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Sunday, April 06, 2008

En la ciudad / イン・ザ・シティ [スペイン映画]

en la ciudad昨日はセルバンテス文化センターの「Cine en español --- スペイン語映画を見よう!」企画で四月上映作品を観てきました。今月は『En la ciudad』。Cesc Gay監督の2003年の作品。


pencil4月5日(土)15:00より
4月11・25日(金)19:00より

sign0319日(土)は映画はありませんsign03

毎週映画の上映を行っています!
4月からは、土曜と金曜日に開催されることになりました。
(第一週土曜、第二週金曜、以下同様)

※毎月新しい映画が上映されます。
※日本語字幕つきのスペイン映画です。
※入場は無料です。
※ラテンビートフィルムフェスティバルの協力を得て実現いたしました。

〒102-0085 
東京都千代田区六番町2-9
セルバンテスビル
Tel (03) 5210-1706
Fax (03) 5210-1811
info@cervantes.es  pencil


友人と4人で観ました。映画って、私なんかは一人で観るのが常ですが、この作品は複数人で観て、あとで語らったら面白いと思う。こたえあわせをするというかね。「あの人とあの人はあの後どうしたんだろうね?」、「あの人があの行動に至った心の動きってどこでどう描かれてたっけ?」「あの人とあの人って結局デキてたのかね?」………などなどと、解釈を突き合わせる作業で、我々4人は鑑賞後にけっこう楽しみました。そういう意味では面白い作品だったよね。

2004年のhispanic beat film festivalで『イン・ザ・シティ』というタイトルで上映されたことあり。


en la ciudad2004年末にスペイン映画DVDを大量に購入したとき、買おうかどうか迷って買わなかった作品。その時にサササッとtagやplotに目を通してあったので群像劇だというのは予想していた。たぶん人物紹介が多いのだろう、人物を把握するのはたいへんだろうと覚悟もしていた。

思ったとおりでした。
序盤は、登場人物の人となりと人間関係を示す説明セリフを頭の中で整理しながら名前と顔を覚えていくのに集中しないといけない。友人たちも「誰がどれだか最初はもうわけわかんなくなって」とこぼしていた。

しかし、この作品の楽だった点はというと、言葉ね。音も語彙も平易だと思う。もしもこれで、早口だとか発音が独特だとか語彙が凝っているとか喋ってる内容が哲学的だとかだったら、頭の中が忙しすぎて辛かっただろうと思う。あれだけ人物関係の把握に神経をもっていかれるんだから、ことば面はシンプルであってくれてよかった。


これから観ようという人のために、人物紹介をしておこうかな。なんというサービス! これで予習してから観に行けばかなーーり楽に物語に入れるはずです。

en la ciudad
Mónica López モニカ・ロペス ... Irene イレーネ (現代美術館のキュレーターみたいな仕事で忙しくしている; マリーナという5歳の娘あり)

shadow Chisco Amado チスコ・アマード ... Manu マヌ (イレーネの夫; 航空管制官をしていて収入はよいらしい; ヘルニアで腰痛がひどい) 

en la ciudad
Carme Pla カルメ・プラ ... Eva エバ (イレーネの実姉; マッサージ師として友人で鍼医のオルガと共同で開業することを構想中; イレーネの帰りが遅い日などマリーナの世話をしてくれたりしている)

shadow Àurea Márquez アウレア・マルケス ... Silvia シルビア (写真家; イレーネとは学生時代からの知り合い; イレーネにエージェントとなってくれるよう望んでいるところ)

en la ciudad
Eduard Fernández エドゥアルド・フェルナンデス ... Mario マリオ (建築士; バイクはBMWの650)

en la ciudad
Vicenta N'Dongo ビセンタ・ンドンゴ... Sara サラ (マリオの妻; 演劇関係の服飾デザイナーのような仕事)

shadow Pere Arquillué ... Dani ダニ (演劇関係者; サラの仕事仲間ともいえる)

en la ciudad
María Pujalte マリア・プジャルテ ... Sofía ソフィア (書店店員; ヒホン出身で大学からバルセロナに出てきてそのまま住んでいる; フランス人のエリックと知り合ったところ)

