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Wednesday, April 16, 2008

Te doy mis ojos / Take my eyes [スペイン映画]

te doy mis ojos2004年11月にスペイン人の友人に近年のお薦め映画をたずねた時に、レスをくれたほとんどの人が挙げていた作品。DVを扱った作品とはわかったので、その時は購入する決意が固まらなかった。

2005年3月のスペイン旅行の際バルセロナの男友達の家でこのDVDを見かけて「これ、キツい?」と聞いたら「そうだね、キツいね。でも良いよ。良いけどつらいよ」とのことだったので、その時もやはりDVDを買わずに帰国した。

以来、ずっとためらっていたのだけど幸運にもフェデリコ・ガルシア・ロルカ図書館で見つけたのでかけてもらった

テーマはキツいが描写はキツくなかった。女性監督(=イシアル・ボジャイン)だからかな???

うん。描写はキツくない。殴る蹴るの映像も音声もほとんど無いと言えよう。あぁ、これならば私はためらわずに3.5年前にさっさと買っていればよかった。暴力とか「こわい」シーンがイヤだという理由で購入をためらっている方、買っちゃってよいと思います。DVDGOで18ユーロだね。


Te doy mis ojos@La higuera.netを訳す:
冬の夜、ピラールは家から逃げ出した。わずかな手荷物をまとめて、一人息子のフアンを連れて。結婚して9年、夫のアントニオの暴力に忍従してきたが、それはもはや変わらないと彼女は悟ったのだ。

アントニオもすぐにピラールを捜し回った。彼女のことを愛していると彼は言う。なにものにも代えがたいと。ピラールは俺の太陽だ、あいつは俺に自分の目までくれたんだ。

『Te doy mis ojos』は「家族の秘密」とも言える。沈黙と共謀、強迫と罪過、暗闇と光芒でできた厚い蜘蛛の巣、どの家庭にもあって、しかし外からは見えにくいその蜘蛛の巣に、主人公ピラールは囚われているのだ。

『Te doy mis ojos』では冒頭ピラールが夜分に逃走する時にパンドラの箱が開けられた。誰が誰で何をするべきなのかが示された‘家族手帳’があそこで明らかにされたのである。

ストーリーの進行とともにピラールはその‘手帳’の、あらゆる細目が誤って記入されている自分のページを書き換えていくわけである。そのページには「家庭」は「地獄」と、「愛」は「苦痛」と記載されていたし、護ってやると誓う人は、その人こそが恐怖そのものであったのだ。

しかし手帳をまるごと換えないならば、たった一ページを書き換えたところでどうなるものでもない。むしろ手帳をビリビリに引き裂くときが来たのではないか。
____________________________



Te doy mis ojos@IMDb
直訳: あなたに私の両目をあげる
英題: Take My Eyes

2008.06.07 加筆
←アマゾン(日本)で扱われているのを発見したけど―――こないだは見当たらなかったんだがなあ―――、これは「リージョン1」なので注意。

・2004年1月31日発表のゴヤ賞で7部門受賞に輝いた作品
crown 最優秀作品賞
crown 最優秀監督賞 イシアル・ボジャイン
crown 最優秀主演女優賞 ライア・マルル(読み方よくわからん)
crown 最優秀主演男優賞 ルイス・トサール
crown 最優秀助演女優賞 カンデラ・ペニャ
crown 最優秀オリジナル脚本賞 イシアル・ボジャイン、アリシア・ルナ
crown 最優秀音響賞 Alex F. Capilla、Iñaki Diez、Patrick Ghislain、Pelayo Gutiérrez、Eva Valiño


監督: Icíar Bollaín イシアル・ボリャイン
脚本: Icíar Bollaín  Alicia Luna アリシア・ルナ

出演:
Laia Marull ... Pilar ピラール
Luis Tosar ルイス・トサール ... Antonio アントニオ (夫)
Candela Peña カンデラ・ペニャ ... Ana アナ (ピラール妹)
Rosa Maria Sardà ロサ・マリア・サルダ ... Aurora アウローラ (ピラール母)
Nicolás Fernández Luna ニコラス・フェルナンデス・ルナ ... Juan フアン (ピラール息)
David Mooney ... John ジョン (スコットランド人夫)

Kiti Manver キティ・マンベル ... Rosa ロサ (仕事仲間)
Elena Irureta エレナ・イルレタ ... Carmen カルメン (〃)

Sergi Calleja セルジ・カジェハ ... Therapist (DV自助サークルの主宰者)

