Tapas [スペイン映画]
5月~6月にかけて開催されたEUフィルムデーズ(※音注意)で上映された作品。
『TAPAS』 作品紹介ページより:
>年金で暮らすマリアノとコンチは病や孤独の不安を抱き、中年女性ラケルはインターネット上の愛にしがみつく。スーパーで働く2人の若者セサルとオポは漠然とした将来に不安を感じている。5人の行きつけのバールの経営者ロロは、新しい料理人マオを雇って、仕事以外の人生を発見する。登場人物それぞれの人生が交錯する、ちょっぴりほろ苦いが心温まるコメディ。
私の好みとまぁだいたい似てるっていう人にとっては、これもたぶん良いですよ。DVD買っちゃっていい作品だと思います。
Ángel de Andrés López アンヘル・デ・アンドレス・ロペス ... Lolo (Manolo) ロロ (本名マノーロ; 「ロロのバル」の店主。無知で無神経な面あり)
Amparo Moreno アンパロ・モレーノ ... Rosalía ロサリア (ロロの妻。BARのキッチンを担当している。ロロの口やかましさにブチ切れそうなのをこれまでずっと堪えてきた)
María Galiana マリア・ガリアナ ... Doña Conchi コンチ (夫のマリアーノと二人で年金暮らし)
(※俳優ごとの、他の作品における役のイメージを保ったまんま観ちゃったりするのが私の悪いクセでね。この‘コンチばあさん’を演ずるマリア・ガリアナは『Solas ローサのぬくもり』のあのお母さんなのだが、あのイメージを保ったまんま観ちゃうと非常にヨロシクナイ。だけど、このばあさんが『Tapas』の序盤でみせる大胆な行動によって、‘ローサ母さん’のイメージは見事に払拭されるのでした。ガラスが粉々にぶち破られるかのように)
Alberto de Mendoza アルベルト・デ・メンドーサ ... Don Mariano マリアーノ (深刻な病を宣告され、入院か少なくとも通院を強く勧められているが、自分の死に方で死なせてくれと考えている。すっかり表に出なくなってしまっている。マリアーノを最近見かけないわねと近所の女房たちに聞かれた妻コンチは「この暑さじゃねぇ…」とだけ答えている)
Elvira Mínguez エルビラ・ミンゲス ... Raquel Merino ラケル (夫と2年前に別れてから、食料雑貨店を一人で切り盛りしている。ブエノスアイレス在住のエドガルドという男と1年前からチャットを続けてきている)
Rubén Ochandiano ルベン・オチャンディアーノ ... César セサル (スーパー店員。母カルメンはラケルの雑貨店によく行く。ラケルの壊れたビデオデッキを修理するようにと母に言われ、ラケル宅を訪れる)
Darío Paso ダリオ・パソ ... Opo オポ (セサルの同僚・親友; この夏の休暇ではベニカッシンのフェスに出かけようと思っている。セサルといっしょに行きたい。だから早くセサルにも寝袋を入手してもらいたい。
「ベニカッシンにはイタリア女がいっぱいいるんだぜ。オランダ女? オランダ女はビッチだからなあ。だってお前、親が娘にピルを渡すんだってよ。ドイツ女はオランダ女ほどビッチじゃなくてパイオツがカイデーなの。イギリス女とスウェーデン女はのん兵衛で誰とでもヤる。で、8月に入るとイタリア女とフランス女がいよいよ来ますよ、と。ちょっと小ぶりだけど、美味しそうなんだよな」)
Alberto Jo Lee アルベルト・ジョー・リー ... Mao マオ (香港の高級レストランのシェフだった)
監督・脚本: José Corbacho ホセ・コルバチョ Juan Cruz フアン・クルス
・Tapas公式(音注意)
・Tapas@IMDb
直訳: 「酒のつまみ」の意味のタパスだとも思う。ロロの店にみんなが出入りしていて、そのBARにはやはりタパスを置いてあるからね。
だけど、たぶん、「隠す」っていう意味の「tapar」の直説法現在2人称単数の活用形「tapas」のつもりもあるでしょう。
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Comments
語句メモなど
・ponerse con: 43. prnl. coloq. Dedicarse a algo o, especialmente, comenzar a hacerlo.
例) Se pone CON los juguetes y se olvida de todo.
例) A eso de las nueve, me pongo CON la cena.
・chavalote
→ ・-ote, ta.1. suf. U. para formar aumentativos y despectivos a partir de adjetivos y nombres.
例) Bobote, grandote, angelote, marquesota.
・colgado, da: 4. adj. coloq. Que se encuentra bajo los efectos de una droga. U. t. c. s.
・con dos cojones: loc. con decisión, con valentía.
・estar a dos velas: 1. fr. coloq. Sufrir carencia o escasez de dinero.
・vacacionar: 1. intr. Am. Cen., Arg., Chile, Méx., Ur. y Ven. Pasar las vacaciones.
・molestarse:
サラマンカ辞書 → ・Mostrar <una persona> interés por [hacer una cosa]:
例) Mi amigo se molestó en venir a buscarnos.
Espasa辞書 → ・prnl. Tomarse interés:
例) Se molestó en aprender el nuevo programa.
・peluquín: 1. m. Peluca pequeña o que solo cubre parte de la cabeza.
(チャック・ノリスはヅラだってオポがセサルに言ってたけど、そうなのですか)
・saturado, da:
・como hay Dios: 1. expr. U. como fórmula de juramento para afirmar o negar algo.
