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Monday, October 29, 2007

¿Quién puede matar a un niño? / ザ・チャイルド - フー・キャン・キル・ア・チャイルド [スペイン映画]

¿Quién puede matar a un niño? / ザ・チャイルド - フー・キャン・キル・ア・チャイルド冒頭の7分30秒は実際のニュース映像のような、近現代史のドキュメンタリーが流れる。死体の映像が好きじゃない人には、それらはホラー映画よりもよっぽどキツいかもしれない。

アウシュビッツ収容所でこれこれこれだけの人が死に、うち子供はこれだけ命を落としたとか、インドの独立運動の中で子供はこうして死んでいったとか、朝鮮戦争で孤児がこれだけの数にのぼり、四肢を失ったりした戦災孤児が医療施設でリハビリに励むのだとか、インドシナ戦争でひどい傷を負って逃げ惑う子供たちの様子とか、ナイジェリアで餓死していく子供たちの無残な姿とか……そういうのが7分30秒、説明ナレーションで一つずつ紹介される。

そしてようやく物語が始まり、カラーが着くのでした。


地中海のリゾート地。観光客が外国からも押し寄せ、ビーチは芋を洗うようである。打ち寄せる波が女の死体を運んできた。頚動脈辺りをざっくりと切られているばかりでなく腹部にも腿にも多数の刺し傷が見られた。

ベナビスという海辺の町にトムとイブリンが到着したのはちょうどそんな時だった。3人目の子を身篭っているイブリンのためにも静養を求めてやってきたのだが、ベナビスはあいにく夏祭りの真っ只中でホテルはどこも満員、町中どこも観光客で溢れ狂騒は日が落ちてもいっこうに止まない。

街の喧噪から逃れるため、トムとイブリンはボートを借りて沖合のアルマンソーラ島に行くことにした。観光客などほとんど訪れず、本土からの定期船が何本かあるだけの島。

澄んだ海を島に向かって静かに進む小船。美しい花が潮に運ばれていた。「アルマンソーラ島から流れて来たんじゃないかな」と話すトム。ついに島が見えてきてイブリンは心を躍らせた。

島の子供たちに迎えられ船着場にボートを泊め、二人は島にたった一つあるというペンションを探して歩いていった。

何かがおかしい。この島に上がってから、ただの一人も大人の姿を見ていない……。
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quien puede matar a un ninoホラー映画を見慣れていない私など、ホラー映画監督にとっては上得意だと思う。うっすいうっすい効果音だけでびくびくしてくれるし、電話が鳴ろうものなら絵に描いたようにギクッΣ(・ε・|||) とするから。

『ザ・チャイルド - フー・キャン・キル・ア・チャイルド』は、しかしながら、そんなにビクビクギクギクするようなつくりではないです。

お化け屋敷的・びっくり箱的に、「ワッΣ(・∀・;)」って背中を押すような、「いや別に私はシャックリ出てませんから」と言いたくなるようなホラー映画って、やっぱりずるいと思うのね。それ、怖いんじゃないじゃん、驚かされただけじゃんって、ちょっと文句言いたくなる。

その点、『ザ・チャイルド - フー・キャン・キル・ア・チャイルド』は潔いです。
静かに怖がらせる。静かですよ。だって、大きな声、つまり叫び声めいた声が発せられるまでに何分かけてると思う? 58分ですよ。(7分30秒からストーリーが始まって)58分でようやく大声です。立派だよね。

『ザ・チャイルド - フー・キャン・キル・ア・チャイルド』は怖がらせるっていうか嫌がらせてくれる作りなのですね。


この映画に出てくる子役たち、いい子を選んでる。‘いい’って、‘イヤ’っていう意味ね。こう言ってはなんだが、生理的嫌悪感を催させるルックスの子供を起用している。気持ち悪いんだよ、子供なのに。なんかムカムカする。‘吐き気がする’という意味のムカムカであり、‘むかっ腹’の意味でのムカムカである。

映画冒頭で子供たちの鼻歌やクスクス笑う声が聞こえる。楽しそうである。観終わった時にもう一度その笑い声を聞いてみるといいよ。‘楽しそう’だから。


(スペイン映画)
監督: Narciso Ibáñez Serrador ナルシソ・イバニェス・セラドール
脚本: Juan José Plans フアン・ホセ・プランス(原作『El juego de los niños』; 直訳『子供の遊び』) Narciso Ibáñez Serrador

