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Friday, March 19, 2010

Gigante [ウルグアイ映画]

gigante 2009年2月、第59回ベルリン国際映画祭で銀熊賞(審査員グランプリ )、アルフレート・バウアー賞、初監督作品賞を受賞した作品。

おはなし
夜間警備員としてスーパーに勤めるハラは巨体に似合わず内気な独身男である。店内カメラから送られる映像を薄暗い警備員室で夜っぴて眺めるだけの仕事は退屈極まりない。このところリストラをめぐる争議もあり、居心地が良いとも言えない。

ある日ハラは監視モニターごしに清掃係の女子従業員を見初める。彼の単調な日常に変化が訪れる。end 

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆


gigante25 Watts』と『Whisky / ウィスキー』と『Acné』しか知らないくせに私はもう「製作会社のControl Z Filmsの作品なら私は好きになるんじゃないかな」という先入観―――たぶんいい意味の―――を持ってしまっているので、そうですね、案の定『Gigante』も好みでした。

プロットに特に意外性があるでもなく終盤の展開も序盤から読めると思う。ちょうど主人公ハラがそうであるように作品自体が寡黙でセリフも動きも多くないけれども、にやり・くすりとしながら鑑賞できる作品。

でも、淡々と味わうだけではなくてもっと深く読むべき作品なのではないかとずっと考え続けている。6回転は回したけど、ずっと考えています。私はそういうのは不得手なので苦労しているところ。

日本のアマゾンでは今日現在扱いが無いと思う。

Gigante@IMDb
製作会社ControlZ Filmsのサイト内ページ

監督・脚本: Adrián Biniez アドリアン・ビニエツ

出演:
Horacio Camandule オラシオ・カマンドゥレ ... Jara ハラ、Jarita ハリータ

Leonor Svarcas レオノール・スバルカス ... 清掃係の女性従業員
Augusto Peloso ... Rojas ロハス: スーパーの正社員
Darío Peloso ... 肉売場のいけめん従業員

Federico García フェデリコ・ガルシア ... Matías マティアス: ハラの甥っ子

gigante

(コメント欄につづく)

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Comments

(今回はメモ少なめです)

1) ハラの好きな音楽はヘヴィメタルとかスラッシュメタルとかいったジャンルか。よくMotorheadのTシャツを着ているし、自室の鏡の周りにはMetallicaのステッカーなどが貼られている。(あと、BiohazardのTシャツもよく着ている)

ハラが聴いている音楽、イコール、サントラ収録曲にはヘヴィなものが多い。いろいろググってみたがどうも見当たらない。監督自身のバンドで監督自身の作曲した曲だったりするんじゃないかな。そんな様子だ。このインタビュー記事からもその辺がうかがえる:

book CINE. ´GIGANTE´ GANÓ TRES PREMIOS EN LA BERLINALE 2009. ENTREVISTA A SU DIRECTOR, EL ARGENTINO ADRIÁN BINIEZ

Biniez empezó a mitad de los '90 como cantante de la banda de rock under Reverb. Se trataba de un poderoso exponente de funk rock, muy energético y ruidoso.

- Te conocimos como cantante de rock; en un show en el Rojas, tenías una mesa en el medio del escenario y la usabas de plataforma para saltar y rebotar por todos lados. ¿Seguís tocando?
- Sí. Ahora estoy cantando con Federico Deutsch & Maverick con los cuales sacamos dos discos en Montevideo y pronto me vuelvo a juntar con Reverb, la banda mía de Buenos Aires de toda la vida.

……略……

- ¿Qué música tiene la banda de sonido?
- Esta compuesta de canciones de bandas uruguayas como The Fuck, Federico Deutsch & Maverick, Radikal y el Trío Feliz, también hay un tema de Reverb. 


