« 2 Filhos de Francisco - A História de Zezé di Camargo & Luciano フランシスコの2人の息子 [ブラジル映画] | Main | El abrazo partido / 僕と未来とブエノスアイレス [アルゼンチン映画] »

Sunday, May 25, 2008

O Caminho das Nuvens / Oi ビシクレッタ [ブラジル映画]

o caminho das nuvens o caminho das nuvens o caminho das nuvens
slate公式サイトから一部抜粋:
自転車で3,200km、
ブラジルで本当にあった話を映画化!

ブラジル北部のパライーバ州にある「世界の中心広場」―――ここがこの途方も無い旅生活の出発点となる。無学で頑固なトラック運転手・ロマンは、自らを「運命の男」と信じ、失業中でありながら月1,000レアル(約400ドル)稼ぐ仕事に就くことを決意。愛する妻ローゼと、6ヶ月の赤ん坊を含む5人の子供達を連れ、リオデジャネイロを目指し、自転車で旅を始める。


movie予告編から:
「家族が食うには1000レアル要る。俺は必ずリオへ行って1000レアルの職に就く」。家族を養うために必要なもの=稼げる仕事。一家の主は悟った。都会を目指せばなんとかなる!


……自転車(ビシクレッタ)で


ブラジル縦断。7人家族の旅。
夫: 誇り高き失業者
妻: 家族を愛する強気女
長男: 異性に夢中の反抗期
次男、三男、長女………末っ子(6か月)

「家族も養えないで 俺は男じゃない」
「旅はうんざりよ」
「僕は行かない」

リオまで3200km
これは神のお導き、行けばわかるさ!

ブラジリアンポップの帝王、ロベルト・カルロスの名曲で綴る、とっても無謀な一家の真実の物語
________________________


映画の終わりのクレジットに「Este filme é dedicado a Roberto Carlos.」と出る。公式サイトにも次のようにある:

「ブラジリアンポップの帝王-ロベルト・カルロス(Roberto Carlos)。道中辛いときに、家族が口ずさみ、元気づけられる曲は全て彼の名曲。最後にテレビモニター画面でちらりと登場する彼は、本作の脚本を一読して、曲の使用を快諾。」

ロベルト・カルロスの歌詞をうまく脚本に取り込んでいて、登場人物の心情もが歌詞で表わされているようなところがあるので、歌詞をなぞりながら観ると興趣がぐんと増します。


増しますが。

んーーーー。私の場合、これくらいのテイストだともう「キッツいなー」と感じてしまうのでね。好き!とあんまり強く言えない。長男アントニオがどうにも可哀想で。

教育とか避妊とか避妊教育とかについて考えさせられちゃったりして―――唐突にソコか―――、そういうことについて映画を観て考え込まされなきゃいけないのは、私はあんまり好みじゃない。前にも言ったけど、私は映画の中では人々がうひゃうひゃわっはっはと暮らしていて欲しい。


絶望的に貧乏な子だくさんの一家が人並みの暮らしを求めて都会に辿り着くところはこないだの『フランシスコの2人の息子』といっしょなんだけども、『Oi ビシクレッタ』のロマン父さんとフランシスコさんとの違いは「明るさ」なんだろうか。

『フランシスコの二人の息子』で土砂降りの雨のなか、都会の掘っ立て小屋のような建物にようよう辿り着いた夜、濡れそぼつ妻子は暗闇に怯え、その先の生活に言い知れぬ不安を感じたようだったけれども、そこでフランシスコ父さんは裸電球をひねってみる。父さんが点けたり消したりを繰り返し、それがいつか家族全員を笑わせていた。

けれども、『Oi ビシクレッタ』の父さんは、家族を笑わせる係は母さんに丸投げしちゃっているようにすら見えたな。


『Oi ビシクレッタ』のロマン父さんは文盲だね。自分の子に教育を施すこともできていないね。無理なんだ。自転車で移動する生活では学校に通わせることはできないし、都会に定住したところで子供たちは学校に行くよりもまず日銭を稼がなければならなかった。『フランシスコ~』のフランシスコ父さんが、周囲から狂人呼ばわりされながらも独りで市と交渉して自分の村に学校を建てさせたのとは、大きく違う。

『Oi ビシクレッタ』の子供たち、読み書きはできるのだろうか。それが心配。貧困の連鎖はもう一世代途切れない。それが辛い。

でも、読み書きができたところでそれがいったい何の足しになるのか、それよりもまず生き延びることだ、食うことだという彼らの現実も、それはそれで理解しなければいけなくて、鑑賞中にそういう葛藤をしなきゃいけないから、私はこういう作品は苦手だ。


『フランシスコ~』のフランシスコ・エレナ夫婦と比べると、『Oiビシクレッタ』のロマン・ローゼ夫婦は子への愛情の示し方を知らないのだろう。長男のアントニオを抱きしめてやるのが、私にはやっぱり何テンポも遅く感じられた。

