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Sunday, April 05, 2009

Sólo con tu pareja / 最も危険な愛し方 [メキシコ映画]

soloストーリー
トマスは女たらし。女をとっかえひっかえ家に連れ込み、することはさんざんして、朝になって別れ際に女の名前を間違えているような男。相手かまわずTPOなどわきまえず喰い散らかしてきた。しかも、この男、相手の女にコンドームをつけるよう言われても「え? だってピルは飲んでるんでしょ?」と聞き返すようなろくでなし。

そんなトマスだったが体調不良が続き、友人であり隣人である医師マテオのクリニックで血液検査をしてもらうことになる。検査結果をマテオはトマスに伝えたのだが……。

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆


solo・そこそこ面白い。気楽に観られる。

・どちらかと言ったらシリアスな作品で冷酷非情な役柄を演じることが多いのかなと思ってきたDaniel Giménez Cachoの若い頃の作品で、こんなドタバタ喜劇に彼が出ていたのだと知って意外な気がした。しかも、何よこの端整な顔立ちは。いや、たしかに中年になってからの彼も綺麗っちゃぁ綺麗ですけどさ。

・二人の日本人(医師)が登場する。(俳優さんはおそらく日系の人; Toshiro Alberto HISAKIとCarlos NAKASONE)

・夢だか悪夢だかの中の世界がカオティックで笑える。

・全編( ̄ー ̄)ニヤリとさせられる。


させられるけれども、け・れ・ど・も、

・序盤から中盤にかけてのコント的展開がやや冗漫。
・中盤のコント的展開も冗漫。
・終盤のコント的展開も冗漫。

まぁ、つまりだいたい冗漫だ。馬鹿げてて面白いんだけども。


(つづきはコメント欄)(観てから3週間くらい経っちゃったのでとにかく書いてスッキリしたい)

Sólo con tu pareja@IMDb
直訳: 恋人とだけ

最も危険な愛し方@ぽすれん
最も危険な愛し方@映画生活

監督: Alfonso Cuarón アルフォンソ・クアロン

脚本: Alfonso Cuarón  Carlos Cuarón カルロス・クアロン

出演: (役名でけっこう言葉遊びをしている感じ)
Daniel Giménez Cacho ダニエル・ヒメネス・カチョ ... Tomás Tomás トマス
Luis de Icaza ... Mateo Mateos マテオ: 隣人、友人、医師
Astrid Hadad ... Teresa de Teresa テレサ: その妻
Dobrina Liubomirova ... Silvia Silva シルビア: マテオのクリニックの看護師

Claudia Ramírez クラウディア・ラミレス ... Clarisa Negrete クラリサ: トマスとマテオのマンションに越してきた女性
Ricardo Dalmacci ... Carlos カルロス: その同棲相手

Isabel Benet ... Gloria Gold グロリア: トマスの仕事相手; 広告代理店かな

Toshirô Hisaki ... Takeshi タケシ: 日本人
Carlos Nakasone ... Koyi コージ: 日本人

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Comments

語句メモ
・dame chance:
→・‘dame chance’とはどういう意味合いですかスレッド

・gringo, ga: 3. adj. Am. Mer., Cuba, El Salv., Hond. y Nic. estadounidense. Apl. a pers., u. t. c. s.

・calentura: 1. f. fiebre (= fenómeno patológico).

・panza: 1. f. Barriga o vientre, especialmente el muy abultado

・¿Quién crees que soy? 俺を誰だと思ってんの?

・ni muy muy, ni tan tan

・hinchar:
1. tr. Hacer que aumente de volumen algún objeto o cuerpo, llenándolo de aire u otra cosa. U. t. c. prnl.
2. tr. Aumentar el agua de un río, arroyo, etc. U. t. c. prnl.
6. prnl. Dicho de una parte del cuerpo: Inflamarse por herida o golpe.

