Festival del Cinema italiano 2009 Tokyo / イタリア映画祭2009
どれか観に行く?と訊かれ、どんな作品があるのか仕事の合間にほんのちょーーーーっとだけ眺めてみるつもりがいつもの癖でついつい深追いしてしまったので、せっかくだから記事にしておこうと思う。
asahi.com : 朝日新聞社 - 「イタリア映画祭2009」などを参考に。
IMDbの評点とかはワタシ用メモなので気にしないでください。
公式サイトは音が出るかもしれないので注意を。
公式サイトはあくまでも「たぶん」。あまり執拗に探してはいない。軽く探してみて出てこなかったらスルー。
『よせよせ、ジョニー』
[2007年/104分] 監督:ファブリツィオ・ベンティヴォッリョ
Lascia perdere, Johnny! (Fabrizio Bentivoglio)
・Lascia perdere, Johnny! (2007) @IMDb 6.5/123 Biography | Comedy
・制作: Lascia perdere, Johnny!@Fandango
……略……1976年、ナポリ近郊の小さな町で、未亡人の母と二人暮らしの内気な18歳の青年ファウスティーノに、兵役が近づいていた。兵役免除の唯一の条件は、職に就いていることを証明すること。ギターを演奏していたビッグバンドも解散が決まり、別の仕事を見つける必要があった。甘くノスタルジックな調べに乗って、青年の歩みがゆったりとユーモラスに辿られる。……略……
【上映日時】 4月30日(木) 12:00 / 5月4日(月・祝) 10:20
『ソネタウラ-“樹の音”の物語』
[2008年/157分] 監督:サルヴァトーレ・メレウ
Sonetàula(Salvatore Mereu)
・Sonetàula (2008) @IMDb 6.4/44 Drama
……略……1937年、父が誤って逮捕されたため、12歳にして父の後を継いで羊飼いとして働くことになったソネタウラ(樹の音)というあだ名の少年は、18歳の時に人生を大きく狂わせる事件を起こしてしまう。サルデーニャ山岳地帯の大自然を背景に、懸命に生き抜こうとする少年の半生が壮大に描かれる。……略……
【上映日時】 5月2日(土) 18:00 / 5月4日(月・祝) 13:05
『見わたすかぎり人生』
[2008年/117分] 監督:パオロ・ヴィルツィ
Tutta la vita davanti (Paolo Virzì)
・Tutta la vita davanti (2008) @IMDb 7.3/368 Comedy
・制作: Tutta La Vita Davanti@Motorino Amaranto
……略……優秀な成績で大学を卒業したが、正社員の職にはなかなか就けないマルタ。ようやく見つけたのは、コールセンターでのパートタイムの仕事だが、そこには厳しい競争原理が導入されていた。テーマは非正規雇用という現代社会の深刻な問題だが、笑いで包み込まれ……略……
【上映日時】 4月30日(木) 18:00 / 5月3日(日・祝) 13:10
『私を撮って』
[2008年/93分] 監督:アンナ・ネグリ
Riprendimi (Anna Negri)
・Riprendimi (2008) @IMDb 6.4/69 Comedy
・制作: Riprendimi@Bess Movie
……略……ドキュメンタリー作家の男二人組は、ショービジネス界における雇用の不安定さについて映画を作ることになる。被写体は、役者と映画編集者の夫婦。だが、二人は争いを起こし、撮影は予期せぬ方向へ進む。現代イタリアの若者たちが置かれている先が見えない実情を、悲観に陥ることなく、軽妙なタッチで映し出す……略……
【上映日時】 5月2日(土) 10:20 / 5月5日(火・祝) 13:15
『イル・ディーヴォ』
[2008年/110分] 監督:パオロ・ソレンティーノ
Il divo (Paolo Sorrentino)
・Il divo (2008) @IMDb 7.6/1411 Biography | Drama | History
・公式: Il Divo - Un film di Paolo Sorrentino:
