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Saturday, December 05, 2009

El secreto de sus ojos / 瞳の奥の秘密 [アルゼンチン映画]

secreto de sus ojos来週開催されるスペイン映画祭2009で、12/9水曜日18:30から上映されます。カンパネラ監督作品好きの私としては、本当に楽しみにしてきた作品。


今日の時点では何も書けませんが、一つだけ、スペインの友人からアドバイス受けたことをメモしておこうと思います。


おはなし
pen長年勤めた刑事裁判所を退職したベンハミン・エスポシトは、ずっと心にあったことをいよいよ実行に移そうとする。自分がかつて深く関わった事件について、ノンフィクション小説を書くというのである。

―――1974年に発生した強姦殺人事件がそれである。pen 


という作品ですから、退職後と1974年とを行きつ戻りつする作りとなっています。これ、まぁ、余計なことかもしれませんが、「外国人の顔の見分けがつかなくてストーリーがわからない」とかいう人が私の身近にも少なからずいるので、やっぱりね、これ書いといた方がいいと思うわけ。

diamond主役(男)のベンハミン・エスポシト(リカルド・ダリン)が黒髪だったら1974年当時のこと、白髪交じりだったら退職後の‘今’です。

diamond彼の区別は難しいけど、相手役(女)イレーネ・ヘイスティングス(ソレダー・ビジャミル)は髪の長さが明らかに違っていてわかりやすいのでそちらで判断するとよい。


とのことです。


‘今’のベンハミン 白髪交じり
secretos secretos

‘今’のイレーネ 髪短い
secretos secretos

1974年頃のベンハミン 黒髪
secretos

1974年頃のイレーネ ロング
secretos secretos secretos


この作品が観られることになって私は本当に嬉しい。


El Secreto de Sus Ojos 公式
映画『瞳の奥の秘密』公式サイト
El secreto de sus ojos (2009)@IMDb

瞳の奥の秘密@CinemaCafe
瞳の奥の秘密@goo
瞳の奥の秘密@ウーマンエキサイト
瞳の奥の秘密@象のロケット
瞳の奥の秘密@映画生活
瞳の奥の秘密@シネマトゥデイ


監督・脚本: Juan José Campanella フアン・ホセ・カンパネラ
原作・脚本: Eduardo Sacheri エドゥアルド・サチェリ 『La pregunta de sus ojos』

出演:
Ricardo Darín リカルド・ダリン ... Benjamín Esposito ベンハミン・エスポシト
Soledad Villamil ソレダ ... Irene Menéndez Hastings イレーネ・ヘイスティングス
Guillermo Francella ギジェルモ・フランセジャ ... Pablo Sandoval パブロ・サンドバル

Mario Alarcón ... Juez Fortuna Lacalle フォルトゥナ判事
Mariano Argento ... Romano ロマーノ

Carla Quevedo カルラ・ケベード ... Liliana Coloto リリアーナ・コロト: 強姦殺人事件の被害者
Pablo Rago パブロ・ラゴ ... Ricardo Morales リカルド・モラレス: その夫
José Luis Gioia ... Inspector Báez バエス警部: リリアーナ殺害現場にいたでっぷりお腹の警部
Javier Godino ハビエル・ゴディーノ ... Isidoro Gómez イシドロ・ゴメス



Ver El Secreto de sus ojos en un mapa más grande


(あとはコメント欄に少しずつ書き足していきます)

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Comments

スペイン映画祭についての記事から書き写す)

観たかったんだ、これ!
Italo-argentinoの友人で、スペイン語映画をよく私に紹介してくれてしかも好みが私ととても似ている子がこないだサン・セバスティアン映画祭でこれを観てきたらしく、興奮気味に勧めてくれた。映画祭でもスタンディング・オベーションだったとか。

私も彼もフアン・ホセ・カンパネラ監督の過去の作品はかなーり好きで、そうそう、去年日本に来た時には同監督の『Vientos de agua』という大河ドラマ(?)のDVD-BOXを私に買ってきてくれたんだわ。

「でも……」と彼は言います。
「esta es diferente / sale del romanticismo y se adentra en un Thriller」だそうだ。

trailerを観て私が「いやぁ、『El mismo amor, la misma lluvia』とか『Luna de Avellaneda』『El hijo de la novia』と同じ監督って思ってるとびっくりするね」と言うと、「yo pense lo mismo / me quede boquiabierto!」と言っていた。

とにかくこれは楽しみ。DVDを買おうとも考えていたのでこのたび観られるとわかって本当に+(0゚・∀・) + ワクテカ + end

Posted by: Reine | Saturday, December 05, 2009 at 20:16

今夜観て帰ってきたところですが、そんなに人物の顔の見分けがつかなくなっちゃって困っちゃうっていうほどややこしくはなかったですよね。あ。これくらいの行きつ戻りつならばよかったと思いながら観てました。


今日もいろいろ厳しい状況だったのを無理矢理観に行ったのだけど、私はあのスタジアムのシーンを観ることができただけでも満足だったかもしれません。

もちろんそれだけじゃなくて、カンパネラ監督作品好きの私としては、大好きなポイントは他にもたくさん挙げられる作品でした。その辺のことについてなど、何日かかけて少しずつ書きます。

ちょっとね、ほんとにね、時間がね……。

Posted by: Reine | Thursday, December 10, 2009 at 00:14

私は本当にこの作品が好きなのでいろいろ書きたいことはあるのだけど、まだ日本でいつか上映される機会があるかもしれないし、是非上映されてほしいので、あんまり書けない。

機会があったらどうか観てください。それまではこの先を読まないでください。


語句メモ
・audiencia: 2. f. Ocasión para aducir razones o pruebas que se ofrece a un interesado en juicio o en expediente.

・pinche: Cadete. Empleado de menor categoría. Mandadero.

・causa: 5. f. Der. Proceso criminal que se instruye de oficio o a instancia de parte.

Olivettiはたしか『バッド・エデュケーション』でも使ってたね。

・papelón: 4. m. coloq. Actuación deslucida o ridícula de alguien.


・「いつも昼休みには『Los tres chiflados』を見ていたんです」→『The Three Stooges』(三ばか大将)

・perejil: Ingenuo. Cándido. El tonto que es elegido para pagar culpas que no tiene.

