀風の内乱として始まったが、内戦となるに及んで、20世紀のこの時代には内外の軍事力・経済力・人力を可能な限り動員し、相手を徹底的にたたきのめす総力戦・組織戦となった。それは一つの社会をほぼ崩壊させるほどのものになった。

内戦後、スペインの町や村の入り口にはファランヘ党章が飾られた。しかし、公の場合以外では内戦のことが人々の間で話されることは少なかった。フランコ体制が大きな血の犠牲のうえに成り立ったことを目のあたりにしたからである。敗者に身か心を寄せていた人々は常に傷を思い起こし、勝者に与した人でも何らかの傷に触れまいとする動機が働いた

Posted by: Reine | Wednesday, May 04, 2011 at 09:53

book ひきつづき『スペイン現代史―模索と挑戦の120年』

社会システムの全体像
●教会について

フランコ体制派の「認知者」たる教会……略……

教会は1939年から60年代初めまで国家と緊密な関係にあった。だがそれ以降は、国家に対して自立性を強めつつ批判的な立場を採ろうとして、奥深い変化を見せはじめる。

とはいえ、フランコ体制を強化するうえで、教会が果たした役割は決定的に重要であった。同時に教会は、フランコ体制の側から重要な部分で巧みに操られたのも確かである……略……。


1939年~73年の反体制運動
……略……実際、真の反体制勢力としては、長い間ほとんど「共産党」しかなかった。1940年代後半に共産党は「国民連合 ウニオン・ナショナル」を提唱した。そして実際1944年には、ピレネー南麓のアラン渓谷で武力闘争のわずかな予行演習をした後、国内でゲリラ・グループを組織して重大な直接行動を展開した。しかし……略……1952年には事実上失敗した。


3 ねばり強かったフランコ体制
フランコ体制を長期間ねばり強く存続させた理由のひとつは、すでに見たように反体制勢力が一致団結できなかった点にある。……略……

……略……内戦が終わった後も1945年まで、大量の処刑が行われた。……略……逸材流出によるスペイン社会の「空白」は至る所で実に大きかった。大多数のスペイン人が長期にわたる飢餓と苦難の停滞期(1939~51年)を経験したのも……略……

……略……投獄もまた大量に行われ……略……。対象は「政治犯」で、政治的意見や組合活動が咎められた。フランコ体制は内戦終結後、みずからとその支持者(勝ち組)全員に、1939年9月23日付の法律 ――― 「人民戦線に対する聖なる蜂起に駆り立てた理想を護る」ために行動した人びとの罪は、すべて不問に付す―――によって、最も広範な「特赦」を与えた。……略……

Posted by: Reine | Wednesday, May 04, 2011 at 10:08

book PDF Lectura_10_La_homosexualidad_en_Espana.pdf
個人の尊重が意識されるようになってようやく1822年にはスペイン刑法から「同性愛」の項目が削除された。困難も多い道のりでゆっくりとではあったが同性愛を受け容れようという気運はあった。しかしその歩みもまた内戦とその後のフランコ体制によって一度は断たれることとなった。その時代には同性愛者は「violeta」と呼ばれ、烈しい弾圧を受けた。フランコ体制が終わり、同性愛を受容しようという動きは復活した。しかしながらホモフォビアはスペイン社会において今でも無視できない力を有している。

⇒ 『Redada de violetas/ Violet Raid』(「すみれ」の一斉検挙)

>スペインでは同性愛者は「罪人」と見なされ侮蔑や暴力、恥辱に耐えざるをえなかったが、それだけではなくフランコ体制下では国家による組織的弾圧の犠牲者となった。烙印を押され隔離され矯正され、あまっさえ、監獄や強制収容所としか言い様のない「教護区」に収容されたのだ。まずは《Ley de Vagos y Maleantes 怠け者とごろつき》法により、そして1970年以降は《Peligrosidad Social 社会にとっての危険》法によって。しかしこの忌まわしい歴史の一幕は現在に至るまで正直なところほとんど知られていない。

wikipediaですみませんが
Ley de vagos y maleantes - Wikipedia, la enciclopedia libre
Ley sobre peligrosidad y rehabilitación social - Wikipedia, la enciclopedia libre

