Mentiras y gordas / セックスとパーティーと嘘 [スペイン映画]
来たる9月のLatin Beat Film Festival 09 / ラテンビートフィルムフェスティバル2009 / 第6回スペイン・ラテンアメリカ映画祭で上映される作品なので、細かいことはそれが済んだら書きます。
LBFF公式サイトの紹介文より
真夏のスペイン、アリカンテ。ビーチ、クラブ、ディスコやバーに集う若者達は、最高の夏を過ごそうと夜毎見境なく快楽に身を沈めていた。アルコール、ドラッグは当たり前、自らに嘘をつき友人を裏切り、若さと衝動に任せて……以下略……。
とりあえず登場人物の説明を。登場順にしてみる:
Toni トニ (Mario Casas マリオ・カサス)
親友ニコと四六時中いっしょ。女友達マリーナとも仲良し。
Nico ニコ (Yon González ジョン・ゴンサレス)
トニとは親友同士。今まとまったお金を作りたいと思っている。マリーナとはルームシェア計画中。
Paz パス (Miriam Giovanelli ミリアム・ジョヴァネッリ)
最近とみに太ってきた。ぽっちゃりぷよぷよ系。彼氏はカルロス。
Carlos カルロス (Hugo Silva ウーゴ・シルバ)
モテモテ。ほんとはミュージシャン。
Cristo クリスト (Asier Etxeandia アシエル・エチェアンディア)
ドラッグを売る“元締め的”な男。
Sonia ソニア (Marieta Orozco マリエタ・オロスコ)
クリストの下請け。売人。
Marina マリーナ (Ana María Polvorosa アナ・マリア・ポルボロサ)
男友達トニとはとても仲良し。ニコとはこれからルームシェアをしようかと考えているところ。レオという女の子のことが気に入っている
Leo レオ (Duna Jové ドゥナ・ホベ)
マリーナと親しくなる。エリナという女の子とルームシェアをしていたが今は独り。
途中この子と似た女子がチラッと出て来て一瞬混乱した。
Carola カローラ (Ana de Armas アナ・デ・アルマス)
親友のパスが太った太ったと嘆くのを慰める一方で、パスの彼氏カルロスとは…。
Pablo パブロ (Maxi Iglesias マキシ・イグレシアス)
お金は持っていないがドラッグが欲しいとソニアに近づいてきた年下の男の子。
Nuria ヌリア (Esmeralda Moya エスメラルダ・モヤ)
パスの勤め先に新しく入ってきた女の子。カルロスにも急接近。
Bubu ブブ (Alejo Sauras アレホ・サウラス)
カローラとチャットで知り合った。カローラの紹介でぽっちゃり系パスと知り合うことになる。
・Mentiras y gordas@IMDb
・Mentiras y gordas 公式
サントラ
LA VERDAD / Fangoria
TAINTED / SPUNKY
DESASTRE TOTAL / SWAN
CUERPO CONTRA CUERPO / SWAN
TONY EL MESÍAS / DRUM MACHINE
LET ME FREEZE AGAIN TO DEATH / ANGEL CHIRINOS
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Comments
これ、たとえばIMDbでもあんまり私は見かけたことのない低いratingだったり、「『Mentiras y gordas』は史上最悪の作品か」というスレッドが立ったり、いろんな批評サイトや掲示板で「プロットもへったくれもない」だの「この作品に紙幅を割くつもりは毛頭ない」だのと言い捨てられてしまったり……と、そんな情報をあいにくこのたびは鑑賞前から得てしまっていたので警戒しながら見始めたわけだけど、そこまでのヒドい仕上がりとは私は思わなかったんだよ。argumentoが無い無いって言うほど無くないよ。
アイドルがたくさん出演していると言ったって、日本のアイドルもののような学芸会以下のものを想像されてしまうとしたら、それはちょっと可哀想。
そりゃたしかにところどころ陳腐だとか冗長だとか感じるシーンはあったけれども。それとか、セックスの体位にもっとバリエーションをもたせるべきだ…などという苛立ちを覚えたりもしたけれども。(←そこか)
私はわりと普通に笑うところで笑い泣くところで泣いて観たほうだよ。
Posted by: Reine | Saturday, August 29, 2009 20:24
語句メモ:
今回はこれまでになく『隠語辞典』をひかされたね。
・cristal: éxtasis líquido.
・cable: 5. m. Ayuda que se presta a quien está en una situación comprometida.
例) Echar, lanzar, tender, tirar un cable.
・「Pero, ¿quién ha dejado a quién? 誰が誰をフったって?」
・farlopa: cocaína.
