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Wednesday, February 13, 2008

Plácido [スペイン映画]

placidoスペイン語がわかる人には是非観てもらいたい作品。ただ、今日ここでかなり解説してしまうので、読んでしまう前に観ておいてください。……と言ってもスペインから通販で買うほかないんだけどね。

話の骨組はいたって簡素だけど、やたらたくさん肉付けされてそれが絡み合って展開(=場面の切り替え)はかなり複雑。そこへもってきてこのDVDには字幕が無いので、わからなくなちゃうかもしれない。だからここで解説してしまいます。僭越ながら。


あらすじ
配送などを請け負っているプラシドの生活は決して楽ではない。妻が街角のトイレ番(※後述)をしてわずかに稼いで生計の足しにしている。仕事で使っているオート三輪も分割払いで手に入れたのだ。

町では、エンカルナさんという裕福なご婦人が代表となって、クリスマスに「あなたのお宅で貧しい人と夕食を」というスローガンを掲げた貧民救済イベントを催す。


プラシドはそのイベントのPRをごてごてと貼り付けたオート三輪に実行委員会側の一人キンタニージャさんを乗せ、町中を走り回っている。助手席のキンタニージャさんは宣伝文句をスピーカーでがなりたてている。

「貧しい方も裕福な方も、皆さんぜひご賛同ください。慈しみの心に境界はありません。町をあげて『貧しい人と夕食を』キャンペーンに参加しようではありませんか。たった一晩でもいい、みなが同志となって、一晩でいい、冷たい心を優しく変えて、たった一晩、貧しい方々と夕食を分かち合い……」


首都マドリードから招いてあった芸能人や報道陣が駅に到着するのを迎えに行き、更にパレードにもずっとオート三輪で同行するようにキンタニージャさんらから言われたが、肝心のそのオート三輪の割賦の支払期限は今日の夕刻なのだ。

日没までに支払わなければ車を差し押さえられてしまう、とプラシドは焦る。

実行委員会のお偉方などにすがりついて頼み込み、どうにか支払ってもらったギャラを息子に託し銀行に届けさせたが、もう少しのところで間に合わなかった。既に手形は銀行から公証人事務所に移されてしまっていた。

公証人事務所に赴いて申し立てれば差し押さえは回避できるので、プラシドは一刻も早く駆けつけたい。しかし、イベントの進行やら恋人とのトラブルで頭がいっぱいのキンタニージャさんはまるで耳を貸さず、「後で行ったって大丈夫だから」「クリスマスに差し押さえを執行する人なんていないから大丈夫だよ、君ぃ」などと適当な返事をするだけ。


そんな中、公会堂ではイベントが始まる。
都会からやってきた芸能人が壇上に並んでいる(芸能人と言っても、映画出演の最新作とデビュー作が同じだったりする、三流の賑やかしタレントばかりだが)。「The ゲーノー人オークション!!!」が始まるのだ。会場に詰め掛けた金持ち連中が、そのタレントたちと自宅で夕食を共にできる権利を競り落とすという趣向である。

そして、オークションも終わり公開イベントは終了。
会場の片隅には、施設から連れてこられた身寄りのない老人が並ばされている。下の階には町で集められたホームレスの人々が同じように待機している。お金持ち連中が、それぞれくじ引きで当たった「ビンボーさん」を連れて帰ることになっているのだ。

可哀相なビンボーなあなた、我が家で温かい夕飯をご一緒にいかが? 


なんというチャリティー精神!


さて、プラシドの手形の支払い期限は日没であった。日はとっぷりと暮れたというのにいっこうに解決しない。キンタニージャさんをはじめとして金持ちの皆さんが、ビンボーさんへの手厚いおもてなしに躍起で、プラシドの窮状など一顧だにしないから。

(コメント欄へつづく)

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆


placido(スペイン映画)
Plácido@IMDb

・先日の『El Pisito』に続き、がんばれラファエル・アスコナということで。ブラック・ユーモア炸裂。いやー、すげー。痛烈。

同情させて、ハラハラさせて、イライラさせて、それでも随所で笑わせて、やっぱりホッとさせて、悲喜こもごもをさんざん味わわせて、「人間って捨てたもんじゃないよね」なんてついうっかり思わせた挙句………


