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Friday, September 11, 2009

El truco del manco / クアホ、逆手のトリック [スペイン映画]

truco del manco来たる9月のLatin Beat Film Festival 09 / ラテンビートフィルムフェスティバル2009 / 第6回スペイン・ラテンアメリカ映画祭で上映される作品なので、細かいことはそれが済んだら書きます。


LBFF公式サイトの紹介文より
スペインの貧困地区。不正取引で稼ぐクアホは、脳性麻痺の不自由な身体を懸命に動かし、今日も友人アドルフォを熱心に口説いていた。「ヒップホップを思う存分やれるスタジオを作ろう」。半信半疑のアドルフォを強引に引っ張り込み、店舗を確保したクアホは………(中略)………人気ヒップホップ・グループ“ラ・エセプシオン”のリーダー、エル・ランギが体を張って訴えるのは、絶対にあきらめない“不屈の精神”だ!end 

El truco del manco@IMDb
英題: The One-Handed Trick
直訳: 隻腕のトリック(まあ、他にも何とでも訳せるので)
EL TRUCO DEL MANCO - Un Film de Santiago A. Zannou

監督: Santiago Zannou サンティアゴ・サノウ
脚本: Iván Morales イバン・モラレス  Santiago Zannou

出演:
El Langui エル・ランギ (Juan Manuel Montilla ‘Langui’ フアン・マヌエル・モンティーリャ) ... Cuajo クアホ
Ovono Candela オボノ・カンデラ ... Adolfo アドルフォ

Alicia Orozco アリシア・オロスコ ... Madre de Cuajo クアホのお母さん
Miquel Cors ミケル・コルス ... Padre de Cuajo クアホのお父さん
Elio Toffana エリオ・トファーナ ... Galleta ガジェタ

Javier I. Bustamante ハビエル・イグレシアス・ブスタマンテ ... Chacho チャチョ
Juan Navarro ... Marquitos マルキートス

Francesc Garrido フランセスク・ガリード ... 「車をどかせ」の相手

Fanny Gatibelza ... Cristina クリスティーナ: よくいくバルの店員
Mala Rodríguez ... Tsunami ツナミ


いま作品タイトルでも監督名でもamazon.co.jp内に商品が見あたらないので、La Excepción関連商品を

ゴヤ賞でオリジナル歌謡賞を獲得した『A tientas』についてはこちら
公式サイト Descargate ‘A Tientas’
tientas Langui - A Tientas [BSO] EL TRUCO DEL MANCO

ゴヤ賞の受賞の様子
tube GOYA 2009 Mejor Cancion Original (オリジナル歌謡賞)
tube El Langui gana 2 premios Goya (新人男優賞)


それから、クアホの弟を演じたElio Toffanaの映像はこちら
Elio Elio Toffana - Hijos Bastardos

それから、ツナミを演じたMala Rodriguezについてはこちら。(ツナミ: よそのグループともめて頭に来ているクアホに対して「あんまりカッカしなさんな」と大人の対応をしていた粋な姐さん)
・公式 Malamarismo
mala LA MALA: Volveréとか


(つづきはコメント欄で)

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Comments

もう映画祭も間近ですので今日のところは独り言だけ。

この2月、私はゴヤ賞授賞式の模様をラジオで聴きながら随時ブログに載せていったのでした。その時、私はこの作品についても知らないし、エル・ランギ(=Juan Manuel Montilla ‘Langui’)というこの人とその麻痺についても何も知らなかったのね。―――La Excepción というバンドの名だけは知っていたという程度―――。(基本的に私は未見の作品については知るまいとして過ごしちゃうから)

あの日も書いたとおり、ラジオ放送はとにかく慌ただしかった。リスナーである私も、聞き取るやら書き取るやらブログに書き込むやら、そうする間にもノミネート者に目を通すやらで……バッタバタしていた。

やがて、受賞スピーチを終えたエル・ランギがラジオの実況席にもやってきて女性パーソナリティーらと一言二言ことばを交わす運びとなったわけですが、近づいてくるエル・ランギに彼女たちが言葉をかけるそのトーンが、なにか殊更に“いたわる”風であることに違和感を憶えたものである。なんか、こう、小さいお子さんに声をかけるようなトーン、あるいはおじいちゃんを気遣うようなトーンで、音声だけを聴いていた私としては妙な気分がしたのだった。「なんなんだろう、この雰囲気?」って。

半年が経ち『クアホ、逆手のトリック』を観てみた時、冒頭のシーンで「( ゚д゚) ああ、そういうことだったのか」と腑に落ちたのでした。あの女性パーソナリティーらのあの声のトーンのワケがツルツルと解けたのでした。


ちなみに今年2月のゴヤ賞のセレモニーの様子
pen 文字で: Premios Goya 2009 | Especiales | elmundo.es
movie 映像で: Premios Goya 2009. La 1. 01/02/2009