・社会的弱者ともいえる人物を拷問という不当な取り調べで犯人にしたてあげたとして告発された検事が左遷される。「可哀想にあの男は今じゃコチンチーナにいるんだよ」
→Cochinchina ?
→・スレッド: ¿Dónde está la Conchinchina?
→・スレッド: Donde queda la conchinchina?
→・スレッド: ¿donde esta la conchinchina?


・「私がまず初めにやさしく取り調べをして、後からサンドバルがやってきてタフに問い詰めるっていう寸法です」「何なの、その古臭いやりかた!」
→・Más viejo que la ventosa.

・pigmeo, a: 2. adj. Muy pequeño. (Apl. a pers., u. t. c. s. U. t. en sent. despect. 人について形容詞としてまた名詞としてたいてい侮蔑的に用いられる)

・pánfilo, la: 1. adj. Cándido, bobalicón, tardo en el obrar. U. t. c. s.


・この作品、幾度かにわけて緊張が走るようになっているのだけど、そういう見せ場の一つで出てくる大事なコトバが《bien dotado》。

bien dotado」については、「我が町の消防隊は装備など万全です」と記者会見で発表しようとしてついつい「我が町の消防隊員はナニがデカい」と言ってしまって、もうあとは笑ってしまって収拾がつかなくなってしまった議員のことを書いたことがあります。

・maní: 1. m. cacahuete.

・maní quemado: これが「ペニス」の意味なのか、「短小のペニス」を意味するのかは、ちょっと今よくわからない。あとで調べる。文脈からいったら「短小のペニス」を意味していたと思うんだけどね。

09.12.12 加筆
スペイン在住のアルゼンチン人の男友達に maní quemadoとは simplementeに pene を意味するのか pene pequeño かと聞いたところ pene pequeño であるとの答え。「" tenes un maní quemado"と使う。いろいろ好みもあるだろうからそのモノが実際に大きいのか小さいのかはさておき es una frase despectiva」。

Posted by: Reine | Thursday, December 10, 2009 at 21:45

本文中にこの作品に関係する地図を挿入しておいたんだが、さっきまではきちんと表示されていたのに今はあれだ、ときどき発生する不具合、アマゾンの商品小窓と中身が置き換えられちゃったりしてガチャガチャになっちゃってるな。

まあ、二三日で直ると思うので、待つだけだ。


私は本文で「おはなし」を説明した時にベンハミンは「ノンフィクション小説を書こうと」しているように書きましたが、そういうジャンルって感じでもなかったね。何というジャンルとしておくとちょうどいいのかしら。読書しないからよくわからないんだよね。まあ、いっか。ちょっと保留。

Posted by: Reine | Friday, December 11, 2009 at 01:01

さて。

ここから先は、少しはストーリーに触れてしまうと思うので、未見の方はちょっと気をつけてdanger

↓↓↓↓↓↓

本作に関する記事や掲示板で「カンパネラ監督って人はほんとうにcursiである」などと目にしましたが、いいんです、私、こんなキザ大好き。cursi上等、メロドラマ上等。


私なんかね、冒頭の数十秒でもう涙滲んでいましたわ。

でもそれは私が『El mismo, amor, la misma lluvia』を思い出してしまっていたからだろう。

・『El mismo amor, la misma lluvia』はカンパネラ監督の1999年の作品。
・一組の男女の20年をかけた曲折を描いてある。
・主演は本作とおなじくリカルド・ダリンとソレダー・ビジャミル。


観てから2年が経とうとする今でもまだ私がハッキリと覚えている一番印象的なシーンとは、二人が手をしっかりと握る場面なのです。

だから『瞳の奥の秘密』の冒頭の数十秒を観たときに、「ああ、これはセルフオマージュなのかしら」と感じたのでした。

『El mismo amor, la misma lluvia』のホルヘ(リカルド・ダリン)とラウラ(ソレダー・ビジャミル)がいた世界のわきに流れていたパラレル・ワールドが、つまり『瞳の奥の秘密』であって、ここでもまた男女は手を取り合おうとしているのだと見えてきて、私はもうそれだけで涙目になったというわけです。


diamond ところで『El mismo amor, la misma lluvia』も観てはどうでしょうか。今『El mismo amor, la misma lluvia』の感想文を読み返すと全然褒めてないような書き方に見えて私自身おどろいているのですが、そんなことないんですよ、私はあの映画でも微笑んだりしょんぼりしたり鼻をすすったり…と、大忙しで楽しみましたよ。

あれは特にアルゼンチン好きの人にはお薦めです。ただ、字幕がない。私の買ったDVDにはなかった。そして字幕がないとけっこうたいへんだった。

Posted by: Reine | Friday, December 11, 2009 at 18:16

さて、『瞳の奥の秘密』。
私が「あれを観られただけでも満足」と言ったスタジアムのシーンについては監督のインタビューがあります。

El secreto de sus ojos (los de Juan José Campanella) : Revista Criterio

どうやって作ったのかという問いにカンパネラ監督は

「いろいろ問い合わせもあるが今は未だ黙っておこうと思っています。『どうやったの』と知りたくなる気持ちはエンターテインメントを成す要素の一つですから。

準備に2年、撮影に3日、200人のエキストラを要しました。ポストプロダクションには『ロード・オブ・ザ・リング』のときにピーター・ジャクソンも使ったという群集ソフトのマッシブ(Massive)で9か月かけました。あのソフトをここまで使えたのはラテンアメリカでは我々100 BARES PRODUCCIONESだけでしょう。これもビジュアルエフェクトのスーパーバイザー、ロドリゴ・トマッソのおかげです」。hairsalon


………コンピューターで造ったものであっても、あのように美しい、鳥肌がたつようなシーンを見せてもらえるのであればそれで私は満足です。

Posted by: Reine | Friday, December 11, 2009 at 18:41

同じ記事の最後にタイトルについてのやりとりがありますね。

「最後になりますが、 sus ojos とはいったい“だ・れ・の”目なのでしょうか」

「そこはスペイン語の旨みでしょうね。“彼”のかもしれないし“彼女”のかもしれない。他の人物の目でもありうるしもっと別の誰かかもしれない。この仕掛けは英語ではできないんですよね。英題は『The secret of their eyes』などとなってしまい、私は納得していないですよ。この作品を適確に表す英題を誰か考えついてくれないかなと思っています」。hairsalon


