El orfanato / 永遠のこどもたち [スペイン映画][メキシコ映画]
これはたとえばネットに上げられちゃってるものをチマチマと観るような作品ではなくて、きちんと映画館で観るべき作品。あるいはDVDを迷わず買っちゃうべき作品。そのように純正のものを正当に観なかったら後悔する作品。
セリフや音やカットの一つ一つがラストに向かって丁寧に組み立てられていて実におもしろい。いや、映画ってそういうものなのだろうけども、それにしても。
「怖い」という意味でとてもおもしろい。一度観終わってからも何度も確認しに戻りたくなる。戻っては「むぅ」と唸り、「ほぅ…(ここにも伏線があったのか)」と呻いては戻り。
私がホラーにぜんぜん慣れていないからかもしれないけれども、Σ(゚Д゚;)ギクッとか((((;゚Д゚))))ブルブルとかはもちろん、二三度はぞわゎぁぁっと鳥肌が立っちゃった。
ホラーだなんだというジャンルをとっぱらって、私にとっては、これまでに観てきた百数十作品の中で考えても、好きな作品の上位に入ったのでした。¡Bravo!
「べき」「べき」言うべきでないとは思うけど、今回は「べき」「べき」言っておこう。
1. まずは大阪ヨーロッパ映画祭で観るべき
11月22日15:00~
映画祭による紹介記事:
ラウラは医師の夫と養子のシモンをつれ、少女時代を送った孤児院の建物へ戻ってくる。彼女には、そこで家族と一緒に、障害のある子どもたちの施設を営む計画があった。到着早々、目に見えない奇妙な「友人ら」について語り始めたシモンは、知り得ないはずの自身の出自や病気について、ラウラを問い詰めるようになる。そして、外部から子どもたちがくる日、彼はパーティーの途中で忽然と姿を消す。そして、シモン捜索中に孤児院にまつわる封印された事実が明らかに。スペインで記録的な大ヒットと評価を受けた話題作。
2. 12月の公開を待って観に行くべき
シネカノン有楽町1丁目、渋谷アミューズCQNなどで上映ですって。
3. DVDを買って観るべき
スペイン版をスペインから通販で買うと、9ユーロくらいから32ユーロくらいまで、バージョン違いで各種あるようだ。
あるいは、amazonUSからリージョン2を買ってしまうか。
4. というか日本版がDVD化されて世に出るのを待つのも賢明だと思う。
それまでは、この作品についての情報を見聞きしないようにするべき。ここのコメント欄もまだ読まないべき。
←2009.05.22 発売
・Orfanato スペイン公式
・El Orfanato@IMDb
直訳: 孤児院
・永遠のこどもたち@映画生活
・永遠のこどもたち@CinemaCafe
監督: Juan Antonio Bayona フアン・アントニオ・バヨーナ (上述の映画祭に来るようだ)
脚本: Sergio G. Sánchez セルヒオ・G・サンチェス
出演:
Belén Rueda ベレン・ルエダ ... Laura ラウラ
Fernando Cayo フェルナンド・カジョ ... Carlos カルロス: 夫
Roger Príncep ... Simón シモン: 息子
Montserrat Carulla モンセラット・カルーリャ ... Benigna Escobedo ベニグナ・エスコベード: 来訪者
Mabel Rivera マベル・リベラ ... Pilar ピラル: 警察に協力する精神科医
Edgar Vivar ... Prof. Leo Bálaban レオ・バラバン教授
Andrés Gertrúdix アンドレス・ヘルトゥルーディス ... Enrique エンリケ: 教授の助手
Geraldine Chaplin ジェラルディン・チャップリン ... Aurora アウローラ: 霊媒
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Comments
※シネカノンのサイトにも『永遠のこどもたち』の紹介文があるけど、余計なことを書き過ぎていると私には思えるのでリンクはしないでおこうと思う。大阪ヨーロッパ映画祭の紹介文(上記)の方が過不足無くて良い。ヨーロッパ映画祭の方は、映画の中の‘できごと’を挙げるだけであとはこれから観る人の受け止め方に委ねるという配慮ができていると思うが、シネカノンの方は、書いた人間の解釈とも言える余計な‘ポエム’的な語句が邪魔だ。観るあたしたちの自由に観させてよ。
Posted by: Reine | Friday, October 10, 2008 00:01
「(過去のことで)después de que + 接続法」について昔ちょっと書きましたが、この作品中でもその言い方は出てきたね。
「貴女が養女にもらわれていった後にこうこうこういうことがありました」というセリフで、「después de que usted fuese adoptada ...」と言った。「fue」でいいのに。
もう、こういうのはこうなんだね。あたしはこういうの、好きくないんだが。
Posted by: Reine | Friday, October 10, 2008 00:57
何度か戻って確認したり、日ごろは疑問が湧いたとしてもあんまり覗かないようにしているIMDbの作品掲示板を読んだりしてみたんだけど、それでもまだ私、わからないことがある。
もっとあとで書こうと思う。
Posted by: Reine | Friday, October 10, 2008 01:04
コメントは、公開後ある程度経ってからじゃないとするべきではないね。ただ、どうしてゴヤ作品賞に選ばれなかったか不思議、とだけコメントしておきます。選ばれた作品も悪くはなかったけど。
Posted by: アリ・ババ39 | Saturday, October 11, 2008 12:56
アリ・ババ39さん
そうですね。今はコメントの下書きだけしてあります。春先くらいには何かコメントを足したいと思います。その時にはアリ・ババ39さんもぜひ投稿してください。楽しみにしています。お願いします。
Posted by: Reine | Saturday, October 11, 2008 13:32
アリ・ババ39さんにお借りしたDVD(スペイン版)をもうお返ししなければ申し訳ないので、昨夜観直しました。ありがとうございます。
DISC2にはカットされたシーンの説明(10点ほど)などもあり、たいへんおもしろいです。カットされた箇所の説明をここに書き起こそうかとも思ったのですが、そうするとどうしてもストーリーをも書かなきゃいけないので、やめました。
ラストシーンにも本当はもうちょっと続きがあったようですね。(ただ、私はそっちのバージョンよりも、公開された方のラストシーンの方が好きかなあ。あの終わり方でよいと思いました。)
語句メモだけ:
・morro: 8. m. coloq. Descaro, desfachatez. Tener, echarle morro
・portador de VIH
・merodear: 1. intr. Vagar por las inmediaciones de algún lugar, en general con malos fines.