・marimacho: 1. m. coloq. Mujer que en su corpulencia o acciones parece hombre.
・de la hostia: 1. loc. adj. vulg. malson. Muy grande o extraordinario.
例) Se ha comprado un coche de la hostia.
・subidón: sensación inicial de los efectos de una droga.
・estar de subidón: notar el ascenso de los efectos de una droga.
・pasti: pastilla, droga sintética.
・keta: ketamina(ケタミン)
・porro: 1. m. Cigarrillo liado, de marihuana, o de hachís mezclado con tabaco.
・raya: 11. f. En el lenguaje de la droga, dosis de cocaína.
・pedo: intoxicación causada por el consumo de drogas.
・coñazo: 1. m. coloq. Persona o cosa latosa, insoportable.
・comebolsas: (この語については別途)
・borde: 4 (inf.; "Estar, Ser; Ponerse") adj. y n. Antipático, poco propenso a ser amable o a hacer favores.
・piro: . m. coloq. Acción y efecto de pirarse.
例) Se dio el piro
・piro m.
→・Darse el piro (inf.). Pirarse.
・paro: 6. m. coloq. Subsidio que perciben, o pueden percibir, de acuerdo con la ley, las personas que están en situación de desempleo.
例) Le acompañé a cobrar el paro.
・estar de mala hostia: estar enfadado, de mal humor.
・cortar el rollo: quitar la disposición, el ánimo.
・lesbiana を意味する語を挙げていくシーン
・bollo:
・bollera:
・marimacho:
・tortillera:
・「Lo que se dice gorda no estás. Eres .... ancha de huesos y has subido un pelín de peso, vamos, rellenita sí, pero gorda es una exageración. 太ってるって言うのとはあんたは違うわよ。あんたは……ほ、骨太なのよ。そりゃたしかに体重はちょっと増えたし、ぽっちゃり系ちゃぁぽっちゃり系だけど、“太ってる”ってのは言い過ぎ」
・número: 10. m. coloq. Acción extravagante o inconveniente con que se llama mucho la atención.
例) Montar, hacer, dar un número.
・a tope: 3. loc. adv. Hasta el límite de las fuerzas o posibilidades.
例) Bailar, jugar, divertirse a tope.
・tener morro: ser descarado, sinvergüenza.
・camello: 2. m. Persona que vende drogas tóxicas al por menor.
・llorera: 1. f. Lloro fuerte y continuado
・tálego: cárcel.
・「あんたがLara croftみたいなことをするのかと思ってた」
・írsele la olla a uno: trastornarse.
・perico: 8. m. jerg. cocaína (≂ droga)
09.09.21 加筆
映画祭で観てみて気づいたけど、「maría: marihuana.」は語句メモに入れてなかったね。書くのめんどくさくて書かなかったのか、既にブログのどこかにあるはずだから書かなかったのか。一応メモしておく
Posted by: Reine | Saturday, August 29, 2009 20:36
・comebolsas:
↑↑
たぶんこう言ってる。(こう言ってないなら、以下に書くことが無駄になる )
この語については今のところ辞書や辞書っぽいサイトでは見つけられなくて、掲示板なんかの書き込みをいくつか見つけただけ。
↓↓
http://foros.as.com/lofiversion/index.php/t90774.html
「comebolsasって単語、聞いたことがありません」と一人が書き込み、他の人がレスをしている。
曰く、「クラブなどで使われている―――使われていた―――語で、もともとはコカインだとか錠剤なんかをもらう代わりにクラブのトイレで“サービス”してあげちゃうオンナたちのことを指していた。普通ドラッグは小さいビニール袋に小分けされていたからそんな語ができた。今では、ドラッグだったりお酒だったり、はたまた有名になることだったり、なんであれ自分の欲しいモノを手に入れるためなら何だってしますっていうオンナのことを言い表すのに使ってるけどね、俺なんかは」。
その先を読んでいくと、一人が「アリカンテだとcomebolsasってよく使うよ」と言っている。そして別の人が自分はカルタヘナ出身でマドリード在住だが、「たしかにこの語はレバンテ地方特有の語だよね」と言う。
※Levante: スペイン東部のValenciaおよびMurcia地方.
