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Wednesday, February 27, 2008

Proyección de cine (2) / 映画上映会 (2) [スペイン映画]

2/16(土)のスペインクラシック映画上映会のあとヘロヘロだったので休むつもりでいたが、結局23(土)も寄ってみた。(3作中の2作のみ)


capitan veneno『毒舌隊長 カピタン・ベネノ』

ホルヘ・デ・コルドバ。硬骨漢、頑固一徹、かんしゃくもち、女嫌い、子供嫌い、トランプゲームで熱くなって仲間をいかさま呼ばわりする、連れて行かれた宴席で女を虚仮にする、上官だろうが構わず無遠慮に物を言うので疎まれる。ついたあだ名が「毒舌隊長」。

市街地での銃撃戦で負傷したところを、サントゥルセ伯爵の未亡人とその令嬢アングスティアスに救護された。そこでも尚ホルヘの毒舌はとまらない。こんな平穏で甘ったるい人たちに囲まれるのはたまらん、俺は人情とかそんなものに接するような育ち方をしてきちゃいないんだ、早く従兄のアルバロに使いを遣って俺をここから救い出してくれるよう言ってくれ、それから俺はこのガリシア出身のお女中が時々飲ませる砂糖水が鬱陶しい……と、減らず口を叩いている。

しかしサンチェス医師が絶対安静を言いつけて帰っていったため、サントゥルセ邸でしばらく休養するはめとなった。この邸で過ごすうち、ホルヘは微笑みをもって人と接するようになっていく。japanesetea


※毒舌隊長というよりはツンデレ隊長
友人が、毒舌隊長=ホルヘ・デ・コルドバ(フェルナンド・フェルナン・ゴメス)の人物像などが往年の月9にありそうな設定だと言うので、「反町が演じるわけか」と聞き返しておいた。


siera maldita『呪われた山』

フアンの暮らす村では、近くの山の小さな村の女は石女であると長らく信じられてきた。フアンの村の住民はその山村から降りてくる女を忌むべきものと捉えている。

(※この設定がワケわかんなくて最初気が散った。
だって、「長年、女が不妊」って、じゃぁ、今現在その村にいる女はどうやって出現したんだよ。どうやって、じゃぁ、その山村は世代をつないで来たの? その上の世代の女が産んだからでしょうが。産めてんじゃん。なに? なんなの?

不妊とわかって嫁ぎ先から戻された女が山の上のその呪われた村に追いやられた、だからあの村の女はみんな石女だ、という設定なら理解できるけど、そんなんじゃなかった……よね?

なんだ? 何をガタガタ言ってんだ? そのクエスチョンマークが大きすぎて物語に集中できなかった。そもそもの迷信の設定が意味不明だ。迷信だからって道理を欠くにもほどがある。なんなんだ??? 私は何か根本的な説明を聞き逃していたのか? 最初のうち一瞬スコンと寝たのが敗因なのか? どなたかあの村の迷信について合理的な説明を私にください)


まあ、じゃぁ、とにかくそういう言い伝えにまだまだ支配された村が舞台でね。

石女の村の女クルスを愛してしまったフアンという青年は、家族・友人からの猛反対もものかは、結婚を決意する。

二人の結婚式はそれでも村の人々の祝福ムードの中とりおこなわれた。互いの村の若い男女が輪になってダンスをしている。エミリオという若者もその輪に加わって楽しく過ごしていたが、次の瞬間パーティーはぶち壊された。エミリオの母親が息子に不吉な女を近づけてくれるなと激怒して割って入ったからだった。

クルスとの新婚生活が始まったが、フアンは実家から理解も援助も得られるわけがなく、木炭製造の作業員の募集に応ずる。村を離れしばらくのあいだ山で厳しい労働にあたらなければならないが、まとまった金が手に入るのである。新妻クルスは、エミリオの母ら村の女たちから受けるいじめに耐えかね、山に向かうフアンについていくことにする。

フアンが妻を伴って山に行くと知って、かねてよりクルスに言い寄っていたルカスという粗暴な男も作業員に応募する。山地での緊張感漂う暮らしが始まった。皆が神経を尖らせているのは、その山にまつわる忌まわしい伝説の『黒い少女』のせいであろうか。japanesetea