7期に渡って首相を務める一方で、裁判にかけられ物議を醸した戦後イタリアを代表する政治家の一人、ジュリオ・アンドレオッティ元首相を題材に、イタリア政界の裏側を描くソレンティーノ渾身の一作。圧倒的権威に翳りが見え始めた元首相の議員生活の晩年がスタイリッシュな映像で切り取られる。……略……
【上映日時】 5月2日(土) 13:00 / 5月4日(月・祝) 18:55
『赤い肌の大地』
[2008年/108分] 監督:マルコ・ベキス
La terra degli uomini rossi (Marco Bechis)
・BirdWatchers - La terra degli uomini rossi (2008)@IMDb 7.4/126 Drama
・公式: La Terra degli Uomini Rossi - Birdwatchers | un film di Marco Bechis
……略……ブラジル南部の農園で、慰留区に閉じ込められ、貧困や自殺者の増加に苦しむ先住民は、先祖の土地に移り住むことにする。だが、そこは今や入植者の所有地。先住民と入植者の間で争いが生じるが、その一方で交流も始まる。先住民が抱える問題が作品の底流にありつつ、彼らの生き方がユーモラスかつ力強く描かれる。……略……
【上映日時】 5月3日(日・祝) 10:20 / 5月5日(火・祝) 15:35
『パ・ラ・ダ』
[2008年/100分] 監督:マルコ・ポンテコルヴォ
Pa-Ra-Da (Marco Pontecorvo)
・Pa-ra-da (2008)@IMDb 7.7/65 Drama
心がすさんでいた子供たちが、一人の外国人との出会いによって人間性を取り戻していく実話に基づいた、ポンテコルヴォ監督の初の長編感動作。チャウチェスク政権崩壊から3年、ルーマニアのブカレストには、ストリートチルドレンがあふれていた。盗み、売春、ドラッグ、喧嘩といった問題が絶えない日々。パリから来た道化師のミルーは、サーカスを組織することによって、劣悪な環境から彼らを救い出そうとする。……略……
【上映日時】 5月1日(金) 16:00 / 5月4日(月・祝) 16:30
『プッチーニと娘』
[2008年/84分] 監督:パオロ・ベンヴェヌーティ
Puccini e la fanciulla (Paolo Benvenuti)
・Puccini e la fanciulla (2008)@IMDb 7.8/17 Drama
・公式: www.lafanciulladellago.it
1909年、トスカーナ地方で、ジャコモ・プッチーニはオペラ「西部の娘」の作曲に取り組んでいた。その矢先に、彼との浮気の容疑をかけられたメイドのドーリアが自殺する……略……。会話を省き、手紙を読むモノローグと自然音だけの音響空間と、流麗なキャメラワークで風景を映す映像世界が、見事なまでに澄み切っていて心地良い。……略……
【上映日時】 5月1日(金) 10:20 / 5月3日(日・祝) 16:00
『やればできるさ』
[2008年/111分] 監督:ジュリオ・マンフレドニア
Si può fare (Giulio Manfredonia)
・Si può fare (2008)@IMDb 8.4/77 Comedy
・公式: Si può fare - Sito ufficiale del film
法律によってイタリアで精神病院の全廃が進められていた1980年代のミラノ。労働組合員のネッロは、革新的な考えのために疎まれ、元精神病患者たちがいる施設に左遷される。精神病の知識は何もないが、元患者たちと平等に接するネッロ。労働の尊厳を固く信じている彼は、元患者たちの背中を後押しして事業を立ち上げようとする。一体となって困難を乗り越え、理想に向かっていく前向きな姿に励まされる実話を基にした喜劇。……略……
【上映日時】 5月1日(金) 13:10 / 5月5日(火・祝) 10:20
『運命に逆らったシチリアの少女』
[2008年/110分] 監督:マルコ・アメンタ
La siciliana ribelle (Marco Amenta)
・La siciliana ribelle (2009) @IMDb 7.9/16 Drama
・公式: www.lasicilianaribelle.it
……略……シチリアの少女リタは、マフィアのメンバーだった父と兄を、内部抗争で失ってしまう。復讐に燃えるリタは、17歳の時に危険を顧みずマフィアの実情を検事に告発する。だが、その日からリタの命は狙われ始めるのだった。マフィアに立ち向かう少女の胸を打つ勇姿……略……