・dar con: 34. intr. Encontrar a alguien o algo. Dar CON Isabel, CON el escondrijo.
・cumplir: 6. intr. Ser el tiempo o día en que termina una obligación, empeño o plazo. U. t. c. prnl.
・gastarle una broma:
→・gastar: 4 Es el verbo propio de "bromas, chirigotas, cumplidos", y palabras semejantes:
例) "Le gastaron una broma pesada".
・meterse con: 25. prnl. Dicho de una persona: Armar camorra a otra, darle motivo de inquietud o censurarlo en su conducta o en sus obras.
例) Se metía mucho CON su hermano pequeño
・de un tirón: 1. loc. adv. De una vez, de un golp
・fiarse DE:
・confiar EN:
・molar: 1. intr. coloq. Gustar, resultar agradable o estupendo.
・cruzarse de brazos:
1. fr. Estar o quedarse con los brazos cruzados.
2. fr. Abstenerse de obrar o de intervenir en un asunto
→・con los brazos cruzados: 1. loc. adv. Ociosamente, sin hacer nada.
例) Volverse, venirse con los brazos cruzados
・de mala muerte: 1. loc. adj. coloq. De poco valor o importancia; baladí, despreciable.
例) Un empleíllo de mala muerte.
・cobertizo: 2. m. Sitio cubierto ligera o rústicamente para resguardar de la intemperie personas, animales o efectos.
Posted by: Reine | Wednesday, December 24, 2008 14:05
「スペイン映画」でRSSをつかまえているので、それで時々ブログを読みにふらふらする。誰のものとか意識しないので、いったん画面を閉じてしまうともう二度と辿り着けないのですがね。
『永遠のこどもたち』がゴヤ賞で7部門を獲得したとふれているブログを見かけた。
うん。それはそうなんだけれども、『永遠のこどもたち』が獲ったのは、いわゆる主要部門ではなかったというのは示しておいた方が親切かなと思ったので、ここにちょっと記しておきます。
『永遠のこどもたち』はあの年のゴヤ賞で下馬評はたしかに凄かったと思う。ゴヤ賞の発表の際には肩透かしを食らったような空気が漂っていたと記憶している。
手っ取り早くWikipediaの『El Orfanato』のページを見てしまいますが、そこにも「『El orfanato』は7部門獲ったには獲ったが主要部門ではない」と書かれていますね。
作品賞
主演女優賞 Belén Rueda
助演女優賞 Geraldine Chaplin
新人男優賞 Roger Príncep
オリジナル楽曲賞 Fernando Velázquez
編集賞 Elena Ruiz
衣装賞 María Reyes
新人監督賞 Juan Antonio Bayona
オリジナル脚本賞 Sergio Gutiérrez Sánchez
美術商 Josep Rosell
製作監督賞 Sandra Hermida
メイクアップ&ヘアスタイル賞 Lola López, Itziar Arrieta
音響賞 Xavi Mas, Marc Orts, Oriol Tarragó
特殊効果賞 David Martí, Montse Ribé, Pau Costa, Enric Masip, Lluis Castell, Jordi San Agustín
このように、ゴヤ賞での『永遠のこどもたち』は傍から見るとちょっと残念な結果に終わったのです。(‘主要部門’かどうかなんてどうでもいいと言えばいいのだけど)
Posted by: Reine | Saturday, June 13, 2009 13:56
abetchyから『El orfanato / 永遠のこどもたち』がハリウッドでリメイク決定とのニュースを知らされた。
それで検索すると、なるほどたしかに2007年くらいからリメイク権の獲得云々の報道はあったようで(下記)、このたびは監督が正式に決定したというニュースなのだな。
・11.09.2007: 'El orfanato' tendrá su remake en Hollywood
↓
・05.08.2009: El 'remake' norteamericano de la película 'El orfanato' ya tiene director
・Aug 4, 2009: 'Orphanage' remake finds a director Larry Fessenden takes reins of New Line pic
監督はLarry Fessenden
リメイク版のImdbのURLはここになるのかな?
↓
・The Orphanage (2011)@IMDb
Posted by: Reine | Sunday, August 09, 2009 14:21