……ラストシーンでかぶさってくる歌が我々の現実を照らすのです。


監督: Luis García Berlanga ルイス・ガルシア・ベルランガ
原案: Rafael Azcona ラファエル・アスコーナ Luis García Berlanga
脚本: Rafael Azcona  José Luis Colina ホセ・ルイス・コリーナ  José Luis Font ホセ・ルイス・フォント Luis García Berlanga

出演:
Cassen カッセン ... Plácido Alonso プラシド・アロンソ
Elvira Quintillá エルビラ・キンティジャー ... Emilia エミリア (プラシドの妻)
Manuel Alexandre マヌエル・アレクサンドレ ... Julián Alonso フリアン・アロンソ (プラシドの兄)

José Luis López Vázquez ホセ・ルイス・ロペス・バスケス ... Gabino Quintanilla ガビーノ・キンタニージャ
Amelia de la Torre アメリア・デ・ラ・トーレ ... Doña Encarna de Galán ドーニャ・エンカルナ (イベント実行委員会代表)
Mari Carmen Yepes マリ・カルメン・イェペス ... Martita マルティータ (キンタニージャのカノジョ; ドーニャ・エンカルナの娘; たぶんそのコネで今回のイベントのクィーンのポストを得た)

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Comments

私はこのブログに書くために映画を観るときはDVDを一時停止しまくり、巻き戻しまくり、調べまくり、検証しまくり、書きとめまくりです。

そんな風に‘鑑賞’を度外視して‘観察’するように観ているのだから、終わった直後はストーリーはほぼ完全に頭に入ってる。起承転結を頭の中で全部再現できる。誰かに微に入り細をうがつ説明ができる。たぶんできると思う。できるんじゃないかな。ま、ちょっと覚悟はしておけ。

だけど、『Placido』はかなーーーり丹念に観たにもかかわらず、確認のために更に2回半、いや3回くらいは観なければいけなかった。けっこう手強いよ。翌日に頭の中で話を再構築できなかったのって初めてかもしれない。


字幕が無いけど発音は非常にクリアなので聞き取り自体は難しくないの。だけど、とにかくずっと誰かが発言しているので、集中力が要る。『El Cochecito』でもそうだったけど、みんなが一斉に好き勝手にしゃべっているのを聞き分けるのが負担。

人々がしゃべりながら階段を上っているだけのシーンなんて別に軽く聞き流していてもよさそうなのだが、ゴチャゴチャワイワイガヤガヤとした会話の中にニヤリと笑える小ネタを混ぜてあるから困る。面白くてついつい聞き耳を立ててしまうからね。

それと、ストーリー理解の最大の障害は、んーっと、とにっかく一日でいろんなハプニングが降って湧いちゃうことです。とにっかく色んな場所で不測の事態が生じるのでめまぐるしい。あちらからこちらへと人間の移動が激しい。

Posted by: Reine | Wednesday, February 13, 2008 23:33

というわけで、ストーリーの続きを書き足そうと思うのだが……今朝まで頭に入っていたはずのものが出てこない……

えーっと。
だから。

公会堂でのイベントの狂騒の中、プラシドはキンタニージャさんを通して公証人とようやく手形の件について話すことができた。「事務所に後で顔を出してくだされば応対しますから大丈夫ですよ」という言葉だけはもらえたので、プラシドは少しホッとした。

公開イベントが終了して、金持ちたちは各家庭にビンボーさんを連れて帰って……えーっとね……

今から何とか思い出すから待って。
↓↓↓↓

Posted by: Reine | Wednesday, February 13, 2008 23:42

実行委員長のエンカルナさん宅の晩餐の模様をこれからラジオで実況放送するというのでキンタニージャさんは設営に追われている。

プラシドはもうここらで帰らせてくれとキンタニージャさんに頼む。さっき公証人と話も通ったことだし、サッサと公証人事務所に赴いて片をつけたいのだ。しかしキンタニージャさんは「あぁ、君、ガタガタ言わないでくれたまえ」などと言う始末。

邸での雑用にいいように使われ続けるプラシド。

いい加減ぶちきれてプラシドはキンタニージャを振り切って公証人事務所に駆け込むのだが、諸経費分が不足していると告げられてしまう。

諸経費って……誰も何も出費なんかしとらんでしょうっ」と半泣きのプラシド。

今度はプラシドは家族が揃って待っている公衆トイレに駆けつけその諸経費とやらいう額を捻り出そうとするのだが、全員の小銭を合わせても足りないのだった。

(つづく)(今夜中には書き上げられないかも)