だから、アントニオの自立と成長を見届けた喜びよりも、むしろ子棄て・口減らしの現実を見てしまったようで、悲しみを感じて終わったのだ。

監督: Vicente Amorim ヴィセンテ・アモリン
脚本: David França Mendes ダヴィド・フランサ・メンデス

出演:
Wagner Moura ヴァグネル・モーラ ... Romão ロマン
Cláudia Abreu クラウジア・アブレウ... Rose ローゼ
Ravi Ramos Lacerda ラヴィ・ラモス・ラセルダ ... Antônio長男アントニオ
Felipe Newton Silva Rodrigues ... Clévis 二男クレヴィス
Manoel Sebastião Alves Filho ... Rodney 三男
Cícero Wesley A. Ferreira ... Cícero 四男(赤ちゃん)
Cícera Cristina Almino de Lima ... Suelena 長女

Laís Corrêa ... Jurema ジュレーマさん(市会議員の奥さん)
Claudio Jaborandy ... Gideão ジデアンさん
Fábio Lago ... Neguiça ジデアンさんの親友だという修理工場の男
Sidney Magal ... Panamá パナマ

O Caminho das Nuvens@IMDb
直訳: 雲の道
英題: The Middle of the World
Oi ビシクレッタ 日本公式

Oi ビシクレッタ@CinemaCafe
Oi ビシクレッタ@映画生活
Oi ビシクレッタ@goo
Oi ビシクレッタ@ウーマンエキサイト

|

« 2 Filhos de Francisco - A História de Zezé di Camargo & Luciano フランシスコの2人の息子 [ブラジル映画] | Main | El abrazo partido / 僕と未来とブエノスアイレス [アルゼンチン映画] »

Comments

歌詞が先にありきで場面を作ったんじゃないかと思うようなシーンもあり、そういう意味ではミュージカルを観ているような気もした。

以下、歌詞が聞き取れて検索できた曲だけ:

1) 二男が歌いながら自転車で家族みんなを抜いていく⇒ 『Eu Sou Terrível

2) 軽食堂で歌を歌ってお金をもらう⇒ 『Como é Grande o Meu Amor Por Você

3) 川で昼寝しているアントニオを、土地の少女二人が逆ナンしたげに見ている時の曲⇒ 『Detalhes

4) 自転車を修理している脇で調子っぱずれの歌を二男たちが歌っている 『Se Você Pensa

(※赤ちゃんを抱っこしてあやしながら歌う。赤ちゃんが「むぎゅゎぁー」みたいな声を上げて喜んで笑う。この赤ちゃんが可愛いんだよなぁ)

5) お腹すいたよという子のお腹をさすってやりながら「寝ればお腹がすいたのなんてどっか行っちゃうから寝なさい」という母⇒ 『Jesus Cristo

6) 街道わきの小さな店の前でみんなでパンをかじる。二男が歌っている。長女もいっしょに歌う。この長女もえらく可愛い⇒ 『Amor Sem Limites

7) お父さんの許しを得てアントニオが夜クラブに遊びに行ってみる⇒ 『E eu vou lá

(※Chiclete Com Bananaの……かどうかはよくわかんない。最後のクレジットをじっと見たつもりだけど、この曲名は見当たらないよね。でも、歌詞聞き取って検索した感じ、この曲だと思うんだがな)

8) リオについてみんなそれぞれ物売りに出たりする。お母さんと二男がコルコバード列車で歌う歌 『As Curvas Da Estrada de Santos

(同じころ、長男も作業場の休憩時間にテレビでその曲を聴く)(独りで物売りに出ていた三男も)

Posted by: Reine | Sunday, May 25, 2008 at 16:25

語句メモ
えっと……「Puta que o pariu.」「Filho da puta」「Porra」とかしか聞き取れません……どうして私の耳はこんなにもポルトガル語の音を受け入れてくれないのか。

・chão: 7 [Popular] Distância:
例) Tem chão, daqui até lá!

・cantoria: 1 Ação de cantar. 2 Concerto de vozes, música vocal, cantarola.

・emprego: 3 Colocação, lugar, ocupação, trabalho: Já tem emprego.

・vereador: membro da câmara municipal; camarista.

・ruim:
1 Mau (física ou moralmente).
2 Destituído de mérito.
3 Que não serve para nada; que não tem valor.

Posted by: Reine | Sunday, May 25, 2008 at 16:37

1) 「ばかみたい。僕はサン・ベントに残るよ!」
→ ・ficar: (lat vulg “figicare”, frequentativo de “figere”) [他][自]1 Conservar-se em algum lugar; estacionar:

スペイン語にも「ficar」は辞書にはあるみたいだけど、ふつうに生活したり普通に勉強したりしている分には知らなくていいと思う。

→・ スペイン語のficar: (Del lat. “figicāre”, por figĕre, “fijar”).
1. [intr.][anticuado] quedar.