ナルシッソ・イバニェス・セラドールと言えば『スパニッシュ・ホラー・プロジェクト 産婦人科』の監督ね。

出演:
Lewis Fiander ルイス・フィアンダー ... Tom トム
Prunella Ransome プルネラ・ランサム ... Evelyn イブリン

¿Quién puede matar a un niño? @IMDb
ザ・チャイルド@CinemaCafe
ザ・チャイルド@goo
ザ・チャイルド@映画生活

← 原作者プランスの作品が入っていると思われる本

原題を直訳すれば、「いったい誰が子供を殺すことなどできましょうか(反語)」。

英語のタイトルいっぱいある
Death is Child's Play UK
Island of Death UK (video title)
Island of the Damned USA
Lucifer's Curse USA
The Killer's Playground (undefined)
Trapped USA
Who Can Kill a Child? International (English title)
Would You Kill a Child? UK

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Saturday, October 20, 2007

mujer infame / ヒドイ女

友人が「やっぱ人としていいわ、劇団ひとり」と一筆添えて動画のURLを知らせてくれた。◆ゴッドタンという番組(?)の中で劇団ひとりがしゃべった部分だそうだ。思い出すだけで怒りがこみ上げてくる女について語っているらしい。

【みどころ】
今回のゴッドタンは、「ヒドイ女サミット」を開催!数々の“ヒドイ女”から痛い目にあってきたヒドイ女の権威たちが、「ヒドイ女」を語りつくす! (出演者 おぎやはぎ 劇団ひとり 松丸友紀(テレビ東京アナウンサー)ほかゲスト多数)
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劇団ひとりがスタッフと食事をとっていたところ、知り合いの女というのが来るという。やってきたその女は年の頃は24くらい、小劇団の脚本家をしているそうだ。

ひとり: 「この時点で嫌いなのね」

赤い眼鏡をかけていて、ちょっと変わっている風である。

ひとり: 「この時点で嫌い」
やはぎ: 「‘個性’w」

女がしゃべり始める。「ひとりさん、ファンなんです!舞台やらないんですか。舞台やってください。舞台最高だから」。

ひとり: 「‘舞台の方が上’みたいなね
一同: あー、はいはい。

ちょうどのその晩はananの抱かれたい男ランキングみたいな号が出た直後であった。自然と福山がどうのキムラがどうのという話題で場は盛り上がっていた。すると女が呟く。「あたし、興味ないな。あたし、本当ぜんぜん興味ない」。

うるさく思ったひとりがじゃぁ誰が好きなのかと尋ねると、女が答える。「ルパン。あたし、もー、ルパンたまんないの。『カリオストロの城』観てみて。もう、ときめいちゃって」。

ひとり: 「『カリオストロの城』がいいって、『カリオストロの城』は面白いけど、ぜーーーったいソイツの意見じゃないの。たぶんテレビで土田さんとかがしゃべってるの聞いて、この意見カッコイイと思って真似してんの」


そこまでで相当カチンと来ていたが「まあいいや」と映画の話を続け、「何が好き?」ときいた。女は『アメリカン・ビューティー』と答えた。

ひとりは『アメリカンビューティー』はあまり好きではなかったため、「あれあんまり面白くないよね」とコメントした。すると女が「え? あれ、わかんないんですか? ひとりさん、あれわかんないんですか? あれわかんないの、ちょっとヤバいですよ」と言ってきた。

ひとり: 「で、この女何がひどいって言ったら、この女、『アメリカンビューティー』がいいとかなんとか言ってるのに『ロッキー』も『ダイハード』も観てないこと! ちょっとこういうの知ったところで、こういうの観て、『あたしこういうのわかっちゃう』みたいな。ドイヒーでしょ、これは!」

やはぎ: 「ものすごいわかりますよ。これみんなわかるでしょ?」

ひとり: 「『ケビン・スペイシーのあの目の芝居見た時ぃ…』みたいなこと言うんだけど、絶対男が語ってんのソイツこのまま言ってんだ! こういうのが人気あったりすんのがぁっ(※げんなり顔)」