Posted by: Reine | Thursday, February 14, 2008 00:01

さて。
ふと見るとそこに豪華なクリスマス用バスケット(=かごに飲食物を詰め合わせた贈答品)がある。兄フリアンが昼間配送を請け負った品だが、受取人が少しおかしな人で、受け取りを拒否したのだそうだ。棄ててしまってくれと突き返されたものをフリアンは家族みんなで食べるつもりで持ち帰っていた。

プラシドはこのカゴを担保という扱いでキンタニージャさんに預け、例の忌々しい経費分をもらおうと考えた。彼はカゴを積んで家族全員をオート三輪に乗せ、急ぎエンカルナの邸に戻る。

ところがエンカルナさんたちは邸に居ない。
雁首そろえてどこへ行ったのか。

エルゲーラ夫婦(マリアとマティアス)の連れ帰ったビンボーさんの具合が悪くなったとエンカルナさん宅に電話で緊急連絡があったとかで、みんなでエルゲーラ家に急行してしまったのだと。

(つづく)(ダメだ。今夜はここで限界)

Posted by: Reine | Thursday, February 14, 2008 00:21

その頃、エルゲーラ家では……。

くじ引きの結果連れてきた老人ビンボーさん(名前はパスクヮルさん)の容態が急に悪くなり、脈も極端に弱まっている。夫マティアスは「だからこんなイベントなんかよしとけばよかったんだ」と愚痴り、ただでさえパニック状態にある妻マリアを更に苛立たせる。

娘夫婦やお手伝いさんも巻き込んで言い争いながらみんなでパスクヮルさんを介抱する。医者が来るまでまだ時間がかかりそうなので、下の階で開業している歯医者にとりあえず診てもらうことにした。

歯医者さん宅でもやはりビンボーさんをもてなしているところだったが、急病人が出たと呼ばれたのではしかたがない、歯医者は自分のところのビンボーさんも連れてエルゲーラ宅へ駆けつけた。

と、そこへ、エンカルナさん御一行(キンタニージャさん含む)が合流した。

(※このシーンの登場人物の多さが最大の難関とも言える。ってくらい大勢)

大勢でああでもないこうでもないとやっているところへ今度は疲れきったプラシドがクリスマス・バスケットを持ってやってきた。

そのカゴを形(カタ)として預けるから例の不足分をちょっと貸してくれとキンタニージャさんに頼みこむが、ここでもプラシドの必死な願いなど誰も聞いてくれない。

Posted by: Reine | Thursday, February 14, 2008 20:49

そのときパスクヮルさんはいよいよ重篤な状態に陥った。「ホームに報せなければ…」などと話し合っていると、歯医者さん宅のビンボーさんが話に入ってきた。

きけば、パスクヮルさんは老人ホームに収容されているわけではなく、女性といっしょに暮らしているそうだ。しかしその女性とは内縁関係なのだという。

思わぬスキャンダラスな事実が判明し、エンカルナさんはじめ上流階級の皆さんは卒倒しそうになる。が、そういうことならばとにかく今すぐにでも婚姻を成立させなければ背徳であるということで全員の意見は一致した。

婚姻を成立させるにはどうするか。
相手の女性ビンボーさんを連れてくるしかないだろう。相手の女性ビンボーさんもまた今夜のイベントによってマリルーさんのお家でディナーの最中だと判明した。

彼女を連れて来るには……。
……みんなが思いつくことは一つ。プラシドくん、君がその女性を車で迎えに行きたまえ。

車でその老女を連れて来い、それが済んだら手形の件もすべて片付けてやるからと言われ、渋々と、しかし大急ぎでプラシドはマリルーさん宅に向かった。

この間ずっと寒風すさぶ表の通りで待たされていたプラシドの家族は、ようやくエルゲーラさん宅に入れてもらい、プラシドの戻りを待つことになった。

Posted by: Reine | Thursday, February 14, 2008 21:09

もういいかな。ここまで解説すれば、あとは大丈夫だと思う。いや、やっぱりもうちょっと書いておこう。書いとかないと私自身が思い出せなくなってしまう。

・相手の女性ビンボーさんを連れてエルゲーラさん宅に戻り(※この瞬間、部屋にいる人数がMAXになった。かな)