※この作品の舞台はアリカンテ(および周辺)。
また別のサイトではこんな書き込みを見かけた。この人はこの語の意味する者を女に限っておらず、「un/a comebolsas es el ti@ que …」と書き始めている。
曰く: comebolsasっていうのは、誰かがドラッグを持っていると思ったらタダでもらえるかもしれないからとくっついて歩いて、ドラッグが無くなったと見るやサッサと離れて別の人間に移って行くやつのこと。俺の町にはそんなのがたくさんいる」
また別の掲示板では:
「俺の町ではuna comebolsasとは、たった一グラムのナニカのためになんでもヤってくれるオンナのことを意味します」
また別の掲示板では:
「Una comebolsas es la que acepta drogas a cambio de favores sexuales. Una bomba, vaya. Menudo lío que se puede buscar. 性的な行為と引き替えにドラッグを受け取ろうとするオンナ。けっこうエグいトラブルに巻き込まれるだろうに」「Esas sí que se pueden meter en un lío pero bien gordo あの手のオンナたちはきっとヤバい目に遭う」
Posted by: Reine | Saturday, August 29, 2009 20:40
さて、それで私は十分に理解したつもりになったのだけど、最初に挙げた掲示板(foros.as.com/lofiversion/index.php/t90774.html)を読んでみると、「No habia escuchado nunca eso de comebolsas. Comebolsas escrotales no?」と質問している人がいる。さらに下の方まで読んでいくと「Comeescrotos no, comecojones.(que suena mejor)」と書いている人もいる。
…ん? ……何かしらこれは……?何の話をしているのかしら?
ここで私は余計なことを考え始めちゃったわけだ。よしとけばいいのに上述の『隠語辞典』の「bolsa」の項を調べてみたら「testículos. (睾丸,精巣)」なんて書いてある。それでより深みにはまっていったわけ。
今朝目が覚めてもこの「escroto (陰嚢)」云々が頭を離れなかったので、起き抜けにスペイン人の男友達4人に質問のメールを書いたわよ。
メール
1.comebolsasという語はアリカンテ周辺に特有の語らしいが、あなた自身は聞いたことがあるか
2. 私はすでに語の定義は理解したつもりであるが、あの掲示板のやりとりを見ると、あれなの? ひょっとしてcomebolsasのbolsasはビニール袋のbolsasを意味しているだけでなく、睾丸をも暗に示しているってわけ???
・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆
つまり私は、ひょっとして「comebolsas」のbolsasは掛詞のつもりかと考えたのでした。「ドラッグが小分けされている袋を貪り尽くすオンナ」という語意と、「ドラッグと引き換えならば玉まで舐めてくれるオンナ」という語意とを掛けているということなのかと、そう考えたわけです。
↑↑↑
こんなこと考えたくて考えたわけじゃないんだぞ。しょうがなく考えたんだ。私という人間が書きたくて書いているわけじゃないですよ、このブログを書いているReineという人格が、書かなきゃしょうがないと覚悟して書いているんですよ。
朝っぱらから誰が好き好んでそんなこと考えるかって。何がおもしろくて、人生で一番愛したと言っても過言ではないアリカンテの男性に「ここでいうbolsasとは睾丸のことを暗示しているのでしょうか」なんてメールを出さなきゃいけないんだ、私は。
私は尋ねたぞ、正面切って、「これは睾丸のことなのでしょうか」って。あんなに愛した男に。一年ぶりにメールを出すというのに、挨拶もそこそこに。
Posted by: Reine | Saturday, August 29, 2009 21:01
結論からいえば、それはおそらく違うのです。私が考えすぎただけのこと。
1人目(36才、カタラン、Terrassa)の答え
こんな単語は聞いたことがない。いや、まじで。俺はドラッグを一切やらないからそのせいかも。
睾丸? いやいや、bolsasは単にビニール袋だと思う。ドラッグのことはよく知らないけど小さいビニール袋に小分けして売りさばいてるんだろ? それを指しているんだろ。睾丸は関係ない。と思うよ。
2人目(28才、バルセロナ出身、日本)
この語はほんとに知らない。聞いたことがない。あんまりそういう盛り場に行かないタイプだからね、俺は、君もご存じのとおり。
bolsaといったら紙袋、レジ袋、ビニールの小袋を普通は意味する。少量のドラッグをビニールの小袋に分けて捌くものなんでしょ?それでパンツの中とかに隠してるんだよ。
