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Tuesday, November 20, 2007

My MEMO: SOA

左肩・左腕の具合もよくなってきたから今週末は映画感想文にかかろうかと思ってる。連休だし。途中まで観てある作品がゴロゴロしてていいかげん終わらせたいので。

一つ、南米のね、ロマンティックなラブストーリーっぽい作品ね、それ最初の五分の一くらいまで観てあるんだけどもね。つまり全く、あれなんだよ、愛の物語っぽいわけよ? 美しいお話なんじゃないかと、とてもワクワクしてるわけです。政体にまつわる直接的な描写なんて五分の一までで全然出てきてないし、この後もきっと出てこないだろうと思われるし。でもやっぱりさ、時代背景にちょっと思いを馳せようもんなら、途端にやっぱり独裁政権がどうだこうだ、圧制がどうで検閲がこうで…といった事柄を調べないといかんのかなぁという気がしちゃうわけ。

恋愛模様を観てジヮーーンとしたいってのに、やっぱりその辺を調べたほうがいいの?と思い浮かんだ時点で気持ちいいウタタ寝から揺り起こされちゃう感じなんだよね。冷や水というか。あぁ、そんなこと調べようなんて思いつかなきゃよかったのにロマンス気分が台無しだわと、┐(´д`)┌ヤレヤレな気持ちである。


翌日私はスペイン語学科卒の知人をつかまえて愚痴るように問いました。

「どうしてさぁ、中南米のあちこちの国にはさぁ、軍事独裁政権だの検閲だの拷問だのの歴史があったわけ? あたしは愛の物語をただ観たいわけなのにさぁ、うっとりほのぼのしてるような映画でもどうしたって薄っすらとそういう背景を描いてあるもんだから、結局そういう知りたくもない事を調べさせられて、ちょっとゲンナリすんのよ。あたしはそういうの忘れてラブストーリーにうっとりしたいのに。なに? なんであの人たち拷問してたわけ? 何がしたいの? なんであんな残酷なことできるの? 何がいけないの? なんで?」と。

そんなこといきなり聞かれても困ったでしょうが彼は仕事の手を止めて、

「‘なんで’って……Ummmm……‘なんで’っつうか………あぁ。あのさ、スクール・オブ・ジ・アメリカズってのがあったでしょ。あれでアメリカがさ、中南米の軍人たちにまとめてそういうノウハウを教えたでしょ。南米にああいうやり方が広まった経緯なんてのは、その辺の事情もあるんじゃん?」

と教えてくれた。


そう言われて思い出すのは『マチュカ(チリ映画)』のときにもちょっと書きましたが、『セプテンバー11』のケン・ローチの作品ね。それ(たまたまポルトガル語字幕バージョン)なんか見るとさ、やっぱり「合衆国で訓練された軍人が仕切っている拷問所」って言ってるもんね。

なるほどね。φ(`д´)メモメモ...
_______________________


私はSkypeをつけていてもほっとんど呼びかけに応じません。反応することはほとんどゼロです。すみません。というかいつ誰に話しかけられてるんだか、その気づき方がよくわかってないのです。なんか私は設定を間違ってるんだな? 全然わからんぞ? 時々覗くとメッセージが何十件と溜まってたりしてワケがわからない。いつも首をひねっている。

こないだ珍しく呼びかけに気づいて、これまた珍しく応える気になった。先方はアルゼンチンで生まれ15歳でイタリアに移り、34歳の今はスペインに暮らして数年が経つという人だった。なので、挨拶もそこそこに、いきなりで申し訳ないんだけどちょっとおたずねしたいことがあると切り出した。「なんでもどうぞ」と言うので聞いてみた。


私: ビデラ政権の頃のことを何か覚えてます?
彼: うん。僕が住んでいた地区では軍隊が家々にやってきて部屋を借りて、体制にとって危険だと思われる人々を監視できるようにしてたと思う。僕はまだ小さくてね、ある日、母が薬局から出てくるのを待っていた。待ってるあいだ僕はゲームセンターに入ってみたんだけど、そこに突然兵士がなだれ込んできて僕達を全部バスに詰め込んだんだ。僕は泣き出して、隣の薬局にママがいるから下ろしてくれって叫んだ。それで下ろしてもらえたのはラッキーだったね。そうだね、あの頃、表に出るのはそういう風に危険な場合もあったかな。今すぐ君に語れることってこれぐらいしかないよ!