Posted by: Reine | Friday, September 11, 2009 at 14:33

2009年ゴヤ賞授賞式、ハリケーンなみのサプライズ

今年のゴヤ賞授賞式はハプニング続きでした。例えば、まずホセ・ルイス・クエルダの「Los girasoles ciegos」が、15部門にノミネートされながら最優秀脚本賞だけに終 わったこと (前年死去した重鎮ラファエル・アスコナへの鎮魂歌だったかも)、ゴヤの胸像が受賞者の手にうまく渡らず床に転げ落ち首が折れてころころと、ゴヤが《誘拐》されたり(犯人の酔っ払いは御用となって無事に戻った)、1作品に大賞が集中するのはもはや年中行事になりましたけど、フェッセルの『カミーノ』6冠制覇は、個人的に予想外でした。

しかし、私にとって当夜のサプライズは、文句なしに本作の3冠受賞に尽きます。サンノウ監督にしろエル・ランギにしろ、単なる候補作品の一つにすぎなかったから。会場に沸き上がるどよめき、手助けされて舞台の階段を昇るランギ(新調したらしい銀鼠のフォーマル・ウェア姿)、もう忘れちゃったけど、受賞スピーチもよかった、長くなくてさ。


物語はキツイけど決して複雑じゃない。ラップ風に宣伝するとこんな具合:

★とかくこの世はせち辛い。脳性麻痺のエル・クアホ、体は不自由だが心はすこぶる自由。ドラッグ中毒の親友アドルフォを説得して、ヒップホップの音楽スタジオでひと儲けをもくろむ。都会の吹き溜まりバリオを舞台に、<今>を生きる若者たち、ドラッグ、暴力、万引き、父と子の相克と和解、ほのかな恋、ラップの波に乗って、衝撃のラストに突き進む。マドリッド、バルセロナで見出された個性豊かな《新人》たちが乱舞する、おかしくて悲しくて……心ならずもあなたの目には涙が。

生き残りをかけて叫んでいないと、世の中から忘れ去られてしまう人々の物語。

エル・ランギの歌と演技に魅了される。サンノウ監督、長編第1作にして忽ち観客の心を揺さぶった。これはスペイン映画界のビッグ・ニュース★  

(ちょっと褒めすぎかなぁ。)

Posted by: アリ・ババ39 | Friday, September 11, 2009 at 14:56

バリオで発掘された<新人>たち

mist エル・クアホ役のエル・ランギこと本名フアン・マヌエル・モンティーリャ。
マドリッドのカラバンチェル生れ、脳性麻痺で四肢、特に右手が不自由。「ラ・エクセプシオン」のリーダー(公表していないのか生年?)。

flair カラバンチェルと聞いて思い出すのは、スペインで一番有名な子供といわれるマノリート。カラバンチェルを舞台に繰り広げられるエルビラ・リンドの「Manolito Gafotas」(『めがね のマノリート』)の主人公。これは映画化されたし、日本語訳もある。読んだ人には、どんなところかイメージできたかな。


diamond ラ・エクセプシオン(HPにはラ・エセプシオン)は、2001年マドリッ子3人が結成したラップのグループ。音楽に詳しい友人によると、2005年の愛知博「スペイン・ウィーク」に来日して、EXPOドームで演奏したそうです(ラップ・ファン必見ですよ)。

エル・ランギはミュージシャンとしては有名だが、映画は初出演。映画関連では、ホセ・コルバッチョとフアン・クルスの第2作「Cobardes」(2008)のサントラにライターとして参加している。(二人は評判の高かった『タパス』(2005・第2回ラテンビート上映)の監督。)


今後、ランギが役者として映画に出る機会は少ないと思うが、思い入れのない、つまり余分なものを削ぎ落とした演技に感心した。

メイキングを見ると、撮影時の移動も大変で、大柄なサンノウ監督が軽々と彼を担ぎあげて移動していた。シャワーに2時間かかるということだから、その大変さは想像を絶する。

しかし、映画が観客に語りかけてくるのは、生きることの難しさではなく「オレはもうダメだ」とギブアップするな、ということ。ハーヴェイ・ミルクの受け売りだが、「夢だけじゃ生きていけないのは確かだが、夢なくして何が人生か」です。

Posted by: アリ・ババ39 | Friday, September 11, 2009 at 15:01

mist 親友アドルフォ役のオボノ・カンデラは、アフリカ系スペイン人。
本作がデビュー以外、詳細が分からない、調べ方に問題ありかも。次回作も不明だが、将来性ありと予想しました。人生に見切りをつけてドラッグに溺れるアドルフォ役を、初演ながら確かな演技で私たちを納得させた。アル中の父親への複雑な感情表現は難しかったと思うが自然だった。彼は幸運なスタートラインに立ったと言える。このどうしようもない父親がヨルバ語(?)で素晴らしいメッセージを送ってきます。聞き逃さないで、いや字幕を見逃さないで。


mist クアホの父親役ミケル・コルスは主にテレビで活躍、母親役のアリシア・オロスコはフランコ時代からテレビドラマに出演、今回上映される『ヌード狂時代/S指定映画』にも出ている。