そう、sus。sus なんだよね。

原作小説のタイトルは『Secreto ~』ではなくて『Pregunta de sus ojos』。誰の目が問いかけることだというのかね。誰か原作読んだ人がいれば、是非教えていただきたいところ。

Posted by: Reine | Friday, December 11, 2009 at 19:48

むごたらしい殺人事件の被害者遺族が司法の人間に向けた最後の言葉、あれを聞いた時に私は涙がこぼれてきたのだけれど、それは遺族の愛の深さ・重さを感じたからとかそういうことではなくて、……ああ、なんといったらいいのか……。

あの遺族があの言葉を放った時、ぶつけられた側の人間は返す言葉もなくて、その場から逃げ出すようによろめきながら背を向けた。

あの言葉は、体制にふみつけられて裏切られてはぐらかされて翻弄される歳月を生きたアルゼンチンの民が国家の胸に突き刺した矢のような、いや、氷柱のようなものなのだろうと、そんなことを感じて私はあのシーンで心臓が痛くなるくらい泣いた。

Posted by: Reine | Friday, December 11, 2009 at 20:23

カンパネラ、ダリンときたらEduardo Blancoを思い浮かべてしまうところですが、今回はいませんでした。代わりに、というと失礼だわね、コメディ色を添えてくれたのがパブロ・サンドバルを演じたGuillermo Francellaでした。


……と、ここまで書いて今わたしビックリしてるんだけど、Guillermo Francellaが『ルドandクルシ』のサッカーエージェント、バトゥータさんだったの? あたし最近それをBGV的に回してたんだけど気づかなかったわ。

たしかにアルゼンチン語をしゃべってた。


diamond あと関係ないけどGuillermo Francella演ずるパブロ・サンドバルは『Sueno de Valentin』のバレンティン少年やのび太がそのまま大きくなったような容貌で、なんか好き。

diamond ところでまた関係ないけど、ベンハミンにはしょっちゅう boludo、boludo とパワハラすれすれの扱いを受け、更なる上司のイレーネにまで「ちょっと! あなたそこでなに立ち聞きしてんのよ!」と八つ当たりをされたりしちゃう、ひょろ長の修習生(?)、あの役者は誰なんでしょうか。

IMDbをみるとPinche Mariano(Alejandro Abelenda)かPinche Tino(Sebastián Blanco)だと思うんだ。で、前者マリアーノは映画の中の“現在”の修習生だったでしょう。(最初にコーヒーを買ってきてちょうだいと使い走りにだされるシーンでマリアーノと紹介されていた)

ということは、“74年当時”のpincheは後者のティノくんということになる。(でも、私のメモによればこの子は「エドゥアルド」と呼ばれていたんだよな。まあ、よし)

このSebastian Blancoって、ひょっとしてEduardo Blancoとなにか関係ある? 息子だとかなんだとか。まさかね? 気になってるんだけどよくわからない。保留。

Posted by: Reine | Friday, December 11, 2009 at 21:02

danger未見の人にはますます読んで欲しくない事柄を私は今からメモしますdanger

↓↓↓↓

これを読んでしまうと、ホント、実際に映画を観る時に面白くなくなっちゃうから

↓↓↓↓

OLENIAK
ANIDO
Mesías
MANFREDINI

………あとはよくわからなかった。

Posted by: Reine | Friday, December 11, 2009 at 21:04

これ以上はもうストーリーにじかにふれてしまいそうだから、もうこの辺でやめておく。


ああ、そうだ、あそこだけ。

―――ヤツなんです。
「なんでわかる?」

―――わかりません。
「ほらみなさい」

―――いや、なんでわかるのかがわからないけど、わかるんです。
「だからどうして!?」

あそこのやりとりはスペイン語のやりとりのおかしさやテンポの良さを日本語字幕で伝えるのは無理だったんだな。

Es él.
¿Cómo lo sabe?
No sé.
¿Ve? (Mire. だったかもしれない)
No sé cómo sé, pero sé.
Y ¿¡cómo!?

Posted by: Reine | Friday, December 11, 2009 at 21:07

ラテン・アメリカを知る事典より、

memo ペロン María Estela Martínez de Perón (Isabelita) 1931 ~
アルゼンチンの政治家,大統領(1974-1976).ペロン元大統領の3番目の夫人,イサベル・ペロン.北西部のラ・リオハ市生れ.1955年,ダンサーとして働いていたパナマで亡命中のペロンと知り合い……略……73年9月の大統領選ではペロンとノコンビで副大統領に当選し,翌年7月ペロンの死に伴い,西半球で初の女性大統領となった.しかし,軍部のクーデタにあって政権を追われ,81年6月まで軍事政府の手で身柄を拘束されていた.釈放されたのちスペインに移り,政界からの引退を表明している.

memo ペロニスモ Peronismo
……(たくさん略)……ペロンの死後イサベル・ペロン政権(1974-76)の下でも引き継がれたが,イサベルが政治に不慣れだったこともあり,朝令暮改を重ね,ペロニスモのイメージ・ダウンの一因となった.さらにペロン亡きあと,運動内部の対立が激化したことも重なって,83年10月の大統領選ではペロニスタ党は39%の得票率で2位に甘んじたが、89年の選挙で雪辱を果たした.hairsalon


っていうことは、えーっと、この映画の舞台、つまりリリアナ・コロト殺人事件とその捜査が展開した時期は、ちょうど軍政と軍政の狭間だったわけですか? (注: 原作の時代設定は1968-76らしいが)

時系列をかんがえてみる。

1974年6月: 殺人事件発生。

1975: 被害者の遺族を見かける。「1年間ずっと」。

1976: ニュース番組の映像を見て驚く。 ←ここがハッキリわからない。1975かもしれない。どちらにしてもまだイサベル・ペロン云々の時代ということは、1976年3月よりも前ってことだよね?