【上映日時】 4月30日(木) 15:00 / 5月3日(日・祝) 18:30
『ゴモラ』
[2008年/135分] 監督:マッテオ・ガッローネ
Gomorra (Matteo Garrone)
・Gomorra (2008)@IMDb 7.2/8295 Crime | Drama
・公式: Gomorra | Official Web Site
原作者のロベルト・サヴィアーノがマフィアから命を狙われるいわくつきの衝撃作。暴力と血と金に塗れたナポリの犯罪組織「カモッラ」の実態と、マフィアの掟に従わざるをえない市民の実情が、並列的に語られる5つのストーリーとともに、仮借なくまざまざと映し出される。……略……
【上映日時】 5月5日(火・祝) 18:10
『ジョヴァンナのパパ(原題)』
[2008年/104分] 監督:プーピ・アヴァーティ
Il papà di Giovanna (Pupi Avati)
・Il papà di Giovanna (2008) @IMDb 7.0/141 Drama | History | War
・公式: Il Papà Di Giovanna - Il nuovo film di Pupi Avati
1938年、ボローニャ。美術教師として働くミケーレの最大の関心事は、可愛くて仕方がない一人娘のジョヴァンナだった。順調に見えた生活だったが、ある出来事で一変してしまう。第二次世界大戦前後という激動の時代の波にあおられる父と母と娘の三人家族の人生……略……
【上映日時】 5月1日(金) 18:40
短編作品 『ミケランジェロのまなざし』
[2004年/15分] 監督:ミケランジェロ・アントニオーニ
Lo sguardo di Michelangelo (Michelangelo Antonioni)
・Lo sguardo di Michelangelo (2004) @IMDb 6.7/136 Documentary | Short
【上映日時】 5月1日(金) 10:20 / 5月3日(日・祝) 16:00
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Comments
ゴモラ、当地では大変良い評判のようですよ。私は見に行っていないのだけれど…。血を見るのが苦手なので(*^-^)
Posted by: e_m | Sunday, April 12, 2009 00:10
e_mさん
そうですか、『ゴモラ』はやはり評判なのですね。
私もかなり観たかったのですが、たぶんチケットがもう売り切れです。ただ、なんとなくですが『ゴモラ』(と『ジョヴァンナのパパ』)はこのあとふつうに日本で公開されるんじゃないかなあと感じるので、それを期待することにします。
私も血を見るのはダメで、基本的にコメディとかハートウォーミングものしか観ないと決めているようなところがあったのですが、こうしてブログなんかに記録する日々を送るうちに、そうでない作品でも観なければならなかったりして少しずつ鍛えられています。昨年『パンズ・ラビリンス』と『Tropa de Elite』を観て、また一つ階段を上りました。『ゴモラ』が来てもがんばろうと思います。
Posted by: Reine | Sunday, April 12, 2009 09:13
『見わたすかぎり人生』
・『靴に恋して』や『EN LA CIUDAD』など、登場人物の関係図がけ~っこう複雑に絡み合った作品でも些細なセリフなんかで観客に理解させていくというスペイン映画の力任せの造りに慣れてた私としては、『見わたす~』は最初の数分間を使って人物をナレーションでドバドバ説明しちゃうのでちょっとびっくりした。これじゃあ、「むかしむかし、あるところにおじいさんが」だよ、と。
こんな形の出だし、久しぶりの感じ。って言っても、じゃあ前回はいつ何という作品だったかって考えても思い出せないのだけどね。
・ラストの〆どきを見失ってる感じがしたな。もうここで終わりだね、ここで終わっていいよって思ったところから、そういえばこの人のエピソードが着地してなかった、この人の話もしなきゃって、とってつけた感じ。だからなかなか終わらない。
さっき↑↑↑言ったとおり、冒頭は人物紹介説明ナレーションなわけで、あれがああじゃなくてストーリーから地道に理解させようとしてたら、この作品はもっともっと尺が長くなっちゃってたわけで、それってやっぱりちょっとどこかに無駄なシーンがあるということだと思うよ。