俺は睾丸を仄めかしているとは思わない。それだったら「chupapollas」って言えばいいんだから。……略……
3人目(38才、アリカンテのTorrevieja在住)
ドラッグを持っている人から、うまいこと分けてもらおうとする人のことだよ。ストリートの語だから辞書などには出てこない。「bolsa」はドラッグを包んでいるもののこと。
ふつうは女を指すね。そして普通、性的な“サービス”が介在する。ドラッグを手に入れることが目的で。たしかに通常考えられる取引としては性交だけど、ここでのbolsasは睾丸とはなんら関係がない。
若い連中の集団なんかで自分は絶対にドラッグを持ってこない、でももらってばっかりいるっていう奴がいたらcomebolsasって呼ばれちゃうよ。クラブで全然イケてない男の周りにいい女がわらわら居たら、その女たちはcomebolsasって呼ばれるだろう。
4人目(39才、アリカンテ)
そんな単語は聞いたことがない。ドラッグがあるようなところは出入りしたことがないからな。
「bolsas」は睾丸に言及しているとは思わない。comerされるのに肝要なものって、陰茎の方だと思うから。bolsasはやっぱりドラッグが入っている小袋を指しているのだと思う。僕は断言はできないんだけどね。
Posted by: Reine | Saturday, August 29, 2009 21:03
あとはどうでもいいメモ
・私の好みの顔をした女は出てこない。さっぱり出てこない。
・Benicassimのフェスに行きたいという会話をしている。音楽サイコー、女サイコーだって。『Tapas』のお調子者オポもベニカッシンに行こうとしていた。オポもまたオンナがいっぱいいるんだろうなと期待にいろいろ膨らませているようだった。
・この作品、東京国際レズビアン&ゲイ映画祭2009に持ってこられたとしても良かったんじゃないかな、なんて感じた。(実際に来たのは『Fuera de Carta / シェフズ・スペシャル』だった)
・カルロスを演じたHugo Silva、『Reinas』の時の爽やかな救命隊員姿とは打って変わって……。やさぐれっぷりにうっとり。
・ソニア役のMarieta Orozcoのすきっ歯が悪化している。三十路に入って、めっきり老けてしまっていて、『Barrio』『Krampack』のときの面影が……。ちょっと言葉を失った。元々この子はカワイコちゃんの役柄ではないと思うが、それにしてもこの経年劣化は…。
……と思ったけれども、映画中盤からは実は今回のルックスこそがソニア役にはぴったりだったのだなと実感した。意図してああいう表情や肌の質感を出していたのだとすると、女優として立派よね。
・よくかかってたFangoriaの「La verdad」という曲は、U2の「With or without you」と'Til Tuesdayの「What about love」を合わせたような歌。どっちにしても80s風。
・女の子がゲイの男友達に向かって、「Si no fueras tan gay, seríamos pareja. あんたがこんなにゲイゲイしくなかったらあたしたち付き合ってたのにね」。
↑
私自身はこういう考え方は却下するように努めてきた。
Posted by: Reine | Saturday, August 29, 2009 22:05
・10数年前スペインでゲイの友人ばかりと遊んでいた私は、海辺のリゾート地の(もっぱらゲイ向けの)クラブに週末ごとに遊びに行っていた。「una raya 要る?」と聞かれることはよくあったし、人々がすれ違いざまに錠剤をすっと手渡したりしているのもよく見かけた。
そういうクラブで、ライターくらいの大きさのナニカを手のひらで隠すようにしながら、鼻に当てて吸い込んでいるような人々の姿を時々目にした。「……え? …なにそれ……」と思っていたら、その見知らぬ人が「きみも“ポなんとか”やる?」と声をかけてきた。騒音で聞き取れなかった。
私はもちろん断ったよ。私はクスリと名のつくものは生理痛止めすら頑なに拒んでいてアメリカ人の友人に呆れられたくらいですから、ドラッグはハードもソフトも一切やってないし、やるつもりがない、やるわけがない。酒も飲まないのに。私の頭は体にも心にも騙されない・引き摺られない。
で、その聞き取れなかった「ポなんとか」が気になってたんだ。「ポッペンじゃないし、ポップエーでもないし……なんてったかなあ……?」って。
『Mentiras y gordas』を見て、言わば懐かしい吸引の光景が見られた。「ぽ(っ)ぺる」って言ってたんだね。→ Popper@ wikipedia。なんか、どうも、よく勃つみたいだね。
cf. 厚生労働省:違法ドラッグ(いわゆる脱法ドラッグ)輸入販売業者に対する立入検査等について
Posted by: Reine | Saturday, August 29, 2009 22:22
Reineさんが作ってくれた、登場人物の写真入り紹介。
これ、映画を見る前に見ておくといいんじゃないかな?
