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Saturday, September 12, 2009

Camino / カミーノ [スペイン映画]

camino来たる9月のLatin Beat Film Festival 09 / ラテンビートフィルムフェスティバル2009 / 第6回スペイン・ラテンアメリカ映画祭で上映される作品なので、細かいことはそれが済んだら書きます。


LBFF公式サイトの紹介文より
初恋に心弾ませる11歳の少女カミーノを襲った突然の病。オプス・デイの敬虔な信者である両親は神と医師にすがりつくが、数回に渡る手術もキリストも彼女を救えない。刻々と悪化する病状、あくまでも厳しく教えを実践し続ける母、弱音も吐かせてもらえないカミーノ………(中略)………ゴヤ賞6部門制覇の感動巨編は、実話を基に人の命と神、死と幸福の解釈を真正面から問いただした衝撃の話題作!end


Camino (2008)@IMDb
Camino 公式

カミーノ@映画生活

監督・脚本: Javier Fesser ハビエル・フェセル
(『ミラクル・ペティント』とか『モルタデロとフィレモン [DVD]』の監督)(2007年の第4回スペイン・ラテンアメリカ映画祭 で上映された短編、『Binta y la gran idea / ビンタと最高のアイディア』の監督)

出演:
Nerea Camacho ネレア・カマチョ ... Camino カミーノ 
(この女優ちゃんは2月のゴヤ賞発表の時はラジオ放送の席で泣き通しだった。嬉し泣き)

Carme Elias カルメ・エリアス ... Gloria グロリア
Mariano Venancio マリアノ・ベナンシオ ... José ホセ
Manuela Vellés マヌエラ・ベレス ... Nuria ヌリア


book IMDbのトリビアに「"Camino" (Spanish for "way") is also the title of the foundational book of Opus Dei (the religious institution portrayed in the film), written in 1934 by Josemaria Escriva de Balaguerjosemaria.」とあるが、その本はこれだな⇒ 『The Way


……他にオプス・デイ関連だったら
book オプス・デイ―カトリックの動き (文庫クセジュ)dei(うちにあるけど読んでからだいぶ経つのでほとんど何も覚えていない。あるいは最後まで到達してないと思う、読書嫌いの私のことだから)
book 『ダ・ヴィンチ・コード』はなぜ問題なのか?dei(内容知らない)
cd ダ・ヴィンチ・コード オプス・デイの秘密 [DVD]dei(内容知らない)

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Comments

★実話を基にした映画ではなく、実話に着想を得て作られたフィクションだと思います。実話の少女とは、1985年12月5日に14歳9カ月の短い生涯を閉じたAlexia Gonzalez-Barrosのこと。当時出版されたアレクシアの本を偶然読んで、その頃から構想を温めており、決して映画化を諦めなかったということです。フェッセル監督が短編「El secdleto de tlompeta」(1995)でデビューする十年前、『カミーノ』からだと二十数年前のことになります。その間に『ミラクル・ペティント』や大成功の『モルタデロとフィレモン』を誕生させていたわけです。

★カミーノを14歳と紹介しているものが、スペインの記事でも散見いたしますが、『カミーノ』がアレクシアの実話という発想からの混乱のせい。この混乱には少女の名前カミーノにも一因があるかもしれません。Reine さんが紹介している、オプス・デイ創設者ホセマリア・エスクリバー・バラゲル(カタルニア語ではバラゲー)の著書「The Way」(道camino)は、ミリオンセラーということですから、way=camino、アレクシア=カミーノと考える人があってもおかしくありません。

★事実、アレクシアの家族(4人の兄妹が生存)などから訴えが起こされています。彼らが映画についてあれこれ言うには、それなりの理由があるわけで、その権利もありますね。しかし、個人的には、オプス・デイは舞台装置であって、映画にあっては深入りしないほうが賢明と思っています。オプス・デイ批判の映画でもありませんし。監督は尊敬をもって描いたと言っています。