(※鑑賞後に語らう際、人物説明がどうにもめんどうだったので、彼女のことは手短に「本屋のブス」と呼びました。ごめんね)

shadow Eric Bonicatto ... Eric エリック (ソフィアが熱をあげているフランス人ビジネスマン)

shadow Jordi Sánchez ジョルディ・サンチェス ... Andrés アンドレス (ソフィアの書店によく買い物に来る哲学・倫理学などの教師)

en la ciudad
Àlex Brendemühl アレックス・ブレンデミュール ... Tomás トマス (あたしこういうルックスの男大好き←最初の情報がこれかよ; ミュージシャン; 学校でも教えている; 妻と別居中; テオという5歳の息子あり)


shadow Miranda Makaroff ミランダ・マカロフ ... Ana アナ (マリオの姪っ子; 音楽を学んでいる)

shadow Leonor Watling レオノール・ワトリング ... Cristina クリスティーナ (BARのウェイトレス)


En la ciudad@IMDb
監督: Cesc Gay セスク・ゲイ
脚本: Tomás Aragay トマス・アラガイ  Cesc Gay

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Comments

私いまからご近所のお花見に出席しなければならないのでその辺の公園まで出かけてきますが、なにかあれば適当にコメント入れといてください。どこか間違いとかあったらぜひ。

※ネタバレの無い程度に。


夜には帰ってきます。夜かよ! 近所イベント、いつも長くなるんだよね。つれー。

Posted by: Reine | Sunday, April 06, 2008 at 11:08

アルベルト・カレロ氏からも上映前に説明がありましたが、DVDからの映像?なので画質悪いです。

あと、オーディトリウムが寒い。寒すぎる。

でも、終わってからアルベルト氏とかと「さむーーーいですよー」「うそー、さむいーー?」「さむいー」としゃべってしまったので、次回からは彼らは逆に暖房とかを入れてくれちゃったりするかもしれません。

脱ぎ着しやすい服装でおでかけください。

Posted by: Reine | Sunday, April 06, 2008 at 11:16

語句メモ
・igual: 12. adv. duda coloq. quizá.
例) Igual mañana nieva.
→ 2.3. En la lengua coloquial de España se usa también este adverbio, seguido de un verbo en indicativo, con el significado de ‘a lo mejor, posiblemente’:
例) Si cada vez que llamen a la puerta te vas a poner así, igual acabas mala del corazón. (MtnGaite Fragmentos [Esp. 1976])
例) Tu hermana igual necesita ayuda. (Vallejo Hölderlin [Esp. 1984])

この作品ではよく出てきた。


・colocado, da: 2. adj. coloq. Que se encuentra bajo los efectos del alcohol o de alguna droga.

・régimen: 4. m. Conjunto de normas referentes al tipo, cantidad, etc., de los alimentos, que debe observar una persona, generalmente por motivos de salud.

・enrollar: 8. prnl. coloq. Tener relaciones amorosas, normalmente pasajeras.
例) Se ha enrollado CON una mujer mayor que él.

・migraña: 1. f. jaqueca
→ ・jaqueca: 1. f. Cefalea recurrente e intensa, localizada en un lado de la cabeza y relacionada con alteraciones vasculares del cerebro.

・hacer campana: no asistir a clase.

・al margen: 1. loc. adv. U. para indicar que alguien o algo no tiene intervención en el asunto de que se trata. Dejar, estar, quedar al margen DE un asunto

・a tu nombre
→ ・a nombre de alguien: 1. loc. prepos. en el nombre de alguien.

・chollo: 1. m. coloq. ganga (= cosa apreciable que se adquiere a poca costa).

・porro3: m. Cigarrillo liado, de marihuana, o de hachís mezclado con tabaco.