・escurrrir:
7. prnl. Salir huyendo.
8. prnl. Esquivar algún riesgo, dificultad, etc.

・in fraganti: 1. loc. adv. En el mismo momento en que se está cometiendo el delito o realizando una acción censurable.

・corpus delicti: 【名】【C】 (《複》 corpora delicti) 【法】 罪体 《犯罪の実質的事実》.
1. 〈ラテン語〉《法律》罪体{ざいたい}◆殺人事件を構成するための証拠で、他殺死体はその典型的なものであるが、必ずしも事件の必要条件ではない。
2. 〈ラテン語〉死体{したい}

・bueno: 3. interj. Méx. U. para contestar al teléfono.

・pinche: 3 (Méj.) adj. Despreciable, insignificante.


・トマスが「俺はクラリサに本気で恋をした」というとマテオが鼻で笑って、「Cuéntame una de vaqueros.」という。その表現について幾つかのスレッドより
→・forum.wordreference.com/showthread.php?t=570021: 誰かが嘘をついた時に皮肉って言う表現
→・forum.wordreference.com/showthread.php?t=317704: 誰かが言ったことの信憑性を疑ってかかる時の表現
→・forum.wordreference.com/showthread.php?t=897789: コロンビアではvaquerosだけど、スペインではindiosと言う、のだそうだ。じゃぁ、その‘una’は‘una mentira’の‘una'なのかなあ?


・「¿Eres aeromoza, verdad? 君、スチュワーデスだよね」
―――Sobrecargo. Sobrecargo es mi puesto. 客室乗務員です。

・aeromoza: 1. f. Am. Azafata de aviación.
・sobreargo: 2. m. Tripulante de avión que tiene a su cargo supervisar diversas funciones auxiliares.


・guante: コンドーム
→・preservativo@Wikipediaより:
一般的には preservativo, condón, profiláctico
研究者で condón を推す人もいる
スペイン preservativo, condón
アルゼンチン・ウルグアイ forro, preservativo
チリ condón, casco, gorrito
メキシコ condón, gorrito, máscara
ペルー condón, poncho, jebe
その他の国々 globo, paracaídas
アメリカ合衆国 rubbers
イギリス johnny, love glove


・abismo:
2. m. infierno (= lugar de castigo eterno).
4. m. Diferencia grande entre cosas, personas, ideas, sentimientos, etc.

Posted by: Reine | Sunday, April 05, 2009 09:09

他にメモ この先はちょっとストーリーに触れます。

1) マテオの奥さんのテレサはことわざ・格言好きでしょっちゅう何かフレーズを混ぜる(マテオもそんな傾向がある)

・No hay boda sin doña toda.
・Al gato satisfecho, no le preocupa el ratón.
・Quien a hierro mata, a hierro muere.
・A quien le dan el pie, se toma la mano.
・A poca barba, poca vergüenza.
・Lo que no fue en tu año, no fue tu daño.

こんなようなことをもっといろいろ言っていた


2) トマスが仕事相手のグロリアともそうにぅ仲だというのはセリフがわからなくても見てればすぐにわかるのだけど、たとえばグロリアがトマスに仕事を急ぐよう催促の電話をかけた時に、「Tienes talento, úsalo. Usa tu imaginación, usa tu cabeza, usa la computadora que te regalé. 私が買ってあげたパソコンを使って仕事頑張ってよ」と言うセリフがあるので、まぁそういう間柄なんだねというのがわかる。


3) マテオとテレサは「クロサワの最新作を観てくるわ」と言って出かけていった。ということは時期から言ってどっちかなぁ、『八月の狂詩曲8月』か『夢』。


4) 泥酔したトマスが泥酔したタケシに向かって「¡Pinche Japonés amarillo de mierda, cabrón!」


5) トマスに「あんたも病気には気を付けた方がいいわよ」と警告の電話を入れてくれたセフレもまた、‘セフレ一覧表’片手に一人ずつに連絡をしているという、( ̄ー ̄)ニヤリのシーン。