登場人物が多すぎて、ヌリアなんかよく分からなかったから。
それにしてもこの映画を見てると、スペインてドラッグが溢れている印象を受けるけど、Reineさんのお友達のコメントを読んで、ちょっと安心しました。
皆が皆、安易にやってるわけじゃないのね。
実は知ってる子が今度スペインに留学するので、心配だったんです。
Posted by: Marysol | Sunday, August 30, 2009 00:09
Marysolさん
私も『Mentiras ~』の公式サイトの人物紹介を読むまで、ヌリアがなんなんだかよくわかりませんでした。
>皆が皆、安易にやってるわけじゃないのね。
↑
ええ。でも、私がこのたび質問して回った友人はみな歳が歳なので、単に昨今の事情から遠いだけなのかも…?
>この映画を見てると、スペインてドラッグが溢れている印象を受けるけど
↑
たしかにこの作品はドラッグ使用シーンをあまりにも簡単に見せている気はしましたね。あんなにパッパカパッパカ吸ったり飲んだりしちゃっちゃあ……ちょっとね……。私がもしスペインに住んでて14才くらいの息子でも居て、その子がこの映画を観てきたなんつったらケチョンケチョンに言っちゃいそう。
私はスペインでの友人は選んだのだと思います。かなり。(→4年前のスペイン旅行の時に、現地の友人からもそのように言われたことがあります。)
日本人留学生でも向こうでドラッグに耽るのはいましたよ。女なんかね。けっこうね。現地のしょーもない感じの男と『Mentiras y gordas』さながらの生活を送っちゃったりね。
日本の社会に守られてぬくぬくと図体ばかりでかく育ててもらったお嬢ちゃん・お坊ちゃんが向こうで粋がってドラッグに手ぇ出してるのは、私は張り倒してやりたくなるね。
「おまえらそこに一列に正座しろ」って、ナシメント隊長の血塗られた拳でぶん殴られればいいと思います、ほんとに。
Posted by: Reine | Sunday, August 30, 2009 09:36
たまたま今日RSSに引っ掛かった記事:
『Mentiras y gordas』のカルロスを演じていたウーゴ・シルバのインタビュー記事。
Que se mueran los guapos
彼をスターダムに押し上げた人気テレビシリーズを“卒業”し、現在はハビエル・カマラ等とともにコメディ映画『Que se mueran los feos (2010) (ブオトコなど死んでしまえ)』を撮影中とのこと。
で、もうセックス・シンボル扱いはノーサンキューだとか、スイーツ(笑)向け雑誌の表紙を飾るのももう別に…とか、なんだかんだ、そんなことが書いてあります。
メモ
・taquillazo:
Posted by: Reine | Friday, September 04, 2009 19:37
劇場観客動員数が半減するなかで、3月27日に封切られ、第1週目にして約179万ユーロ以上を弾きだしたというから驚きです。220本制作したコピー代がたったの8226ユーロということですから笑いが止まらないはず。
( LBFF公式サイトに「アルモドバルの新作を抜き興行トップに」とあるアルモドバル新作は、『ブロークン・エンブレイシス』(英語題)のことで、3月18日封切りだった。)
翌日のエル・パイス映画評で「駄作」と決めつけられたことも、本作に幸いしたかもしれない。日本でもロングランだったクリント・イーストウッドの『グラン・トリノ』も上映中だったから、スペイン人の大好きなアメリカ映画をも凌いだわけです。
普段は自宅のソファに寝転がって、垂れ流されるテレドラを見ながら、「もうオレの青春は終わってしまったんだなぁ」というかつての若者世代が押し寄せたのだと思います。映画館にはとんと足を向けなくなった層が重い腰を上げて、お茶の間のスターを、過ぎ去った我が青春を、スクリーンで確かめようとしたのではないか。
本など年に1冊ぐらいしか読まない層が買ってくれないと、大ベストセラーは生れないのと同じである。読みたいからではなく、友達から置いてけ堀をくうのが≪怖い≫からである。
Posted by: アリ・ババ39 | Sunday, September 06, 2009 20:38
国家プロジェクトで作られた最初の映画だそうで、カタルーニャ自治州とバレンシア自治州の共同プロジェクト、舞台となったアリカンテ市も資金援助をして、昨年の5月にクランクインした。テレビの人気俳優のギャラだけでなく、パーティー会場となったホテルを貸し切っての夜間撮影、450人にも膨らんだエキストラ、製作チームの人数も半端じゃなく、それなりの製作費がかかった。
原題の「Mentiras y gordas」を英語や日本語に訳すのは難しい、スペイン語独特の意味があるから。 IMDbの英語題をそのまま訳したものと分かる。しかし『セックスとパーティーと嘘』にはマイッタね。