・アンドレスが自著について言うセリフ: 「クンデラマルセの隣に僕の本を並べて」


・序盤だったかな、女性陣で食事していたレストランはLUPINO

・終盤では、「Casa Leopoldoで夕飯を」と言っている。

この映画観てるとお腹が空く仕組みになっていると友人が言っていた。ものを食べるシーンが多いからだって。


・『マルティナは海』(2001)で騎乗位シーンを演じていたエドゥアルド・フェルナンデスとレオノール・ワトリングは、本作(2003)でも共演しています。エドゥアルド・フェルナンデスはこちらの作品の方がむしろ若々しく清潔感もあり、内向きな性格の真面目っぽい男を演じていて、良い。

この二人が出会うシーンのピッツァのお店はLa Veronica。この映画のDVDなんかで使われてる写真がそのシーンのレオノール・ワトリングだと思う。

私が2004年暮れに悩んだ末に本作を買わなかったのは、たぶんこのジャケ写のせいだったのだろう。なんかカチンと来たんだと思う。(←来るか、しかし) 

レオノール・ワトリングで釣ろうったってそうは問屋が卸さないよ!」ってさ。それで買わなかったんだろう。

Posted by: Reine | Sunday, April 06, 2008 at 19:00

さて、この先は鑑賞の済んでいない人は読まない方がいいと思います
↓↓↓↓

ほんとに、けっこう書いちゃうからね。

↓↓↓↓

鑑賞後に食事しながらいろいろ話し合った箇所をいくつか挙げてみようかな。

1) マヌと義姉エバはそうにぅ関係を持ったことがあるのかないのか。
→ 「Ya voy, Eva.」
→ 「マヌはお姉ちゃんの言うことならちゃんと聞くからお姉ちゃんから言ってあげてよ」
→ エバの鍼灸院開業資金の件
→ ベランダで舅と電話でしゃべっていたイレーネが部屋を覗いた時にマヌはちゃんとパンツを穿いていた
→ その時のイレーネの表情


2) イレーネはなぜ第二子を産みたくなかったのか。
→ マヌを愛していない自分に気づいてしまったから?
→ でもそれはいつからだったんだろうね?
→ そしてそれはセクシャリティによるもの?
→ 第一子(マリーナ)の時はどうだったの?


3) イレーネは家を出ていくかどうか。


4) イレーネはシルビアと今後は会うかどうか
→ シルビアは会わない方がいいと言った
→ それはシルビアには今付き合っている人がいるから?


5) サラが男と別れたのをマリオが知ったということの直接的なシーンは無かったよね?
→ 無かったんじゃない? あれは観客の脳内補完でよいんだよね?


6) トマスはアナをパーティーに連れていってみんなに紹介するだけじゃなく、アナの叔父であるマリオにも知られるところとなったわけだけど、あれは腹を括ったということなの?
→ だとするとずいぶん短時間で腹をくくったものだね。
→ だって「(終わりにしようという話を)このところずっと切り出そうと思っていた」と言ったばかりだというのに、そのすぐ後にあんなところに連れてきちゃって、どういう心境の変化?
→ あのアナという娘がそんなに短時間で30男の心を決めさせるほど説得力をもっていたということ?
→ それとももともとトマスという人はあんまり後先考えずにその場しのぎで行動しちゃう人なのかな?

※ちなみに我々はこのような会話の際、ソフィアのことは「本屋のブス」という略号で表現しましたが、トマスのことは「淫行教師」と呼びました。


7) イレーネが妊娠したかもしれない云々という話をしてた時、「本屋のブス」=ソフィアも調子にのって「あたしも妊娠のおそれが…」とにおわせるような自作自演的なことをしていたっけ?
→ なんかそんなようなシーンがあったような気がするんだけど、その他いろいろのメモで忙しすぎてよく覚えていないんだ、私。


そのほか何かあったっけ?

Posted by: Reine | Sunday, April 06, 2008 at 20:58

今日、観て来ました。(パロマに会ったよ!)