Posted by: Reine | Wednesday, May 04, 2011 at 11:00

アリ・ババ39さんからコメントの原稿をいただいたのでまたこれからここにUPします。

今回のは、どうかな、たぶん未見の人は読まないでおいた方がいいと思う。作品を観てから、お手数ですがその時にもう一度ココから先を読みに来ていただいた方がいいと思います。

danger この先はいろいろストーリーに触れそうなこともあるかもしれないので danger

danger それじゃ始めますから

Posted by: Reine | Sunday, May 15, 2011 at 00:37

diamond ハネケの『白いリボン』スペイン版?
A: スペイン内戦をテーマにした映画は戦中戦後を問わず、特に民主主義移行期を通して繰り返し作られてきました。日本でも映画祭及び劇場公開を含めて字幕入りで見ることができるジャンルです。

B: ケン・ローチやギジェルモ・デル・トロのようにスペイン人以外の監督作品もあります。

A: 却ってそちらのほうが比較的早く公開されました。ローチの『大地と自由』(1995)、デル・トロの『デビルズ・バックボーン』(2001)と『パンズ・ラビリンス』(2006)など。

B: 勿論1975年までは反フランコ映画は難しかったわけですから、話題作がフランコ没後の1980~90年代に集中しているのは当然のことです。

A: 検閲の厳しかったフランコ体制下においても、反戦映画が作れることを証明したエリセの『ミツバチのささやき』(1973)を内戦ものに加えてもいいですね。ハイメ・チャバリの“Las bicicletas son para el verano”(「自転車は夏のために」)が1984年、私の贔屓監督ガルシア=ベルランガの“La vaquilla”は1985年です。

B: カルロス・サウラの『歌姫カルメーラ』(VHS)が1990年、ビセンテ・アランダの“Libertarias”(1996「無政府主義の女たち」)、ロングラン上映だったホセ・ルイス・クエルダの『蝶の舌』とフェルナンド・トルエバの『美しき虜』(DVD)は1998年です。

A: イマノル・ウリベの『キャロルの初恋』と、未公開ながら原作が翻訳されたことで話題になったダビド・トルエバの“Soldados de salamina”は2002年です。

Posted by: アリ・ババ39 | Sunday, May 15, 2011 at 00:38

B: さて、この「黒いパン」は、時代的には内戦終結後、舞台は都会から切り離されたカタルーニャの山村、子供の視点、痛みをともなうファンタスティックな要素、戦闘シーンの皆無などからテーストは『ミツバチのささやき』に重なっている感じです。

A: 時代背景が1944年スペインということで『パンズ・ラビリンス』を思い浮かべる人が多いようですが、どちらかと言うと私は『デビルズ・バックボーン』のほうでした。2011年ゴヤ賞一人占めだったせいか情報も豊富で、見る前から国も時代も異なるけれど、もしかしてミヒャエル・ハネケの『白いリボン』スペイン版じゃないかと想像していました。

B: 2009年カンヌ映画祭パルムドール受賞のドイツの合作映画のことですね。

A: 「黒いパン」のDVDのジャケ写の宣伝文「大人の嘘は小さなモンスターを生み出す」と、主人公の男の子アンドレウのこちらを射抜くような強い視線が、『白いリボン』に出てくる子供たちの視線にそっくりだったからです。結果的には予想は外れていなかったと思います。

B: あちらは第一次大戦前夜の北ドイツの静かな村が舞台でしたが。

A: 奇妙な事件の一つひとつは似ていないのに全体を見終わると、列挙した作品の中で一番近い印象を受けました。両方とも得体のしれない「魔物」の存在をひしひしと感じさせるのです。目指すテーマが普遍的なせいかもしれません。つまり、あちらもナチズムには一言も触れていないのに恐怖を覚え、こちらも見ただけではスペイン内戦がどんな戦争だったか分からないのに怖ろしくなりました。他の内戦映画と違うのは、本質的なテーマが違うからです。

