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Saturday, January 08, 2011

Muertos de risa / どつかれてアンダルシア(仮) [スペイン映画]

muertos de risaどつかれてアンダルシア(仮)@Wikipediaからあらすじ

hairsalon 1970年代初め、アンダルシア地方の場末の酒場で知り合ったやせ男のブルーノと、でぶ男のニノ。旅芸人一座に参加した初舞台で、ブルーノが緊張の余り一言もしゃべれないニノに喰らわせた平手打ちが大受けし、この『どつき漫才』で二人はスターダムにのし上がり、スペインの国民的人気者に。しかし、二人は互いに相手の才能への嫉妬と憎悪に駆り立てられ、関係は険悪化の一途を辿り、珍無類の謀略劇が続発する…。hairsalon

danger Wikipediaでは二人の名が逆になっていたのをここ↑では書き直しておいた。


muertos de risa 10年前に旧サイトを作っていた頃から気にしていたけど観る時間を作れなかった作品。

面白いね。"おもしろうてやがて悲しき"。破滅的に疾走していく滑稽な主人公たちの悲喜劇が胸を打つようにアレックス・デ・ラ・イグレシア監督作品はできている。彼の作品なのでもうちょっと血みどろのつぶし合いを予想していたけど、その点は少し控えめだったかな。

ともあれ、この監督の作品は私はやっぱり好きだ。
って、彼の作品を観るたびに同じことを書いている気がする。(私の課題は『ペルディータ【字幕版】 [VHS]』だ。スペインで劇場で観て出てきた時には機嫌が凄く悪くなっていた。あれを再び観て少しは好きになっているかどうか、いずれ確かめてみないといけない)

こないだのサンセバスティアン映画祭ではアレックス・デ・ラ・イグレシアの姿も近くで見て嬉しかった。あれはたしか、サンティアゴ・セグーラ主演作品『El Gran Vázquez』の上映後の出待ちのときだ。

監督の最新作『Balada triste de trompeta』を楽しみにしています。


(つづきはコメント欄で)


Muertos de risa@IMDb
・英題: Dying of Laughter
どつかれてアンダルシア(仮)@goo
どつかれてアンダルシア(仮)@映画生活

監督: Álex de la Iglesia アレックス・デ・ラ・イグレシア
脚本: Jorge Guerricaechevarría ホルヘ・ゲリカエチェバリア  Álex de la Iglesia


出演:
Santiago Segura サンティアゴ・セグーラ ... Nino ニーノ: デブ; 不細工; 足が臭い方
El Gran Wyoming エル・グラン・ワイオミング ... Bruno ブルーノ: 長身; ルックスがマシと思われている方; 息が臭い方

Álex Angulo アレックス・アングロ ... Julián フリアン: マネージャー
Carla Hidalgo カルラ・イダルゴ ... Laura ラウラ:
Eduardo Gómez エドゥアルド・ゴメス ... El Pobre Tino: 新しい相棒ティノ

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Comments

メモ(wikipedia多めですみません。ちょっと手抜き)

この作品、70年代~90年代初めまでのスペインを描いているので、そのキーワードとなる人や物がおもしろい。

・ニノはキャバレー歌手で歌真似をしていたがNino Bravoが苦手だった。

・マネージャーをやってやろうと近づいてきたフリアン。Tip y Collも自分が名付け親なのだと言う。
⇒・Tip y Coll@Wikipedia


・ナンパで拾った女ラウラはCNTの活動家だと言う。
→・Confederación Nacional del Trabajo@Wikipedia

bookスペイン・ポルトガルを知る事典』から(danger 私の持ってるのは旧版; 99年8月初版第3刷):
hairsalon……略……20世紀初頭,フランスから導入されたサンディカリズムは戦術上の活路を開き,1911年にはアナルコ・サンディカリズム系全国組織《全国労働者連合(CNT)》が結成され,19年にその加盟人数はカタルーニャ,アンダルシア両地方を中心に約71万にも及んだ.

……略…… プリモ・デ・リベラの独裁(1923-30)下,CNTは地下活動に入った.……略……

……略……36年7月,スペイン内戦が勃発すると,CNTは戦争と革命の同時進行を図り,戦いに参加する一方,バルセロナの大工場などでは集産化の実験も行った.しかし,ソ連の援助を盾に共和国陣営内の発言力を増す共産党と他の党派との間に主導権争いが生じ,CNTも共産党の攻撃に対し,37年8月頃から守勢に立たされた.この主導権争いは陣営内の結束を弱め,CNTにとっては戦争とともに革命をも失う原因となった.