IMDbでの評価はだいたい2.7~2.8という低さである。過激なセックス・シーンを期待した観客が、当てが外れて投票したのかな。ジャンルは“コメディー”とあるから、映画をよく理解してない人が作成したんじゃないか(LBFF公式サイトの“ドラマ”が正しい)。
確かにゴムなしのセックスあり、狂乱のパーティーあり、嘘ありは明々白々ですよ。でもそれは舞台装置の大道具であって本質じゃない。≪嘘≫と言ったって友人に知られたくない≪秘密≫を隠したいがためで、友人を騙すためではない。勿論そういう嘘もあるが、それは本気で人を≪愛して≫しまったからだ。
Posted by: アリ・ババ39 | Sunday, September 06, 2009 20:40
これ以上書くとネタバレしそうなので書けないが、自由を謳歌して一見ノウテンキに見える若者たちの「生きにくさ」に、いい年して涙が止まらなかった。
社会から尊敬もされず、親からは愛されも憎まれもせず、つまり無視され(これは虐待ですぞ)、将来のビジョンも描けず、焼けつく太陽や夜の闇に逃げ込んだ現代スペインの青春像がここにあります。自分に誠実でいられない、自分を大切にできないで、どうやって他人を大切にできるんだ。
何事であれ毀誉褒貶はつきものですが、スクリーンに現れる表層的な部分に惑わされないで見てほしい映画です。
親世代の無気力とアルコール漬け、思春期の子供たちのドラッグ漬け、それを食い物にしているウラ社会も描かれ、脚本は吟味されている。それは二人の監督、三人の脚本家の名前を見れば納得です。テレビが映画をダメにしている、という一般論に挑戦した力作。
Posted by: アリ・ババ39 | Sunday, September 06, 2009 20:41
脚本にアンヘレス・ゴンサレス・シンデが参加している。スペイン映画アカデミー会長の任期を残して、第2期サパテロ内閣の文化大臣に唐突に就任して、世間をあっと言わせた脚本家にして監督。
「私たちの文化大臣がこんな映画のシナリオを書いたなんて恥ずかしい」というコメントがあるのも承知しています。要するに意見は2極化しているわけです。
ぜひバルト9に足を運んで自分の目で確かめてください。フィクションだが限りなくリアルな世界を描いています。
Posted by: アリ・ババ39 | Sunday, September 06, 2009 20:42
本作も『サンティアゴの光』と同じ群像劇、人気のタレント俳優といっても、日本登場は初めての人ばかり。世代が同じだから、最初はちょっと見分けが難しいかもしれない。
Reineさんが作成してくれた顔写真入りの人物紹介が役に立ちます。
クリスト(ドラッグの元締め)とソニア(その売人)はオトナだから外すとしても、全部を紹介できない。群像劇とはいっても、やはり中心的な人物が当然いるわけで、5~6人ピックアップすると:
Posted by: アリ・ババ39 | Sunday, September 06, 2009 20:42
来日が予定されているカローラ役のアナ・デ・アルマスは、公式サイトのゲスト欄や MARYSOLさんのブログ「アナ・デ・アルマス、キューバの薔薇」に詳しく紹介されているので、そちらにジャンプしてください。本作が3本目に当たります。
一本調子だった前2作より経験を積んだこともありましょうが、演技の幅もでき、愛ゆえに親友を裏切る役に体当たりしています。これだけ美人だと殻破りは難しい、将来生き残れるかどうか。TVシリーズは、「El internado」アンテナ3局、2007年3月から放映が始まり、今も続行中(2007~09、43話に出演)。
Posted by: アリ・ババ39 | Sunday, September 06, 2009 20:43
ニコ役のヨン(ジョン)・ゴンサレスは、1986年バスクのギブスコア生れ。
アナ・デ・アルマスと同じTVシリーズ「El internado」(43話に出演)。さらにTVシリーズ「SMS, sin miedo a sonar」(2006~07、29話出演)。甘いマスクで大人気。
トニ役のマリオ・カサス、1986年ガリシアのラ・コルーニャ生れ。
大きな秘密を親友のニコにも打ち明けられない。マリーナだけが秘密を知っている。
上記「SMS…」(2006~07、25話に出演)と「Los hombres de Paco」(2007~2009、64話に出演)。このテレドラは2005年9月から放映開始。2009年、未公開だが2本の映画に出演している。本作のトニ役が転機になったのか、殻破りの時期にきているのか。
Posted by: アリ・ババ39 | Sunday, September 06, 2009 20:44
カルロス役のウーゴ・シルバ、1977年マドリッド生れ。