Posted by: アリ・ババ39 | Sunday, May 15, 2011 at 00:39

diamond 錯綜しているプロットに当惑する

B: 本作は製作が2010年ということから将来的に公開も視野に入れ、ネタバレ的なコメントは差し控えないといけません。ビリャロンガ監督の長編第6作目になるようですが、第2作目『ムーンチャイルド:月の子ども』(“El nino de la luna”1989)が1992年に公開になっていますね。(映画 月の子ども - allcinema

A: 第4作目“El mar”(2000)が東京国際レズ&ゲイ映画祭2001「エル・マール:海と殉教」のタイトルで、さらに第5作目“Aro Tolbukhin: en la mente del asesino”(2002)もラテンビート映画祭2004で「アロ・トルブキン:殺人の記憶」の邦題で上映されました。

B: 寡作なわりには幸運な監督です。本作はゴヤ賞の主要な賞を浚いましたから、公開は別として字幕入り鑑賞の可能性有りですね。

A: ただ好き嫌いがはっきりする映画です。度肝を抜く冒頭の殺害シーンから「すわ、これはサスペンスか」と思わせ、しかし何も解決されないままファンタスティックな領域に入っていく。つづいて嘘や陰謀が蠢く大人の世界が子供の世界に割り込んできます。子供たちも否応なく内戦を引きずる「政治的寓話」に巻き込まれていくから見ていてシンドイ。

B: 政治的な視点を曖昧にしたのは、登場人物の抑圧の根源をシンボル化したいためかもしれない。

A: そう、登場人物のエモーションに焦点を当てていますね。ファンタジーのところでも子供の目を通すことで、森の神秘、謎めいた場所や人物の魅惑的な側面を描くにとどめ、神話的な領域に属しながら『パンズ・ラビリンス』のように妖精物語に飛躍しない。

B: 最後までリアリズム路線を崩さない。重要なのは、いわゆる内戦の勝ち組(白いパンが食べられる)VS負け組(黒いパンしか食べられない)の対立構図を描くことがテーマではないことです。

A: 内戦終結後の1944年が舞台なのに、フラッシュバックを繰り返して観客を振り回すようなことはしない。あくまで起点を現在におき、観客に過去を想像させる手法を取っています。例えば、アンドレウも母親が慌てて隠した古い写真から秘密を嗅ぎとり、両親の過去を辿ろうとします。

B: 天使に仮装した青年の写真の裏には「Marcel Sauri」と書いてある。果たして彼は何者なのか。

A: 従姉のヌリアと探し当てた墓碑から、1941年にPortVendresというところで若くして死んだことが判明します。

B: 大人は各自人に知られたくない秘密を抱えています。特に屈辱をうけた負け組は生き残りをかけて秘密を守り通さねばならないわけですね。

A: ここカタルーニャの小さな村を支配するのは精神の泥沼化。心に深い傷を負った人々の日常的な恐怖、どす黒い仕返し、嘘と隠蔽、ホンネとタテマエの使い分けを子供にも強いる、子供の世界に大人の悲惨が押し寄せてくる。これは『白いリボン』と同じ世界です。

B: 偽装され理想化された嘘が堆積物となって、モンスターのような不穏な子供が生み出されていく。

Posted by: アリ・ババ39 | Sunday, May 15, 2011 at 00:40

diamond 皆なとは「違う」がキーワード

A: 人間は自分と違う人を怖れる。アビアお祖母ちゃんが3人の孫に昔話をするシーンで「その子が殺されたのは人と≪違う≫から」と≪違う≫を強調するところがあります。

B: カビナさんも触れています。

A: 難しく言うと「異端」ということ。ここに登場する異端は、内戦の敗者、貧乏人、同性愛者、肺結核患者など。特にホモセクシャルは害虫、抹殺の対象です。

B: お祖母ちゃんの昔話が、実はアンドレウの苦しみの巧みな伏線だったことが後に分かるところ。

A: ここは重要なシーンで、祖母が可愛い孫たちに単に昔話をするシーンではありません。監督が「エル・マール」で拘ったテーマに繋がります。アンドレウは本当の犯人を突き止めようとする過程で、自分の中の暗部と向き合うことになるんですね。この映画を理解するキーポイントの一つ。