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Monday, February 25, 2008

Jamón Jamón / ハモンハモン [スペイン映画]

jamonjamon" jamonjamon jamonjamon
出先でスペ科OBの友人(っていうか昔からの遊び仲間っていうか、上司っていうかなんていうか)と雑談。ハビエル・バルデム(のオスカーノミネートの件)はどうなったのかねなどという話から始まって……

私: 「ねぇ、『ハモン・ハモン』さぁ、ペネロペが16歳だったってこと以外に特に私がブログに書いておくこと、なんかあると思う?
彼: まぁ、スペインのあの辺の空気みたいのを描きたかったんじゃないの?ってさ。

私: あたし、あの監督好きじゃないから、どうもね。『ハモン・ハモン』はシンボリズムの多用が鬱陶しくて、ちょっと……。
彼: 牛の看板のあそこんところもぎとっちゃうとか、生ハムで殴りあうとかな。

私: そ。あれがもううるさい。「はい、はい┐(´д`)┌」って。

私: ペネロペが悪夢にうなされるシーンとかあんじゃん?
彼: ああ。

私: あれなんか、もう、なんていうか、ブニュエルをなぞりたかったと解釈してよろしいんですねってね。ほんとメンドクサイ。
彼: そうな。まぁ……あとはさ、スペイン人にはわかるけど俺たちにはわからないかもしれないアレゴリーをいっぱいアレしてんだろ。

私: なんだか、もうね……。やっぱりあたしはビガス・ルナ好きじゃないわけよ。……で、結局何書いとけばいい?
彼: だからアレゴリーだ、シンボリズムだって、その辺でも。

私: じゃそれいただきね。


などとしゃべったところで彼がふとニュースサイトを覗いてみたようで、「おー、獲ったぞ!」と言う。

「ん?」「ハビエル・バルデムが助演を獲った」「えーーー。よかったね!」「おう!」「えーーー、なんか嬉しいね」「よかったな」と喜び合ってしまった。

(※私にとって最初のスペイン映画DVD輸入鑑賞仲間というか先輩のbenitaさんがさぞかし喜んでおいでだろうと、それもなんだか想像されて、余分に嬉しかった)(Ummmm、これはめでたいことだと思う。おめでとう、ハビエル・バルデム)

というわけで、今日はハビエル・バルデムのオスカー受賞記念。書くのがおっくうでしばらく放置してあった『ハモン・ハモン』を。


(スペイン映画)
Jamón, jamón@IMDb
ハモンハモン@CinemaCafe
ハモンハモン デジタル・ニュー・マスター版@ぽすれん
ハモンハモン@goo
ハモンハモン@映画生活

(※レストランのJamon Jamonについては3年前にメモした


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Monday, February 18, 2008

Proyección de cine / 映画上映会 [スペイン映画]

セルバンテス文化センターでスペインクラシック映画上映会(無料)があったので行ってみた。3作品。英語字幕。

※ところどころ聞き逃したり見逃したり寝てたりしていて抜け落ちていますのであしからず。


cielo negro・『黒い空

エミリアは病弱な老母との二人暮らし。ブティックに勤めている。リカルド・フォルトゥンという男に一目惚れをした。リカルドからはしょっちゅう技術書類の翻訳を頼まれる。惚れた男のためと徹夜も厭わないエミリアの体を母親は心配している。

母親の世話に追われ家に篭もりがちの青春時代を過ごしたエミリアは、デートなど一度もしたことがない。リカルドが夜に二人で出かけようと誘ってきた。「話したいことがある」と。エミリアは天にも昇る心地でそれを受けるが、かねてから彼に秋波を送っていたマヌカンのローラがおもしろく思うわけがなかった。

リカルドに誘われた喜びを母親にも報告した。しかし、着ていこうと思っていたお気に入りの服に虫食いを発見し、落胆し泣き崩れる。「いつもの服なんかではあの人とのデートになど行けないわ」。着ていく服さえあればと思いつめたエミリアは、店の高価なドレスを持ち帰ってしまった。母には友人から借りたと嘘をついた。