→ ・じゃぁ、逆にポルトガル語のquedar: (lat “quietare”)
vint e vpr 1. Estar ou ficar quedo:
例) Tamanha foi a surpresa que todos quedaram (ou se quedaram).
vint e vpr 2. Parar, demorar-se num ponto ou sítio:
例) Ali chegando, quedaram os peregrinos.
例) O viandante quedou-se ali muito tempo.
vlig 3. Ficar, permanecer:
例) "Sentou-se em uma pedra, encostando o chuço a um tronco, e ali quedou pensativo" (Coelho Neto).

Posted by: Reine | Sunday, May 25, 2008 at 16:42

2) 旅の途中で男性(Gideãoさん)と知り合う。いっしょにごはんを食べようというシーン。二男がGideãoさんの手荷物に興味を持って荷をほどこうとする。それを長男が見咎めて、「触るなよ。おじさんのだぞ!」と言う。

セリフは「É do moço.」かなんか。(※スペイン語だったら「Es del señor.」となりそうなところ)

こないだの『フランシスコの二人の息子』でも思ったんだけど、ブラジルのポルトガル語で「moço」って、(子供から)大人の男性を指して使うのね。

スペイン語の「mozo」とはイメージがだいぶ違う、っていうか、むしろ逆だよね。スペイン語の「mozo」だったら(大人から)若い人への呼称を意味しそうだ。

・moço: 《ブラジル》[見知らぬ人に対する呼称] あなた,おじさん

Posted by: Reine | Sunday, May 25, 2008 at 16:46

3) ・porra: sf (Castelhano “porra”)[interj][Gíria e Chulo] Exprime espanto ou aborrecimento.
《ブラジル・卑語》[不快・じれったさ] ちぇっ,畜生!

※サッカー選手なんかが試合中に「Porra.」「Porra.」吐き捨ててるような口の動きが見てとれる、よね。

→・スペイン語の porra [porras]:
1. interjs. coloqs. U. para expresar disgusto o enfado.

※スペイン語のはあんまり聞かなかったと思うんだけど。どうかね。

※ポルトガル語の「Porra!」のシチュエーションで、スペイン語だったら何と吐き捨てるんだろうか。「¡Coño!」かなぁ。

※たとえばスペイン人が板書している途中でチョークが折れたら「¡Coño!」言うよね??? ブラジル人はそういう時は忌々しげに何と言うんだろうか

Posted by: Reine | Sunday, May 25, 2008 at 16:48

4) 母がアントニオに「登ってお願い事をしなさい、杖を3回横切ってキスしてアーメンと言いなさい」と促すのは、シセロ神父の像。(Estátua do Padre Cicero@wikipedia

5) 「BEMVINDO A JUREMAL」の看板を過ぎる
バイーア州 ジュレマル。で、まだまだこの先、リオまで行くっつってんだから、どーすんのって感じだわなぁ…。

Posted by: Reine | Sunday, May 25, 2008 at 16:53

5) ジュレーマさんのだんなさんは市会議員で、土地の人に慕われているのだと自分で言っていた。「O povo aqui gosta de mim. ここの人はみんな私のことが好きなんですよ」

thunderポルトガル語のgostar: (ラテン語 「gustare」)
[自]1. Achar bom gosto ou sabor em:
例) Crianças gostam de doce.
[他] ……略……
[自]3. Saborear, tomar o gosto:
例) A ovelha remoía e gostava do que comera.
[自]4. Achar bom ou belo:
例) Gosto do seu tipo.
[自]5. Ter amizade, amor ou simpatia a:
例) Gostar de alguém.
[自]6. Ter inclinação ou tendência para alguma coisa:
例) Sempre gostou de mexericos.


thunderスペイン語のgustar
gustar. 1. Cuando significa ‘causar, o sentir, placer o atracción’ es intransitivo y puede construirse de dos formas:

a) El sujeto es la causa del placer o la atracción, y la persona que lo siente se expresa mediante un complemento indirecto:
例) Vos me gustás mucho. (Rovner Pareja [Arg. 1976])
例) Le gustaban la buena música y los buenos libros. (Palou Carne [Esp. 1975]).