B: アンドレウは、胸を病んで死を予感している十代の美しい青年と森の中で偶然知り合う。

A: 青年はサナトリウムでなく村外れの修道院に暮らしており、勿論この出会いは二人だけの秘密。貧乏人には栄養失調のため結核患者が多かったのですね。「赤い思想」と同じく伝染しますから差別される存在です。

B: この修道院には知的障害者らしい下働きの修道士もチラッと出てきます。

A: 修道院が社会のアウトローの受け皿になっていたということでしょう。この修道院は村に近接していますからconventoのほうです。 因みにmonasterioは人里離れた山中にあり古い修道会の修道院、厳しい戒律を守って自給自足をしています。

B: 皆なと違うことは罪なんですね。


A: 敗者の貧しい食事と勝者の贅沢な食事のコントラスト、瀟洒な家具調度を揃えたマヌベンス夫人や村長の邸宅をカメラが丁寧に追っていく。

B: タテマエはタテマエとして、敗者もマヌベンス夫人のような暮らしを求めている。メタボなのがマヌベンス夫人と司祭、アンドレウに「白いパンはあんたの分じゃない」と言い放った女性だけというのも徹底しています。

A: 白か黒か、左か右か、善か悪かの二元論の世界では、曖昧性やアンビヴァレンスは息ができない。窒息しないよう壁に風穴を開けたい、不寛容と無知、人間の品位は何か、これが本作の狙いなのかもしれません。スペイン内戦というのは、デモクラシーとファッシズムの闘いではなかったことを強調したいと思います。

Posted by: アリ・ババ39 | Sunday, May 15, 2011 at 00:40

diamond 第25回ゴヤ賞9部門制覇はできすぎか?

B: 二人の新星が生れました。まずアンドレウ役のフランセスク・コロメールは新人男優賞を受賞しました。これがデビュー作のようです。

A: 1997年バルセロナ生れ、実年齢は13歳ですが役柄的にはもっと下かしら。テレドラにも出演していないズブの素人。ちょっと両眼が離れていて不思議な雰囲気をもった顔立ちをしている。カタルーニャ語映画に与えられるガウディ賞の主演男優賞にノミネートされました。

B: 大人がそれぞれ異なったことを語るので、何を信じていいのか戸惑っている。芥川龍之介の「藪の中」の世界です。

A: 彼の知りたいことは観客の知りたい事でもあるから一緒に進んでいけますね。

B: 思いつめた表情と笑顔のコントラストが別人のようでした。

A: 初めてマヌベンス家で憧れの温かいチョコレートと白いパンを食べたときの少年と、誰よりも信頼していた父親が朽ちた偶像となり、自分のルーツを捨てる決心をしてからとは別人でした。いつまでも子供をやっていられる時代ではなかった。


B: 従姉ヌリア役のマリナ・コマスの少女とは思えない背伸びした演技も新人女優賞に相応しい。

A: 1996年バルセロナ生れ。初出演にしてガウディ賞の助演女優賞に輝いた。この後“Terra baxia”というテレドラに出演しています。まあ、TV界としてもほっとけないですね。

B: 手榴弾の爆発で左手首が野口英世のようになっているという設定でした。ここいら辺に内戦の傷痕を覗かせている。

A: 身体障害者は戦争をやった大人だけじゃないのだと。今は家族に守られているが、いずれ社会的弱者になること知っている。少女から娘へと変貌する役柄、微妙に揺れ動く少女の心理をうまく表現していた。ビリャロンガ監督は子役の動かし方がうまい。勿論子役に限りませんけど。

Posted by: アリ・ババ39 | Sunday, May 15, 2011 at 00:41

B: 主演女優賞受賞の母親役ノラ・ナバスには、印象に残る名場面がいくつもありました。彼女のサン・セバスティアン国際映画祭の最優秀女優賞受賞が快進撃の始まりでした。