1985: 「BsAsには85年に戻ってきた」「10年間フフイで羊(だかなんだか)を数えてた」とかなんとか言ってた。

1999: 映画の中の“現在”。カンパネラもインタビューにおいて言っている、「1999年の携帯電話はどんなモデルだったかを調べた」、と。

Posted by: Reine | Friday, December 11, 2009 at 22:31

diamond 誰の「瞳」でしょうか?

A: まずタイトルから入りましょう。スペイン語のsu(sus)は、彼の、彼女の、あなたの、それの、各複数と、大変便利というか曖昧です。結果、英語タイトルは、“The secret of their eyes” になりましたが、カンパネラ監督は納得していない。

B: Reineさんが翻訳してくれたインタビュー記事によればそうですね。

A: まあ監督としては、ちゃんと私の映画を見てくれたら幾らなんでもtheirにはならないでしょう、と言いたいわけです。これを受けてかどうか分かりませんが、アメリカ公開タイトルは、her eyesに変更されたようです。

B: 「彼女の」目だけでしょうか? 妻を殺害された夫モラレスの目も多くのことを語っていたように感じますが。イレーネと同様モラレスの目のクローズアップも印象に残りました。二人の目は静かな光を放っていました。

A: 「彼女の」だけかどうか微妙ですね。後でフラッシュバックと分かる冒頭部分、イレーネの目がクローズアップされ、ベンハミンは愛するひとの目が語りかけてくる問いを読み取ろうとします。ここを見たときは、「彼女の」瞳なんだな、と思いました。しかし進行するにつれあやふやになってしまった。それに原作のタイトル名は「秘密」じゃないんですね。

B: 原作は、“La pregunta de sus ojos”(2005刊)、どうして変えたんでしょうか、こちらなら「彼女の」でいいような気がします。小説を読めば変更の理由が分かるかもしれません。「秘密」なら「あなたの」というボカシ路線でもいいように思いますが、どうでしょう。

A: あなたとは「どなた?」となりますが、スペイン語も日本語も曖昧なんだからいいかな。とにかく日本語は「誰の瞳か」なんて考えなくてもタイトル付けができて幸いでした。日本語の非論理性のお蔭です。しかし、定冠詞losではなく所有形容詞susなんだから挑戦すべきでした。話は飛びますが、アメナバルの『オープン・ユア・アイズ』(1997) の原題は「Abre los ojos」、邦題は英語題のカタカナ起し、このときも「yourかぁ」と思ったのでした。

Posted by: アリ・ババ39 | Friday, December 18, 2009 at 19:53

B: 難しい選択です。先ほどフラッシュバックの話が出ましたが、あのシーンは実際にあったことではなく、ベンハミンが書きかけているノンフィクション・ノベルのシーンです。実際にはあのようなロマンチックな別離はなかった。

A: おっしゃる通りです。この映画のフラッシュバックには、事実と虚構の2種類があって気をつける必要があります。リリアナ・コロトが殺害された6月21日の朝食風景やサンドバル殺害の様子は、ベンハミンが執筆している小説の一部です。ベンハミンはロマンチストで犯罪小説向きではありませんね。ノンフィクション・ノベルの生みの親『冷血』のカポーティのようには書けない(笑)。

B: モラレスがレイプマンのゴメスを車のトランクに閉じ込めて殺害するフラッシュバックもフィクションですね。

A: フラッシュバックが多すぎました。技術的なことはよく分かりませんが、デジタルだと長回しもできるし、挿入も簡単なんでしょうか。個人的にはもう少し刈り込んで短縮したほうが良かったと思いました。複雑な時代背景や厳しい社会情勢は別として、要するにこの映画のテーマは単純、愛であり、友情であり、正義とは何かです。女性の好む二人の男の「究極の愛の物語」なんですよ。ベンハミンは最初気づかない振りしてますが、イレーネの愛を確かめるために書こうとするのであって、その逆ではありません。

B: ベンハミンが冒頭部分で「Temo」(怖い)とメモを走り書きしますが、最後にこのメモに「Te Amo」(君を愛している)と、「A」を書き入れます。彼が使用していたタイプライターは壊れていて「A」が印字されなかったことを思い出して、ああ、これで愛は成就されるのだと。

Posted by: アリ・ババ39 | Friday, December 18, 2009 at 19:54

diamond事件を時系列に並び替えてみよう

A: リリアナ殺害事件は1974年6月21日、第41代フアン・ドミンゴ・ペロン大統領(1973~74、享年78)政権時代に起きた。ペロンは7月1日に心臓発作で急死するから、この月日は重要ですね。副大統領だった妻マリア・エステラ・マルティネス・デ・ペロン、通称イサベリータが即日大統領に就任する。

B: 誤認逮捕というかデッチ上げ逮捕やらがあって、真犯人のゴメスが逮捕されるのは1年後。

A: モラレスがニュース番組で、服役中のはずのゴメスがイサベリータ大統領のボディガードとして娑婆に戻っているのを見てベンハミンに電話をかける。ここが何時かですね。

B: 1975年後半から軍事クーデタが起きる翌年3月24日の間ですね。モラレスが逮捕後のゴメスの処遇を追跡していないのを奇異に感じた人多いのでは。例えば裁判とか、あれだけ犯人捜しに情熱をかけたのに。

A: 裁判などなかったと言いたいのかも。ゴメスが所属していた非公式の私設警察(fuerza parapolicial)は、ペロン政権から引き続き社会福祉大臣だったホセ・ロペス・レガJose Lopez Regaが、イサベリータの要請で創設、総指揮した秘密警察のようなものです。ですからゴメス逮捕以前からあった組織です。

B: カンパネラ監督もインタビュー者にロペス・レガについてのMarcelo Larraquyの著書を薦めていましたね。

A: 彼はトリプルA(Alianza Argentina Anticomunista)という右派のテロ・グループの創設者としても有名です。一方イサベリータは夫より強権的な体制を敷き、1975年には反政府派を弾圧、人権活動家の投獄・殺害を行い、支持母体であるペロニスタ陣営からも反感を買った大統領でした。強権的なうえに経済・政策にも疎く、ブレーンも脳なしだったから、軍事クーデタにさえ誰も驚かなかった、と歴史書に書かれる始末です。