(※このくだり、彼の書く行を追ってるだけでゾッとしたよ。「…え゛。その状況、ものすごくヤバくないの?」と)


私: ありがとう。本当にありがとう。
彼: 君はアルゼンチンで何かそういう体験でも?
私: Noooooooo. ただ、中南米の映画にはそういう政権下での事が描かれていることがよくあるなぁと思って。最近、その辺のことをぐるぐると考えてたもので。

彼: そうですね。
私: あなた、でも、小さかったでしょ? 何が起きてるかわかってましたか?
彼: うん。家では両親が軍部についてなどしゃべってたから。でもそういうことは家の中だけ。あの頃からアルゼンチンは変わってしまったんだよね。昔はリッチな国だったのに。

私: こんな質問に本当にありがとう。しゃべりたくないかもと心配でした。
彼: いや、もっといろいろしゃべってあげたいですよ。でも両親にきいてみないと;-)

私: あの時代さ、怖くなかったの? 私なんて映画観てるだけでおぞましく感じるんだけど。いや、観るまでもなく、映画作品についてちょっとinfoを集めただけで身震いする。

彼: 『La noche de los lapices』とかそういう?
私: そう!それとか!
彼: たしかにゾッとするよね。

……略……

彼: 日本は?
私: 1930年代かな、プロレタリア文学の人が殺されたりしてる。とか、第二次大戦中はあったでしょう。

彼: ちがーう! もっと現代の話で。
私: ピノチェトとかビデラとかそういう時代?
彼: そう
私: それくらいの時代なら‘無い’と思う。
__________________


私とほぼ同世代の人でも、ちょっと尋ねただけなのにやっぱりこういうエピソードをツルツルツルって即答するんだもんなぁ。話がリアルでビックリした。ゲーセンに居たのは若い人たちでしょうに、バスに乗せられて下ろしてもらえなかった彼らはその後どうなったんだろう……?


これからも私は幾つか中南米の作品を観るだろうよね。シリアスなものは徹頭徹尾避けるつもりでいるけど、ラブものだと思ってうっとりと観てても、こういう‘現代史’がフッと透けて見えたりするから始末が悪い。私はこれっぽっちも知りたくないのに、調べなきゃ映画が本当には理解できないのかもしれないなら、やっぱり調べちゃうかもしれないじゃない。非常に頭が痛いところである。

というわけで、書籍などをメモるくらいはしておこうと。

誰か、こういうの↓読んだり観たりした後にものすごくマイルドな言葉に置き換えてピー音を随所にかぶせて私に説明してくれるとありがたいです。私、たぶん自力では挑めません。ムリ。ゾッとする。

(※最後のはおまけで)(※大学1年の夏休みの宿題だったな。キツいだろうに、私ちゃんと最後まで読めたのかね?)

旧称: SOA

現在: 西半球なんたら長い名前

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Comments

五月広場の母たちっていうムーブメントがあるでしょ。

Página Oficial de Las Madres de Plaza de Mayo(公式)
■(pdf)重冨真一編『開発と社会運動―先行研究の検討―』調査研究報告書 アジア経済研究所 2007 年 / 第6章 ラテンアメリカの民衆社会運動 -抵抗・要求行動から市民運動へ- (幡谷則子)の17ページ

そのお母さん達は連行されていったまま帰って来ない我が子の行方を必死で探しているんだよね。それ、居なくなった経緯もお母さんたちの要求も想像しやすいでしょ。パッと聞いて主旨わかるもんね。

じゃぁ、「五月広場の祖母たち」って聞いたら、そのムーブメントの主旨はまずはどういうものだと思う? あのお母さん達のそのまたお母さん達が孫を探してる、って言えばそれはたしかに‘孫を探している’んだけどもね……孫ってのがね、ちょっと……まぁ、ちょっと拾い読みしてみようかね。

「祖母」検索結果
abuelas de plaza de mayo(公式)

