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Sunday, September 19, 2010

A tiro de piedra [メキシコ映画]

a tiro de piedraサンセバスティアン映画祭にて一人で観た作品。

おはなし
ハシントは21歳になる今まで北部メキシコの寒村で羊の番をしてきたが、退屈な暮らしに飽き飽きしている。道端でキーホルダーを拾った彼は、これぞ“お告げ”とばかり何千キロの彼方を目ざして独り歩き出すのだった。

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆

En la puta vida』『La misma luna』『Sin nombre』などなどの感想文に表れていると思うけど、私が“不法入国もの”に心を動かされることは「決して」と言ってしまっていいくらい無いことなので、この作品に対しても同じような感想文が書き上がりそうです。(例外は『Habana Blues』だけかもしれない)

だから観ている間の私は実に淡々としたもので、冷淡と言ってもいいくらいだったでしょう。

不法入国という行為自体への冷然とした視線がそもそも私にはあるし、不法入国ものの作品の展開にあまり新鮮味を期待していないというのもあったし。騙されたりたかられたり、命綱と言えるくらい大事な物を盗まれるならまだしもなぜか凡ミスで失ってしまったり。そういう過程でも描かれるのでしょと思ったように描かれていく。だから、まあ、退屈だと感じはしたんだよ。


でもこの作品、上映後に監督とのcoloquio(質疑応答)が設けられていてね、それを聞いていたら印象が好くなってしまってね。そういうの、フェアじゃないとも思うんだけどね。“フェア”って何に対してどういう“フェア”かよくわからないけど。

監督の語りを聞いていたらなんか好きになっちゃったんだよね。でもそれを紹介しようとするとネタバレ必至なので、続きはコメント欄で。


監督: Sebastián Hiriart セバスティアン・イリアルト
脚本: Sebastián Hiriart  Gabino Rodríguez ガビーノ・ロドリゲス

出演:Gabino Rodríguez ガビーノ・ロドリゲス ... Jacinto Medina ハシント・メディーナ

A tiro de piedra@IMDb
A tiro de piedra 製作会社


Ver A tiro de piedra en un mapa más grande

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Comments

・上映前の挨拶で監督は「資金は少なかったけど愛をたくさん込めて作りました。よろしくどうぞ」と。

・主演のガビーノ・ロドリゲスは『闇の列車、光の旅』などにも出演していた俳優で、名前は覚えていなくても顔なら覚えているという人、多いんじゃないかな。瓢箪みたいな、というと失敬だけど、受け口気味で長い顔がやや歪んでいる人。

彼はイリアルト監督とはprimaria(小学校)からの友達で、この作品の脚本もいっしょに書いた。

・「いっしょに書いた」と言っても二人で机に向かって書いたわけではなくアイディアを出し合ったという感じ。「“書く”というのは私の仕事でしたから」と監督。即興的に造り上げていった部分はガビーノの力によるところが大きい。だから脚本として彼の名もクレジットしてある。


・撮影地点はぜんぶで17箇所(danger メモが殴り書きすぎてよく読めないんだがたぶんそういうことだと思う)

・撮影地点に到着してからpollero(=密入国請負業者)役の人を探さなきゃ、みたいな状況はザラだった。

・撮影には9週間かかった。(danger2週間 ORE⇒MEX」というメモもしてあるのだが意味が分からない。オレゴンからメキシコまで何がどう2週間だったというんだろう)

・砂嵐のような強風の猛威に身動きがとれず参った

・それと警察権力とはトラブルがなかったとは言えない。国境付近での撮影では「mucho más abusados que Jacinto 映画の主人公ハシントよりも我々のほうがよほど手ひどい扱いを受けた」。それくらい張り詰めた空気の中で撮影したこともあった

Posted by: Reine | Sunday, December 19, 2010 at 11:32

・デジタルでの撮影は楽だった。技術革新のおかげで低予算の僕でもこうして映画を撮ることができた。

「カメラは何を使っていたのですか」と客席から質問。キャノンのなんとかと言っていた。(メモが追いつかなかった)

「CANON φ(..)メモメモ」とメモをとりながら私が隣の席の二人組の女性に向かって俗に言う“ドヤ顔”で「ジャパンのメーカーだぜ」と言ったところクスクス笑っていた。


・まずは8000ドル(dangerと言ったと思う)を貯めて映画製作に乗り出した。FOPROCINEが大いに支援してくれた。

・資金が十分でなかった我々は地元の人たちにずいぶん協力してもらった。ロケの人員があまりにも少ないので撮影地の村民の中には我々に気づかない人もいたくらいだ。大勢で撮影に押しかけていったならばまた違った仕上がりになったのかもしれない。

・地元の人たちにはエキストラとしても活躍してもらった。主演のガビーノ以外の役柄を演じているのはほとんど全てが素人である。地元の人と話ながらオーディションをしていった。僕も映画監督ですから、ある人が演技が出来る人か否かは2分間会話をすれば見当がつくものなのです。

Posted by: Reine | Sunday, December 19, 2010 at 11:49

danger この先はストーリーに触れるので danger

↓↓

オチの部分にまつわる話もあるので

↓↓

・『A tiro de piedra』というタイトルについて

Estar una cosa a tiro de piedra (inf.): Estar muy cerca. 目と鼻の先に

「スペインでも同じ意味だと思うけど“a tiro de piedra”というイディオムにはそのような意味があるでしょう? メキシコ人にとってアメリカというのはそれこそ“a tiro de piedra”なんです。すぐそこ、と。

でも具体的にどれくらい遠いのか近いのかってことになるとはっきりと把握している人は少ない。“a tiro de piedra”というのはメキシコ人がアメリカに抱くそんな漠然とした思いを表す語だと思ったわけです」

「ハシントは羊を追っていた退屈な日常生活で何をして時間を潰していたかと言ったら石を投げること(tirar piedras)だけだったでしょう。

それからハシントが迫害を受けた時に身を守るため、抵抗するための唯一の手段は石を投げることだったでしょう? そんなこともこめてみました」


・「なぜオレゴンをゴールとして選んだのですか」という質問。

「僕自身あの地で働いていたことがあり、いってみればイニシエーションをあそこで施されたような、僕の人生にとってはそんな大事な変化の一時期を過ごした場所だったんですよ」


・少女とおぼしき声の質問者が「箱の中にはなにが入っていたんですか」ときく。あれを大人が質問していたら会場は冷笑であふれたかもしれないが、子供の質問だったので場は和んだ。

監督は「箱の中には……想像してください。あなたが入っていて欲しいものが入っていたんですよ」と答えてさらに続けた。

「人が執着している何か、それを描きたかった。人間って何かに執着することがあるでしょう。でも執着したからといって必ず手に入るわけではない。人生なんてそういうもの。その人にとってはそれを探し続ける過程こそが重要なのであって、ときには手に入りっこないと端からわかっているものを探し続けたりもする」

「僕自身はあの箱の中は………空っぽだったのだと思っています」

Posted by: Reine | Sunday, December 19, 2010 at 12:08

Posted by: Reine | Friday, August 26, 2011 at 22:59

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