・みんなで取り囲んで結婚の意思を確認しちゃいたいんだけど、パスクヮルさんはもうイエスもノーもわからない状態になっちゃってるからなかなか儀式が進まなくて

・頭をむりやり縦に振らせたような感じでとりあえず結婚は成立して

・手続きが済んだのでお金持ちのみなさんは今度は、プラシドに二人を家まで送るようにと注文して

・そこでちょうどパスクヮルさんは死んでしまったので

・それなら死体と‘奥さんビンボーさん’を住まいまで送り届けることとなって、

・みんなで死体を担いでプラシドの車に乗せて、プラシド一家と死体と‘奥さんビンボーさん’とキンタニージャさんで出発し

・公証人事務所に立ち寄って………


……これでいいよ。たぶんこういう流れだった。

さすがにこの先は黙っておく。もうすぐ終わりだけど。ほんっとタイヘンな映画。

Posted by: Reine | Thursday, February 14, 2008 21:29

肩で息をしながら語句メモ。

大量にメモしておくけど、これだけあれば字幕なしでもこのDVDたぶん観られるから、スペイン語の勉強した人は買ってください。こんな‘すごい’作品を観ない手はないでしょう。‘すごい’としか言わないけど、‘すごい’んだよ。

・punto: 縫い目,編み目,; ほころびた縫い目[編み目],(ストッキングなどの)伝染
coger los puntos: 編み目を拾う,かがり直す.

・asilo: 2. m. Establecimiento benéfico en que se recogen menesterosos, o se les dispensa alguna asistencia.

・no sé qué: loc. sust. m. Cosa sutil y misteriosa que no se acierta a explicar.
例) Tiene un no sé qué muy agradable.

・embargar: 3. tr. Der. Retener, en virtud de mandamiento judicial, un bien que queda sujeto a las resultas de un procedimiento o juicio. 差し押さえる

・cabalgata: 2. f. Desfile de jinetes, carrozas, bandas de música, danzantes, etc., que se organiza como festejo popular

・「¡Qué fregado, qué fregado!」
→ fregado: Situación complicada o liosa.

・chapuza: f. Obra o labor de poca importancia.

・por barba: loc. adv. Por cabeza o por persona.
例) A perdiz por barba.

・como Dios manda: しかるべく,きちんと,正しく,ちゃんと

・emboquillado: adj. Dicho de un cigarrillo: Provisto de boquilla. U. t. c. s フィルター[吸い口]つきの

・comisión: 代表団,使節団,委員会.

・pasamontañas.1. m. Montera que puede cubrir toda la cabeza hasta el cuello, salvo el rostro o por lo menos los ojos y la nariz, y que se usa para defenderse del frío.

・aparatoso, sa: 2. adj. Desmedido, exagerado.

・retratar: tr. Copiar, dibujar o fotografiar la figura de una persona o de una cosa.

・caminata: 2. f. coloq. Paseo o recorrido largo y fatigoso.

・adjudicar: tr. Declarar que una cosa corresponde a una persona, o conferírsela en satisfacción de algún derecho.

・liviano, na: 4. adj. Dicho de una mujer: Informal y ligera en su relación con los hombres.

・pitorreo: m. Acción y efecto de pitorrearse.
→ ・pitorrearse: prnl. Guasearse o burlarse de alguien.
「冗談でもなんでもないよ。300ペセタって言ったら俺の給料の半分だからな」

・pujar: 1. tr. Dicho de un licitador: Aumentar el precio puesto a algo que se subasta.

・「Plácido Alonso, para servirle.」(自己紹介)
→ ・para servirle: どうぞよろしく

・pasante: 見習い,実習生,助手.

・abonar: 支払う,払い込む.

・ahogarse en poca agua: fr. coloq. Agobiarse por poca cosa.
・ahogarse en un vaso de agua: [Uso/registro: coloquial.] Preocuparse y agobiarse <una persona> por cosas menos graves de lo que piensa:
例) No tiene experiencia y se ahoga en un vaso de agua.

・pelmazo, za: 2. m. y f. coloq. Persona molesta, fastidiosa e inoportuna.

・cabecera: 6. f. Parte superior o principal de un sitio en que se juntan varias personas, y en la cual se sientan las más dignas y autorizadas. 上座
例) La cabecera del tribunal, del estrado.