盗んだドレスでリカルドと遊園地に出かけた。デートを楽しむ周囲の恋人達が目に入りエミリアは期待で胸を膨らませた。しかしリカルドが告げたかった話というのは、バレンシアに行くことになったという、転居の挨拶に毛の生えたようなものだった。

にわか雨が落ちてきて二人ははぐれてしまう。エミリアはずぶ濡れで帰宅した。

服を盗んだことはあっさりと店主にばれ、即刻クビになった。せめてリカルドの引っ越し先の住所だけでも知りたいと言うと、意外にもローラが教えてくれた。

エミリアは心をこめて恋文をしたためる。愛情溢れる返事が届きエミリアは幸福をかみしめ将来への期待を募らせるが、それはなんとローラの仕組んだ残酷な罠だった。japanesetea


la calle sin sol『日の当たらない町』

絶望的な出来事に遭ってフランスの港町をさまよう男が一人、出港間際の船に忍び込んだ。船倉で可愛らしい犬と出会い、食べ物を分けあって共に過ごす。ほどなく密航者として発見された彼は厨房で働くことを命じられる。

陸が見えてきたとき彼は海に飛び込んで密かに上陸を果たした。ふと振り返ればあの犬もまた懸命に泳いでついてきていた。そこはバルセロナであった。一人と一匹はあてもなくバリオ・チノをふらつく。

移民者の多く棲み付くその地区はいかがわしさと活気に満ちていた。男はひげそりの街頭実演販売のマノロにつかまり、なりゆきで髯を剃られた。

ふらりと入った酒場では宿も提供しているらしい。ピラールという美しい娘が働いていた。男はマウリシオと名乗り、身振り手振りと見事な絵で説明を始める。はめていた指輪を差し出し、それを売って得られるお金が続くだけその宿に泊めてもらうことを、宿の主人であるピラールの伯父バシリオにも認めてもらった。

入り組んだバリオ・チノの細い路地には一日のうち限られた時間しか陽が差さない。ピラールをはじめ界隈の貧しい者たちは、その日を浴びることを楽しみにしていた。

警官が監視の目を緩めないこの地域で密航者を宿泊させるリスクは決して小さくはなかったが、ピラールたちはマウリシオを受け入れた。彼はピラールが貸してくれた仏西会話ブックでスペイン語を勉強する。

ピラールはマウリシオと接するうちに身の上も語るようになっていた。自分は昔からこの地域に住んでいるわけではないこと、かつては商家の娘で、ピアノも習わせてもらったこと。「ソルフェージュだけだけれど」。内戦で全てを失い、伯父のところに身を寄せたのだと。

日限が迫る頃にはピラールはマウリシオに対して同情以上の気持ちを抱くようになっており、自分の蓄えた小金を渡してまで居続けてもらおうとするのだが、マウリシオは宿を出て行った。仕事を見つけお金の当てができたら必ず戻ると言い残して。

五日経ち十日経っても戻らないマウリシオを思い悲しみに暮れるピラールを見て、かねてからピラールに恋慕する絵描き職人のホセもまた胸を焦がすのであった。

ちょうどその頃、町を揺るがすような凶悪事件が起こる。女性が殺され金を盗まれたのだそうだ。

そこへマウリシオが見違えるほどに立派になって戻ってきた。ピラールはたいそう喜んだが、羽振りの良いマウリシオの様子を訝しく思う者もいた。

(※ところどころ寝ちゃったのだけど、まぁ、たしかこんな感じでしたよ)japanesetea


mi adorado juan『私のいとしいフアン』

(※コメディだな。これは唯一笑ったけれども、一番覚えていない。音が全く悪かったせいだろうか。声はボンッボンッという音としてしか聞こえないような感じで、ヒアリングとかそういう次元じゃなかった。英語字幕頼み)

犬を連れて歩いているうち、気がつくとリードが切られて犬が持ち去られていたという奇妙な事件がこのところ相次いでいる。被害者の周辺では上品ないでたちの若い女性を乗せた運転手つきの高級車が多く目撃されていた。