てなわけで、ネタバレ気味のコメントです。(これから鑑賞しようという方は、絶ーーっ対に読まないで下さい。)

1)マヌと義姉エバの関係
→よく分からん。「Ya voy, Eva」ってのはメチャメチャ不倫してるっぽいシーンだけど(裸だし、浴室のドア開いてるし)その割にはエバは別に慌ててないんだよね。
→イレーネがベランダからエバがマヌにマッサージを施す現場を目撃したところ。あそこのイレーネの表情が何となく「シルビアと関係を持つ」(そして最終的には家を出て行く)と決意したような感じに見えたんだが。
→イレーネがどう感じているかは別として、マヌとエバは不倫してるにしてはサバサバしすぎてる気がした。最後のシーンで、エバがマヌ(ら)の家に来た時とか、淫靡な間柄の二人とはとても思えないあっさりぶりだったし。(開き直ってる・悪びれていない、と取ることも出来るんだろうから、ここが難しい。)

2)第二子を産みたくなくなった点
→事実がどうであれ、イレーネは夫(マヌ)がもう自分を愛してくれていないんだと思い込み、それで、もう子供は持てない・・と思ってしまったような気がした。
→そういう風に取れば、中絶→最後のシーンでの涙は「後悔」のニュアンスも含まれるのでは。

5)サラが男と別れたことをマリオがどうやって知ったか。
→おそらく、パーティーの途中でテラスみたいな所にサラとマリオが一息入れるところで、サラが「あなたが必要なの。旅行に行きましょう。そこで子供の名前を考えましょう(※この前のシーンで子供を作る・作らないでモメている)」と言うところで、マリオは、あぁもう浮気相手とは終わったんだな、と悟るんじゃないだろうか。

7)本屋のブス
→このブスは、見てるこっちが具合悪くなるぐらい次から次へとウソをつくね。「もう島に旅行してきたの」だの「パリに行ってきた」だの。あれって周りはどう思ってんのかな?「またウソついてんな、このブス・・」なのか、信じてんのか、あるいは全く興味がないのか。
→「あたしも妊娠のおそれが・・」については、みんなで飲み会みたいな時、このブスがちょっと眩暈がすると言って、周りのみんなが心配するんだけど、その時に誰か(たぶんサラ)が「予防はしてる?(避妊のことでしょ?)」と言い、妊娠なんかしたら男は逃げてくからね。検査した方が良いかしら?という会話になってる。単に具合悪くなっただけっぽかったよ。
→ちなみに、この辺りでイレーネも吐き気・眩暈を催し、妊娠してるかも・・と思うようになってる。

Posted by: abetchy | Friday, April 11, 2008 at 22:41

本屋のブスについては、友達についたウソの中で「エリックには奥さんがいて、子供も二人いたの」って言ってんだけど、最後の方でエリックから実際に妻も子供もいるんだと告白されて、自分のウソが現実になっちゃった、ってな感じのシーンで、パロマと彼女の友人たちは、失笑のような笑い声を上げてました。

Posted by: abetchy | Friday, April 11, 2008 at 22:48

おぅ、Abetchy、もう一度観てきたのですね。素晴らしい。細かく確認してきてくれてthx。理解が深まりますな。

本屋のブスへの失笑はたしかこないだ観にいった時も漏れてたよね? 漏れてなかったっけ? 私も漏らしたと思う。ブスが調子乗るとこれだから…と。

でも、映画終わってから廊下でアルベルト氏に「どうだった?」と聞かれて第一声が「身につまされる(人ごとでなく感じられて、哀れに思われる / 広辞苑第五版)」だったんだけどね。

「ツマサレルー?」というので「Me identificoよ, Comparto el sufrimiento」と言ったら、「貴女がー? どうしてー?」とアルベルト氏。「だって、mira, solterona, treintonaでしょ」と言ったら彼ゲンラゲラ笑ってたわ。すごく楽しそうに笑ってたわ。

Posted by: Reine | Friday, April 11, 2008 at 23:09

しかも、君、その直後にアルベルトに「あの本屋のブス!」ってスペイン語で言ってなかったか?