B: それでゴメスのような極悪人が必要だったわけですね。ベンハミンとイレーネが抗議しに行ったのが、その社会福祉省というわけですか。二人が乗ったエレベーターにゴメスが無理矢理ドアをこじ開けて乗り込んできて、リボルバーかなにかを取り出すシーン、息止めてました。

A: 名場面の一つにはいります。アルゼンチンでも、そういう目にあった観客が当時を思い起して身震いしたそうです。左遷されたはずのロマーノが返り咲いている。彼のような打たれ強いヘイコラ役人というのはどこの世界にもいるわけです。

B: 万国共通です。

A: 小説では殺人事件発生が1968年、犯人の身元を割り出し逮捕に漕ぎつけたのが1973年。映画では殺害が1974年6月21日、犯人逮捕が1年後、とスピード解決にしました。ちょっと強引な筋運びですが、今の子供たちは学校で国家が正義を行わなかった時代は「軍事独裁の時代」(1976~1983)と教えられているが、そうなるには前哨戦があったと知らせたかったと語っています。

B: 主人公たちは、アルゼンチンがデモクラシーとは名ばかりで、すでに軍事独裁の移行期にあることに気づいているわけです。

A: 監督は「学校が教えないなら市井のオジサンが教えないと」と言ってます。ペロン→イサベリータ→軍事独裁→デモクラシーと4つの時代にまたがらせたかったのかもしれません。ペロンとイサベルは共にスキャンダラスなカップルですが、本題から逸れるので打ち切りましょう。

Posted by: アリ・ババ39 | Friday, December 18, 2009 at 19:55

diamond 魅力のポイント、選りすぐりの脇役陣

B: この映画の見どころの一つは、主役は勿論ですが、脇役陣の充実です。ロマーノ役など辛い役でしたが、マリアノ・アルヘントの横柄ぶり、上手かったですね。アルゼンチンの俳優は尻込みしたのか犯人ゴメス役にはスペインのハビエル・ゴディノ、モラレス役のパブロ・ラゴの情熱を秘めた目と重い声、なかでも絶賛されたのがサンドバル役のギジェルモ・フランセージャでした。

A: テレビ界の大物コメディアンだそうです。牛乳ビンの底みたいなレンズのメガネをかけて、ガス抜きして笑わせました。この作品がコメディ・ドラマのフィルム・ノワールと言われる所以です。

B: コメディ犯罪映画というのも可笑しいですね。Reineさん紹介の記事でもピーター・セラーズのブラック・ユーモアとの指摘がありましたが、彼が演じた『ピンク・パンサー』のクルーゾー警部を思い出しました。第1作目の『ピンクの豹』ではクルーゾー警部は脇役で主役を食ってしまう名演技でした。ちょっと似てませんか。

A: どの俳優も適材適所の感がありますが、特にフランセージャの演技を褒める観客が多かった。それだけ人気もあったということで、彼の起用は大当たりでした。機知に富み、友情に熱く、仕事も粘りがあって緻密、論理的な思考、唯一の欠点はアルコールに飲まれていることでした。

B: バエス刑事役のホセ・ルイス・ヒオラもテレビ界の喜劇俳優とか、分別臭い顔してにこりともしませんでした。映画出演は初めてだそうです。

A: ベンハミンは刑事法廷の職員、日本で言うと私服で犯罪捜査を行う司法警察職員に近くノンキャリア組。一方イレーネは裁判官秘書官、出世が約束されたキャリア組、年下ながらベンハミンの上司として登場する。端から階級差、学歴差がはっきり印象づけられる。

B: イレーネは美貌にして才識兼備、時代の空気を正確に察知し、世の中を複眼的に観察できる。恋愛と結婚は別と考え、親の決めた相手を受け入れる。

A: イレーネの長所は、長い目で見れば短所でもありますね。ソレダ・ビジャミルは声も張りがあって、上背があるせいか堂々としている。リカルド・ダリンはプエンソの『XXY』で見てますが、ビジャミルをスクリーンで見るのは初めてです。

Posted by: アリ・ババ39 | Friday, December 18, 2009 at 19:55

diamond 130万の観客が映画館に足を運んだ

B: アルゼンチンでは8月13日に封切られ、5週目統計が130万人。海外に目を向けると、トロント映画祭(9月12日)、1週間遅れでサンセバスティアン映画祭、リオデジャネイロ映画祭(9月28日)、そしてスペイン公開は9月25日でした。

A: 130万のなかにリピーターがいるのは、寄せられたコメントからも窺えます。本映画祭でも上映されたダニエル・モンソンの『第211号監房』が1週間統計で20万人、トップを走り続けていたアメナバルの「Agora」を押さえての快挙と報じられましたが、それを超えています。

B: 多分、大方の観客はこの時代の空気を吸っていた人々でしょうね。

A: 出演者も同様で、リカルド・ダリン、ギジェルモ・フランセージャ、マリアノ・アルヘント、マリオ・アラルコン(フォルトゥナ判事)などが1950年代生れ。一回り下がソレダ・ビジャミル、パブロ・ラゴ、ゴメス役のハビエル・ゴディノはマドリッド生れだから除外するとして、カンパネラ監督自身は1959年生れです。ただし原作者のエドゥアルド・サチェリは1967年生れ、2005年の出版ですから執筆は40歳前となります。

B: 意外に若いですね、サチェリについては後で触れるとして、犯罪者が大手を振って自由に町を闊歩し、無実の人が不当に刑務所に閉じ込められていた時代を知っている人々が大勢ということですね。

A: 見ても幸せになれない人まで見に来てくれたし、なかには「こんな映画は成功しない」と忠告する人もいたと監督は語っています。映画の成功は、咽喉に刺さった小さなトゲを抜く時が、やっとアルゼンチンにも訪れたということかもしれません。脆弱ながら民主化されて約20年、思えば長くかかりました。