A: 1975年バルセロナ生れ、ガウディ賞では主演女優賞を貰いました。2010年のEGEDA最優秀女優にも選ばれた(※one)。テレビ出演が多く、他の出演映画を見ていないけれど注目株です。特に収監中の夫の初面会日の演技は忘れられません。今後も彼女を語るときには必ず思い出すだろう名場面でした。この映画ではおしなべて女優陣の活躍が目立ちました。

B: 夫の逮捕を契機に紡績工場に働きにでる。織機が回転する室内は綿くずが充満している。女の子の姿があるのは、働かねばならない児童がいたということですね。

A: 読み書きができない人が結構いたということです。大正時代の『女工哀史』を想起させ、スペイン産業の近代化の遅れを示唆した場面でしょう。


B: 父親役のルジェール・カザマジョールは、同監督の「エル・マール」で映画デビュー、滑り出しから主役を射止めた幸運児。

A: 1975年カタルーニャ自治州Lleida生れ。「エル・マール」ではルジェ・カザマジョール、『パンズ・ラビリンス』ではロジャー・カサメジャーと表記された。後者では反体制ゲリラの闘士でマリベル・ベルドゥの弟役だった役者といえば思い出される方も。カルレス・バラゲの“La casita blanca”(2002)のようにオリジナルはカタルーニャ語版の出演が多いかもしれない。

B: 役柄もあるのでしょうが、デビュー当時の初々しさが消えて、急に老けて現れたのでびっくりしました。


A: ゴヤ賞助演男優賞のノミネートは、カザマジョールでなく村長役のセルジ・ロペスでした(※two)。どちらを選ぶか微妙でしたね。ガウディ賞はカザマジョールがノミネートされ受賞を果たしました

B: セルジ・ロペスは悪役がトレード・マークになってしまって気の毒。

A: でもビダル大尉よりは控えめの憎々しさでした(笑)。村長さんとかエドゥアルド・フェルナンデスが扮した田舎教師のような人格は、どんな世の中になっても救えません。


B: 助演女優賞受賞のライラ・マルールの迫力ある熱演はどうですか。

A: 夫を殺害された妻役ということから求められた演技でしょうが、全体から浮き上がった印象かな。ゴヤ賞の度に思うんですが、受賞には対抗候補の顔ぶれが運不運を左右します。年度によっては「そりゃないよ」ということも多々ありますね。

Posted by: アリ・ババ39 | Sunday, May 15, 2011 at 00:42

diamond 評価されたビリャロンガ・ワールド

B: 撮影監督賞受賞のアントニオ・リエストラの映像は、まるでピカソの青の時代のようでした。

A: お師匠さんのロドリーゴ・プリエト(『ビューティフル』2011初夏公開)をおさえての受賞ですから快挙です(※three)。大女優ベロニカ・フォルケからゴヤの胸像を手渡されて光栄に思ったことでしょう。ガウディ賞も受賞しています。


A: 映画との関わりは、ハリソン・フォード主演の『今そこにある危機』(1994米)というハリウッド映画。トム・クランシーの同名小説の映画化、メキシコでの撮影に参加したようです。

B: アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥの『アモーレス・ペロス』(1999)にも参加している。

A: サルマ・ハエックが扮したほうの『フリーダ』(2002)まではカメラ助手、以上2作の撮影監督がプリエトでした。長編の撮影監督デビューはチェコ・イギリス合作映画“Normal”(2009)。想像するにビリャロンガは、この映画の映像を見て起用したのではないでしょうか。

B: 二作目が本作ですね。

A: その後チェコ映画をつづけて2本撮り、目下イシアル・ボジャイン監督の“Canción de Katmandú”(Katmandu Song / Vicky Sherpa)(2011)を撮影中らしい(※four)。