★テーマの一つに、人間なら誰しも少なからず持っている《不寛容》ということが挙げられます。自分の考えが正しく、それを他人に押し付ける、自分と異なる考えを受け入れない、愛情や善意からであってもそれは不寛容です。父親の存在感の希薄さもテーマかも(マリアノ・ベナンシオは前作『モルタデロとフィレモン』にも出ていた)。

★初めて恋をした少女を襲う恐ろしい病魔、光と闇の世界を同時に生きることになったカミーノ。痛みを神に捧げるとはどういう意味なのか。どうやって少女は幸福な死を受け入れられたのか。テーマは<愛と死>と<光が闇に勝利する>に絞られるのではないでしょうか。観客は最後には少女と一緒に救済されるのでは。

★監督とカミーノ役ネレア・カマチョの出会いは偶然。授賞式で嬉し泣きしていた天才少女は、1996年5月15日、アルメリアのバラネグラ生れ。この12歳にして「目の演技」を見事やってのけた少女は、小さい頃から女優志願、自分の写真帳を作ってマドリッドの代理店に郵送していた。それが偶然フェッセルの目に止まり、たったの5秒で出演が決まったそうです。シンデレラガール、でもそれにちゃんと応えましたね。すでに映画、5本のテレビ出演も決まっているとか。大切に育ててほしい。

監督来日、2回のQ&Aが予定されているので、チャンスを逃さず映画論やら今後の路線など聞かせてもらいましょう。本映画祭の目玉かも。

Posted by: アリ・ババ39 | Sunday, September 13, 2009 at 16:25

昨日のQ&Aです。(正確性は疑ってください。)

本作品の最大のテーマは「愛」。あまりにも早く死が訪れたカミーノにとっての、クコとの「初恋」が大きなテーマ。彼女の一途な気持ちが、どんなことでも可能にさせている(「山を動かす」とおっしゃっていらした)。カミーノの恋愛はとてもプラトニックなものだが、そのような異性間の愛情に加えて、もっと一般的な、家族に対する愛情なども含めて「愛」が最大のテーマ。

もし二つ目のテーマがあるとすれば、それは宗教ではなく、健全(健康)であることだろう。これは、肉体面と、精神面の両方についてだ。カミーノが病気を治療する過程というのは、肉体面のみならず、精神的にも非常に過酷なプロセスである。

映画は実話を基にしたというよりは、現実に起こった出来事(アリ・ババ39さんのコメントにあるアレクシアの件)から着想を得ている(inspirar)。実話を参考にしているが、映画としてはあくまでも「フィクション」である。もっとも、本作品の脚本のあらゆる面は、実話に由来している。

本作品のモデルとなったアレクシアは85年にマドリッドで亡くなった。彼女の家庭は(映画で描かれていた家庭と同じように)宗教との結びつきが強かった。死への準備、幸せな状態で死を迎えるという点について、アレクシアがどのような形で死と向き合っていったのかを調べることもした。いずれにせよ、本作品は、特定のことについて批判をするための目的で制作されたものではない。

私(監督自身)は個人的には神を信じていない。この映画では、宗教が、過激な(radical)或いは狂信的な(fanático)思想に変わってしまうという点を取り上げた。宗教は人々を幸せにするためのものだとされているが、幸せになる上で宗教だけが唯一の道(カミーノ)ではないのではないかという問題を問いかけたかった。宗教は人々の感情を独占してしまう面がある。宗教への信仰がなければ何かが満たされないと感じて、心の隙間を埋めるために宗教を用いる人々もいる。

どのような形で死と向き合うのが適切なのか、私には分からない。劇中に出てくる父親は決して臆病なのではない。母親はカミーノの死に完璧な計画を実行しようとしているが、その一方で、父親は次善の策(plan B)を模索しているのだ。私が同じような状況に追い込まれたとしたら、この父親と同じ選択肢を選ぶだろう。

(同席したプロデューサーの方)音楽でブラティス・ラバ(ですか?)を起用したのは予算の都合。海賊版の問題については、海賊版が我々の業界を脅かしている。海賊版のために、我々は投資した資金を回収することが難しくなっている。

Posted by: Abetchy | Saturday, September 19, 2009 at 09:10

スロバキア共和国の首都ブラティスラバの交響楽団を起用したのは、製作費の関係。「本当はロンドン交響楽団でやりたかったが、費用が足りなくて・・・」と苦笑いしてましたね。