そしてフランコの時代を通してCNTは完全に力を失い,現在の左翼陣営の中でも少数派にとどまっている.hairsalon

Posted by: Reine | Sunday, January 09, 2011 at 10:42

・FlaggolosinaのCM http://www.youtube.com/watch?v=cmNg8vgUEtY

・コメディアン Miguel Gila@Wikipedia

・ニーノとブルーノのコンビはテレビバラエティー界を席捲し、人気番組Directísimoなどに出演。司会のJosé María Iñigoは本人役で出演


・マネージャーのフリアンが「チーチョからじきじきに電話が掛かってきたんだぞ!」と言うが、チーチョっていうのは『Quién puede matar a un niño? / フー・キャン・キル・ア・チャイルド』や『La Residencia / 象牙色のアイドル』のNarciso Ibáñez Serrador(ナルシッソ・イバニェス・セラドール)監督のこと。

チーチョは『Un, dos, tres... responda otra vez 』というバラエティー番組の総合演出だったから。ニーノとブルーノがそれに出演したという体(てい)。

Un, dos, tres... responda otra vez - Despedida de Chicho Ibáñez Serrador 参照)

※その他、後半ではとある葬儀のシーンで当時のスペイン芸能界の人たちが本人役で出てくる。(よく調べてないけどもっぱらテレビバラエティ業界の人たちかな?)

Posted by: Reine | Sunday, January 09, 2011 at 10:51

・Lipps Inc.のFunkytownは1980年のヒット曲ね。(Billboard Top Hits: 1980

・ニーノとブルーノが互いに相手の方が人気があると思い込んで憎悪を募らせていくので、マネージャーのフリアンがなだめる。「‘El gordo y el flaco’のどっちかが好きでどっちかが嫌いなんてお前は思わないだろ? それと同じことで世間はニーノもブルーノもどっちも好きに決まってるじゃないか」
 
→・El gordo y el flacoというのはローレル&ハーディーのこと。


・テレビは81年2月23日のクーデター未遂事件を中継している。
→・Golpe de Estado en España de 1981@Wikipedia

tvTejero 23-F Golpe de Estado  ←これと同じ映像がこの映画の中でも見られる。


bookスペイン・ポルトガルを知る事典』の、フアン・カルロス1世の項から:

hairsalon ……略……力量を発揮したのは,フランコ死後(1975)の民主化の時代である.王政復古(1975年11月22日)後,遅々として進まない民主化の歩みを前に,かつての教育係であった議会議長ミランダの進言を受け,76年7月無名であったスアレスを首相に抜擢し打開を図った.以後両者は車の両輪となり民主体制への移行を成功させた.

とくに治安警備隊が議会を占拠したクーデタ事件(1981年2月)の際に,総司令官の制服に身を包み,テレビを通じて毅然とした態度で民主体制の擁護を唱え,国内での評価を高めた.……略……hairsalon

tvフアン・カルロス国王の演説シーン


bookスペイン現代史―模索と挑戦の120年』の、民主中道連合政権の危機より:

hairsalon……略…… (1979年~80年には暗殺テロは頂点、社会情勢は極めて不安定)……略…… このような状況の下、1981年1月になると極右のマドリード地方新聞『アルカサル』紙は、翌月に勃発する国会占拠クーデターを予告するかのように、スペインの内政危機を解決するためには、軍事介入が必要であると再三にわたって報じた。優柔不断な対応しかできない民主中道連合政権に対する不満が軍部を中心に高まっていたのである。

同月、マジョルカ島において行われた政権党・民主中道連合の全国大会では、スアレス首相に対する不満が噴出した。さらには、同党のイデオロギーの位置づけをやや左に軌道修正して社会民主主義色を強めるべきであると主張するグループと、右旋回して保守に回帰すべきであると主張するグループとの対立・分裂が顕在化した。

党内の結束を図れなくなったスアレス首相は同月末、辞任を表明した。フアン・カルロス国王はカルボ・ソテロ副首相を首相に推挙したが議会で信任が得られず、再度2月23日に新首相の信任投票が行われた。その最中に、極右軍人テヘロ中佐率いる治安警備隊の一団が議会内になだれ込み、国会は占拠されてしまった。

テヘロ中佐の要求はスペインに軍事政権を再び樹立することだった。この衝撃的な事件は、民主化後のスペインが初めて直面するクーデター勃発の危機であった。しかし、一時的に無政府状態になったスペイン国家の舵取を行うべく、フアン・カルロス国王は、テレビを通じて民主憲法を遵守する決意と軍事政権への反対意志を強く表明した。結局、軍部はクーデターの試みには呼応せず、議会占拠事件は約18時間後にテヘロ中佐ら首謀者の投降によって解決した。