Posted by: abetchy | Saturday, April 12, 2008 at 00:14

>「Ya voy, Eva」ってのはメチャメチャ不倫してるっぽいシーンだけど

不倫している・していない、どちらに受け止めても観客の自由なのだけど、これ、私ずっと考えてる。

私が男だったとして、女が部屋にいて自分はシャワーを浴びていてもうそろそろ浴び終えるというときに「○○子、もう出るよ」と呼びかけるとしたら、やっぱりそれはシャワーを終えたらヤろうと思っているというシチュエーション以外には考えられないんだよ、私。

Posted by: Reine | Monday, April 14, 2008 at 13:03

わが子を公園デビューさせるママの心境です。
ワイワイ映画を楽しんでいる様子が手に取るよう。

主役不在のアンサンブルドラマは、複数の登場人物が出たり入ったりするので、脚本が余程しっかりしてないと、観客はソッポをむいてしまう。そういう意味では、7人の人格がくっきり描き分けられていて混乱することがない。

30代後半というのは、結構厳しい年齢です。結婚してればしてるで、他の人生があったんじゃなかろうか、子供がいれば自由を束縛され、足手まといに感じることもあろう。未婚の女性の場合なら、そろそろ出産の賞味期限切れも近い。

要するに、まだチャレンジ精神旺盛でドラマを求めたくなる年代だ。なにしろ頑張れば肌だって体形だって、20代に負けない自信がある。先いって後悔するぐらいなら手遅れにならないうちに・・・

切実なのはイレーネ、傍から見れば幸せ家族の典型、しかし”生きてる”という気がしない。ほんとの気持ちをずーっと抑えてきたが、もう限界。不注意から妊娠してしまうなんて、なんたる屈辱か。賢いはずのワタシなのに。イレーネとの距離が離れてしまったことをうすうす察知しながら、認めるのが怖くて理想の夫役を演じ続けるマヌ。それがイレーネを苦しめる。エバと不倫してくれれば別れられるのに。二人にチャンスをあげてるのにどうして前進しないの。マヌが7人のなかで一番平衡感覚のすぐれた人格だが、そういう人にありがちな変革を望まないタイプ。

ああマリオ。サラの気持ちが自分から離れてダニに移ってしまったことに耐えられない。サラとダニはかつて愛し合っていた。ダニは結婚していたから不倫の仲、ダニを諦めてマリオとの結婚に踏み切ったのに、ピソと犬を残して身軽になるなんて。やっぱりアタシはダニが好きだったの。マリオ、アタシを自由にして。

二人ともいい加減にしてくれ、オレにストーカーまがいの屈辱を与えておきながら、目の前でいちゃいちゃするな、とあの無口なマリオがダニを罵るシーン面白かったね。フェルナンデスの沈黙と視線の迫力にゴヤ賞が与えれたのは、当然と言えます。一番いい演技をしていましたね。他に何本か見ているが、演技の幅が広くどれも上手い。

「本屋のブス」ことソフィア。ほとんどカオスの中であっぷあっぷしてる。しかし、ソフィアのなかに自分の姿を見た人多いんじゃないの。私はこれほどひどくないと安心した人もいるはず。長い孤独が彼女を虚栄心の塊にしている。心から愛してくれるアンドレスを傷つけてまで、ちゃっかりエリックに騙されて。ほんとにトンタ。パリジャンという設定がいかにも笑える。

ソフィアを演じたマリア・プジャルテ、監督に恵まれればコメディもシリアスドラマもこなせる優良株になること請け合います、注目しておきましょう。

アンドレスが「クンデラとマルセのあいだにおいて」という台詞、クンデラは当時『存在の耐えられない軽さ』
や『不滅』がブレイクしていたからわかるとして、マルセというのは誰ですか。

トマスとアナ。トマスが教えている音楽学校は、もしかしてハレンチ学園なのかな。ありそうでないのがこのカップル。扶養義務のある息子がいながら16歳の教え子と寝るなんて、失業したらどうすんの? アナのように背伸びタイプの女の子は、この手の優柔不断な中年男に引っ掛かりやすい。同年齢のガキなど目もくれない。ゴムを自分で用意する周到ぶりは、スペインの性教育も進歩したものと感心。最後のパーティでは仲良さそうにしてたけど、アナがほんとの大人になるまでの難民キャンプかも。