B: リエストラは映像も変わっているけど、経歴もちょっと変わっています。

A: 日本は別として、スペイン人がスペイン映画だけ、メキシコ人がメキシコ映画だけ撮る時代は終わったということです。

Posted by: アリ・ババ39 | Sunday, May 15, 2011 at 00:43

B: 監督については冒頭で触れましたが、「アロ・トルブキン」(2002)からのブランクが長かったですね。

A: 長すぎて「一体何してたの」と聞きたいくらいです。才能も枯渇したかなんて、陰口たたかれてもいました。

B: ところが、本作で一気に息を吹き返した。

A: 冒頭から「ああ、これは紛れもなくビリャロンガ・ワールドだ」と思った観客が多かったと思います。デビュー作“Tras el cristal”(1987、英題“In a Glass Cage”)以来、独自の世界観をもった監督ですから。1953年マジョルカ生れということは、子供時代はフランコ体制とピッタリ重なります。

B: 深いテーマの作品が多く、小児性愛、同性愛などに拒否反応を示す観客は別として、コアなファンをもっている。

A: 同じテーマでイマノル・ウリベの“La muerte de Mikel”(1983「ミケルの死」)、実在のコプラの歌手ミゲル・デ・モリナをモデルにしたハイメ・チャバリの“Las cosas de querer”(1989「愛ゆえに」)などあります。日本では詩人のロルカだけが有名ですが、同性愛者が「異端」の烙印を押された時代でした。

B: そういう「異端の歴史」として映画は作られた、そこを見落としてはいけないのですね。

A: ガローテ刑による処刑もそれとなく分かるように出てきましたが、実際に終結後でも処刑は行われていた。しかし現在分かっている統計によると、終結した1939年度末に270,719人いた収監者が、1943年度末には74,096人に激減、その多くが飢餓による餓死者だそうです。

B: 戦闘や爆撃による死亡者に匹敵する数字、黒いパンさえ食べられなかったということか。

Posted by: アリ・ババ39 | Sunday, May 15, 2011 at 00:44

B: ゴヤ賞は作品賞のほか、監督賞、脚色賞を受賞しましたが、ガウディ賞も総なめだったとか。

A: ガウディ賞のときは何回も壇上に呼び出され、自分の脚本賞のときには会場にいなくて「アグスティ・ビリャロンガ、どこにいるの?」と、プレゼンターから名前を連呼されていた。「すみません、もう混乱しちゃって」と、舞台裏にでもいたのか、もう喜びと驚きを隠しきれないふうでした。

B: ゴヤ賞はもっと大きな賞だからウルウルしても当然です。

A: 「9個なんて、今日の朝まで考えてもいなかった」と。授賞式の晩は、落ち着こうとしても興奮がおさまらずテンションが上がって制御不能だったとも。


B: たかがゴヤ、されどゴヤです。これはEmili Teixidorの同名小説の映画化。

A: 1933年バルセロナ生れ、カタルーニャ語で執筆していて、テレビの脚本も書いている。原作は400ページにも及ぶ長編だそうです。“Pa negre”を骨格にして複数の小説をミックスしてドラマに組み立てたそうです。アンドレウが従兄姉たちと一緒に授業を受ける直前のシーンに‘Retrat d’un assassi d’ocells’というタイトルが入る。最初なにかと思いましたが、後でこの挿入が他の小説の題名の一つと分かりました。

B: 何作かをミックスしてシナリオを作った例としては、グティエレス・アレアの『苺とチョコレート』が有名ですね。


A: 成功作の次回作は、どの監督も苦しむと言いますね。『アナとオットー』のフリオ・メデム、個人的には『海を飛ぶ夢』のアメナバルも例外じゃないと思う。異論を承知で言うんですが。