港の小料理屋のペドロのところでも犬を盗まれた。店に集う仲間達はフアンに真相を探ってもらおうと思いつく。フアンとはこの界隈に独りで暮らす気のいい男で、誰に対しても善を行うその性格が広く知られている。フアンは他者に惜しみなく親切にするばかりで、見返りなど全く期待していないようである。「友人とは居てくれるだけでありがたいものではありませんか」というのがどうやらフアンの信条であるようだ。

フアンはすぐに犬探しに乗り出す。

フアンが見当をつけて訪問したのはパラシオス博士の邸宅である。応対に出てきた娘エロイーサこそが、あの高級車に乗った謎の女であった。エロイーサはフアンをつまみだすようにと使用人に命ずるが、使用人はフアンとは旧知のようで、実に嬉しげに男同士の熱い抱擁をしている始末。

フアンは屋敷内で犬を見つけ出す。ぱっと扉を開けるとそこには町からさらわれた大量の犬が……

……くつろいでいた。パラシオス博士は若く野心家のマンリケス博士と組んで「睡眠をとらなくてもいい方法」の研究に長年取り組んできており、エロイーサはその実験のために犬を集めていたのだった。

犬を連れて邸を出ようとするフアンにエロイーサは冷たい態度を崩さなかったが、後日電話で話をするうちに二人は恋に落ち、結婚を決める。しかしフアンからエロイーサに提示された結婚の条件というものがあった。「僕の生き方を決して変えさせないこと」。japanesetea


auditorioオーディトリウム

写真撮ってよかったのか、ちょっとわからない。ダメだったのかも???

auditorio椅子

bibliotecaフェデリコ・ガルシア・ロルカ図書館プレオープン

世界のインスティトゥト・セルバンテス支部各図書館には、セルバンテス文学賞受賞者や文化界における著名人の名前が付けられています

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Saturday, February 16, 2008

Volver / ボルベール 帰郷 [スペイン映画]

volverライムンダはマドリードで夫と娘パウラと暮らす。パウラと姉ソーレと連れ立ってたびたび故郷ラ・マンチャを訪れる。数年前に火事で亡くなった両親の墓参りをするためである。

「お母さんは幸運だったわ」とライムンダは言う。母イレーネは最愛の夫の腕に抱かれた格好で焼け跡から発見されたからである。

ライムンダたちが故郷を訪れるのは他にも理由があった。老いて歩くのもままならないのにホーム入りを拒み独り暮らしを続けている伯母を見舞うのだ。伯母の家の正面に住む友人アグスティナが欠かさず様子を見てくれているのが心強くもあるが、ソーレやパウラの顔を見忘れるなど伯母の認知障害は進行しているようで、ライムンダは気が気でない。

帰宅すると夫は酒をあおっていた。仕事を首になったという。ライムンダは幾つも仕事を掛け持ってしゃかりきに働いて家計を支えるのであった。

ある夜台所で夫が殺されていた。私が刺し殺したと泣きじゃくる娘を抱きしめるライムンダもまた泣いていた。ちょうどそこへ今度は伯母が亡くなったという電話が入る。

葬儀に駆けつけたソーレはアグスティナや近所の人々から妙な噂を聞く。伯母の家で亡き母イレーネの姿を見た人間がいるらしいのだ。

そしてソーレ自身もたいへんなものをマドリードに連れ帰ってしまったのであった。

(スペイン映画)
Volverスペイン公式
ボルベール日本公式
Volver@IMDb
・英題: To Return

ボルベール 帰郷@映画生活
ボルベール 帰郷 @象のロケット
ボルベール 帰郷@CinemaCafe
ボルベール 帰郷@ぽすれん
ボルベール 帰郷@goo
ボルベール 帰郷@ウーマンエキサイト

監督・脚本: Pedro Almodóvar ペドロ・アルモドバル
出演:
Penélope Cruz ペネロペ・クルス ... Raimunda ライムンダ
Carmen Maura カルメン・マウラ ... Irene イレーネ(母)
Lola Dueñas ローラ・ドゥエニャス ... Sole ソーレ (姉; Soledad ソレダー)
Yohana Cobo ジョアナ・コボ ... Paula パウラ(娘)
Chus Lampreave シュス・ランプレアベ ... Tía Paula 伯母パウラ
Blanca Portillo ブランカ・ポルティージョ ... Agustina アグスティーナ
Antonio de la Torre アントニオ・デ・ラ・トーレ ... Paco パコ(夫)
Carlos Blanco カルロス・ブランコ ... Emilio エミリオ(レストラン主)
María Isabel Díaz マリア・イサベル・ディアス ... Regina レヒーナ