B: 「あれは私のことだ」と、登場人物の誰かれに重ね合わせて見た観客も多かった。映画が自分の現実にあまりに近くて、区別するのに時間がかかったという人も。

A: 小説を読んで、映画化されるのを待っていた、という観客もいるし、反対に映画を見て小説を手にとった人も。「小説のほうがずっと面白い」と言う人、さまざまです。

B: ペーパーバックがネットで入手できるようですから、やはり読んでみたくなります。

A: 今回劇場で見ることのできた人は僅か百数十人、スリラーでもありますから最後のネタバレはできません。

B: したくてウズウズするけれど出来ませんね。

A: サンセバスティアンFFではグランプリの金貝賞こそ逃しましたが、観客、審査員ともに好評でした。細かい不満というか注文はアレコレありますが、次のアカデミーのアルゼンチン代表作品にも選ばれ、候補5作に残れるかもしれません。

B: 不要なフラッシュバックとか、サッカー場の雑踏に張り込むとか、刑事たちが犯人の顔を知らないで張り込むとか、ですね。代表作品のラインナップを眺めると強豪揃いでも、昨年の例もありますから、ひょっとすると。

Posted by: アリ・ババ39 | Friday, December 18, 2009 at 19:56

diamond 撮影技術のレベルの高さ

A: Reineさんがサッカー場の撮影技術について、驚きの感想と解説を書いておりますので、そちらに戻っていただくとして、ここの撮影には多くの人が異口同音に賞讃の言葉を送っています。特に特撮担当のロドリーゴ・S・トマッソね。

B: あのシーンを見られただけでも満足だなんて。お金と時間をかけただけのことがありました。映画館で映画を見る醍醐味です。

A: あそこを見ると、アルゼンチン人がサッカーに寄せる《パッション》とか国民性まで分かります。

B: ここに辿りつくまでの前段として挿入される、サンドバルとサッカー狂との丁々発止をみてもサッカー熱はハンパじゃありません。

A: バルでの丁々発止が出ましたので、ここで原作者エドゥアルド・サチェリを簡単に。第1作は“Esperandolo a Tito y otros cuentos de futbol”(2000刊)というサッカーをめぐる物語のようです。ディエゴ・マラドーナに捧げられた短編(‘Me van a tener que disculpar’)が含まれているようです。

B: つまり何ですか、サッカーには強い作家なんですね。国技だから皆な詳しいのでしょうが。

A: みんなかどうか知りませんが、外国人が「日本人は三度の食事にお寿司を食べてる」と勘違いしてるのと同じかも。それはさておき、彼は歴史学を専攻し、現に大学や高校で歴史を教えているそうです。だから130万人のなかには彼の教え子もいるわけです。

B: 60~70年代にはホンの子供だったのに、現代史に詳しいのは専門家だからなんだ。

A: 小説では1968年から76年の事件と前述しました。現在は同じようなので映画が25年前に対して小説は30年前となるようです。ベンハミンの名字も‘Chaparro’(上背が低い、ずんぐりした人の意味)で、終わり方も違うようです。

B: 映画の‘Esposito’も“捨て子”で、どっちにしろ実際にある名字でしょうか。

Posted by: アリ・ババ39 | Friday, December 18, 2009 at 19:56

A: サチェリは脚本を監督と共同執筆していますが、ほんとに骨の折れる難しい仕事だったと述懐しています。カンパネラが1年もかけて推敲に推敲を重ねたこと、互いに議論をした結果、彼の視点を通したことで、登場人物の人格もより深く複雑になったとも語っています。

B: 映画の成功で単行本も増刷され、相乗効果があったのでは。

A: 想像以上のサプライズだったとか。作家は監督とは対照的に物静かでちょっとはにかみ屋さん。まあ人生の先輩者としての礼節という面もあるのでしょうが、共同作業で学んだことは数限りないと感謝しています。

B: カンパネラ監督の撮影現場は、「まさにお祭り騒ぎの賑やかさ」と、4作品に出演したリカルド・ダリンがエル・パイスの記者に語っています。

A: サンセバスティアン映画祭に参加した時の記事ですね。大声で叫んだり、泣き落しにかかったりしたあげく、役者たちを魅了してしまう、と。彼の映画を見れば納得しますね。

B: 今年のサンセバスティアンでは、トゥルエバ監督の『泥棒と踊り子』も上映されましたから、ダリンにとっては嬉しい年になりました。「スペイン映画祭2009」でも両方上映されましたから、ダリンのファンにも嬉しい年になりました。

A: トゥルエバ監督は「静の人」のようですから、ダリンも面食らったのでは(笑)。ダリンは16歳にもなるお嬢さんがいるのに、夫人とは未だに相思相愛、まったく信じられません。夫人同席でインタビュー受けてましたが、「私の人生で最も幸運だったことはフロレンシアに出会えたこと」と、かたわらの夫人を見やった由、ゴチソウサマでした。

B: やれやれ、脱線してしまいました。

Posted by: アリ・ババ39 | Friday, December 18, 2009 at 19:56

アリ・ババ39さん
いつも情報をありがとうございます!

勉強しました ( ..)φ

と、これしかレスポンスしないと言っても、実際、心底感謝しています。ほんと、ありがとうございました。

Posted by: Reine | Sunday, December 20, 2009 at 21:39

やっぱりSebastian Blanco(事件当時のもじもじ研修生を演じてた子)はEduardo Blancoの息子だわ。記事見つけた

Padres e hijos actores ――― Heredaron la vocación y el oficio familiar, y hoy, dan sus primeros pasos en la actuación.

昨日ちょっと急に確かめたいことがあって『Tapas』を見直してたんだけど、そこでのEduardo Blancoを見て、「やっぱりあのもじもじ研修生とは血縁関係があるはずだ、無きゃおかしい」と思ったのだ。そりゃセバスティアン・ブランコの方が当然若いしルックスもキレイめだけど、やっぱり似てたんだよね。

そうなってくると、『El secreto de sus ojos』においてベンハミン(リカルド・ダリン)とイレーネ(ソレダー・ビリャミル)があのもじもじ研修生のことを「Eduardo!」と呼んでいたのは、“カンパネラ組”のちょっとした身内ギャグだったんじゃなかろうかとか、いろいろ想像されてなんだか微笑む。

Posted by: Reine | Sunday, December 20, 2009 at 21:40

crown

Posted by: Reine | Monday, March 08, 2010 at 15:02

昨夜寝る前からずっとソワソワしてた。なんか、こないだのゴヤ賞発表の日にラジオを聞きながら『瞳の奥の秘密』のスペイン語外国映画賞受賞のときに一人で力強くガッツポーズをしていた時の握り拳の感触がすごく濃厚に思い出され、「明日のオスカーもいけるんじゃないだろか」と思ったのだった。

