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Wednesday, December 19, 2007

Matando Cabos / カクタス・ジャック [メキシコ映画]

cabos原題は『Matando Cabos』。「カボス、殺す」といったところ。カボスさんという人を殺す殺さないのお話なのですねと思うわけだが、ここでスペイン語学習者は、なんかどこかで聞いたことのあるフレーズだなと思うでしょ。

atar cabos: fr. Reunir o tener en cuenta datos, premisas o antecedentes para sacar una consecuencia. 資料を集める,(結論を引き出すために)色々な情報を突き合わせる,あれこれ考え合わせる,結論を引き出す.

そのようなダジャレ的なタイトルなのです。


まずは登場人物を説明します。
1) Oscar Cabos オスカル・カボス (Pedro Armendáriz Jr. ペドロ・アルメンダリス・ジュニア)
鉄鋼王。この街のドン。各界に顔が利く。いや、利くどころの話ではない。カボスの機嫌を損ねでもしたら半殺しの目に遭わされるのは誰もが知るところで、政界も財界もカボスの前では追従笑いに余念が無い。

2) Paulina Cabos パウリーナ・カボス (Ana Claudia Talancón アナ・クラウディア・タランコン)
オスカル・カボスの美しい娘。

3) Javier "Jaque" ハケ (Tony Dalton トニー・ダルトン)
カボスの会社に勤める青年。カボスの娘パウリーナとつきあっている。先日パウリーナの部屋でセックスしているところをカボスに見つかり、部屋を出て行くよう「とても優しく(カボス談)」命じられた。

4) Mudo ムド (Kristoff Raczyñski クリストフ)
ハケの親友。

5) Nacho ナチョ (Pedro Altamirano ペドロ・アルタミラノ)
カボスの幼馴染。ほんの子供だった時から血の誓いを交わし、カボスが町を出て行く際にも涙ながらに送り出した。やがて故郷に錦を飾ったカボスを心から迎え、自分のビジネスプランを伝えようと彼のオフィスを訪れたところカボスは洟も引っ掛けず、あろうことかナチョをオフィスの清掃人として雇用したのだった。

6) Botcha ボッチャ (Raúl Méndez ラウル・メンデス)
ナチョの息子。自分たち家族を養うために20年ものあいだ暴君カボスに虚仮にされ顎で使われ続けた父親を尊敬している。カボスへの‘恨み骨髄に徹’し、ついにカボス襲撃・拉致・誘拐を企てた。

7) Nico ニコ (Gustavo Sánchez Parra グスタボ・サンチェス・パラ)
ボッチャがこのたびの犯行のために雇ったチンピラ。この手の仕事は何度も請けてきた。

8) Lula ルラ (Rocío Verdejo ロシオ・ベルデホ)
ボッチャの女。ボッチャの計画に乗り、自分のアパートをこの犯行の拠点として差し出している。

9) Ruben "Mascarita" ルベン/マスカリータ (Joaquín Cosio ホアキン・コシオ)
伝説の覆面プロレスラー、マスカリータ。素顔を明かさぬまま引退、その消息はマスコミの把握するところではない。「マスカリータ」という過去のリングネームで呼ばれるとぶちきれてしまう。

10) Tony 'El Canibal' 人喰いトニー (Silverio Palacios シルベリオ・パラシオス)
ルベン(=マスカリータ)のボディーガード。無口で小柄。


cabos息抜きに観るのにちょうどよい。

この作品は『ナイン・シガレッツ』と共に名前があがることが多いよね。観てみるとたしかに印象が似てる。取り違えがきっかけとなり、間の悪い出来事が連なって、みんなが危難に近づいていく展開とか。命の描かれ方の軽さとか。

途中で「ふんっ」って鼻で笑えちゃう回数はこちらの方が少し多かったかも。こっちのほうが性描写・暴力描写ともにどぎつい。あと、どっちがより実況向きかといったらこっちだな。(←なにその2ch目線)

(メキシコ映画)
監督: Alejandro Lozano アレハンドロ・ロサーノ

脚本: Tony Dalton トニー・ダルトン  Kristoff クリストフ  Alejandro Lozano
Matando Cabos@IMDb
カクタスジャック 日本公式
カクタス・ジャック@goo
カクタス・ジャック@映画生活
@CinemaCafe
カクタス・ジャック@ぽすれん
カクタス・ジャック@ウーマンエキサイト
カクタス・ジャック@シネマトゥデイ

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Comments

語句メモ
・vieja: 12. f. coloq. Méx. Mujer en general, incluso joven.

・mero: México Casi. A punto de. Justo; justito.

・checar:
→ chequear: 1. tr. Examinar, controlar, cotejar.