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Wednesday, February 13, 2008

Plácido [スペイン映画]

placidoスペイン語がわかる人には是非観てもらいたい作品。ただ、今日ここでかなり解説してしまうので、読んでしまう前に観ておいてください。……と言ってもスペインから通販で買うほかないんだけどね。

話の骨組はいたって簡素だけど、やたらたくさん肉付けされてそれが絡み合って展開(=場面の切り替え)はかなり複雑。そこへもってきてこのDVDには字幕が無いので、わからなくなちゃうかもしれない。だからここで解説してしまいます。僭越ながら。


あらすじ
配送などを請け負っているプラシドの生活は決して楽ではない。妻が街角のトイレ番(※後述)をしてわずかに稼いで生計の足しにしている。仕事で使っているオート三輪も分割払いで手に入れたのだ。

町では、エンカルナさんという裕福なご婦人が代表となって、クリスマスに「あなたのお宅で貧しい人と夕食を」というスローガンを掲げた貧民救済イベントを催す。


プラシドはそのイベントのPRをごてごてと貼り付けたオート三輪に実行委員会側の一人キンタニージャさんを乗せ、町中を走り回っている。助手席のキンタニージャさんは宣伝文句をスピーカーでがなりたてている。

「貧しい方も裕福な方も、皆さんぜひご賛同ください。慈しみの心に境界はありません。町をあげて『貧しい人と夕食を』キャンペーンに参加しようではありませんか。たった一晩でもいい、みなが同志となって、一晩でいい、冷たい心を優しく変えて、たった一晩、貧しい方々と夕食を分かち合い……」


首都マドリードから招いてあった芸能人や報道陣が駅に到着するのを迎えに行き、更にパレードにもずっとオート三輪で同行するようにキンタニージャさんらから言われたが、肝心のそのオート三輪の割賦の支払期限は今日の夕刻なのだ。

日没までに支払わなければ車を差し押さえられてしまう、とプラシドは焦る。

実行委員会のお偉方などにすがりついて頼み込み、どうにか支払ってもらったギャラを息子に託し銀行に届けさせたが、もう少しのところで間に合わなかった。既に手形は銀行から公証人事務所に移されてしまっていた。

公証人事務所に赴いて申し立てれば差し押さえは回避できるので、プラシドは一刻も早く駆けつけたい。しかし、イベントの進行やら恋人とのトラブルで頭がいっぱいのキンタニージャさんはまるで耳を貸さず、「後で行ったって大丈夫だから」「クリスマスに差し押さえを執行する人なんていないから大丈夫だよ、君ぃ」などと適当な返事をするだけ。


そんな中、公会堂ではイベントが始まる。
都会からやってきた芸能人が壇上に並んでいる(芸能人と言っても、映画出演の最新作とデビュー作が同じだったりする、三流の賑やかしタレントばかりだが)。「The ゲーノー人オークション!!!」が始まるのだ。会場に詰め掛けた金持ち連中が、そのタレントたちと自宅で夕食を共にできる権利を競り落とすという趣向である。

そして、オークションも終わり公開イベントは終了。
会場の片隅には、施設から連れてこられた身寄りのない老人が並ばされている。下の階には町で集められたホームレスの人々が同じように待機している。お金持ち連中が、それぞれくじ引きで当たった「ビンボーさん」を連れて帰ることになっているのだ。

可哀相なビンボーなあなた、我が家で温かい夕飯をご一緒にいかが? 


なんというチャリティー精神!