(他にクレジットで確認できたものはPendeja - Platano Machoなど)

Posted by: Reine | Friday, March 19, 2010 at 21:05

2) タイトルのGigante(スペイン語ではヒガンテと読む)、「巨大な,巨人のような,非常に大きい」「巨人,背の高い人」の意。ジャイアント。

ジャイアントって言ったら剛田ジャイアン武だよね。スペイン語圏であの少年はTakeshi Goda “Gigante”と呼ばれているんだしね。

『Gigante』の主人公である巨漢のハラはジャイアンのような子。といっても多分に“劇場版ジャイアン”の度合いが濃い。つまり気は優しくて力持ちといった感のある男。そこにのび太のシャイを足したような。

それでは、そんな“劇場版ジャイアン”が一目惚れするヒロインはさしづめ“静香ちゃん”かというと、そうとも言えない。彼が熱を上げる女子従業員は、中身はのび太に近いかと思われる。凡ミスばかりなのである。あれでは“のび子”だ。


ストーリーに若干ふれてしまうが、ポスター写真でハラがあのようにニンマリと笑みを浮かべているのは、ヘマをやらかしたドジっ娘を見かけたときの表情なのだ。

ハラの心中に“ドジっ娘萌え”が芽生えそれが強まっていく様を映画は描いていくのだが、ハラは女と気軽に会話のできるような性格では全くないので、その恋路は大きく迂回をしている。遠巻きの恋心―――ハラのやっていることは早い話がストーキング……。

この恋物語には当然ライバルも存在している。
優男のソイツは女としゃべるのに照れなど微塵もない様子で、思い人をモニター越しに見つめることしかできないハラをたいそうかりかりさせるのである。

Posted by: Reine | Friday, March 19, 2010 at 21:41

3) 警備員のモニター室で退屈しきっているハラ(上掲の写真がそのシーン)。

奥の壁に三枚の写真(三人の人物の顔写真)が貼ってあるのが一瞬映りこむ。なんだろう、万引き常習犯の手配写真とか、そういう意味合いだろうか? でも、あの一番左の写真は『Whisky / ウィスキー』のPablo Stoll監督じゃないかい?


4) ネットのチャット: Hola Tu


5) 町中でハラが咄嗟にキオスクに隠れるシーン
店主はそんなハラを怪訝そうに見やる。しかたなくハラは雑誌を手に取り「これは最新号?」などと興味のあるふりをするハメになったが、その雑誌は『Todo tejidos』。手芸の雑誌である。店主はますます訝しげ。

この作品はそういう小さいところで面白い。


6) ハラが映画館に入ってみるシーン
ちょうど二つの映画が上映されていたのだが、その二つとは『Mutant』(ミュータント-突然変異体-)というSFホラー的な作品と『ホップ・ステップ・ラブ』(!)などという邦題をつけられてしまいそうな『Salto Al Amor』というロマンス・コメディらしき作品である。

ハラはちょっと考えたのちにラブコメっぽいポスターの『Salto al Amor』の上映ホールに入っていく。しかしすぐに出て『ミュータント』の方へ移動してみるのである。


こういう小ネタが好きな私はさっそくこのニ作品をIMDbやFilmAffinityで探してみたのだが、なにも見当たらない。「さては……」とググってみたところ、あの二作品はビニエツ監督らがわざわざ創作したものらしい。http://elartedecocinarparados.blogspot.com/2010/01/entrevista-adrian-biniez.htmlの記事に「Ambas peliculas las inventamos.」とある。

Posted by: Reine | Friday, March 19, 2010 at 21:48

7) my MEMO
このセリフについて考えているところ
↓↓↓↓
「チャットで知り合った相手とデートするなんてお薦めしないですよ。こっちは相手のことを想像してどんどん期待していっちゃう。ってことは相手もこっちに対して同じことをしているわけで。そうやって巨大なビッグウェーブ(ola gigante)ができあがったところへ、はい実際に会いました、と。そうすると違うんだよねえ、やっぱり。」