食事シーンが多いのは、このような都会が舞台の映画では経費節約のためもあるらしい。道路を閉鎖して撮影するのは、バルセロナのような交通量の多いところでは、
膨大な書類も書かなければならないし、時間もお金もかかる。レストラン側にしてみれば宣伝にも収入増にもなるから bienvenidos なのではないかしら。

クリスティナは出番こそ少なかったけれど、重要です。
1世代若い女性の姿を、伸びやかに演じていました。
これからは、こういうタイプの女性が増えることを暗示させてるのではないかしら。

最後にイレーネの涙、あれは絶望とmiedo の涙だと思うけど。シルビアとの甘美な一夜を過ごし、今日こそ別れを言いだそうと決心して帰宅したのに、全員揃い踏みで待ち構えている。補助椅子付きの自転車を目にしたときのイレーネの怯えに固まった顔、可哀そうでした。こういう「優しい関係」は、実は危険なんだという監督の声が聞こえてきませんでしたか?

前2作、特に"Krámpack"を見たくなりました。

アリ・ババ39

Posted by: アリ・ババ39 | Monday, April 21, 2008 at 18:45

アリ・ババ39さん
今、ちょっとすぐにレスを差し上げられないのですが、コメントありがとうございます。後ほどしっかりとコメントいたします。

とてもうれしいです。私の存じ上げている「あり」さんで……しょうか?

明日、Krampackをお持ちします。
カステジャーノ字幕です
(音声はカタラン版もついています)

Krampackは今年の元日に観ました。いや、大晦日から見て書きかけていたので足掛け2年で観ました。(※細かいところまで書いてしまっています) 書くことがいっぱい湧いてくる作品でした。

Posted by: Reine | Monday, April 21, 2008 at 18:57

アリ・ババ39さん、ほんとに楽しく嬉しくコメント拝読しました。ありがとうございました。

>エバと不倫してくれれば別れられるのに
↑ 
ここのところで「あぁぁぁっ」と声に出してしまいました。そうか、そういうことだったのか、と。そう読めば、テラスからエバ・マヌを見つめるイレーネの視線の意味が通るのですね。たしかに。なんと鮮やかに腑に落ちるのでしょうか!


●マリオ=エドゥアルド・フェルナンデス
↑ 
私、そういえば今回が初めてかもしれません、映画鑑賞中にエドゥアルド・フェルナンデスのことを「爽やかだゎん(´∀`*)ポッ」という目で見つめていたのは。いつも、彼のことは「じめーーーっ」「じとーーーっ」という役柄の人、と捉えてきたように思います。今回のエドゥアルド・フェルナンデスは私にとって嬉しい発見でした。

●そして「本屋のブス」。
「本屋のブス」は、なんというか、あくまでも「記号」として用いていたのですが、私の中ですっかり定着してしまいました。こないだ別の作品でもお茶目な役で彼女が出ていたのですが、出てきた瞬間にノートに「本屋のブス」と書きとめていました。彼女の名前もちゃんと頭の中にあるというのに。もはやその名では書きとめなくなってしまいました。

●それはさておき、「本屋のブス」。
>ソフィアのなかに自分の姿を見た人多いんじゃないの

これですね。私が、鑑賞後にアルベルト・カレロ氏に感想を求められた時に口をついて出たのが「身につまされる」だったのは、ほんと、アリ・ババ39さんのおっしゃる通り、そこに自分の姿を見たからでしょう。くすぐったいやらイテテテやら頭に来るやらで、非常に複雑な気分でした。居心地が悪いというか。心配で放っておけない気持ちにもなりましたね。

>私はこれほどひどくないと安心した人もいるはず

話がそれてしまうのですが。『En la ciudad』と似ているなと思った作品で『Todo Me Pasa a Mí』というのがあります。バルセロナ舞台、30代男女の群像劇、同性愛エピソード込み、です。その中のElenaという女性が、ちょっと今回の「本屋のブス」的な立ち位置でした。そして、私、その感想文を書く中でElenaのことをこんな風に説明してました:

penあーもー、すげー、我が身を見ているようでたまらんな、この女。でも、絶対に絶対に絶対にアタシの方がElenaよりは少しだけマシpen


●ハレンチ学園て!