さて、プラシドの手形の支払い期限は日没であった。日はとっぷりと暮れたというのにいっこうに解決しない。キンタニージャさんをはじめとして金持ちの皆さんが、ビンボーさんへの手厚いおもてなしに躍起で、プラシドの窮状など一顧だにしないから。

(コメント欄へつづく)

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆


placido(スペイン映画)
Plácido@IMDb

・先日の『El Pisito』に続き、がんばれラファエル・アスコナということで。ブラック・ユーモア炸裂。いやー、すげー。痛烈。

同情させて、ハラハラさせて、イライラさせて、それでも随所で笑わせて、やっぱりホッとさせて、悲喜こもごもをさんざん味わわせて、「人間って捨てたもんじゃないよね」なんてついうっかり思わせた挙句………


……ラストシーンでかぶさってくる歌が我々の現実を照らすのです。


監督: Luis García Berlanga ルイス・ガルシア・ベルランガ
原案: Rafael Azcona ラファエル・アスコーナ Luis García Berlanga
脚本: Rafael Azcona  José Luis Colina ホセ・ルイス・コリーナ  José Luis Font ホセ・ルイス・フォント Luis García Berlanga

出演:
Cassen カッセン ... Plácido Alonso プラシド・アロンソ
Elvira Quintillá エルビラ・キンティジャー ... Emilia エミリア (プラシドの妻)
Manuel Alexandre マヌエル・アレクサンドレ ... Julián Alonso フリアン・アロンソ (プラシドの兄)

José Luis López Vázquez ホセ・ルイス・ロペス・バスケス ... Gabino Quintanilla ガビーノ・キンタニージャ
Amelia de la Torre アメリア・デ・ラ・トーレ ... Doña Encarna de Galán ドーニャ・エンカルナ (イベント実行委員会代表)
Mari Carmen Yepes マリ・カルメン・イェペス ... Martita マルティータ (キンタニージャのカノジョ; ドーニャ・エンカルナの娘; たぶんそのコネで今回のイベントのクィーンのポストを得た)

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Monday, February 11, 2008

El Pisito [スペイン映画]

pisitoEl Cochecito』のDVDで「こちらもお勧め」と紹介されていたのが『El Pisito』。

かなり私が好きそうな作品と思えたので、楽しみはとっておこうと思っていたのだが、脚本のラファエル・アスコーナが肺癌と闘っているという記事を目にしたので、頑張れラファエル・アスコーナということで、急遽今日観ちゃうことにした。


Biblioteca Virtual Miguel de Cervantesで見かけたファイル和訳:
『El Pisito』はバルセロナで実際に起きた出来事が基になっている。
35歳男性が80歳くらいの女性と婚姻をした事例である。この結婚は、女性が死んだあとで彼女の住まいであったマンションを男性が手にすることのみを目的としたものであった。この一件は50年代スペインの住宅問題を簡潔かつ非情に描き出した。ラファエル・アスコーナはこれにヒントを得て小説を書き、またマルコ・フェレーリ監督の作品の脚本とした。

映画では舞台は50年代のマドリードである。
主人公ロドルフォは安月給に喘ぐサラリーマンで、夢も野心も持とうにも持ちようがない状況にある、どこにでもいる若者。老女(マルティナ)が借りているマンションの一室を又借りしている。彼の収入ではマンションなどとても手が届かないのだ。マンションさえあれば恋人ペトリータとも結婚できるというのに。彼女との交際は15年になんなんとする。身寄りの無いマルティナは、自分の賃借権をそのままロドルフォに遺そうと考えている。

しかし法的にはそれが許されないので、老女と転借人は、恋人の承認の上で結婚という最終手段に出ることにした。マルティナが死んだ時には賃借権はロドルフォに移り、その後でペトリータと結婚すればよいのだ。

マルティナが死んでしまわないうちにと、大急ぎで婚姻を済ませた。しかし、誰かの妻であり男に守られる身となったという自意識がマルティナに喜びを与えたか、彼女は生への欲求を新たにしてしまうのだった。普通の生活が送れるくらいに体調も回復して、そこから実に2年も長生きする。その間、この‘夫婦’と‘夫の恋人’は他に類を見ない暮らしを共有することとなる。


pisito■DVDの箱にあったあらすじ和訳:
「あなた、マンションがお望みですか?――― 『El Pisito』 ――― 住宅不足問題に解決をもたらす映画」

家庭を築きたくても住まいを見つけられないがために結婚できずにいる貧しい若者は五万といるが、ロドルフォとペトリータもそんな一組のカップルである。二人は、ロドルフォに一室を転貸してくれている85歳の病弱な老女ドーニャ・マルティナが亡くなるのを待ち続けてかれこれ12年である。ドーニャ・マルティナは家財道具とマンションをロドルフォに遺すと約束してくれていたのだ。