あと、IMDbにも書いてないけど、Antonio de la Torreも出てたでしょ。セリフしっかりあったんだがな。

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Comments

(コメント欄への加筆は週末)

一点だけ:
今回私が観たDVDは傷モノだった。途中、いっちばんの山場を迎える直前のシーンで固まってしまった。その次のチャプターなどへ飛べばその先は普通に観られたのだが。

女性職員曰く、そうやって飛ばしたのは2分くらいとのこと。

Posted by: Reine | Wednesday, April 16, 2008 at 22:45

この監督は自分も好きな"Flores de Otro Mundo"も手がけた人で、"El Sur"の主役の女性(女優)だよね。

彼女の監督作品はとても興味があるので、近いうちに観てみようと思う。そして、次回の渡西か、あるいは通販で、この作品は是非とも購入しておきたいリストの上位にランクインですな。"Te doy mis ojos"だけじゃなくて、彼女の監督作品は全部買っておきたい。今後の活躍を期待したい若手の一人だね。


Posted by: abetchy | Thursday, April 17, 2008 at 00:34

Abetchy
>彼女の監督作品は全部買っておきたい

彼女の作品は外れがなさそうだよね。
私には(そしてAbetchyにも)どれもいい感じ。

是非、買ってきてください。
Abetchyは、買いたい作品リストを作ってるのですか。私も3週間ほど前のこと、少しずつリスト作りを進めていました。が、やっぱりリストを作らないことにしました。今、いったん休んでいます。

今まだこれから見なきゃいけないのが山積みだし、さらに9月にはスペインから友人が7本くらい持って来てくれるので、それに加えてリスト作っちゃうとまた欲しくなっちゃうから。考えないようにしています。

Posted by: Reine | Thursday, April 17, 2008 at 12:47

語句メモ
・夫アントニオはピラールのことを愛称で「Cani」と呼ぶ。「やせっぽちちゃん」みたいなニュアンスか???
→ ・canijo, ja: 1. adj. Bajo, pequeño. Apl. a pers., u. t. c. s.

・civil:
3. adj. Que no es militar ni eclesiástico o religioso. Aviación civil. Cementerio civil.
5. adj. Der. Se dice de las autoridades laicas y de sus funciones, en oposición a las de la Iglesia, como también por contraste con las propias de la organización militar.

・como Dios manda: きちんと,適切に

・parte: 20. m. Escrito, ordinariamente breve, que por el correo o por otro medio cualquiera se envía a alguien para darle aviso o noticia urgente.

・baja:
1. Hecho de dejar de pertenecer una persona a una asociación o a otro grupo, o de realizar un trabajo u otra actividad:
例) Estoy de baja por enfermedad.
例) El secretario ha causado baja por jubilación.
2. Documento que acredita el hecho de dejar una persona un trabajo, actividad o la pertenencia a un grupo:
例) Tiene usted que presentar la baja en la empresa firmada por el médico.

・alta:
2. Comunicación que recibe el enfermo de poder abandonar un centro hospitalario o incorporarse a su actividad laboral:
例) Mañana me darán el alta.
例) Le dieron ayer de alta.
3. Documento en que consta esta comunicación:
例) Fue a que le sellaran el alta.
例) Presentó el alta en la oficina del jefe de personal.

・dar por (el) culo:
4.1 [Uso/registro: vulgar] Hacer <una persona> el acto sexual con penetración anal.
4.2 [Uso/registro: vulgar] [Pragmática: disgusto y enfado]. Molestar:
例) Vete a dar por culo a otra parte, guapa.

・dar por culo / por el culo:
2. frs. vulgs. malsons. fastidiar (= enfadar).

・póliza: 1. f. Documento justificativo del contrato de seguros, fletamentos, operaciones de bolsa y otras negociaciones comerciales.

・suplencia: 1. f. Acción y efecto de suplir (= ponerse en lugar de alguien).

・pasado de moda:
→ ・pasar [pasarse] algo de moda: 1. frs. Perder actualidad o vigencia.

・llenita:
→ ・lleno, na: 2. adj. Dicho de una persona: Un poco gorda.

・mamarracho
1. m. coloq. Persona o cosa defectuosa, ridícula o extravagante.
2. m. coloq. Cosa imperfecta.
3. m. coloq. Hombre informal, no merecedor de respeto.

・no dar alguien pie con bola: 1. fr. Hacer mal las cosas por ignorancia o aturdimiento.

・empujón: 1. m. Impulso que se da con fuerza para apartar o mover a alguien o algo.

・rehuir: 4. tr. Evitar el trato o la compañía de alguien.