トマスもこれまでヤった女の名を一覧表にしていくんだけど、まぁ、これだけ喰い散らかして来たわりにはけっこう名前を覚えてるよなぁと、変なところで感心。


6) 最終的にはトマスもTrojan Enz の lubricatedを買うようになっていました、という教訓的なお話。なのかよ。

Posted by: Reine | Sunday, April 05, 2009 09:19

IMDbの評点なんか関係あると思ったことがないという人もいるだろうけど、私にとってはIMDbの評点とジャンルは、何か作品を観よう・買おうと思うときにわりとちょうどよいバロメーターになっているので、ちょっと見てみる。

これ、今日現在は7.5だけど、数週間前は7.6だった。これは、いくらなんでも高すぎると思うよ。私はね。

以下、私の診立てなので:

だって、ああたね、7.6(でジャンルはコメディとロマンス)っつったら、『Elsa y Fred』とか『El mismo amor, la misma lluvia』とかと同程度だというわけよ。あ・り・え・ん。私の感じ方だと『Solo con tu pareja』がそれら2作と並ぶなんて、ありえない。

……なんてこと言ってると、じゃぁ『EL Cielo Abierto』とか『Inconscientes』のIMDb的高評価には納得がいくのかよ、そこんとこどうなのよ、っていう話にもなってしまうので、まぁ、あまり言い募らないけれども。

しかし、やっぱり、いくらなんでも『Solo con tu pareja』が7.6だの7.5だのと評価されるような趣のある作品とは、私は思わない。こんな高くなくていい。IMDbの評点と自分の体感温度とこんなに離れてると感じるのも珍しい。いったいどんな下駄を履かされるとこんな点数が出るんだ。

これはせいぜい6.6、行って6.7だと思う。それくらいの評点の方がむしろこの作品のためだと思う(意味不明)。

Posted by: Reine | Sunday, April 05, 2009 09:26

reneyamaさん、お久しぶりです。
『Solo con tu pareja』DVD発売されたんですね~。本国メキシコやスペインでも映像化されて無いはずですよ。凄い!それにしてもパッケージがひどい。これではコメディーとは分からないですね。
この映画、多分ガルシア・マルケスの「コレラ時代の愛」からインスパイアーされたタイトルだと思うのですが、2004年のヒスパニック・ビートで「ヒステリー時代の恋」と言うタイトルで上映されたんです。その時ダニエル・ヒメネス・カチョの映画は3本上映されてこの映画以外(「ニコチン」「アロ・トルブキン」)は見れたんですが、この映画は見れなくて、ある方のご好意でビデオで見たことがあります。私は結構この映画好きで、7点台OK!です。DVD発売嬉しいなぁ~。これからレンタル屋さん、行って来ます。

Posted by: benita | Sunday, April 05, 2009 11:03

reneyamaさん
DVD、調べたらUS版が出てるみたいです。特典にメイキングや監督とダニエルのインタビューがあるみたい。買っちゃおうかな~。

Posted by: benita | Sunday, April 05, 2009 11:13

benitaさんお久しぶりです。

そうか……benitaさんがそうおっしゃるならそれだけの魅力があるのかもしれないと思い、ひとまずwikipediaを読んできました。⇒Solo con tu pareja@Wikipedia

すると、
・まずはクアロン兄弟+撮影のEmmanuel Lubezkiという、のちに『天国の口、終りの楽園。』を世に出す三人組による最初のチームワークであったこと、
・そして、観客からも批評家からも支持されたということ、
・それと、90年代初頭、当時まだ熟していなかったメキシココメディというジャンルに新風を吹き込んだということ、
・そしてアリエル賞(オリジナル脚本賞かな)まで獲ったということ、
……などなどの理由をもって評価されている作品であるのだと読めます。