・mamón, -na: adj./s. vulg. Referido a una persona, que es considerada despreciable o aprovechada.
(USO: Se usa como insulto.)

・trusa: 2. f. Arg., Méx., Perú y Ur. braga (= prendanterior).

・cachar: 4. tr. coloq. Am. Mer., Cuba, El Salv., Hond. y Méx. Sorprender a alguien, descubrirlo.

・dar con: 落とす,倒す intr. Ir, o hacer ir, a parar, o caer, o hacer caer, algo o a alguien en alguna parte.
例) Di CON él EN tierra.
例) Dieron CON don Quijote EN la cama.

・encuerar: tr. And., Ext. y Am. Desnudar, dejar en cueros a alguien. U. t. c. prnl.

・déspota: 3. com. Persona que trata con dureza a sus subordinados y abusa de su poder o autoridad.

・tambo: 5. m. Méx. prisión (= cárcel)

・coger: 31. intr. vulg. Am. Realizar el acto sexual.

・cajuela: 2. f. Méx. Maletero del automóvil.

・obtuso, sa: 2. adj. torpe (??tardo en comprender).

・claxon.(Del ingl. klaxon, marca reg.): m. Esp. Bocina eléctrica.

・「Me vale madres.」
→ valer madres: México No importar un pito.

・cuadrilátero, ra: 2. m. Espacio limitado por cuerdas y con suelo de lona donde tienen lugar combates de boxeo y de otros tipos de lucha. リング

・cantina:
1. f. Puesto público en que se venden bebidas y algunos comestibles.
5. f. Am. Mer., C. Rica, Méx. y Nic. taberna.

・coqueto, ta: 3. adj. Dicho de una cosa: Pulcra, cuidada, graciosa.
例) Casa coqueta.
例) Jardín, salón coqueto.

・chacho, cha: 4. f. coloq. sirvienta.

・fulana: f. prostituta.

・putiza:
→ madriza: México Paliza, golpiza.

・cuate, ta: 1. adj. Guat., Hond. y Méx. Camarada, amigo íntimo. U. t. c. s.

バレットパーキング

・パーティー会場で流れてるインストゥルメンタルはやっぱりというかなんというか『Aquarela do Brasil

・chingadera: 3. f. malson. Méx. cosa (= objeto).

・jefe, a: México Padre; madre.

・manos limpias: f. pl. coloq. Integridad y pureza con que se ejerce o administra un cargo.

スペインのスペイン語派の私には語彙は面白いし、音もたいへん聞き取りやすくていい。

Posted by: Reine | Wednesday, December 19, 2007 21:40

1) 「llevar + 現在分詞」はけっこう出てきた

・El cocinero llevaba dos días en México.
・Llevaba todo el día jugando golf.
・Llevo un mes chacándolo.


2) 「cocinero chino 中国人の料理人」の話が出た。なにじんなんだろうと気になった。IMDbには役者はSamuel Looとあった。中国系移民なのでしょうか。でもその人物は「熱い、熱いっ、熱いっっ」と日本語で叫んでるように聞こえたんだけどな。何だったんだろう。


3) 乱暴な追い越し運転をしていった車に腹を立て、「¿Viste eso? 今の見た?」と言うシーン。

アメリカのスペイン語では現在完了は使わないというのはこれまでにも何度か書いてきたけど、その‘圏’はメキシコも含まれてるの? このシチュエーションでスペイン人なら「¿Has visto?」で言うと思うんだよね(※ネイティブチェック無し)。


4) カボス邸の年老いた使用人テレが電話に出るシーンはお手本にしましょう。

相手: Con la señora, por favor. 奥様をお願いします
テレ: ¿De parte de quién? どちら様?

相手: Pásame a la señora Gabriela Cabos. ガブリエラ・カボスさんに繋いでください

テレ: Sí, pero le tengo que decir de parte de quién. えぇ、ですから、どちら様かをお伝えしないといけないんですよ

相手: De parte de su esposo. ご主人からです
テレ: Un momentito, por favor. 少々お待ちください

Posted by: Reine | Wednesday, December 19, 2007 21:56

5) ハケが中国という国名に定冠詞をつけて「La China」と言うのでムドがつっこむ。

ムド: ねぇ、お前なんでLa Chinaって言うわけ?
ハケ: だってそうじゃん。
ムド: ぜーーってぇ違うね。聞いたことねーよ。
ハケ: お前がつるんでる連中はモノを知らないからな。
ムド: 俺はお前とつるんでるんだろうが。

中級スペイン文法』の「冠詞」の章に説明がありますから。

>大陸・国・地方・州・都市の名前は,ふつう無冠詞である.……略……

>定冠詞をつけてもつけなくてもよい国名がある.ただし現在では定冠詞をつけないのがふつうである.