mist プロの俳優で馴染みのある顔は、警官役のフランセスク・ガリード。アメナバルの『海を飛ぶ夢』(2004)やアグスティン・ディアス・ヤヌスの『アラトリステ』(2006)に出演していた。

mist チャチョ役のハビエル・イグレシアス“Gordoデブ”も記憶に残る。


総じて出演者たちの演技は自然で節度があり、それでいて個性的なので、誰かを誰かと取り違える心配はないと思う。

Posted by: アリ・ババ39 | Friday, September 11, 2009 at 15:07

mist ヒップホップ・ファンに忘れてならないのは、ツナミ役のマラ・ロドリゲスこと本名マリア・ロドリゲス。
1979年、カディスのへレス・デ・ラ・フロンテラ生れ。本作が映画初出演。彼女の曲はアルフォンソ・キュアロン『天国の口、終りの楽園』(2001)やフリオ・メデム『ルシアとセックス』(2001)などに使われている。勿論、愛知博に来日(ラ・マラ・ロドリゲスで)、エル・ランギと同じ舞台に立っている。


mistサンティアゴ・A・サンノウ監督、来日ならず残念
本作が長編第1作。2004年ゴヤ賞最優秀短編賞にノミネートされた「Cara sucia」(2004・20分)と「Mercancias」(2005・15分)の2本を撮っている。西アフリカ、ギニア湾岸のベニン共和国出身の父とアラゴン生れの母とのあいだに生まれた。生年ははっきりしないが、2008年9月のサン・セバスティアン映画祭の記事に、32歳のマドリッ子とあるから、1976年マドリッド生れかもしれない(検索しても「sorry」)。


本作の封切りは2009年1月16日、これは授賞式わずか2週間前という異例さであった。勿論、前年9月のサン・セバスティアン映画祭、11月のヒホン映画祭で上映されていたから、話題作ではあったのでしょう。しかしゴヤ賞ノミネートに、急遽封切りになった感がなくもない。受賞後、すでにフランス、メキシコ、アメリカで公開され、日本でも映画祭とはいえ字幕入り上映となり、嬉しいかぎりです。

レオン・デ・アラノアやケン・ローチが描く世界に通じるという意見もありますが、わたしは少し違う印象を受けました。ラテンビート終了後に、監督自身のインタビューなどを盛り込んで、彼の映画に対する情熱をお伝えできたらと思います。

Posted by: アリ・ババ39 | Friday, September 11, 2009 at 15:13

アリ・ババ39さん、いつも情報ありがとうございます。

アリ・ババ39さんのコメントで俳優陣の年齢の話が出ていたので、ああそうそうと思い出したことをついでにメモしておこうと思います。といっても役者の年齢ではなくて、キャラクターの年齢についてね。

作品公式サイト
マラガ スペイン映画祭での本作の紹介記事

これらによると、クアホは28歳という設定のようです。

それからADN.esの「El truco del manco de Santiago a. Zannou」という記事

これによると、クアホの親友アドルフォは30歳という設定のようです。


それからエル・ランギ本人については、2004年4月の時点で「24歳」と書いている記事を見かけました。1979~80年くらいの生まれなのでしょうかね。

アドルフォを演じたオボノ・カンデラですが、幾つかのサイトで‘de origen guineano’とか‘de ascendencia guineana’とか書かれてる。このguineanoっていうのは、ギニア共和国赤道ギニア共和国のどっちなのでしょうか? ギニアビサウ共和国だったりもするのでしょうか。

どれも指すみたいだ

Posted by: Reine | Friday, September 11, 2009 at 21:13

ゴヤ賞授賞式のスピーチ、結構長かったですね(笑)。スーツの色が銀鼠だったのは記憶通りで安心しました。

クアホ28歳は別の記事で読みましたが、アドルフォが分からなかったので、バランス悪いかな、と思って書くの止めました。

1.ギニア共和国は人口1000万人以上で国の規模も大きいが、公用語はフランス語と各民族語。
2.ギニアビサウは人口約160万人、公用語ポルトガル語と各民族語。
3.赤道ギニアは約67万と少ないが、第1公用語はスペイン語、フランス語、ポルトガル語と続く。
(すべて2008年調べ)

大体、三つの国を同じ表記にするのが「?」ですよね。西アフリカのギニア地域は、植民地時代の宗主国がそれぞれ分割して統治したから複雑になったのでしょう。

3.の赤道ギニアはecuatoguiniano と表記するようですから違うかも しれません。本人に聞くしかないですね。

ADN.esの記事の最後のほうで、エル・ランギでなく2個所ともエル・バンギとなっていました。誤植は「庭の真砂ほど」と言いますがね。

ケン・ローチの「SWEET SIXTEEN」の世界に近いとも。多分、ドラッグと か、俗語の多用が似ているかな。でも本質が違うように感じます。

Posted by: アリ・ババ39 | Saturday, September 12, 2009 at 13:35

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