設楽: 「なんでもかんでも全部の話題に薄っぺらな情報で乗っかれて、なおかつ自分の意見みたいにして言うから、あんまりこう、なんていうか、裏を見ないような人にとってはいいんだよ。すぐその人のことがわかる人から見ると一瞬で『うわ。こいつ、ペラいな』ってわかっちゃう」

ひとり: 「『この前、絵を見に行ったんだけど、一枚の絵を見たら、あたし、もう前から動けなくてぇ。なんかもう、そこから動けないのっ。わかるその気持ちっ?』とか言うと、ひっぱたきたくなる。大嫌い、ああいう女

……略……

ひとり: 「ブログとかやってんだよ、だいたい、そういう女
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これ、耳が痛いと同時にホント面白いと思った。でも私は『アメリカンビューティー』は知らない一方で、『ロッキー』と『ダイハード』はちゃんと観ているからな。ってそういう話じゃないか。


昔の記事(分子はそれとしてそれじゃぁ分母はどれくらいなのよの一件)のコメント欄にも書いたことだけど、もう一度:

私は出典を明らかにできませんが、どうもナンシー関先生は
>「マイナーだからおもしろい」というテーゼがクセ者である。
>「マイナーでおもしろい」ものもあるが
>「マイナーでもつまらない」ものや
>「メジャーでもおもしろい」ものもある。
みたいなことを書いていたそうであります。


ナンシー関のこのクダリやこのたびの劇団ひとりの主張は、ホント、肝に銘じないといかんね。私なんか、どうしてもソッチへソッチへと流れがちだからね。あらためて‘気づき’を与えてくれてありがとう、ひとり氏。あたし、もうパソコンの前から動けなくて。なんかもう、ここから動けないの。わかるこの気持ち?


さて。
数ヶ月前のある日、2chの映画一般板に2つのスレがたてられた。
『♀♀女には良さがわからなそうな映画 ♀♀』
1 ♂ 2007/02/21(水) 16:07:48 ID:ifAykjvE
あいつらは
異なる生き物。

『♂♂男には良さがわからなそうな映画 ♂♂』
1 ♀ 2007/02/21(水) 19:14:07 ID:CFZ5QcHy
奴らは
単純な下等動物。


私、これらのスレッドは読んでないんだ。
面白そうだよね。それぞれの陣営の意見を読むのはたぶん‘勉強’になると思ったよ。興味津津だった。だから実際、スレがたった夜に覗いてもみた。では、なぜ見るのを早々にやめたかというと、『女には~』のスレのこれらの書き込みが正鵠を得ていると思えたからでした。
↓↓↓

16 名無シネマさん sage New! 2007/02/21(水) 21:50:44 ID:/NdVIAWg
「お前はこの映画の良さがわかってない」と言う奴は、
「俺と同意見じゃないと認めない」と言ってるだけ。


17 名無シネマさん sage New! 2007/02/21(水) 22:01:54 ID:yia8aPBF
>>16
確かに。皆他人を見下したくて仕方が無い
こういったスレに映画タイトル書き込んで何になるのか。


21 名無シネマさん New! 2007/02/22(木) 00:16:20 ID:3DdnfJ8b
いっそのこと「自分以外には良さがわからなそうな映画」というスレを立てたらどうか。
__________________


私はその時、これもまた肝に銘じようと思ったのでした。c⌒っ゚д゚)っφ メモメモ そしてこれらのスレを読むのはそこで終えたのでした。自分に何か言い聞かせるような気持ちで。


そんなこんなでね。
ここで文章を〆ようとも思ったんだけど、今夜、この文脈でどうしても言いたいことが一つあってね。ずっと前から言いたくて、でも書きあぐねてきた思い。この機会を逃したらきっと言えないからやっぱりついでに言おうと思う。


劇団ひとりの説明する‘ドイヒーな女’の概念はだいたい伝わったでしょうか? 人物像は掴めたでしょうか?