しかしロドルフォとペトリータにとって不運なことに、訴訟代理人がある法律を知らせてきた。賃借人が死んだ場合、部屋の権利は不動産の所有者に渡るというものだ。

マドリードのマンション事情は、近郊も含めてきわめて厳しい。入居者募集中のマンションは分譲であるか、あるいは賃料が恐ろしく高い。落胆するペトリータであったが、最初はほんの冗談のつもりであったある提案をする。

「ロドルフォがドーニャ・マルティナと結婚すれば?」



・(スペイン映画)
・直訳: 『小さなマンション』
El Pisito@IMDb

監督: Marco Ferreri マルコ・フェレーリ  Isidoro M. Ferry イシドロ・M・フェリー
原作: Rafael Azcona ラファエル・アスコナ
脚本: Rafael Azcon  Marco Ferreri

出演:
José Luis López Vázquez ホセ・ルイス・ロペス・バスケス ... Rodolfo ロドルフォ
Mary Carrillo マリ・カリージョ ... Petrita ペトリータ
Concha López Silva コンチャ・ロペス・シウバ ... Doña Martina ドーニャ・マルティナ
José Cordero 'El Bombonero' ホセ・コルデロ ... Dimas ディマス (うおのめ治療師; ロドルフォとおなじくマルティナからの転借人)
Celia Conde セリア・コンデ ... Mery メリー (転借人)
Ángel Álvarez アンヘル・アルバレス ... Sáenz サエンツ (ロドルフォの同僚)
Gregorio Saugar グレゴリオ・サウガル ... Don Manuel ドン・マヌエル (ロドルフォの上司)
Chus Lampreave チュス・ランプレアベ ... Secretary (ロドルフォの会社の秘書)


※昨年12月に知り合いのおぢさんがスペインに帰るときに「買って来て」と何の気なしに言ったところホントに買って来てくれた。FNACで14.95ユーロ。

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Monday, February 04, 2008

Premios Goya 2008: palmareses / 第22回ゴヤ賞発表

2008年ゴヤ賞(=スペインのアカデミー賞といわれている映画賞)の発表。crownが受賞作・受賞者。 

(ノミネートについては12月17日に書きました。ジャケット写真はあちらに載せてあります)
(公式サイトは「たぶん」)
(数字はわたし用メモ)


crown 栄誉賞(Goya de Honor) 
Alfredo Landa (昨3月に引退を発表した俳優)


clip 作品賞(Mejor película)
・El Orfanato ⇒ 2008年10月9日 観ました

crown La soledad2008年12月30日 観ました

Las 13 rosas@IMDb 6.7
Las 13 rosas公式

Siete mesas de billar francés@IMDb 7.0
Siete mesas de billar francés公式


clip 監督賞(Mejor dirección)
Icíar Bollaín 『Mataharis』 ⇒ 2008年10月11日 観ました
Emilio Martínez Lázaro 『Las 13 rosas』
Gracia Querejeta 『Siete mesas de billar francés』
crown Jaime Rosales 『La soledad』


clip 新人監督賞(Mejor dirección novel)
crown Juan Antonio Ballona 『El orfanato』
Tom Fernández 『La torre de Suso』
   →・La Torre de Suso@IMDb 6.7
   →La Torre de Suso公式
David Ulloa, Tristán Ulloa 『Pudor』
   →・Pudor@IMDb 6.3
   →Pudor公式
Félix Viscarret 『Bajo las estrellas』
   →・Bajo las estrellas@IMDb 6.1
   →Bajo las estrellas公式


clip 主演女優賞(Mejor actriz)
Blanca Portillo 『Siete mesas de billar francés』
Belén Rueda 『El orfanato』
Emma Suárez 『Bajo las estrellas』
crown Maribel Verdú 『Siete mesas de billar francés』