・cantar las cuarenta: fr. coloq. Lograr un triunfo resonante en cualquier actividad.

・chalado, da (Del part. de chalar): adj. coloq. Alelado, falto de seso o juicio. U. t. c. s.

・ponerse morado, da: fr. coloq. Hartarse de comida

・tómbola: 1. f. Rifa pública de objetos diversos, cuyo producto se destina generalmente a fines benéficos.

・tebeo (De TBO, nombre de una revista española fundada en 1917):
m. Revista infantil de historietas cuyo asunto se desarrolla en series de dibujos.


・「アントニア、あなた、ちゃんとcofiaをお着けなさい」「cofiaですって? いやですわ、奥様、パーマを当てたばっかりですのに」「口答えするんじゃありません! cofia着けなさい」
→・cofia: 1. f. Prenda femenina de cabeza, generalmente blanca y de pequeño tamaño, que llevan enfermeras, camareras, criadas, etc., como complemento de su uniforme.

・angina de pecho: f. Med. Síndrome caracterizado por accesos súbitos de corta duración con angustia de muerte y dolor violento que desde el esternón se extiende ordinariamente por el hombro, brazo, antebrazo y mano izquierdos. 狭心症

・odontólogo, ga: 歯科医,歯医者.(dentistaではなくodontólogoと呼ばれたい・名乗りたいようである)

・「Ahora mismo está limpio de fiebre. 今は熱はありません」
→ limpio, pia: 4. adj. Libre, exento de cosa que dañe o inficione.

・ajuntar: 2. prnl. vulg. amancebarse.
→ amancebarse: prnl. Unirse en amancebamiento.
→ amancebamiento: m. p. us. Trato sexual habitual entre hombre y mujer no casados entre sí.

・concubinato: m. Relación marital de un hombre con una mujer sin estar casados. 内縁関係

・andar algo manga por hombro: fr. coloq. Estar en gran abandono y desorden.

・espantajo: 3. m. coloq. Persona estrafalaria y despreciable.

・no tener entrañas: fr. coloq. Ser cruel, desalmado.

・cara de vinagre: f. coloq. cara de pocos amigos.

・volver en sí <quien había perdido el sentido por un accidente o letargo>: fr. Recobrarlo.

・obnubilar: 理性を曇らせる

・contumaz: adj. Rebelde, porfiado y tenaz en mantener un error.

・chisme: 2. m. coloq. Baratija o trasto pequeño.

・palmar: intr. coloq. Dicho de una persona: morir (= llegar al término de la vida).

・misa de gallo / misa del gallo: f. La que se dice a medianoche o al comenzar la madrugada del día de Navidad.

・tomadura de pelo: f. coloq. Burla, chunga

・hacer alguien de tripas corazón: fr. coloq. Esforzarse para disimular el miedo, dominarse, sobreponerse en las adversidades.

・¿quién vive?: expr. U. por el soldado que está de centinela para preguntar quién es el que llega o pasa. U. t. c. s. 「誰か?」(歩哨の誰何) 

・rompérsele a alguien una tripa: fr. coloq. Ocurrirle algo que necesite ayuda de otra persona.
例) ¿Qué tripa se le habrá roto a ese?

Posted by: Reine | Thursday, February 14, 2008 21:42

1) プラシドの妻はトイレの番人をしている。

約15年前、スペインをふらふらしていてSevillaでトイレの小母さんを写真に撮ったよ。(これがその写真

さて。この「トイレのおばさん」という仕事について少々。

『Placido』のIMDbのあらすじ紹介文に「family is forced to live in a public lavatory because of the lack of money to pay the rent」とあるけど、これ、投稿者の誤解だと思う。プラシド一家はあのトイレに住んでいるわけではない。でしょう。

検証1)
たしか、トイレは街なかの広場にあった。今回のイベントの告知をがなりながら車で回っているくらいだから、町の中心部だと思うんだよ。高い建物の混んだ地域にあったし。

検証2)
町でのパレードを見送ったあと、エミリアのお父さんが「家に帰ったら」ウンヌンと言ったとき、エミリアは「プラシドが(仕事を終えて)迎えに来てくれるのを待ちましょう。そうすれば歩かなくて済むわ」と言う。

家にはいつも歩いて帰っているのでしょう。なおかつ「車で行ったらさぞかし楽だろう」と考えたくなる距離なのでは?