・「Me pasé.」
→ ・pasarse: 3 Superar <una persona> [un límite] :
例) Se le pasó el turno.
例) Procura no hablar tanto, que te estás pasando.

・ピラール宛てのプレゼントをフロントに預けて立ち去った男性がいたと同僚が言う。「その人は貴女にずいぶんとcoladitoなのね」
→ ・colado, da:
→ ・colar: 10. prnl. coloq. Estar muy enamorado.

・このように↑言われてピラールが「いや、あれは実は私の夫なの」と打ち明けたところ、夫が妻の職場にプレゼントをそっと残して行くなんてなんとロマンティックなのかしら!と解釈した同僚が、「¡Qué total!」と叫ぶ
→ total: 2. [Uso/registro: coloquial] Que es estupendo, o muy bueno o excelente:
例) ¡Qué música más total!
例) Alicia es total, te lo pasas genial con ella.

・acalorarse: 3. Perder <una persona> la calma [por una cosa]:
例) Ana se acaloró en la disputa.
例) Se acaloró por lo que le dijiste.

・acalorar: (人)を怒らせる,興奮させる. = enfadar, excitar.

・tocar los huevos
7.1 [Uso/registro: vulgar] [Pragmática: disgusto y enfado] Fastidiar <una persona o una cosa> a otra persona:
例) Me toca los huevos que ahora no me deje el coche.
7.2 [Uso/registro: vulgar] [Pragmática: disgusto y enfado] Holgazanear <una persona>:
例) Ese chico se pasa todo el día tocándose los huevos.

・buena [mala] onda: 《ラ米》《メキシコ》《話》 よい[悪い]こと

・rollo: 5 col. Sensación o impresión:
例) Cuando salgo contigo, tengo muy buen rollo.
例) Ese novelista me da mal rollo.

・retrete: 1. m. Aposento dotado de las instalaciones necesarias para orinar y evacuar el vientre.

・lista de boda: 1. f. Relación de objetos y enseres que interesan a los futuros contrayentes, la cual se entrega en un establecimiento comercial a fin de orientar a los invitados a la boda en la elección de sus obsequios.

・「最初っから彼は貴女には良く思えなかったのよね」→「貴女は最初っから彼のことをよく思ってなかったわよね」
→ ・「Te pareció poco desde el primer día.」とかなんとか言ってたかな
→ ・parecerle a + 人: (人)によいと思われる,好都合である

・erudito, ta: 1. adj. Instruido en varias ciencias, artes y otras materias. U. t. c. s.

・averno: 1. m. poét. infierno (= lugar de castigo eterno).

・reventado, da: 1. (estar) [Uso/registro: coloquial] Que está muy cansado:
例) Cuando llego de trabajar estoy reventada.

・jalar: 3. tr. coloq. Comer con mucho apetito.

・de balde: 1. loc. adv. Gratuitamente, sin coste alguno.

・no comerse un rosco:
→ ・fr. coloq. no comerse una rosca: 1. frs. coloqs. No tener éxito o no conseguir lo que se pretende, especialmente en asuntos amorosos.

・mala hostia: f. vulg. malson. Mala intención.

・tener algo en el bote: 1. fr. coloq. Esp. Darlo por conseguido.

・chichi: 1. m. vulg. vulva


5月3日 つけたし
http://usuarios.lycos.es/caselmolino/nominal_c.htm参照

・CAJA DE LOS TRUENOS. Abrir la caja de los truenos / de Pandora (cu): decir algo que inicia una situación dialéctica violenta.
例) En cuanto habló de la hija que se había ido de casa, abrió la caja de los truenos y todo el mundo se puso a discutir.

Posted by: Reine | Saturday, April 19, 2008 at 00:08

内容についてもうちょっとコメントしたいこともあるっちゃあるんだけど、そろそろタモリ倶楽部に集中する時間なので、続きはまた後日

Posted by: Reine | Saturday, April 19, 2008 at 00:15

観てからもう何週間も経っちゃったのでちゃんと思い出せるか心配なのだけどふりかえってみる。

夫アントニオは、妻ピラールの妹アナが結婚しようという相手のジョンのことを「ingles」と言ってたよね。「お前(=ピラール)もイギリス人とよろしくやりたいってわけか」などと。

ジョンがinglesではなくてスコットランド人だってことは過去に必ず何らかの会話で出ていただろうに「ingles」で一絡げにするのは失敬でしょ。個人の尊厳に関わる部分をそういう風に片付けようというのは「乱暴」というもんだ。