B: 内戦物は「スペインのウエスタン」なんて言う人いますが、本作は該当しません。

Posted by: アリ・ババ39 | Sunday, May 15, 2011 at 00:45

つけたし

one EGEDA:la entidad que gestiona los derechos de los productores audiovisualesの略。“La mosquitera”のエンマ・スワレスと二人で分け合った。

two 結局、イシアル・ボジャインの“Tambien la lluvia”のベテラン俳優カラ・エレハルデが受賞しました。映画はまだ見ていないので何とも言えませんが、好きな役者なので嬉しかった。脇役が多いので見過ごされがちですが、日本に紹介された映画も多い。長く舞台俳優を兼ねていて、いずれの映画でも光る演技をしています。

three 先日発表になったメキシコのアカデミー賞といわれる「アリエル賞」撮影監督賞は、プリエトの手に渡りました。メキシコでの下馬評はもっぱら「プリエト受賞」でしたね。

four ビッキイにはベロニカ・エチェギが扮している。こちらも楽しみです。

Posted by: アリ・ババ39 | Sunday, May 15, 2011 at 19:32

撮影のアントニオ・リエストラ、IMDbに掲載されている経歴の最初は、アリ・ババ39さんのコメントにもあるように『今そこにある危機』の“film loader”となっている。

この“film loader”ってどういう係ですかってことをリエストラ氏に質問してみたらお返事がきました。マガジンの脱着をする係でしたよ、というお返事。「ネガをカメラの中に入れて、それから今度は抜き取ってラボに送る係ですよ。暗闇でやるんです」って。

マガジン【magazine】 の意味とは - Yahoo!辞書

Posted by: Reine | Monday, May 30, 2011 at 17:02

ラテンビート映画祭でも観て、コロメールくんのcoloquioでノートをとってきたんだけど、なにせもう3週間以上前のことなので、思い出せるかどうか。

http://twitter.com/#!/reneyama/status/115085631524323329
上映前、登壇しての挨拶の際、コロメール君が「こんにちは」の代わりに開口一番「サヨナラ!」とやってくれたのが可愛かったよ。


1) 子役になろうとおもっていたわけではない。オーディションの話があって学校の生徒たちがこぞって応募したので自分も参加してみた。幾つかテストを受けて、結果、受かっていた。


2) ―――撮影で特に印象的なエピソードは?
karaoke 台所でのシーンを撮影する日、小道具の卵を椅子の上に置いて、それを毛布のようなもので覆って隠したんだ。技師のペペを「マッサージをしてあげるよ」と呼んでその椅子に座らせてとても面白かった。

2') (アルベルトが)―――それはとても面白いんだけど、僕らが知りたいのはこの作品についてのことだってば!
karaoke だいたい同い年の、12歳前後の子役が多かったから、男の子たちで駆けっことかをして面白かったです。


3) ―――カタルーニャ語の作品だが、日常生活も?
karaokedanger 答え書き取ってないや。たしか、「いつもカタランだ」「オーソドックスなカタランの地方だから」とかなんとか答えていたような…?)


4) ―――内戦については?
karaoke 学校で習うことだからあまりキツいとは感じなかった。たいして益するわけでもないことのために同国民で戦うなんてむごいことだと思う。

danger これは質問が酷だと思ったな。主演男優と言ってもついこないだまでランドセルを背負っていたような年頃の男児だし)

4') (ここで話が逸れたのか)
karaoke 共演の子らと駆けっこをしたり、また動物も撮影現場に多くいたので、そういう雰囲気に囲まれて仕事をすることは心地好かった。スタッフや監督の指示や助言も僕には嬉しかった。


5) ―――撮影地と出身地についてお願いします
karaoke カタルーニャの山間部で、撮影地点は一つ所ではないです。

danger この辺もよく覚えてないなあ。)
イグアラダ - Wikipediaで撮った(?)
Parque Natural del Montseny - Wikipedia, la enciclopedia libreで撮った(?)

そして、「karaoke 僕の出身の町については特にコメントしなくてもいいと思います。小さい町ですから。東京よりちょっと小さいんです


5) ―――俳優を続けるか?
karaoke 楽しかった。面白かった。心を揺さぶられるようであったし、インパクトのある出来事であった。続けたいとは思うが先のことはどうもわからない。

(ここでアルベルトが) ―――次作について話したくないだけだったりして?
karaoke 冬に何か撮るかも撮らないかも。


※ コロメール少年は地震が気になっていたらしく、ビルのちょっとした震動でも「これ?これが地震?」と聞いて回っていたらしい。

Posted by: Reine | Monday, October 10, 2011 at 16:49

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