(la) Argentina
(la) India
(el) Ecuador
(el) Japón
(los) Estados Unidos
(el) Perú   ……略……

アカデミアによれば、「ケースによるけど、昨今はつけない傾向」だそうで。

ちょっと検索して見かけた このようなページを斜めにザクッと読むと、「フランス語の影響が色濃かった時代にはよく定冠詞をつけたものだが、今ではつけなくなってきてる」とかなんとかいう引用がある。(引用の元はというと、García Yebraの『Teoria y practica de la traduccion/ Theory and Practice of Translation』という本らしい)(※この版かどうかは知らん)

つまり、どっちかと言えば、ムドのツッコミのほうが現代的には正しいのでしょう。

Posted by: Reine | Wednesday, December 19, 2007 21:59

私はたいそう堅物ですからね。風紀委員的なことを言いますと、この映画は到底好きになれない面はあるにはあったよ。

以下が観てる途中で打っていたメモ:
「もーーー、早く助けてあげてーーーー」と思う。可哀相。やめてーーーーー。可哀相ーーーーー。こういう無駄な暴力シーンは好きじゃない。この男たちにとっても全然必要ない暴力だし、映画にとってもここまでは不要。ここまでやってたら普通死ぬ。

人違いだったとどうやって知るのかっていうのは一番の楽しみと言ってもいいようなシーンだろうに、いくらでも別の持って行き方があったはずなのに過剰な暴力によるストーリー展開ってのはおもしろくない。そういうの好きじゃない。どれだけ映画が面白くても、嫌いなシーンは嫌いなシーン。もうちょっと練れば、もうちょっと粋で鯔背なバレ方ってものがあったでしょうに。

Posted by: Reine | Wednesday, December 19, 2007 22:03

最後の最後、クレジットタイトルも終わった頃に、ある人に会えるよ。

Posted by: Reine | Wednesday, December 19, 2007 22:05

>最後の最後、クレジットタイトルも終わった頃に、ある人に会えるよ。
あれ? 誰に会えたんだっけ・・・覚えていない(汗)
もう一度見直しながら、電話の基本会話「XXさんをお願いします」「どちら様ですか?」の勉強をしようかな?

映画全体では「ナインシガレッツ」の方が見やすく分かりやすいけれど、キャラ的には断然「カクタス・ジャック」の方が哀生龍は面白くて楽しかったです!
スペイン俳優でリメイクしたらと、余計な妄想までしてしまいました(笑)

Posted by: 哀生龍 | Thursday, December 20, 2007 06:11

哀生龍さん
私は日ごろはクレジットタイトルが始まった頃にはDVDを停止しちゃうのです、実を言うと。(いかんですなー) ですが、『ナイン・シガレッツ』と『カクタス・ジャック』などは何故か最後まで観てました。いや、‘何故か’ではないな、理由はあったんだな。

私がたまたま最後まで観ていた理由は、サントラですね。いまわかった。サントラを確認しようと思って画面を凝視していたから、この二作は最後の最後まで観ていたのですね。

と考えるとこの二作はサントラが面白いと私が感じていたということになりますね。


>スペイン俳優でリメイクしたら

私は鑑賞中にいちいち「誰それに似てる」などとメモするくせがあります(※最初のうち誰が誰だか顔が判別できないから)。この作品の場合は…

・オスカル・カボス: 平幹二郎
・ナチョ: 中尾彬
・ボッチャ: 元木?(野球の)、いや、ヒロミGO?
・ルベン=マスカリータ: ピエール瀧
・トニー: 池乃めだか風

・ハケ: 骸骨

Posted by: Reine | Thursday, December 20, 2007 08:50

TBが上手く行かなかったので、URLに記事のURLを入れさせて頂きました。
もし、コメント&TBがダブってしまったら、ゴメンナサイ。

>「誰それに似てる」
日本人に当てはめているとは、驚きました!
でも、雰囲気が伝わりますね(笑)
あの・・・『骸骨』って言うのは??
俳優さんの名前ですか? それとも、理科室の骨格見本??

Posted by: 哀生龍 | Thursday, December 20, 2007 12:48

哀生龍さん
そちら(seesaa)からこちら(cocolog)へは以前にもTBがうまくいかなかったのですよね。相性が悪いのですね、お手数おかけします。すみません。

骸骨は骸骨です。骨。ハケ、骸骨っぽかったでしょ? しゃれこうべっぽい顔してましたよね。私としてはムドの顔の方が好きでした。

Posted by: Reine | Thursday, December 20, 2007 20:14

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