※Esta es la construcción normal en el habla corriente.
※ふつうに習いふつうに日々使うのはこの語義。

gustarのその他の注意事項についてここに書くと混乱しちゃうから、省略しておく。

Posted by: Reine | Sunday, May 25, 2008 at 16:57

5-2) 修士論文みたい pdf
『LAS TRAMPAS QUE PUEDE OFRECER LA PROXIMIDAD DE LOS IDIOMAS 言語が似ているせいで生じうる落とし穴について』(スペイン語で書かれている)

60ページに「VERBO GUSTAR」の章がある。
(※ただ、ここは、ポルトガル語を全然知らないという人が読むと、ちょっと混乱しちゃうかも)

で、ポルトガル語のgostarはこう、スペイン語のgustarはこう、という説明があって、「PPLE(= Profesor Pasante de la Lengua Española)が書いたこれらの文のワケがわかるのである」として、誤文を挙げている

※ Bueno, ahora yo gustaría que alguno de Uds. hablasen.
Bueno, ahora me gustaría que alguno de Uds. hablase.

※ ¿Les gustan hacer compras?
¿Les gusta hacer compras?

※ Tiene mucha gente que gusta mucho cazar liebre.

※ Hay mucha gente que les gusta mucho cazar liebre.

※ ¿Cuál son las frutas que a Ud. le gusta más?
¿Cuáles son las frutas que a Ud. le gustan más?

Posted by: Reine | Sunday, May 25, 2008 at 17:01

5-3) (どういう人が書いているのかわからないけど)www.thelearninglight.com/gustar.htmというページより:

[A special use of gustar]
Native speakers from Mexico sometimes use the verb “gustar” similarly to an English “like” construction, to ask someone if he or she would like something. For example, you may hear an expression such as

例) ¿Ustedes gustan ir? (Would You all like to go?) or
例) ¿Tú gustas un poquito de pastel? (Would you-intimate like a little cake?)

This is possibly an archaic use of the verb. In Portuguese, which closer to Old Spanish, the verb “gostar” means “to like.” So, “Eu gosto” means “I like,” just like you would expect in an English sentence.

This is a specialized and regional use of the verb, and should not be confused with the standard use of “gustar” to mean “to be pleasing to” someone.

Posted by: Reine | Sunday, May 25, 2008 at 17:02

5-4) 「Tá falado」というpodcastの番組があるみたい。「learn brazillian portuguese in spanish」と銘打っていて、テキサスの大学かどこかの番組。

その番組の解説ページにあるPDFファイル: Grammar Lesson #1: Gostar vs. Gustar

Posted by: Reine | Sunday, May 25, 2008 at 17:03

5-5) それからセルバンテスのフォーラムで → 「ブラジルのポルトガル語を母語とする生徒がスペイン語を学ぶ際の難所はズバリ何?」というスレッド。そこでも回答者が「gustar」を挙げている。


ポルトガル語を学んだ人がスペイン語に手を広げた時に最初にとまどうのがこの動詞じゃないかなと思うので。

なんでスペイン語はこうなの?
いつの時代にどういう分岐点があったの?

「私がリンゴを好き」なのに、スペイン語はなんでこんな「リンゴが私にとっていい感じだ」みたいな言い回しなのか。相手のせいかよ。

「だって相手が好きにさせるから私が好きになっちゃった」みたいな。「あんたのせいなんだからね! bleah」みたいな、少女漫画のパン咥えた幼馴染のヒロインみたいな言い回し。なぜ?

2008.05.26 加筆
イタリア語のpiacereもスペイン語のgustarみたいな文の作りになるんだよね

Posted by: Reine | Sunday, May 25, 2008 at 17:09

というわけで、ブラジル映画を二作続けて鑑賞しましたが、これでまたスペイン語映画に戻ります。6月3日~7日まではセルバンテスでアルゼンチン映画週間が催されるので(※アルゼンチン映画週間のPDF)、1年前からダラダラと鑑賞してきている『ぼくみら』を早いとこここに書いてしまわないといけない。

次回予告: 『僕と未来とブエノスアイレス

後付けの理由ですが、2008年は日本ブラジル交流年ですから、このたび2作品を観たことには意味があったのでしょうということにします。

100周年という機会に妃殿下が行かれないというのは残念ですね。たしかもう昨年10月くらいには早々に行かれない旨発表がありましたね。日系人のお年寄りなどはさぞやさびしい思いをしたでしょう。

サラゴサ万博も無理でしょうね。

Posted by: Reine | Sunday, May 25, 2008 at 17:35

アラバイン。

Posted by: abetchy | Monday, May 26, 2008 at 22:48

昨日の今日でちょっとびっくり
雅子さま、ご同行見送り 皇太子さまスペインご訪問

妥当。

Posted by: Reine | Monday, May 26, 2008 at 22:54

The comments to this entry are closed.

TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/33847/41313580

Listed below are links to weblogs that reference O Caminho das Nuvens / Oi ビシクレッタ [ブラジル映画]:

« 2 Filhos de Francisco - A História de Zezé di Camargo & Luciano フランシスコの2人の息子 [ブラジル映画] | Main | El abrazo partido / 僕と未来とブエノスアイレス [アルゼンチン映画] »