上記の二人より一回り年上、テレビ・デビューも早い。コメディー、ドラマ、ミュージカルと芸域が広い。
本作では女性にもてるが、精神が不安定で、本当の自分を見つけられないでいる複雑な人格をこなしている。
TVシリーズ「Al salir de clase」(2000~02、270話に出演)、上記の「Los hombres de Paco」(2005~09、82話に出演)。最近スケジュールを理由に降板したらしい。アイドル・スターを続けるには年齢も限界にきている。マンネリから抜け出したい、アイドルで終わりたくない、と考えるのは誰しも同じ。
2009年マラガ映画祭で上映され、9月4日封切られた「Agallas」(アンドレス・ルケ、サムエル・マルティンの共同監督)に、カルメロ・ゴメスとタグ・マッチ。演技派ゴメスの薫陶を受けてか、一皮剝けたシルバの演技にしびれるファンも多いと思う。ガリシアを舞台にした麻薬密輸の話。もうテレドラは卒業だね。
Posted by: アリ・ババ39 | Sunday, September 06, 2009 20:44
マリーナ役のアナ・マリア・ポルボロサ、1987年マドリッド生れ。
2000年、子役でデビューのテレビの申し子みたいな人。「Raquel busca su sitio」にアナ・マリア・ルイスの名前で25話に出演、本作では、アナ・ポルボロサとして出演している。なかなか難しい役どころ、トニの秘密を知っている唯一人の友人。彼女も自分の秘密に苦しんでいる。
長寿テレドラ「Aida」(2005~09、110話に出演)、今年のゴヤ賞授賞式の司会者カルメン・マチが主役のコメディー。いわゆるアイーダ・ワールドの一員。
パス役のミリアム・ジョヴァネッリ、1989年ローマ生れ。
本作で唯一人のおデブさん(gorda)。体重を増やして、ちょっとおバカなパス役に臨んだ演技派。
映画から入りテレドラ出演は少ない。ビセンテ・アランダの「Canciones de amor en Lolita’s Club」(2007)、フェルナンド・コロモの「Rivales」(2008)と、大物監督に恵まれている。
2010年公開が決まっているジョナス・トルエバの「Todas las canciones hablan en mi」(2009)の主役に抜擢されている(もうお気づきですね、監督の父親は『ベルエポック』のフェルナンド・トルエバ)。
Posted by: アリ・ババ39 | Sunday, September 06, 2009 20:45
アイドル全員集合の映画であるのかないのかは映画館で確かめていただくとして、彼らに要求された演技で難しかったのは≪内面の演技≫だった。共演したライバルたちの演技を盗んで≪肥やし≫にしたことが、次の映画出演のチャンスに繋がったと思う。
監督のどちらも来日しないのは残念ですが、この映画が二人にとって第6作目。1997年ゴヤ新人監督賞にノミネートされた第1作「Mas que amor, frenesi」(1996、ミゲル・バルデムを含む3監督)の延長線上にあるのではないでしょうか。
Posted by: アリ・ババ39 | Sunday, September 06, 2009 20:45
アリ・ババ39さん
ありがとうございました。
これはほんとに「毀誉褒貶相半ばする」系統の作品だと思ったので、映画祭で観た人々のリアクションが楽しみです。
>パーティー会場となったホテルを貸し切っての夜間撮影、450人にも膨らんだエキストラ
↑
エキストラといえば…:
私、この手の(現代もの、街もの)では実際のお店を特定するのを趣味としているのでクラブのシーンなんかもどこだったのかと検索してみました。
その時に、「昨日は『Mentiras y gordas』のクラブの撮影シーンのエキストラだったーψ(`∇´)ψ」みたいなブログを見かけたりしましたよ。
Posted by: Reine | Sunday, September 06, 2009 21:05
カローラ役のアナ・デ・アルマスのQ&Aです。
この映画で描かれているのは、普通の生活をしている限り、基本的に見る機会がないような世界や現実。こういう世界は実際に存在するのだろうか?
えぇ、実際に存在するのです。確かに、とてもキツイ現実ですが、こういう世界に属する人たちはいます。ただし、この映画は(スペインの)若者社会を一般化して描き出そうとしているわけではなくて、或る特定の登場人物たちの或る週末に起こった出来事を綴った物語です。
日本でも最近はドラッグの問題が注目を集めているが、スペインではこの問題はどのように対処されているのだろうか?
私自身はドラッグの世界のことに詳しいわけではありませんが、支援のための団体・協会やプログラムなども存在しており、ドラッグに依存した人々への援助は行われています。
監督はアナさんにどのような演出をされたのか?