今日は15時近くまでネットなど見る暇もなくバタバタしていたのだけど、ニュース見出しで受賞を確認したときは本当に胸が躍ったわ。一人静かに拳を握ってた。

本当に嬉しかった。
昨年9月半ばにこの作品のすばらしさをイタロアルヘンティーノの友人から興奮気味に伝えられ、今日という日までこの作品への熱い思いでご飯を何杯もおかわりできたような半年間でした。

9月のtwitterから:
pen San Sebastian映画祭で『El secreto de sus ojos』を観た友人。“La película 10 puntos / la gente se puso de pie y la aplaudió / es una obra maestra” 観たいなあend

たった半年前のことだけど感慨深い。
私は今日は本当に嬉しかった。

Posted by: Reine | Monday, March 08, 2010 at 23:06

pencilいま時間がないから調べられないんだけども:
某所で「アルゼンチン映画が外国語映画賞を受賞したのは初めてのことです。」と書かれているのを目にしたけど、ちがうよね???

La historia oficial”が既に受賞しているでしょう? 

「Best Foreign Language Film
Argentina」って書いてあるしな。

というメモをするだけして私はそろそろ家を出る。

Posted by: Reine | Tuesday, March 09, 2010 at 08:41

アルモドバルがプレゼンターとして現れた瞬間、カンパネラは勝利を確信したでしょうね。関係者以外受賞者名は知らないことになっていますけど。とにかくスペイン語映画ファンとして、「リボン」を制したのは嬉しい。

ルイス・プエンソの『オフィシャル・ストリー』(1985)が翌年受賞しています。カンパネラは受賞には至りませんでしたが、今回と同じリカルド・ダリンを主役にして撮った“El hijo de la novia”(2001)がノミネートされていますね。カンパネラはアメリカでの仕事も多く、アルゼンチン人として知名度は抜群です。

ダリンとソレダ・ビジャミルは、ブエノスアイレスでお留守番、コダック・シアターの舞台にはギジェルモ・フランセージャが登壇してましたね。製作側からスペインのヘラルド・エレーロも、女性はバネッサ・ラゴネのようです。

ペネロペ・クルスとハビエル・バルデム、二人仲良く並んで座ってました。最優秀助演女優賞発表の瞬間に、カメラが握り合った二人の手を・・・見間違いかしら? ペネロペは前日のインタビューでは、「受賞できなくても今回はナットク」と殊勝にも応えてましたがね。衣裳のセンスも褒めたほうがいいかしら。

Posted by: アリ・ババ39 | Tuesday, March 09, 2010 at 10:58

日本での公開も決まりましたね。

2010年、TOHOシネマズ シャンテにて公開
瞳の奥の秘密@CinemaCafe

Posted by: Reine | Thursday, March 11, 2010 at 14:07

劇場で観てきたという友人がパンフを見せてくれた。

まあ、かなり書いてくれちゃってあるのには驚きも呆れもしたんだが、問題はそんなことではなく、

pen 激昂したダレソレの犯行声明を引き出した

っていう部分ね。

どこの誰が書いたのか知らないが、ああいうのを“犯行声明”って言うかね、しかし。

book 広辞苑
せい‐めい【声明】
意見・主張などを公けに発表すること。「共同―を出す」「政府―」

book 大辞泉
[名](スル)一定の事項についての意見や意思を世間に対して発表すること。また、その意見。「条約締結に反対の意思を―する」「共同―」

book 大辞林
自分の意思を多数の人に向かってはっきり知らせること。特に、政治上・外交上の意思を述べること。

Posted by: Reine | Monday, August 23, 2010 at 13:10

この作品に関してはパンフレットもかなり細部まで書いてあるし、評判が日に日に高まっていることもあり、世の中に(特にネット上に)情報はかなり多いと思う。溢れはじめているとでも言おうか。

情報がふんだんにあるから、誰でも非常に詳しく知り得るというのは事実であるが、なかには当ブログへのアリ・ババ39さんのコメント等からカタチのいいフレーズなりセンテンスなりをパクパクッと貰って行ってしまっているブログはけっこうあるんじゃないのか? 

RSSで拾い読みしていると、ときどき苦笑いをする。まあ、読む人が読めばわかるでしょう。

すごくわかりやすいところと言えば、
(アリ・ババ39さん) 「服役中のはずのゴメスがイサベリータ大統領のボディガードとして娑婆に戻っているのを見て……略……」

(先方) 「なんと服役中のはずの犯人が、イサベリータ大統領のボディガードとして娑婆に戻っているではないか。」とかね。


「この人、スペイン語に関するバックグラウンドは無さそうだけど、"Alianza Argentina Anticomunista"のことは、いったいどこでどのように知ったんだろう。どこで読んだんかいな?」……。そう首をひねってしまうようなブログも見かけたな。

アリ・ババ39さんの当ブログへのコメントか、あるいはMarysolさんのブログへの夏子さんからの寄稿から知ったのでしょうか? あるいは、海外での作品解説中でその語が用いられていたと詳述してくださっているブログも見かけましたが。あるいは独自に何かしらの文献を読んで把握したのでしょうか。

そういう納得の出来るブログではなくて、えーっと、んんん? とてもじゃないが、Triple Aという事項にまでは行き着かなそうな人が、堂々と「トリプルAがウンヌン」と書いている。なんなんだろう、これは。


私はね、まさかここのブログを見るなと言ってるわけでもない、書写するなとも言わない。情報・知識の共有は世のため人のためだから、広まるに越したことはないと思っているから。

ただね、その時に「どこそこにこう書いてある」「ロイターではほにゃららと解説が施されていた」「●●というサイトによれば」…といった簡単で基本的で真っ当な一言を記しておくことがどうしてできないのかと言いたいだけ。

「調べて探して、日本語または外国語で読むか聞くかして理解して、それを自分の頭で文章にする、そこまでを誰かがやっていた」、それを掲げることなしに、あたかも自分が「調べて探して、日本語または外国語で読むか聞くかして理解して、それを自分の頭で文章にした」かのように自分のブログにて展開することは、たとえ“ブログ”っていう場であれ、“ものを書いている”以上はおやめなさいな。