Posted by: アリ・ババ39 | Saturday, September 19, 2009 at 10:56

観ました。

話題作ということで期待していましたが、正直これほどまでとは。
もっともっと日本で公開してほしいです。本当に良かった。ストーリーも映像も、楽曲も役者も、全部私のツボでした。

出来るならDVDとか欲しいぐらいですが…(言語的な問題は考えずに)。日本で手に入ったりするんでしょうか。

本当に、素晴らしいものを観させていただきました。

Posted by: いちこ | Friday, September 25, 2009 at 00:29

いちこさん
今年の映画祭中・後のあちこちのブログ・日記を眺めた感じ、『カミーノ』は好評だったようですね。

私はこのブログに加筆するのはもうちょっと後にしようと思っています。まだ鑑賞が足りていません。いま友人がスペイン旅行中で『Camino』のDVDを買ってきてくれるそうですので、それを待って、もう一度ブログ用に鑑賞したいと思います。

「泣くので手一杯でちゃんと観てなかった」という感じです。といっても、私は―――『Mentiras y gordas セックスとパーティーと嘘』の時にもメモしましたが―――人が死ぬ・死なないは泣くかどうかにはあまり関係なくて、なんか、そういうのではないところで打ちのめされて泣きじゃくっていたような気がします。

まあ、もう一度観てから書こうと思います。

Posted by: Reine | Wednesday, September 30, 2009 at 22:52

というわけで、雑談を先に済ませておきます:

diamondフェセル監督、プロデューサーのルイス、出演者のビクトルの3人組は、東京に着いてすぐにリサイクルショップで自転車を買って、滞在中はチリンチリンと上機嫌で乗り回してました。築地に行っただのなんだの。夜、食事に来る時もホテルからバルト9まで3人で仲良く自転車でやってきて。ほんと可愛いおぢさん達だった。(おぢさんとか言うと怒られるか)


diamond飲み会の席でフェセル監督の昔の作品『モルタデロとフィレモン [DVD]』(Hispanic Beat Film Festival 05 / ヒスパニックビートフィルムフェスティバル2005 / 第2回スペイン・ラテンアメリカ映画祭上映作品)の話になりました。日本版をプレゼントされ早速ホテルで観てみたらしく、プロデューサーのルイスが「あれ、日本語吹替、最高」とべた褒めしていました。「なあ、ハビ、あの吹替、声質まできちんとしてたよな。面白いよな」と。監督もニカニカしてた。

「あれはたしかお笑いコンビの一人のほうが字幕監修をしたと思ったがそういうのが影響してるんじゃない?」「たしか美大出身のコンビで、広くテレビ受けするという受け方じゃない受け方をしていると見てる」と説明しといたんだけどどうだったかな。

Posted by: Reine | Wednesday, September 30, 2009 at 23:27

dangerちょっとここストーリーに触れるので、気をつけて。

↓↓↓

danger未見の人にはここ二つ飛ばしてもらった方がいいです

↓↓↓

diamondいつだったかの質疑応答で、男性が「あの演劇の先生(=ビクトル)に質問ですけど、劇の“あの代役”は他にもいくらでも子供がいたんじゃないですかね」と質問したときのこと。

あの質問はとても可笑しかった。現に会場からは笑いが湧き、ふっと和んだよね。つまり、なんていうか、あれは「入れ子の質問」だったでしょう? 「おまえがやるんかい」と登場人物にツッコミを入れているというかね。

だから私は“演劇の先生”がどう答えるのかを聞きたかった。どううまく返してくるのかなって。

さて、通訳さん(私が出待ちをした方)はビクトルに向かって質問を西訳し始めたのだが……

何故かそこで映画祭プロデューサーのアルベルトが、なにやらちょっと慌てた風にも見える様子で割って入り、「この三人組はずいぶん前からいつも仕事をしてきたし、このビクトルさんは『カミーノ』のストーリーボードも全部描いた人だし、製作に携わって………云々」と妙な説明を始めたのである。