clip 主演男優賞(Mejor actor)
Alfredo Landa 『Luz de domingo』
   →・Luz de domingo@IMDb 6.6
   →Luz de domingo公式
Álvaro de Luna 『El prado de las estrellas』
   →・El prado de las estrellas@IMDb
   →El prado de las estrellas公式、まだ見つけてない
crown Alberto San Juan 『Bajo las estrellas』
Tristán Ulloa 『Mataharis』


clip 助演女優賞(Mejor actriz de reparto)
crown Amparo Baró 『Siete mesas de billar francés』
Geraldine Chaplin 『El orfanato』
Nuria González 『Mataharis』
María Vázquez 『Mataharis』


clip 助演男優賞(Mejor actor de reparto)
Raúl Arévalo 『Siete mesas de billar francés』
crown José Manuel Cervino 『Las 13 rosas』
Emilio Gutiérrez Caba 『La torre de Suso』
Carlos Larrañaga 『Luz de domingo』
Julián Villagrán 『Bajo las estrellas』


clip 新人女優賞(Mejor actriz revelación)
Gala Évora Lola, la película
   →・Lola, la película@IMDb 5.8
   →Lola, la película公式 (音注意)
Bárbara Goenaga 『Oviedo Express』
   →・Oviedo Express@IMDb 5.7
   →Oviedo Express公式
Nadia de Santiago 『Las 13 rosas』
crown Manuela Velasco 『Rec』2008年11月30日 観ました


clip 新人男優賞(Mejor actor revelación)
Óscar Abad 『El prado de las estrellas』
Gonzalo de Castro 『La torre de Suso』
Roger Príncep 『El orfanato』
crown José Luis Torrijo 『La soledad』


clip 脚本賞(Mejor guión original)
crown Sergio Gutiérrez Sánchez 『El orfanato』
Ignacio Martínez de Pisón 『Las 13 rosas』
Icíar Bollaín, Tatiana Rodríguez 『Mataharis』
Gonzalo Suárez 『Oviedo Express』
Gracia Querejeta, David Planell 『Siete mesas de billar francés』


clip 脚色賞(Mejor guión adaptado)
crown Félix Viscarret 『Bajo las estrellas』
Ventura Pons 『Barcelona, un mapa』
   →・Barcelona, un mapa@IMDb 5.1
   Barcelona, un mapa公式、まだ見つけてない
Imanol Uribe 『La carta esférica』
   →・La carta esférica@IMDb 5.6
   →La carta esférica公式、まだ見つけてない
Laura Santullo 『La zona』
   ⇒ 2008年11月3日 観ました
Tristán Ulloa 『Pudor』


clip スペイン語外国映画賞(Mejor película extranjera de habla hispana)
『La edad de la peseta』 Pavel Giroud  Cuba
   →・La edad de la peseta@IMDb 8.2
   →La edad de la peseta公式
『Mariposa negra』 Francisco José Lombardi  Perú
   →・Mariposa negra@IMDb 7.5
   →Mariposa negra公式、まだ見つけてない
『Padre nuestro』 Christopher Zalla   Estados Unidos
   →・Padre nuestro@IMDb 5.8
   →Padre nuestro公式  
crown 『XXY』 Lucía Puenzo  Argentina
   →・XXY@IMDb 7.5
   →XXY公式


clip ドキュメンタリー賞(Mejor película documental)
『El productor』
   →・El productor@IMDb 8.7
『Fados』
   ⇒ 2008年9月12日 観ました
crown 『Invisibles』
   →・Invisibles@IMDb 6.4
『Lucio』
   →・Lucio@IMDb


clip アニメーション賞(Mejor película de animación)
『Azur y Asmar』 Michel Ocelot
   →・Azur y Asmar@IMDb 7.5
   →Azur y Asmar公式
『Betizu eta urrezko zintzarria』 Egoitz Rodríguez
『En busca de la piedra mágica』
   →・Back to Gaya@IMDb 5.5
   →Back to Gaya公式(ドイツ語)
crown 『Nocturna』 Adrià Garcia
   →・Nocturna@IMDb 7.0
   →Nocturna公式


とりあえずこれくらいで。ちょっと現時点(2008年2月4日朝8:30)では未確認情報も多いので、おいおい直すことがあるかも。

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