1978年憲法においてフアン・カルロス国王は国家元首のみならず軍最高司令官としても位置づけられており、国王が毅然とした態度で民主主義の擁護を軍の幹部に説得したことが、一部軍人によるクーデターの目論見を平和裡に阻止することができた主因である。

その二日後の2月25日、百万人を超える国民がマドリードに集まり「自由と民主主義を護れ!」のプラカードを掲げて大規模なデモを行った。また、国会では首相信任投票のやり直しが行われ、カルボ・ソテロが首相に就任した。hairsalon

tv2月24日の夜の市民のデモの様子

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆

テレビ局内でフリアンが叫ぶでしょう、「No se da cuenta de que esto no tiene sentido y que no podemos ir en contra de la historia. No podemos volver atrás. こんなことナンセンスですよ。歴史に逆行するおつもりですか。我々は昔に戻るわけにはいかんのですよ」。

あのセリフはとても大事。ギャグ映画に見せかけてああいうことをシレッと言うからスペイン映画は面白い。

Posted by: Reine | Sunday, January 09, 2011 at 10:58

語句メモ

・colgado, da: 4. adj. coloq. Que se encuentra bajo los efectos de una droga. U. t. c. s.

・mamón, na: 3. m. y f. U. c. insulto. U. t. c. adj.

・tu rollo barato de ligón de verbena de puebloをまた聞かせるつもりかよ!

・con los brazos cruzados: 1. loc. adv. Ociosamente, sin hacer nada.
例) Volverse, venirse con los brazos cruzados.

・facha3.
(Acort. del it. fascista)
1. adj. despect. coloq. fascista. U. t. c. s.
2. adj. despect. coloq. De ideología política reaccionaria. U. t. c. s

・estar alguien de los nervios.1. fr. coloq. Padecer algún desequilibrio nervioso.2. fr. coloq. Estar agitado, nervioso.

・generalísimo: m. Jefe que manda el estado militar en paz y en guerra, con autoridad sobre todos los generales del Ejército.

・gris (grises): 6. m. coloq. Esp. Miembro de la antigua Policía armada, cuyo uniforme era de ese color. U. m. en pl.

・multicopista: 1. adj. Dicho de una máquina o de un aparato: Que reproduce en numerosas copias sobre láminas de papel textos impresos, mecanografiados o manuscritos, dibujos, grabados, etc., sirviéndose de diversos procedimientos. U. m. c. s. f.

・cabecilla:
2. com. Jefe de rebeldes.
3. com. Persona que está a la cabeza de un movimiento o grupo cultural, político, etc.

・12/28 エイプリル・フールみたいな日
Día de los Santos Inocentes@Wikipedia

・ni de coña: 《話》決して,絶対に.

・favoritismo: 1. m. Preferencia dada al favor sobre el mérito o la equidad, especialmente cuando aquella es habitual o predominante.

・forrar: 2. prnl. coloq. enriquecerse.

・farlopa: f. cocaína.

・currante: 1. com. coloq. Persona que trabaja.

・Carabanchel カラバンチェルの刑務所

・legionario, ria: 2. m. y f. En los ejércitos modernos, soldado de algún cuerpo de los que tienen nombre de legión.

・putear: 4. tr. vulg. Fastidiar, perjudicar a alguien.

・objetor de conciencia: 1. m. El que hace objeción de conciencia.

Posted by: Reine | Sunday, January 09, 2011 at 11:23

忘れてた
・ブルーノは孤児院で育ったらしい。ブルーノの苗字はExpósito。

・Expósitoという苗字について、もしかしたらポップアップがうるさいかもしれないけど、こういう苗字サイトがあるので
⇒ ・Expósito

それから、expósito, taという形容詞については辞書を参考に
・expósito, ta.(Del lat. exposĭtus, expuesto): 1. adj. Dicho de un recién nacido: Abandonado o expuesto, o confiado a un establecimiento benéfico. U. m. c. s.


ちなみに、Espósitoという苗字についてはアリ・ババ39さんが『瞳の奥の秘密』のコメント欄で言及していらした。

(『瞳の~』の「えs?……ぽ?……し?………」「………と…(´・ω・`)」のシーンを思い出すたびに笑いがこみ上げる)

Posted by: Reine | Monday, January 10, 2011 at 11:56

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