私は苦笑い。会場もきょとんとした空気に包まれていたかと思う。

質問者の意図をアルベルトが取り違えたんだと思うが、この一件があとでロビーで話題になった。「さっきのあれ、なんか変だったよね」「なんかさ……ビクトルさんに失敬な展開になってなかった?」と。

通訳さんともしゃべったのだけど、「僕も質問者の言った通りに訳しかけてたんですけど、(アルベルトがああ言って割って入ったから)『あれ? 僕、勘違いしてたかな??』と奇妙に思った」ようなことをおっしゃってた。

だって、アルベルトの答えた内容に見合った質問を考えると、失敬なQAが成立しちゃってたよね? あたかも「どうしてこのビクトルさんが演劇の先生役だったんですか?(どうしてこの人を―――こんな人を―――起用したんですか)」とでも聞いたかの如き答え方になっちゃってたでしょう?

(なんだかよくわかんないかもだけど、とにかく、あれは変だったのです)

Posted by: Reine | Wednesday, September 30, 2009 at 23:41

「あれ、マズいよね」「ちゃんと質問者の意図を伝えたいよね」という話になり、そういえば連絡先をもらっていたので「私、メールでよく説明しておくわ」と説明係を買って出ました。

「かくかくしかじかで、我々は、少なくとも私は、『シンデレラ』の配役についての答えを待っていた。『カミーノ』のクレジットについて答えてもらいたかったわけじゃぁなくてね」と説明のメールを送っておきました。

そして後日、飲み会の席でビクトルに「こないだの私の説明、わかった? 事態飲み込めた?」と聞いたところ、「わかったわかったwink」とビクトル。

私: つまり質問した方はVictor Monigoteに質問したんじゃぁないの、“演劇の先生”に質問したの。だと思うよ、私は。

ビ: わかってるわかってる。で、それなのに、アルベルトがなぜか割って入ったんだろ、para defenderme (俺を擁護するために)。(笑


わかってくれたようで何より。そしてビクトルはこうも続けていました。

「俺もさ、あの時、気配からして俺が何か答えるんだなっていうつもりでいたのにさ、結局ハビかルイスが答えて終わったんだよな。俺、あの時、一言もしゃべってないぞ、よく考えたら」。


punchそして私は……肝心の“演劇の先生”の答えを聞き出すことを忘れているわけです。weep なんとかします。

Posted by: Reine | Wednesday, September 30, 2009 at 23:53

お久しぶりです。
スペイン映画だとおもうのですが、Candida の情報はこのサイトにありましたでしょうか?

なにかで少しだけ又聞きして気になってるのです。

もしかしたらドラマかな、とも思ってるのですが。

Posted by: devota | Thursday, January 13, 2011 at 17:12

devotaさん、今年もよろしくお願いいたします。

(御質問をこちらに移させていただきました。御了承ください)

おたずねの作品は『Cándida』でしょうか。

その作品はまだこのブログでは扱っていません。途中まで観てあるのですが、それももう1年くらい前のことなのでまた最初から見直さないといけないです。

『Cándida』の制作陣は『Camino / カミーノ』と重なる部分があるかと思います。両方ともPelículas Pendleton社の制作だと思います。

ちなみに私のスペイン人の男友達には、一番好きな映画は『Cándida』でフェセル兄弟のファンだという人や、ギジェルモ・フェセルの『Goma Espuma』の熱烈なファンという人が多いです。

『Candida』もいずれブログで扱おうと思っております。


(他になにか作品をお探しの際は、スペイン映画・ラテンアメリカ映画 索引がひょっとしたら役に立つかもしれません。白い色の欄の作品はこのブログ内に記事があります)

Posted by: Reine | Thursday, January 13, 2011 at 17:14

わー有難うございますーーーー。
そうです、この映画です。きっと。
本当に貴重な情報ありがとうございます。

スペイン語も英語も初級ですが、嗅覚でこれは好きだと思う、と感じた映画なので是非みたいです。

他にも作品探しの方法までアドバイス頂き感謝です。

Posted by: devota | Friday, January 14, 2011 at 15:19

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