検証3)
そして最後の頃、一家はやっとこさ帰宅したが、町外れといった地区と見える。舗装なども完全ではない地域だ。周囲の様子も建物も、前出の公衆トイレとは違う。

エミリアは公衆トイレに自宅から‘出勤’しているのだ。


2) ⇒ 『Plácido y yo (プラシドと私)』でベルランガ監督がこの作品を作り終えるまでの紆余曲折など、裏話をいろいろしゃべってくれている。

「プラシドの奥さんがトイレで働いているのは、われわれ(アスコナとベルランガら)が、彼女の仕事はどうしても公的なものにしようと考えていたからだ。というのも、彼女が仕事と特別手当(ボーナス)の話をするシーンが必要だったからだ。市役所などの公的機関の掃除婦にしようとも思ったのだが、それだと問題があった。そのての建物はクリスマスイブみたいな日には清掃はしていないから。クリスマスイブの日でも開いていて女性が働いている公的な場所となると、公衆トイレしかなかったのだ」

Posted by: Reine | Thursday, February 14, 2008 21:47

3) villancico(クリスマスソング)がいろいろ聴けます。みんな歌下手だけど。「sta noche es Nochebuena y mañana Navidad.」とか「pero mira como beben los peces en el río ♪」とか「asómate a la ventana:verás al Niño en la cuna ♪」とか他にもなんか歌ってたな。

Posted by: Reine | Thursday, February 14, 2008 21:53

ネタバレ。ここ大事。というかラストシーンについて説明します。だから読まないで飛ばして


記事本文で私はこう書いた:
>やっぱりホッとさせて、悲喜こもごもをさんざん味わわせて、「人間って捨てたもんじゃないよね」なんてついうっかり思わせた挙句………


そう。
そんなことを思ってホッと一息ついていたというのに、我々のそんな甘ちゃんな考えを、ドライなラストシーンが一気に醒ましてくれます。

この作品の最後のセリフは「¡Todos estos desgraciados son iguales! アイツらみたいなロクデナシはまったくどいつもこいつも!」という罵声です。

そして歌がかぶさってきてEND。
この歌がとんだ食わせ物でね。
とても綺麗な子供の(?)声なんだけど、すんごい気分に落とされる。なんか、んもー、すんごいイヤーな歌だったぞ。ヒュゥゥゥゥゥゥという北風が聞こえてくるようなFIN。

いろんなクリスマスソングをつなぎ合わせてわざと調子っぱずれに歌っているようだった。

「Madre, en la puerta hay un Niño, ママ、玄関に男の子がいるよ / tiritando está de frío 寒くてぶるぶる震えているの / Anda y dile que entre, se calentará 入って身体を温めてって言ってあげなさい / porque en esta tierra ya no hay caridad だってこの世にはもうお慈悲など無いのだから / ni nunca la ha habido, ni nunca la habrá. これまでもこれからもずっと無いの


これまでもこれからもずっとね。

Posted by: Reine | Thursday, February 14, 2008 22:00

↑ その歌詞の「la ha habido」「la habrá」について。

1) まずこれは知ってるでしょ、『中級スペイン文法』より、動詞haberについて:
>動詞haberで存在を表すとき,haberは単数形である.「存在するもの」は文法的には主語ではなく直接目的語だからである.


それをふまえて2) DRAEを読む:
>……略…… el sustantivo pospuesto desempeña la función de complemento directo. Prueba de su condición de complemento directo es que puede ser sustituido por los pronombres de acusativo lo(s), la(s):

例) Hubo un problema ⇒ Lo hubo.
例) No habrá función ⇒ No la habrá.

そして仕上げに、3) 『Gramatica Comunicativa del espanol (1巻)』より、代名詞のlo, la, los, lasの説明のページを読む:

> Con verbos como HABER en sus usos impersonales (hay, había, etc.) , TENER, etc. se usan a veces los pronombres lo, la, los y las con sentido partitivo, para recoger un elemento que ya se ha mencionado en el contexto anterior o para anunciar uno que se menciona justo después:

例) Lea este texto y corrija las faltas, si las hay.

例) Y en este espacio de aquí escribe los nombres de sus hijo, si los tiene.

El uso de estos pronombres es facultativo en estos casos.

