« FESTIVAL DE SAN SEBASTIÁN / サンセバスティアン映画祭 2日目 | Main | A tiro de piedra [メキシコ映画] »

Sunday, September 19, 2010

Bicicleta, cullera, poma / Bicicleta, cuchara, manzana [スペイン映画]

bici bici bici

「これから単語を三つ言います。『自転車、スプーン、りんご』。あとでまた聞きますから覚えておいてくださいね」。

1982~1997年までバルセロナ市長、2003~2006年までカタルーニャ自治州知事を務めたパスクアル・マラガイは2007年の秋、アルツハイマーとの診断を受ける。ショックを乗り越え、マラガイは家族とともにアルツハイマー病と闘っていくことを公表したのだった。

マラガイは知性、誠実さ、そしてユーモアのセンスに溢れていた。彼は世界中のアルツハイマー疾患が5倍、10倍と増えてしまうよりも前に根本的な治療法が発見されるようにと自身を研究者の手に委ねる。

そんなマラガイと家族、そして医師への2年におよぶ綿密な取材により彼の闘病生活を詳細に記録することに成功した本作は、悲しくもオプティミスティックなドキュメンタリーである。

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆


鑑賞翌日のツイート
ツイッター昨日『"Bicicleta, cullera, poma』鑑賞。バルセロナ五輪の時の市長(のちにカタルーニャ自治州知事)のアルツハイマー発表後の闘病生活、家族に支えられた生活、支える家族、葛藤、などなどを描いたドキュメンタリー。泣き笑い。まさに泣かされ笑わされの連続。ツイッター

そこにあるように、いろいろなシーンで多くの観客が笑っていた。笑い声が何度もあがった。泣き声はというと、声が聞こえてくるものではないから「どれくらい」の判断はつきにくいけれども、断言します、泣いていたのは私だけではないです。

上映後、出待ちの人々の前にマラガイとその家族が姿をあらわすと、他の作品の上映後よりも何割か増しの大喝采と拍手の嵐でした。感極まったとみえる若い女性が脇から飛び出してきてマラガイに抱きつく一幕もありました(警備面からするとヒヤッとする瞬間ではあったけれど)。

そのあいだマラガイは映画の中でもそうであったように終始笑顔で、無邪気とすらいえるその表情に人々の拍手と声援がふりそそぐ様を見ていたら、やっと引っ込んだと思った涙が再び溢れてくるのでした。


Bicicleta, cullera, poma 公式
Bicicleta, cullera, poma@IMDb

パスクアル・マラガイ 公式

監督・脚本: Carles Bosch カルラス・ボスク (Hispanic Beat Film Festival 04 / ヒスパニックビートフィルムフェスティバル2004 / 第1回スペイン・ラテンアメリカ映画祭で上映された『Balseros / ボート・ピープル』の監督)


バルセロナオリンピックの開会式でのマラガイ

|

« FESTIVAL DE SAN SEBASTIÁN / サンセバスティアン映画祭 2日目 | Main | A tiro de piedra [メキシコ映画] »

Comments

pencil 殴り書きのメモから判読したこと:

danger これは大半がカタラン語、一部がスペイン語の作品。カタラン語の部分では英語字幕とスペイン語字幕が出て、スペイン語の部分ではスペイン語字幕が消えて英語字幕だけとなったと思う。だから途中で頭の中がグニャッとなった。そういう状況でとったメモなので精確さを欠いていたとしても勘弁。danger


(以下、たぶんマラガイ本人の言葉)
・公表するべきか、するならばいつするべきか、家族でよく話し合った。

・自分がアルツハイマーであるとは思いもよらなかった。でも克服できない病気だとはどこにも書いていないね。10年~15年もしたら不治の病ではなくなるんじゃないだろうか。

・我々自身はその時を目撃することができないかもしれないが、この病気は治せる日がきっと来る。

(奥さんの言葉)
・パスクワルは音楽が好きで今でもよく聴いています。音楽についての記憶が最後に失われるとしたら、彼は幸せだと思うわ。

・患者を過度に庇護することは患者を殺してしまうから庇護するな、自由にさせるべきだなどと言われているけれど、パスクワルが自由で居られるということが何を意味するかと言えば、すなわち私の自由が殺されるということなのですよ。


(発言者もどこの国のことかも不明)
・この病気は隠す人がまだまだたくさんいる


(発言者不明)
・後戻りすることのない病気。
・スピードを止めることのできない病気。
・環境要因と遺伝要因、どちらに因るのかそのパーセンテージがわかっていない。


(インドのアルツハイマー研究者)
・やらなきゃいけないことは山積みなのに何も為されていないことを恥ずかしいと感じる。

・この病気の社会的認知も低い。啓蒙活動に勤しんでいる。


(かつてアルツハイマー研究の第一人者だった人)
・20年前には現在のような早期発見はありえなかった(のだから、研究は着実に発展しているという文脈だったかと思う)。
・私の人生が終わってしまう前に是非とも解決したい。

Posted by: Reine | Saturday, December 11, 2010 at 18:33

The comments to this entry are closed.

TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/33847/50271033

Listed below are links to weblogs that reference Bicicleta, cullera, poma / Bicicleta, cuchara, manzana [スペイン映画]:

» ¿Y tú quién eres? [スペイン映画] [Cabina]
([E:danger] わりとサラっと観たので注意点がいくつかあります。[E:danger]) おはなし アナは公証人の資格試験にむけて勉強に励んでいる。我が子をぜひとも公証人に…というのは父ルイスの悲願でもあった。 受験勉強に精を出すアナを一人マドリードに残し、家族は避暑地サンセバスティアンのリゾートホテルへ行く。しかし今年はいつもの夏とは違う。祖父のリカルドは一緒ではないのだ。 最近アルツハイマーの初期症状が見られるリカルドを専門の医療施設に預けていくという両親のことばにアナは反発を覚えるの... [Read More]

Tracked on Friday, January 20, 2012 at 13:00

« FESTIVAL DE SAN SEBASTIÁN / サンセバスティアン映画祭 2日目 | Main | A tiro de piedra [メキシコ映画] »