8) 主人公ハラを演ずるHoracio Camandule。IMDbや製作会社サイトでの表記はCamanduleだけど、Camadulle表記も目にする。ただ、ヒロイン役のLeonor Svarcasがインタビューに応じているときに「カマンドゥレ」と発音したような気がするので、さて、CamanduleなのかCamandulleなのか、Leonor Svarcasはナニジンだろうか、あれがlleだとしたらそれをどう発音するだろうか……と考えているところです、いま私は。

Posted by: Reine | Friday, March 19, 2010 at 21:51

2009年ベルリン映画祭では、金熊賞受賞の『悲しみの乳』よりも評判になったと聞きました。こういうテーマは万国共通ですから、特に恋愛進行中の観客には二人の主人公に感情移入というか我が身を投影させやすかったと思います。しかし、最優秀新人賞は納得でも、銀熊賞、アルフレッド・バウアー賞と、3賞受賞はいかにも貰いすぎではないかしら。監督は1年経っても興奮冷めやらず、まだ銀の「小熊ちゃん」と添い寝してるとか。

『ウィスキー』同様、無声映画かと勘違いするほどセリフが節約され、スペイン語チンプンカンプンでも楽しめます。面白いのが小道具の扱い。モニター室に貼ってある5枚の「指名手配写真」の顔触れなどがその1例。上段の二人はぼやけて分かりませんが、レイネさんご指摘の下段左は『ウィスキー』の共同監督パブロ・ストール、右は同じく共同監督の今は亡きフアン・パブロ・レベージャだと思います(ロックスターを夢見ていた頃は長髪だった)。まさしく亡き友へのオマージュでしょうね。そして自信ないけど、二人に挟まれた中央はアドリアン・ビニエツ監督本人じゃないかしら。


smoking パブロ・ストールは、新作“Hiroshima”を今年のロッテルダム国際映画祭に持ち込みました。単独監督としては第1作になります。フアン・パブロ・レベージャとの共同第1作“25 Watts” がタイガー賞を受賞した縁起のいい映画祭なので縁起担ぎかも。昨年11月に開催されたマル・デ・プラタ国際映画祭(アルゼンチン)で、すでに最優秀ラテンアメリカ映画賞を受賞しています。カルロス・レイガーダスの『ハポン』同様、「広島」とは直接関係ありません。)


diamond 主人公ハラが初登場のシーンで着ているTシャツは、カプコン発売のプレステ用「バイオハザード」のマーク入り。この伏線でホラーアクション・アドベンチャーゲームのオタクという性格設定が分かる仕掛けになっています。このシリーズは、日本国外ではバイオハザードではなくResident Evilなので、ウルグアイでこういうTシャツが販売されてるのかどうか仔細は知りませんが。

diamond ハラ役のオラシオ・カマンドゥレの表記、CamanduleかCamandulleか、エンド・ロールの表記は後者でしたね。IMDb以外は圧倒的に後者のようです。

diamond フリア役のレオノール・スバルカスLeonor Svarcasは、1977年モンテビデオ生れのウルグアイ人。『ウィスキー』でデビュー、“Acne”やビニエツ監督の短編“8 horas”(2006)、“Total disponibilidad”(2008)に出演、後者では脚本を監督と共同執筆しています。アルゼンチン人のビニエツ監督が当初の予定を変更してモンテビデオに住みついてしまったのは、彼女と恋に落ちてしまったからとか。

何人かの評者が指摘しているように、アキ・カウリスマキとかジム・ジャームッシュのテーストがあります。結構気に入りましたので、後でゆっくりお邪魔したいと思います。

Posted by: アリ・ババ39 | Tuesday, March 30, 2010 at 14:24

アリ・ババ39さん
いつも情報たっぷりのコメントありがとうございます。

Juan Pablo Rebellaが自殺してしまったこと、いろんな機会にたびたび思い出しますが、本当に残念です。『25 Watts』も『ウィスキー』も面白い作品で私はたいへん気に入っているのに。

