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Tuesday, September 21, 2010

La isla interior [スペイン映画]

isla interiorサンセバスティアン映画祭(2010年)で観た中で一番気に入った作品。

カルロス・フエンテスの『Todas Las Familias Felices / Happy Families』からの引用である「私の家では家族がみな互いに傷つけ合い、傷つけてしまうたびに後悔し、後悔してはめいめいが自分自身を傷つけていた」という一節を目で追うことからこの作品は始まる。

おはなし
親から受け継ぎたくないものもある。怖いのだ、狂気を継ぐことが。

グラシア、マルティン、コラルの三人兄妹はそれぞれに人生を送ってきた。三人とも自身を見失って彷徨い漂いながらも、どうにか自分なりに歩んで来た。互いに歩み寄って助け合おうと思ってはいても、いつも背を向けて終わってしまう。それぞれの内に拡がる闇が深すぎるから。

父親が死んだという急報を受けて三人は久しぶりに故郷で顔を合わせた。今こそ家族同士で心から向き合う時。そして自分自身をも見つめる時が来たのだ。

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆


コンペティション部門ではなかったので小さい会場での上映だったが満足度は一番だったかな。

twitter鑑賞翌日のtwitter:
昨年のLBFFの『ヌード狂時代』の監督(D.アヤソ、F.サブローソ)の新作『La isla interior』鑑賞。http://imdb.to/avKEA4 と・て・も・(・∀・)イイ!! ただ、心の弱った私のような人がPMSでどんよりしている時に観ると持って行かれる危険有りか

私はデフォルトで心身が疲れている人なので、このような作品の直撃を受けやすいとみえ、ひどく泣いた。個々の登場人物の中に自分の断片を確認するような悲しい作業であったとも言える。abetchyは泣くとかじゃあなく、近年のスペイン映画の中でも際立って気に入った由。twitter


……とまあ、それぐらい泣かされた。danger まあ、私はたいていの作品で泣くので当てにはなりませんし、おまけにPMSの頂点にあったような日に観てしまったのである程度の引き算はするけどね。

悲しくて胸が痛い映画だったんだよ。張り詰めて痛々しい人たちのお話。硬化して脆くなった家族の話。「誰かその人たちを抱きしめてあげてくれ!」と周囲の人に訴えたくなった。

と言いつつも、泣きすぎたせいなのだろうな、ラストシーンが思い出せない。早くDVDを売り出してほしい。アルベルトさんが来年のラテンビートでの上映を検討してくれると嬉しいけれども、ちょっと難関かもしれない。監督も「日本では難しいだろうという覚悟はしてるんだ。でも観てもらえたら嬉しいね」と言った。


(上映後に監督が話してくれたことはメモを解読できる限りコメント欄で)


監督・脚本: Dunia Ayaso ドゥニア・アヤッソ  Félix Sabroso フェリックス・サブローソ

出演:
Candela Peña カンデラ・ペニャ ... Coral コラル(次女; 末っ子)
Alberto San Juan アルベルト・サン・フアン ... Martín マルティン(長男)
Cristina Marcos クリスティーナ・マルコス ... Gracia グラシア(長女)

Geraldine Chaplin ジェラルディン・チャップリン ... Victoria ビクトリア(母親)
Celso Bugallo セルソ・ブガーリョ ... Juan フアン(父親)

Antonio de la Torre アントニオ・デ・ラ・トーレ ... Iván イバン(コラルの愛人)

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Comments

・esquizofreniaを題材にした映画です。
1. f. Med. Grupo de enfermedades mentales correspondientes a la antigua demencia precoz, que se declaran hacia la pubertad y se caracterizan por una disociación específica de las funciones psíquicas, que conduce, en los casos graves, a una demencia incurable.

遺伝しているのではないかなどという危惧から、家族は認めたがらない。母ビクトリアは「私の子どもは受け継いではいませんよ。三人とも立派に成人してもうみな30代ですし、ごく普通の生活をしています」と言っている。

book 精神科Q&A  【0151】母と兄が統合失調症(精神分裂病)です。私の子どもにも遺伝するのでしょうか

Posted by: Reine | Monday, January 10, 2011 at 09:59

上映後の監督Q&Aより
(サブローソ監督もアヤッソ監督もとにかく二人で掛け合いのようによくしゃべるし、それがまた面白く思わず聞きいってしまうので、トークの長さの割には私のメモが少ない):

・これは統合失調症を描いた映画かと聞かれることがあるけれども、統合失調症は言わば‘記号’として用いた題材にすぎない。

・変わることのできない人を描いた作品と言えるでしょう。解決のできない問題を抱え続ける人の話である、と。

・映画撮影中には興味深い話をたくさん聞くことができた。キャストやスタッフ皆がそれぞれの家族の事例を話し始めたものだから、稽古どころではなく、一種のグループセラピーと化してしまった。

・しかし、ジェラルディンの口から語られるのはもちろんチャップリンの家庭内でのエピソードなのだから、そりゃあもう、僕たちはとにかく興奮した。

・手持ちカメラで撮ろうと思っていたがリハーサルをしてみてちょっと厳しいなと感じたので取りやめた。

Posted by: Reine | Monday, January 10, 2011 at 10:14

・さて、そのジェラルディン演ずる母親ビクトリアですが、彼女などはcastranteな母親(子供の自立を阻む母)のいい例でしょう。

→・castrante:
1. adj. Que castra (= apoca).
2. adj. Que acompleja (= induce un sentimiento de inferioridad).


→・¿QUÉ ES UNA MADRE CASTRANTE?
→・Que es una madre castradora ??


pen ちなみにこのcastranteという語、私の持っている『DICCIONARIO DE LA LENGUA ESPAÑOLA 22版』には載ってない。23版に新見出しとして掲載。


danger ん-、これはストーリーにふれてしまうな…… danger

↓↓↓

・「窓を開け放しておいたのは、あの人が自殺をしてくれることで彼らが解放されるとどこかで望んでいたからです」。

Posted by: Reine | Monday, January 10, 2011 at 10:31

あ、そうそう。

danger この作品は冒頭にカルロス・フエンテスの『Todas Las Familias Felices / Happy Families』から引用した一文が映し出されはしますが、その文学作品を映画化したものではありません。その点、お気を付け下さい。

もしかしたら監督がカルロス・フエンテスの作品を読んで、あの一節にひらめきを感じて、そこから今回このような映画作品を制作するに至ったのかもしれませんが。
・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆


「ところでそもそもフエンテスの『Todas Las Familias Felices』はどういうお話なのでしょう?」と呟いたところ、sabosashiさん(というか、心の中ではほとんど私は「sabosashi先生」とお呼びしているのですが)からレスポンスをいただきました。ありがとうございました。

↓↓↓

shadowフエンテスのコミュによると次の通り:
「牧場主や大統領、ゲイや俳優、女たらしなど、様々な家族の 問題を扱った、ポリフォニックな小説だそうです。 アルファグアラのメキシコ版で421ページある 結構分厚い本です。」

Posted by: Reine | Tuesday, January 18, 2011 at 20:39

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