Posted by: Reine | Thursday, February 14, 2008 22:02

本作を鑑賞するのにちょっと参考になりそうな文章を転記する。こういうのを踏まえて観ると、なるふぉどなと頷けるシーンが多数ある。かも。(細かいエピソードを全部拾いたいんだけど、今日はもうクタクタ)

↓↓↓↓
三省堂の『スペインハンドブック』の第6章「国民性」より引用する。

Ⅲ.「面目―――変質した名誉感情」より:
……略……面目を保つというのは,他人の前で自分をよく見せること,体裁を整えることである.嘲笑されることに対する恐れはスペイン人の性格の中にしっかりと根づいていて,彼らの行動のきわめて多くを支配している.……略……

……略……多くの行為は,それが持つ本質的な価値のためではなく,社会がそれに与えるであろう評価のためになされる.肝心なのは,何かが悪いことではなくて,隣人が悪いと考えることであり,悪さえも嘲笑を受けることほど重大ではないのである.その結果,辱しめは,それが公になるほど大きくなる.……略……

……略……人々が何と言うかが,実際に起こったことよりもはるかに重要であり,事実の反響が事実自体よりも大切であった.スペイン人は妻に裏切られたと知ると,信頼が裏切られたことよりも,まわりの世界に対して自分が裸でいるように無防備であると感じるがゆえに,苦しむのである.……略……

Posted by: Reine | Thursday, February 14, 2008 22:06

(以上)

(あとは細かいエピソードを書く。あるいはもうそれらは割愛しちゃうかもしれないし)


これまでの記事中、「書くのタイヘンだった」五指に入るなぁ。だけども「すげーと思った」五指にも入る。ううん。五指どころじゃないや。

スペイン人のおっさんに頼んでスペインで買って来てもらったのでこないだメールで「観ましたよ」の報告をした。(※私は誰かに買って来てもらったとか勧めてもらったという作品を観てブログに書き終わった時は、「書き終わりましたよ」っていうメールを送るように心がけている)

で、そのおぢさんへのメールには「inmortal obra maestra 不朽の名作」と書いていた。こんな感想の述べ方、私、めったにしないからね。よっぽど感じるものがあったんでしょう。

(……なんつってるけど、たいがいの作品で感動しちゃってるんだけどね、実際のところ)

Posted by: Reine | Thursday, February 14, 2008 22:16

上述の「面目うんぬん」について。

幾つかそういうシーンがあります。善いことだと自分が思っているから行っているのではなくて、善いことだと世間で思われているようだから行っておかなきゃまずかろうという判断で善を行っている人々の姿。


1) ゲーノー人オークション!で、しょーもないタレントを4000ペセタで競り落としてしまった夫に、隣の席の妻が小声で激怒している。「あんたバッカじゃないの!!」といった感じ。夫は「どうせ他の誰かがもっと高く言うから」と言い返す。夫も妻も微笑みは絶やさない。

しかし結局他の誰も競ってくれなかったので結局自分達が勝ち取ってしまった。壇上へ進むときも二人の作り笑顔は崩れない。


2) 自分んとこのビンボーさんが具合悪くなっちゃって慌てたエルゲラ夫婦は、実行委員代表のエンカルナさんたちを電話で呼ぶ。来てくれるまで、エルゲラ家では上を下への大騒ぎ。

たしか婿のセリフ: こんな小さな村だとうわさはあっという間に広がるから(※だからこのイベントに参加しないわけにいかなかった、といった文脈だったと思う)

婦人: お手伝いのアントニアのベッドに寝かせましょう
女中: いやですわ、奥様、どんな感染症に罹ってるかしれないのに私のベッドに寝かすなんて…

娘: お母さん、女中のベッドに寝かしていたなんてことが知られたらちょっと外聞が悪いわ

婦人: それもそうだわね。わかったわ、私のベッドにしましょう(※そしていいシーツを出しなさいなどと指図が始まる)


3) エルゲラ家になかなか医者が到着しないので階下の歯科医が呼ばれる。彼は自分んとこのビンボーさんに「上の階の急病人を診にいかないといけないんだが、あなたもいらっしゃい」と言う。

食事の途中なもんだからビンボーさんは席を外したくない。まだ食べていたい。歯科医の姉が歯科医に言う、「我が家にだってビンボーさんが居るってことをご近所に知ってもらわないと


こんな感じだろか。他にもいろいろ目に付くと思うよ。

Posted by: Reine | Saturday, February 23, 2008 10:31

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