あの真ん中の写真は、どうかなあぁぁぁぁ(←考え込んでいる声)、私としてはビニエツ自身ではない気がしています。なんか顔立ちが違うような…? いずれ確認してみたいものです。

『Gigante』、私も気に入ったのでアリ・ババ39さんのコメントの続きを楽しみに待っています。よろしくお願いします。

Posted by: Reine | Wednesday, March 31, 2010 at 10:39

diamondアルゼンチンの監督がウルグアイで作ったラブコメディ
A: ウルグアイという国は、大国ブラジルとアルゼンチンに挟まれた小国、「サンドウィッチのパセリのような」国なんて陰口をたたく人も。
B: ビニエツ監督はアルゼンチン人なんですね。

A: 1974年8月28日、ブエノスアイレス生れ、受賞時は34歳だったことになります。1973年生れのオラシオ・カマンドゥレ(ハラ役)と1977年生れのレオノール・スバルカス(フリア役)の中間、90年代半ばにロックバンドの歌手として活動をし始めた。
B: それはハラの性格設定にも充分活かされていますし、現在も監督と歌手の二足の草鞋を履いているそうですね。

A: 映画監督の仕事は今世紀にはいってから。2003年にレベージャとストールの『ウィスキー』(2004)にチョイ役で出演してウルグアイとの接点ができた。
B: カラオケのシーンですね。

A: もともと監督志望だったらしく、受賞時のインタビューで8年前から映画を撮りたいと考えていたと話しています。しかし実際に舵を切ったのは『ウィスキー』出演でしょうね。翌2004年にはモンテビデオに移住してきて映画の勉強を始めています。

B: 映画の勉強に、南米の映画先進国アルゼンチンからわざわざウルグアイに来るというのは逆方向に思われますが。
A: 『ウィスキー』にはレオノール・スバルカスも出演してましたね。

B: ははん、そういうことですか。
A: 恋に落ちたのがこの時かどうかは知りませんよ。前のコメントと重なりますが、2006年の短編第1作“8 horas”に出てますし、第2作の“Total disponibilidad”(2008)では、出演だけでなく脚本も二人で手掛けています。アルゼンチンの記者から「ブエノスアイレスよりモンテビデオが気に入ったのはまたどうしてなの」と突っ込まれてましたが、「モンテビデオでは、自宅から10ブロック先が浜辺なんだよ」と煙に巻いていました。

B: 映画のラストシーンにその海岸をもってきた。ハラとフリアが砂浜に座って海を眺めながら、何やら話している。しかし観客には聞こえない、各自想像するだけの美しい終わり方でした。

A: 第一に自分の映画がレベージャやストール、“Acne”(2007)の監督フェデリコ・ベイロフたちが目指すものと一致していたからでしょうね。
B: これにもスバルカスがちょっとだけ出ていました。

A: つまりスタッフや俳優も含めて一つのグループを形成して活動している。彼らのことをウルグアイの“cofradia cool” と称するようですが、さしずめ「クールな仲間たち」、クール族ぐらいでしょうか。それぞれ好敵手として切磋琢磨しているわけです。

Posted by: アリ・ババ39 | Wednesday, April 21, 2010 at 11:20

diamondテーストはアキ・カウリスマキを連想させる
B: 複数の批評家が、このグループの作品はフィンランドのアキ・カウリスマキや、ジム・ジャームッシュの作品を連想させると言ってますね。
A: 実際『ウィスキー』は、サンクス欄にカウリスマキの名前がありました。ビニエツも好きな監督の一人に挙げていますが、熱烈なファンではないようです。しかし作品を多く見ているので無意識のうちに影響を受けてしまうと言ってます。