恥ずべき行為だ。

ブログというツールが出来たために、猫も杓子もモノを書いているつもりになることのできる時代となって、こういう“引用”の基本すらわかっていない人物の書いた“剽窃”までもが文章ヅラして発信されている。

なんなんだろうな、ほんとに。

どこからが“引用”でどこからが“自分の頭”“自分の知識”かっていう境目は曖昧なのかもしれない。モノを書くに当たって自分が目にした参考文献・参考サイトを全て書きだしていくわけにもいかぬし、かといって何一つ見聞きせずに書き上げることは無理だろうし。

個々のブロガーの常識とか良心に委ねるしかないんだろうな。でもね、読む人が読めば、そういうブログが継ぎ接ぎだらけなのは一発でわかることですよ。我々読者としては、「負けず嫌いで見栄っ張りでケツの穴が小さいんですね」と思うだけです。

Posted by: Reine | Tuesday, August 24, 2010 at 17:01

事件に対して、判事が捜査段階から関与する理由はパンフでわかったのですが、判事と検事の関係性が分かりません。
判事補だったのに昇進して検事になるというのはどういう事なんでしょう?

Posted by: nan_kan | Tuesday, October 12, 2010 at 13:14

今さっきツイートしたことを転記しとこう:

hairsalon 2chに『瞳の奥の秘密』スレが立っていたと知って驚いた。205(http://bit.ly/fwI5sE)がイレーネがベンハミンに「バンビーノ」と言ったと書いているが、違う、あれは「pánfilo」だ。このビデオの4分10秒から聴くといい http://bit.ly/fZsA6R

もっと正確にいえば「pánfilo」という単語が発せられるのは先程紹介した動画の5分6秒だ。http://bit.ly/f9uLnW ←pánfiloでありbambinoではない。

そして2chスレの205(http://bit.ly/fwI5sE)が、そこの単語の部分の字幕にどうやら変更があったようだと書いている。「いくじなし」だったものが「お人好し」になったと? 「いくじなし」の方が雰囲気に合ってると思うという205に私も同意だ。

スレを更に読み進んでみたら、「いくじなし」のまんまでしたよという証言と「お人好しでした」証言とがある。ちがう字幕のついた二種類のフィルムが各地をめぐったのではないかとか、いろいろ推測されている。「いる」というか、「いた」。もう半年近く前のレスのやりとりだから。

おっと! ちょっと警告が遅くなってしまったが、さきほど紹介した2chスレ、ネタバレひどすぎるから未見の人は読んじゃダメだ。映画関係の板は(作品板でも一般板でも)ネタバレ覚悟で覗きに行くか、鑑賞後に読みに行くか、どっちかだね。end

Posted by: Reine | Sunday, February 20, 2011 at 21:47

ああ、ここのブログに質問をいただいていたのですね。すみません。10/12と言ったら何をしていた日だったか……カステル・デ・フェロという海辺の村からマラガに移動しようという頃だったかな。

それでお尋ねの件ですが。
たぶん私のブログへの質問のあとに2chスレに質問したのは同じ方ではないだろうか。このようなやりとりがあり、そこで解決しているようです。私も勉強になりました。
↓↓↓

http://toki.2ch.net/test/read.cgi/cinema/1281771558/217-222

217 名前:名無シネマ@上映中[] 投稿日:2010/10/12(火) 08:57:52 ID:XyreDybf
判事と検事の関係性がさっぱり分らない。判事が事件発生から捜査に首突っ込む訳はパンフで判明したけど…

アルゼンチンの司法制度に詳しい方、教えてください

218 名前:名無シネマ@上映中[sage] 投稿日:2010/10/12(火) 23:37:33 ID:RGtIig18
関係性というと?

219 名前:名無シネマ@上映中[] 投稿日:2010/10/12(火) 23:58:46 ID:wMPTB7z9
なんで判事補が検事になると昇格なのか?
両者は別物ではないか、という事です。
アルゼンチンでは検事の方が判事よりエラいのか?

220 名前:名無シネマ@上映中[sage] 投稿日:2010/10/13(水) 00:20:46 ID:bS4+z1rj
事件当時、イレーネの役職であった「判事補」より、検事の方がヒエラルキーが上、ということで「昇進」の表現じゃないかな? 

検事と判事の間のヒエラルキーがどうかについてはパンフではわからないね。イレーネが、判事補の後、直で検事になったのか、それとも判事になってから検事へと役職を変わったのか、そこらへんも明らかになってないね。

221 名前:名無シネマ@上映中[] 投稿日:2010/10/13(水) 08:35:48 ID:dvs1hVYR
>>205
217です。
そうですね、判事と検事の地位については疑問です。この映画における判事というのは予審判事なのかなとは思いますが、当方残念ながら予審制度に対する知識が不足しています。
それともう一つ、ロマーノが返り咲いた先は裁判所ではないですよね?

222 名前:名無シネマ@上映中[sage] 投稿日:2010/10/13(水) 10:47:50 ID:0qDNVta7
ttp://www.boiseweekly.com/boise/the-secret-in-their-eyes/Content?oid=1653901

His first visit is to the office of his former superior, Irene Hastings (Soledad Villamil). Previously a judge's assistant, she is now at the top of the judicial ladder -- in Argentina, a judge acts much like a district attorney and is involved in investigating and prosecuting.

Posted by: Reine | Sunday, February 20, 2011 at 21:56

はじめまして。この映画はとても気に入り、もう少し詳しく知りたい、見ていて謎だった部分を解決したくてたどり着きました。
かなり勉強になりました!ありがとうございました。
ロマーノのいた権威ある組織は社会福祉省とか、ゴメスがなぜ起用されたのか、など。
パブロ役の方をすごく気に入って見ていましたら、有名な方なのですね(ヒザポン)。あの電話応対、大丈夫なのでしょうか?(ぷぷぷ)
おすすめされている、この監督の他の映画も見てみようと思います。

Posted by: ぽち | Wednesday, January 16, 2013 at 19:00

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