……ね。違うでしょ。孫は孫でも、ちょっと違うでしょ。私、これをちょっと調べたとき顔色悪くなっちゃったよ。なんか、もう……人権とかそういうの以前の問題っつうか…生命の倫理とかってどこ行っちゃったのって。青ざめたよ。油断すれば涙こぼれちゃう感じ。油断しないから落涙はしなかったけれども。いや、あぁ、やっぱ涙出てくるね。だって、こんなに悲惨な出産、ほんとに……

【参考】(個々の内容、私はよくわかってない)
ルス、闇を照らす者
Chicha - La Fundadora de Abuelas de Plaza de Mayo
Restitucion de Ninos (Derechos Humanos)
・(詩集かな)Circles of Madness: Mothers of the Plaza De Mayo/Circulos De Locura : Madres De LA Plaza Dy Mayo
A Lexicon of Terror: Argentina and the Legacies of Torture
Hebe's Story: The Inspiring Rise and Dismaying Evolution of the Mothers of the Plaza De Mayo
ミッシング (ユニバーサル・セレクション2008年第1弾) 【初回生産限定】
The Flight: Confessions of an Argentine Dirty Warrior
The Little School: Tales of Disappearance & Survival in Argentina
Prisoner Without a Name, Cell Without a Number (The Americas)

Official Story (1985)

オフィシャル・ストーリーについてはさちさんのブログが詳しいです。

Posted by: Reine | Thursday, November 22, 2007 at 12:20

恥ずかしながら、中南米の現代史についてはまったくといっていいほど知識がありませんでした。
Reineさんが調べてくださったリンク先を、まだざっと見ただけですが、それだけでも、胸がつまるというかなんというか。。すみません、感想まとめられません。ついでに、某国の養成所についても知りませんでした。・・・ますます某国政府が嫌いになりそうです。

Posted by: mami | Thursday, November 22, 2007 at 16:46

mamiさん
私もほとんど何も知りませんでした。不真面目な大学生でしたのでね。

ただ、本文にも書いたとおり、こんなおっさんになってしまった今になって、映画のバック(というかベースというか)に頻繁にああいった時代のことが据えてあるようなのでどうしても調べ“させられ”てしまい、本来の私なら一生知らなくてよかったのに上っ面だけではあれ知ってしまったというのが正直なところです。

(いま電車の中で酔ってしまうのでここでひとまず。すみません)

Posted by: Reine | Thursday, November 22, 2007 at 17:19

>今週末は映画感想文にかかろうかと思ってる

体調やや悪し。
なるべく寝ている。
夜は辛い鍋にしたら少し復調。

Posted by: Reine | Friday, November 23, 2007 at 22:39

Posted by: Reine | Wednesday, April 09, 2008 at 13:31

今日のMEMO 
Crónica de una fuga (2006)』 Israel Adrián Caetano監督 (Amazon.co.jpには無いようだ)

ほらやっぱりな。
主役のゴールキーパーの若者を演じてたのはRodrigo De la Serna(モーターサイクル・ダイアリーズで、ゲバラの相棒の飄々とした青年を演じてた俳優)だったよ。あの人は顔でわかるというよりは声でわかる人なんだよ。

それはさておき。
私はこういうジャンル(=圧政もの)は避けて避けてきているから、こういうの、資料として見せられたりするともう体がダメになってしまっていると今日知った。怖くて怖くてしかたない。おもいきり悲鳴をあげたくなる(←ヤバいってば、それは)

たかだか映画冒頭の数分間(秘密警察が踏み込んで来て、ちょっと蹴ったり床に押さえつけて大声で尋問したりするだけ)のシーンだったのに、脈拍が急上昇して気が狂いそうだった。大袈裟じゃなくて、心臓がものすごく速くなって、もー、ほんとーーーーーに怖くてダメだった。

Posted by: Reine | Wednesday, April 16, 2008 at 00:49

そしてAさんお薦めの作品は『La Amiga』(1988) Jeanine Meerapfel監督 (Amazon.co.jpには無いようだ)

Liv UllmannとCipe Lincovskyという人がお友達同士で、後者はユダヤ人という設定で、Federico Luppiは前者の夫という設定、なのでしたっけ? 
5月広場の母たちの一人の女性をモデルにした作品で、演技も重厚でとても良質の作品であるとAさんは薦めておいででした。

Posted by: Reine | Wednesday, April 16, 2008 at 01:00

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