B: 以前、『ウィスキー』の監督たちが、ウルグアイには1年間有効の映画館パスがあって、格安に世界中の映画が見られると話してました。
A: シネマニアの存在がインディペンデント映画を支えているのはどこも同じです。好きな監督として、筋金入りの映画オタクが監督になったと言われるジョン・カーペンター、ジャン・ルノワール、ジョン・フォード、ジャド・アパトウ、ニュー・ジャーマン・シネマの中心的存在だったライナー・ベルナー・ファスビンダー、クリント・イーストウッド、最後まで瑞々しかったエリック・ロメール、ヌーベルバーグを生きつづけるジャン­=リュック・ゴダール、香港映画のジャッキー・チェンやジョニー・トー・・・キタノも挙げてます。

B: フランスは分かるとして、意外にハリウッドが多い。日本もそうだけどアメリカは強い。皮肉にもアルゼンチンやスペインの監督がいませんね。

A: アクション、コメディ、ホラー、SF、特徴は製作も兼ねる監督が多いかな。アキ・カウリスマキに話を戻すと、彼の兄さんミカがかつてモンテビデオに住んでいたことがあるようです。
B: 『Go! Go! L.A.』(1998“Los Angeles without a map”)やブラジル音楽のルーツをたどるドキュメンタリー『モロ・ノ・ブラジル』(2002)の監督ですね。ブラジルに在住していたことは音楽ファンには知られていますが。

A: 弟の方にはコアなシネマニアがいて、全作品が公開かDVD化されています。カウリスマキ兄弟がフィンランド映画の地図を書き変えたのは間違いありませんが、信じられないことです。

B: 共同で映画作りをしていますが、国際的にも有名なのは弟アキのほうですね。しかしフィンランド映画は、ウルグアイでは商業ベースにのらないのでは。
A: そうですね。2007年9月から10月にかけて、モンテビデオでアキ・カウリスマキ特別上映会(長編16・短編1)があった。アルゼンチンのフィンランド大使館、モンテビデオ領事館の肝煎り、監督本人も駆けつけたようです。現状に満足しない「映画の詩人」のひとりと紹介された。

B: 2007年といえば、ビニエツたちが本作に取り掛かっていた時期です、影響受けますね。

Posted by: アリ・ババ39 | Wednesday, April 21, 2010 at 11:21

diamondストーカー恋愛、のぞき恋愛
A: テンポはスローペース、同時録音、ロケ重視、寡黙な登場人物、不思議なユーモア…
B: これといって特徴のない平凡な人物ばかり、大事件は起こりそうにもない。しかし次第にモンテビデオの現実が見えてくる仕掛けをちゃんと描いている。

A: 超大型スーパーの管理システム、女性の夜間労働、マテ茶文化、若者の文化、例えばロック、ディスコ、出会いサイトでデート等々、気がつけば、観客もハラと一緒に「ノゾキ恋愛」のおかしさと「ストーカー恋愛」のスリルを味わうことになります。
B: 鍵アナでなくモニター越しのノゾキですけど。ハラの人格形成にはオラシオ・カマンドゥレからインスピレーションを受けたそうですが。

A: フリア役はスバルカスを念頭にシナリオを書いたそうですが、ハラには監督自身や友人の性格も盛り込んだと言ってます。カマンドゥレは小学校教師から舞台俳優に転身した役者で、劇場のコンセルジェ係というかガードマンとして数年働いていた。ハラが週末にディスコの用心棒をしていましたが、それを取り込んだんでしょう。
B: 撮影前に実際にスーパーに出掛けてミニ観察したり、登場人物については監督が求めているものをそうとう議論した。

A: 週に3~4回2時間の割で集まり意見交換をするかたわら、脇役陣のキャスティングもし、大いに鍛えられ、学ぶことも多かったと、ベルリン帰国後語っています。

B: 観客はフリアの声を最後まで聞くことができませんでした。
A: そう言われてみればそうですね。スバルカスは、セリフが一つもない台本を見て驚いたでしょうね。演技のリハーサルも取り立てて必要なかったが、ちょっと秘密めいたところのある役ですから、ある種の型にはまった演技にならないように苦心したと。