私自身、当初はカローラの役を演じることに困惑しました。というのは、親友の彼氏と性的な関係を持つというのは、私には理解できないことだったからです。私にはカローラというのは利己的で、悪い女に思えました。したがって、監督からはお叱り(broncas)を受けることもありました。でも、カローラが実はカルロスに恋心を抱いているという点を理解するようになってからは、役柄に感情移入することが出来るようになりました。
(質問内容がよく分からず。)
登場人物と自分の年齢が近いこともあって、自分のことのように感じる面もあります。若者は、多かれ少なかれ、このような経験をすると思うのです。つまり、新しいことを始めてみたり、パーティーに行ってみたり、親と距離を置くようになったり、恋愛をしたり、そういうことです。ドラッグについては、私が演じたキャラクターは(唯一)ドラッグに手を染めていないし、私自身もドラッグのことは分かりません。私自身はコーラでもハイになれますから。この映画の登場人物は「孤独」を持っていて、他人に対してどのように自分の感情を示したら良いのか分からなくて悩んだりもしています。そういった経験に近いことというのは、私たちにも起こり得ることです。
オープニングのタイトルのシーンですごくスタイリッシュな映画なのかしら、と思っていたら、最後の方ではとても切ない気分になった。パンフレットによると、スペインではアルモドバル監督の作品を抜く人気だったそうだが、何がスペインの観客の心を掴んだとお考えか。
確かに、厳しい、デリケートなテーマの映画です。ドラッグに依存するようになると、結局、悪い結果を迎えることになるというメッセージも込められています。スペインで人気となった点については、まず、キャストの大半がテレビの連続ドラマに出演していて、特に若者の間で人気が高かったことがあると思います。また、特に若い人たちの中には、パーティーとか性的なものへの強い好奇心があったのかも知れません。
かわいくて、きれいで、素敵ですが、美しさを保つ秘訣は?また、今後やってみたい役柄は?
ありがとうございます。でも特に何もやってないですし、秘訣もありません。役柄については、今もテレビのドラマで16歳の女の子を演じているので、そうですね、例えば25歳の女性とか、別の話もやってみたいです。また、英語も勉強したいです。役者としてのチャンスが増えると思いますから。
Posted by: Abetchy | Friday, September 18, 2009 01:32
もう書いてもいいかなと思うのでとりあえず四つだけ:
1) 上の方で「>私はわりと普通に笑うところで笑い泣くところで泣いて観たほうだよ。」と書きましたが、どこで泣いたかと言えば3Pで泣いたんだよね。
人が死ぬの死なないのは、私が泣くかどうかには関係ない。私はあまりそういうことでは泣かないみたいだ。
2) 前に観たときよりもNico ニコ (Yon González)の狡さがよりいっそう狡く見えたわ。
3) おはなしの〆方は好きではない。ああいうエンディングは好きではない。むしろ要らないと思っちゃった。
4) 今回たとえば『Arrancame la vida』も『La buena vida』もスクリーンで観た方が感じ方が強烈で―――当然のことかもしれませんが―――、もう6~7回目だというのに感涙、感涙だったのですが、『Mentiras y gordas』についてはDVDの画面の方がよかったな。スクリーンで観ると、ちょっと、なんていうか、「鬱陶しい」って思っちゃったのよね。
Posted by: Reine | Monday, September 21, 2009 15:03
この作品は字幕を読みたくて観に行きました。私の聞き取っていた感じでだいたい正しかったのかどうかを確かめたくて。
・comebolsasのくだり(たしかセリフは、「¿Eres un comebolsas?」)の字幕はどうだったかな、「あんた物乞い?」かなにかそんな感じだったかな?
字数がおさまるのだったら、「体で払うって?」くらいがいいかなあなどと考えながら観ていた。
・Lara Croftのくだりは「ララ・クロフト」とそのまま書いてあったけど、あぁ、どうなのかな、可能ならば「トゥーム・レイダー」云々とする方がわかりやすいかなとは思った。いや、おんなじかなあ、どうかなあ。
中年の私の場合は、「トゥーム・レイダー」では像がクッキリと浮かんでも「ララ・クロフト」ではなんだかサッパリわからなかったんだよね。(だから最初に観たときに調べて語句メモに書き留めておいたのだから)
Posted by: Reine | Monday, September 21, 2009 19:04
ニコの狡さについて、彼はトニに対して "Hazlo por mí" を多分三回言ってるね。で、トニとしては、「オレのために」などと言われたら、もう結局はやらざるを得ないという、それがこの二人の関係性ですな。
Posted by: Abetchy | Tuesday, September 22, 2009 01:50