・pringao
→ ・pringado, da: 1. m. y f. coloq. Persona que se deja engañar fácilmente.
・polvete: coito, cópula
・con entrega: 献身的に
・altísimo: 1. m. Dios.
注: ORTOGR. Escr. con may. inicial
・birrita:
→ birra: cerveza
→ ・compromiso: 2 Apuro, aprieto o situación difícil de resolver:
例) poner a alguien en un compromiso.
・bollera: 2. f. despect. vulg. lesbiana.
・palizón.1. m. aum. de paliza.
・chucho: 1. m. coloq. perro (= mamífero cánido).
・manazas: 1. com. coloq. Torpe de manos, desmañado.
例) Ser un manazas.
・hecho y derecho: 1. loc. adj. Dicho de una persona: Cabal, excelente.
・trapichear: 2. intr. coloq. Ingeniarse, buscar trazas, no siempre lícitas, para el logro de algún objeto.
・ceporro: 2. m. coloq. Persona torpe e ignorante.
・por barba: 1. loc. adv. Por cabeza o por persona.
例) A perdiz por barba.
・antojo: 1. m. Deseo vivo y pasajero de algo.
・「Se le ha ido la pinza.」
→ ・たぶん írsele la olla a alguien: trastornarse.
・írsele a alguien la olla: col. Desvariar o decir disparates:
例) Se me fue la olla y te llamé por otro nombre.
・「あんたの役目はシンプルに、うちの店の稼ぎを増やしてくれるか、俺の仕事を減らしてくれるかだ。稼ぎを増やしてくれない、俺の仕事も楽にならないってことなら、話は早い、ドアはそこだ。Te vas a la puta calle y tan amigos.」
→ ・tan amigos [tan amigos como antes]; [tan amigos como siempre]: exprs. usada como fórmula para manifestar la disposición del hablante a continuar una buena relación con su interlocutor, interrumpida o en peligro de romperse.
・「O te estoy poniendo en un compromiso.」
→ ・「うちにディナーにいらっしゃいよ」と誘ってしまってから「……なんて言われたって、あなただって困っちゃうわよね」的につけたすような文脈で出たセリフ
・papo: 5. m. vulg. Parte externa del aparato genital femenino. 女性性器
→ ・オポがセサルに「あの女はガッツいてんだよ」と耳打ちするセリフで用いられた語。手のひらを叩き合わせながら、「paposが手拍子を打つほどあの女はやりたがっている」と表現していた。
つまり、「アソコがこうやってパフパフ音を立てちゃうくらい」ということ(陰裂が開閉してるってこと)だと思う。「もー、ほんっと、サイテーなセリフだな、おい」と眉を顰めながらもニヤニヤしてしまった。愛すべきバカだな、オポは。
・「Vuelve en ti.」
→ ・volver en sí quien había perdido el sentido por un accidente o letargo.1. fr. Recobrarlo.
こういう作品(現代もの、若い世代、軽妙…)は語句がおもしろくていいね。この映画もいろんなところでセリフが―――特にオポのセリフが―――面白く、声上げて笑ってしまったりもした。あとでAbetchy(図書館で別のDVDを観ていた)にどのセリフが特に面白かったのかと聞かれた。
一番勢いよく笑ってしまったのは「どこにいると思う? 私がどこにいるか当ててみてください」と言われた人間が、「わかりません。私にわかるはずがありません。ラペルでもあるまいし、わかるわけがないでしょう」と答えたセリフ。
※ラペルというのは『Dia de la Bestia』の時にも説明したけど、90年代なんてけっこうテレビ雑誌に出ていたインチキの占い師(占星術系だったか千里眼系だったか忘れた)。今はどうなってるのかしらない。
だから、上記のセリフの古臭さとかも考えに入れると、ぴったりくるのは「織田無道でもあるまいし!」ではないかと思う。
Posted by: Reine | Sunday, June 22, 2008 21:33
(まだ何か書くかもしれませんが、後日)
(何かあればコメントをどうぞ)
Posted by: Reine | Sunday, June 22, 2008 22:05
オポの画像がきちんとヌンチャク振り回してるところなのを高く評価します。
「織田無道」のところは「宜保愛子」でも通用しますか?
ラケルのお店の常連客たちについては、こいつら性根が腐ってんなーと思った。
Posted by: abetchy | Monday, June 23, 2008 23:25
Abetchy
そうですね。ぎぼあいこにしようかとも思ったんだけど、Rappelと置き換えようとするとナルシスト要素が入ってきた方がよいので、やはり織田無道にしておきました。
>ラケルのお店の常連客たちについては、こいつら性根が腐ってんなー
↑
そう。それ書こうと思ってたのに忘れてた。ありがとう。
解説
セサルの母やその他、近所の主婦連中がしょっちゅうラケルの店に買い物に来るんだわ。連れ立って。ラケルが現在独り身となっていることを面白がっているわけ。
「もう2年だったっけ? サンティが貴女を置いて出て行ってしまってから……っていうか、えーっと、『貴女がサンティと別れてから』だわね」とかさ。
オポがラケルを語る時の表現は男の下卑た視点に基づいていたけど、彼女らの視点の意地の悪さと来たら。醜悪だったね。
でも、まぁ、ああいう感じの女っていると思う、その辺に。たとえば大学同期の女子連中もあんなもんだったと思いますよ。浅ましさと腹の黒さに何年呆れ続けたか。
Posted by: Reine | Tuesday, June 24, 2008 00:04