そして、94年7月にSomos誌が発表した「メキシコ映画百選」では87位に入っているのだそうですね。


そうか…じゃぁ、まぁ、中とって「7.0」でどうでしょうか(←ここで決めるのか)。

Posted by: Reine | Sunday, April 05, 2009 12:02

>それにしてもパッケージがひどい

これは……さ……、私が『Lucia y el Sexo』のときから、そして最近では『Ninette』などで「おお、やだやだ」と言ってきた会社のやったことですから。どーーーにもなんないすよ。処置無し。

私、RSSで「スペイン映画」とかいう語句で拾うようにしていて、それで捕捉されたものは誰のブログとも知らずに読むことがあります。サッと斜め読みするだけなので、後からもう一度読みたいと思っても辿り着けないことがほとんどなのですがね。

そういったわけでこないだもどこかのブログを読みましたら、その人はどうもこの会社の扱っているスペイン映画―――“エロチック・サスペンス系”だったかな―――を観たらしく、ぜんぜん気に入らなかったようなのですわ。そして「スペイン映画ってつまらないなあ」というところに着地してしまっていた。

そうじゃない、スペイン映画がつまらないんじゃないんだと大声で主張したかったね。

だからね。
私にとってはこの会社はほんと鼻つまみ。変な見せられ方で一つ一つの作品、ひいては“スペイン映画”全体まで残念なものとして認識されていくのだとしたら、ほんと迷惑な話だわ。そーゆーふーに思われちゃってんの、ほんと、めーわく。いーかげんにしてほしい。

ただ救いだったのは、上述のブログ主さんはこの会社のカラーは理解しているようで、「この会社の入れてる作品なんかに期待した自分がそもそもあかんかった」というような書き方で〆ていたこと、かな。


……なんつってたら、なんとこの会社、『Azuloscurocasinegro / 漆黒のような深い青』を「蒼ざめた官能」とかいう胡散臭い邦題で売り出すようですね

あの原題とあの作品に込められた「色」の意味、‘限りなく黒に近い青’の意味、全くわかってないね。わかろうともしてない。あの「色」の意義なんかどうだっていいからそんな邦題つけちゃうわけでしょ。

で、上述のブロガーさんのような観客は少なからずいるわけで、そういう人にとっては、『Azuloscurocasinegro』のような名作であろうとも、この会社に手をつけられてしまった時点で選択肢から外れてしまうかもしれないわけだ。この会社が絡んだことによって、人々はあんな秀作を観ずに通り過ぎてしまうかもしれないわけだ。

Posted by: Reine | Sunday, April 05, 2009 12:46

もともとのジャケ写を探してきてUPしておきました。

Posted by: Reine | Sunday, April 05, 2009 13:19

うっかりするとスタイリッシュなパッケージとタイトル。目覚めたばかりの若者が思わず手にとってみてしまい、メキシコ映画ってつまんねー、とかいわれないかと心配をした私。
そもそも少し古いんだから勘弁してください、とか勝手に擁護しながらみました。

中南米人に対する多くの人がもつ性的な部分でのイメージ、早くいうとあっちでもこっちでも浮気してるコメディですが、ちょっと個人的に笑えない感もありつつクスっとさせていただきました。トマスの気をつけろと電話してきた女がセフレメモを手にしてた所が好きです。あっちは男だけじゃなくて女も~とまたもやイメージを固定させちゃってますが。これを見た後は叶恭子が常識的にみえますね。

Posted by: devota | Monday, April 27, 2009 15:37

devotaさん
そうそう、「あんたも気をつけなさいよ~」と忠告してきた女セフレが、自分もまたセフレ男リストを見ながら一人ずつ線を引いて「連絡済み」にしているシーン、あそこはニヤニヤしました。‘業務’のように片付けていっている感が。

私にとってのこの作品の収穫は、ダニエル・ヒメネス・カチョがしょーーーーーもない男をお茶目に演じる姿を見ることができたという点でした。

Posted by: Reine | Tuesday, April 28, 2009 10:18

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