B: プロフェッショナルな清掃員ではないし、レイネさんが紹介したようにドジっ娘役ですから、却って難しかったかも(笑)。
A: ただ、テレビのコミック番組に出演していてコメディ路線を希望、しかしイメージを固定されたくないと。フリアが帰宅途中にふらふら歩きまわるシーン、ハラがストーカーするところ、あそこはリハーサルしたそうです。二人一緒のシーンはわずかだし、フリアはハラを知らないという設定ですから、役についての議論はしたが、撮影はそんなに重ならなかった。

B: スバルカスはインタビューを聞くと、相当早口だし論客ですね。
A: いずれ監督やりそうな感じを受けます。仕事量に比較して女優が多すぎると言ってます。それぞれ役者兼脚本家兼監督兼製作者……映画弱小国では何役もこなさなければなりません。人気が《束の間》なのが現実でしょう。

Posted by: アリ・ババ39 | Wednesday, April 21, 2010 at 11:23

diamondベルリン映画祭てんやわんや
B: できたてのほやほやをベルリンに持っていったようです。
A: 直前にコンペ出品が決まった。それまではデジタルで映写していて、35ミリに大きくする時間がなく、監督とアラウコ・エルナンデス撮影監督が大車輪で完成させたのが2日前の明け方3時だった。そのころカマンドゥレとスバルカスは、夏のウルグアイから気温7度のベルリンにやってきて、赤絨毯で興奮と寒さでブルブル震えていた。つまり二人は初めてベルリンで見たんだそうです。

B: 《未知との遭遇》だったわけか。
A: カマンドゥレは、観客の笑い声や拍手を聞いて心から驚いたと。モニター越しのプラトニック・ラブで始まった主人公ハラの想いはなかなか届かず、愛は曖昧のままなのにね。上映後の記者会見も笑いの渦でしたね。

B: 低予算、特撮もなく、大事件も起こらず、とりたてて悪い人も出てこない。こんな凡庸な人々しか出てこない映画に観客は共感したのです。
A: 余計なものを付け足さない、足し算より引き算したのがよかった。ベルリン、シカゴ、トロント、サン・セバスティアンなど、、各映画祭の審査員や観客を魅了した秘密は、ご覧になれば分かります。プロットはごくシンプル、セリフは極限までカットされてます。

B: セリフが少ないのに見終わると、いろんなことを語っていたような錯覚を覚えます。
A: 観客がおのおの物語を創作しているからではないかな。アラウコ・エルナンデスが工夫したモニター映像の延長のような青みがかった美しい画面をスクリーンで見たいし、タイトル《巨人》からは想像もできない《小さな》ラブコメディは、日本でも公開可能ではないかしら。

Posted by: アリ・ババ39 | Wednesday, April 21, 2010 at 11:25

上記のコメント(3)のポスターは誰の写真?というクエスチョンですが、ビニエツ監督に問い合わせたところレスが届きました。

mailto 写真のシーンですが、正解です。一枚目は、そう、パブロ・ストール監督ね。スタッフの一人でした。監督補。

でも故レベージャの写真はないです。残りの写真はアートディレクターのAlejandro Castiglioni、第二カメラマンのPablo Berti、それから『Acne』の監督のFederico Veirojです。end

だそうです。


(5)の雑誌について
「あのキオスクで手芸の雑誌を手に取っちゃうところとか、ディテールが可笑しいですよね」と書いておいたところ、「あのシーンは僕も気に入ってます。ああいう雑誌なんかもすべて架空のもので、表紙の女性も『Gigante』の衣装係の女性とプロデューサーなんですよ」とのこと。


そして〆は、「日本映画フリークの僕としては、この作品が日本の映画祭などで上映してもらえるのなら本当に光栄に思います」でした。こんどのラテンビートに来るといいですね。

Posted by: Reine | Wednesday, July 07, 2010 at 12:52

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