・『シティオブゴッド』かなんかの時にも書いたけど、私は映画のおはなしが言いたいことを、かぶせてくる曲の歌詞に代弁させちゃってるような選曲はあ~んまり好きじゃないので、『見わたす~』もそのきらいはあったかなと。
・あまり観たことのない、かな~り門外漢なイタリア映画だったから、しかも映画祭でわざわざ観てるから最後まで観たけど、これが例えばスペイン映画で、 DVDで観ていたのだったら、たぶん私は15分くらいのところで停めて他のを観るのを優先させてたと思う。
いや、「観ない」と言ってるわけじゃないんだ、後では観ると思うよ。
Posted by: Reine@携帯 | Monday, May 04, 2009 08:59
『運命に逆らったシチリアの少女』⇒後日
『よせよせ、ジョニー』
これも『見わたすかぎり人生』とおんなじ感じ。もっと早くシュッと切られて、一瞬「へっ? …おわ…り……?」って呆気にとられるようであっても、私はいっこうにかまわないです、って思った。
Augusto RiverberiさんとFaustinoの関係がもっともっと擬似父子みたいに描かれていくのかなどとも想像してたんだけども。
『ソネタウラ-“樹の音”の物語』
んんんん? マッダレーナという女の子は…この子はどっかで見たよ……そうだよ、これって『Machuca』の従姉のシルバーナちゃん?!?!?!と序盤で思って、いやいや、だってあの子(あの子役の女優)はサルデーニャの言葉がしゃべれるのかい? いや、そんなまさか、彼女はぜんぜんチリの子だったんじゃないのかい??? …
…などなどとずーーーっと考えてた。最後までそれが気になって気になって。
やっぱりそうだったね。『Machuca』のManuela Martelliでした。
彼女だと判明してみるとこんどは、「この子はサルデーニャの言葉がしゃべれるのかぁ!」という驚きが訪れたわけだけど、休憩時間に映画祭パンフレットをちらっと読ませてもらったところ、しゃべれるのではなくて『ソネタウラ』の撮影のために覚えたのだとか書いてありました。
『ソネタウラ』の中でManuela Martelli演ずるマッダレーナが‘標準語’で文を読み上げるシーンがあるのだけど、パンフレットには、そのシーンをよく聞けば彼女のしゃべりに時折チリのスペイン語のアクセントが混ざっていることに気づくはずだとかなんとか書いてあったみたい。(※私はそのページ読んでないから未確認)
・サルデーニャ@Wikipedia
『ソネタウラ』は一言で言うんだったら、主役のFrancesco Falchettoの演技に見惚れる作品ってことになると思う。
あどけなさの残る顔立ちの頃からだいぶ‘面構え’が変わっていくまでの数年間のZuanne少年の成長をFrancesco Falchetto自身の成長で見せてくれるわけだけど、びっくりしました。凄いなあと思って観ていました。
映画のZuanne少年は「こんどの1月で14歳になるよ」と言ってるような歳から二十歳だかそれくらいまで?育ったと思うんだけど、Francesco Falchettoという役者は、あれは何歳から何歳まで撮影していたのでしょうか。
ついでに。
Zuanneが写真をネタにトイレでオナニーしていて(…してたよね?)、マッダレーナがトイレ外からなんだかんだと急かすシーンがあったと思うのだけど、あの、‘すっきり’してトイレから出てきた時のZuanneがいちばん美少年度は高かったような気がする。
『イル・ディーヴォ』
後日
Posted by: Reine | Monday, May 04, 2009 23:49
まぁ、5作品しか観てなくてこんなことを言うのもなんだけども、来年はいいわ。来年のGWは例年どおりイベロアメリカ映画をできるだけ多く観るのに充てるわ。
こういう感じがイタリア映画なら、私はもういいわ。これらぐらいならば、スペイン・ラテンアメリカ映画祭(ラテンビート)の方がよっぽどいい作品を持ってきている。
これらぐらいのイタリア映画を5本観る時間があるんだったらイベロアメリカ映画を一本観れば私にとってはそれでいいのだ、今後の私の人生の時間はそのように有効に使おうと、しみじみ思いながら帰宅した。
Posted by: Reine | Tuesday, May 05, 2009 00:14