そういうところにもこの男の性格が出てると思った。

Posted by: Reine | Saturday, May 03, 2008 at 15:46

「俺、今度こそ変わるから」っていうアントニオを、結局ピラールは信じちゃうんだよな。30、40にもなった人間の性分なんてそんな変わらないのにね。

「あんたさぁ、やめときなよ。そういう人って変わるわけないんだから」と忠告してくれる友人がいたとしても、ピラールのような人は、「でも私は耐え忍んでみせる、それによって彼を変えてみせる」なんつうところに意味を見出そうとしちゃったりさ。自分の存在意義も兼ねちゃうから始末が悪い。

目が覚めないといかんのだけど。自分の姿を中から見ているうちは気付けないからな。

ピラールが目が覚めるための種を蒔いてくれたのは女友達だったね。彼女たちが仲間の一人を俎上に載せて他愛ないおしゃべりをする、それを笑って聴いている時にピラールは、「…あれ……これって……私にも当てはまってるんじゃぁ……」と、やっとそこで自分を客観視できた。


妹アナにジョンからのプロポーズの経緯を聞くピラール。アナはそんなものはあってなかったようなものでハッキリと覚えてはいないと答える。ピラールは、「あたしは何もかも覚えてるわ」って、(聞かれもしないのに)嬉しそうに語り始める。アナはただただ困ったような表情を浮かべていた。


昔、男にヒドくむかつく別れ方をされていた女友達が嘆き悲しみながら私にいろいろと話してくれたのだけど、それを語る彼女の声が「もう、彼ったら可愛くて…」の声だったので、たまらず指摘してしまった。

私にそう指摘されたことは、彼女によれば彼女を大いに傷つけたのだそうである。だけど、誰かがやっぱり指摘しないと抜け出せないだろう。ピラールもそう。


※映画無関係で、次元低いことをちょっと言うけど:
女が女にする打ち明け話・相談事・悩み事って、結局はノロケなんだよな。

Posted by: Reine | Saturday, May 03, 2008 at 16:11

第21回 東京国際女性映画祭で、本作『Take my eyes』が上映されるようです。

pen夫の暴力に苦しみながら、女性はなぜ、そんな男と何度もやりなおそうとするのか。愛を訴えながら妻を殴る男とは、何者なのか。古都トレドを舞台にして、女優でもあるイシアル・ボリャン監督が家庭内暴力問題の内側に分け入った作品。(スペイン/2003年/109分)end

・10/19~10/22 (来週の日曜からですね)
・前売り1000円、当日1200円

詳しくはサイトで確認してねeyeglass

Posted by: Reine | Sunday, October 12, 2008 at 12:44

行きたいなー。でも、火曜の18時から、しかも東京ウィメンズプラザ(?)という会場ですか。女性限定ってわけじゃないんだろうけど。少しだけハードル高いな・・・。

Posted by: abetchy | Sunday, October 12, 2008 at 23:40

三修社の『現代スペイン情報ハンドブック 改訂版』という本を注文してみたんだ。昨日発送だそうなのでそろそろ届くだろう。三省堂の『スペインハンドブック』は好きなのだけど、いかんせん情報が古いので、今後は新しい事柄については『現代~』の方をあたってみようと思う。

さて、その『現代~』。まだ私の手元には無いけれども、243ページにDVについての記述があるようだ
ドメスティック・バイオレンス(DV)とスペイン社会

・2006年に女性が男性からの暴力を告発した件数は62,170件
・9割が男性から女性への暴力
・死亡した女性68人(2006年)

・社会問題として認識されるようになったのは1980年代以降
・しかし1995年時点での定義は正式な婚姻関係にある男女間の身体暴力だけにとどまっていた

・被害者を法的社会的に保護するべく、2005年には38,125件の命令措置が下された
・DV被害者救援センターは全国に293か所(2004年)
・相談・情報センターは1,053ヵ所、訪れたのは約75,000人(2004年)

・専門家から指摘されるまで自分の受けている行為がDVだと自覚していない女性も多い
・告発に至らない、至れないケースもあろう

……などなど書いてある。

Posted by: Reine | Friday, November 07, 2008 at 21:59

「Domestic Violence」が扱われているスペイン語作品は:
El Bola(フアン・ホセ・バジェスタ出演)
Solo Mia(パス・ベガ出演)

あと、IMDbで「Domestic Violence」とキーワードがつけられているのは、
Asi es la vida

おなじく「Domestic Abuse」というキーワードは
The Official Story
El Cielito

Posted by: Reine | Friday, November 07, 2008 at 22:24

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