●こういう「優しい関係」は、実は危険なんだ
↑ 
そうか……追い詰められていくイレーネの恐怖に思いを馳せるともっと面白い観方ができたのか…。ちょっともったいないことしちゃったな、私。その表情も見逃しているかもしれません。

●マルセは、私も文学音痴なのであてずっぽうですが、この人ではないかと。ちがうかな。


アリ・ババ39さん、これからもいろいろとお聞かせください。ほんとうに楽しいです。

Posted by: Reine | Monday, April 21, 2008 at 19:55

120パーセント「この人」です。なんで思いつかなかったんだろう。次のソフィアの「それはありえない」に捉われて、クンデラのは小説の翻訳棚、アンドレスは哲学教師なんだから彼の本は哲学倫理の棚、すると哲学者でマルセなんていたかしら。すごく飛躍した連想をしたものです。

フアン・マルセは1933年バルセロナ生れ、フアン・ゴイティソロと並ぶ、1960年代から頭角を現したベストセラー作家なのにね。この映画の主人公がバルセロナという都会なんだし、この映画のようにcomedia catalana も書いてるんだから、監督としてはオマージュをこめてこの名前をセリフに入れたんだね。
バルセロナ派の大先輩ビセンテ・アランダが1989に映画化した"Si te dicen que cai" 1973は、スペインでは到底検閲に引っ掛かって刊行できないので、メキシコで出したのでした。フランコ没後の1976年にやっと読めるようになったんです。映画も見てるのに思い出さないなんて。当時の監督のムーサ、ビクトリア・アブリルやバンデラス(反フランキスタでアナルキスタ)、まだ二十歳ぐらいだったホルヘ・サンスが、マルセ本人が投影されている人物を演じていた。

"El amante bilingue" 1991もベストセラー、すぐアランダが映画化(1993)した。ハビエル・バルデムや私の好きなイマノル・アリアスが出てる。見ていないので見たい映画の一つ。
"El embrojo de Shangai"1993は、二転三転したすえフェルナンド・トルエバが撮ったのだが、成功作とはいえない。フェルナン・ゴメス以下錚々たる俳優陣が出てるが、シンボルが多すぎて難しい。曖昧なリアリズムは処理の仕方を一歩間違うと失敗する。観客は何回も足を運ぶわけじゃないから。

クンデラもチェコの軍事政権に怒ってフランスに亡命、現在はフランス語で出筆している。マルセもフランコを弾劾しつづけている作家、伊達に二人の名前を出したんじゃない。カタルーニャ人の反骨精神から出したんだ、いやいや、ソフィアのセリフの意味もこう考えると深いんだ。マルセのみならずアランダへのオマージュもね。

Posted by: アリ・ババ39 | Tuesday, April 22, 2008 at 13:19

お返事遅くなりましてすみません>アリ・ババ39さん

ちょっとまたあとでちゃんと書きます。

Posted by: Reine | Saturday, April 26, 2008 at 08:10

アリ・ババ39さん、お返事遅くなりましてすみません。この1週間、不調でした。

とあるきっかけでアリ・ババ39さんにお会いすることができ、こうしていろいろなことを教えていただけるのはほんとに幸運なことであると、喜んでおります。これからもよろしくお願いします。

ゴイティソロ

Si te dicen que cai@IMDb
・ビデオ@アマゾン: ボルテージ

El amante bilingue@IMDb
・ビデオなどはamazonにはないみたい

El embrujo de Shanghai@IMDb
Shanghai Spell (Spanish) (Sub) ←ビデオはこれでしょうか?


>曖昧なリアリズムは処理の仕方を一歩間違うと失敗する。観客は何回も足を運ぶわけじゃないから。

このことを念頭に、お借りしたDVDを観てみます。ありがとうございました。

>カタルーニャ人の反骨精神から出したんだ、いやいや、ソフィアのセリフの意味もこう考えると深いんだ。

私の書いたことだけだと「本屋のブス」で終わってしまっていたソフィアに実はこんな深い意義が託されていたとは……。

Posted by: Reine | Saturday, May 03, 2008 at 13:32

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