さて、そこでだ。

スペイン映画に限定した場合にこのテの女が‘大漁’に釣れる作品って、私は『ルシアとSEX』だと思ってる。

『ルシアとSEX』についての感想をネットで拾い読みしていて目にとまるのが、「これがわからないなんて可哀想……」と憐れんでみたり、「このSEX描写がイヤだとか言ってるヒトって、もーいーから一生つまんない映画観てなさいよーって感じ!」と大見得を切るような言い草だったり、そういうオンナブログである。

ああいう文章、ヤだね。
私が‘ドイヒーな女’として挙げるとしたらこういったオンナたちです。私が肯定的に書かなかった作品を肯定的に書いているからという理由のみによって問答無用に「うげぇ。却下、却下」とみなしているわけではないですよ。私はたいがい馬鹿だけど、そういう‘道義’的な部分ではそこまで馬鹿じゃない。

たとえばだよ。
私の慕ってやまない映画ブロガーの皆さんは、あのような書き方は絶対にしないな。一つ好例を挙げるなら、さちさんの書く『ルシアとSEX』ですよ。読んだ時に沁みたね。このような文章を読んだら、私のように否定的だった人間であってももう一度この映画を観なおしてみよう、いや、むしろ観直させてくれって思うでしょう。


しかし、深みを感じさせない・勘違いしている人間の文章は何行読んだって感動が伝わってこない。くるわけない。

だからね、私の傾向として、『ルシアとSEX』の感想の述べ方でブロガーの人となりを推量しているようなところが無きにしも非ずです。リトマス試験紙的。『ルシアとSEX』は‘あのテの女ホイホイ’だと思ってます。あの作品で受けた感動をどのように文字にするかという部分に、その人が透けて見える。


あのテの女たちがあれらの言に乗せてアッピールしたがっているのは、とどのつまり、「フラッパーなアタイを見とくれよ」だったりはしないのか。


2007年10月20日 自戒。

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Saturday, October 13, 2007

Nicotina / ナイン・シガレッツ [メキシコ映画]

ハッカーのロロは、ネネから請け負った仕事をどうにかやり遂げた。スイスの銀行のアクセスコードをごっそり盗み取ってディスクに収めたところである。魅力的な隣人のアンドレアの部屋を覗き、彼女の部屋にこっそり忍びこむ‘趣味’にしばし耽るロロであったが、その悪癖が招く最悪の事態をこの時の彼は知るはずもなかった。

ロロが仕上げたというディスクを受け取るためにネネはロロの家に向かっているが、相棒のトムソンとさっきからずっと揉めている。トムソンが煙草は体によくないとくどくど五月蝿いからである。「トムソン、聞けよ。煙草で人が大勢死んでいるってあんたは言うけど、そんな統計が何だって言うんだ、人が一人死ぬ理由なんて煙草以外に五万とあるだろうが」。

クララは夫のベトとドラッグストアを営んでいる。元々口やかましかったベトだが、このところ取り組んでいる禁煙生活がストレスとなって今夜はいつにも増して気が立っており、些細なことでクララを怒鳴りつける。高圧的なベトの厳命で禁煙に付き合わされてきたクララもまた神経をすり減らしている。

仏頂面のクララが店番をしているところへ、ネネが煙草を買いに立ち寄った。「タバコって、人生で出会える数少ない幸せの一つよね」。

床屋のゴジョは妻のカルメンの業突く張りにも無駄遣いにも目をつぶってきた。何かというと「うちの兄さんだったら…」と義兄を引き合いにして自分のことを小馬鹿にするような妻の態度にも耐えてきた。

カルメンは夫のゴジョの度を越したお人好しが気に入らない。「お年寄りから料金はいただけませんよ」って、そんなんじゃぁおまんまの食い上げだよ、宿六。

ゴジョの床屋にロシア人の客がいた。スボボダという名のその肥った男の携帯が鳴る。アクセスコードが手に入ったというトムソンたちからの連絡である。トムソンとネネが持ってくるディスクと引き換えにスボボダが持っているダイアモンドを渡す手筈になっている。スボボダはゴジョの店を出て、取引場所へと向かった。

彼らの夜は果てしなく長い。
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面白かったよ。

2サスなんか見てると、ものすごい過密スケジュールの密室トリックとか時刻表トリックとかこねくりまわしてるじゃないですか。ああいうの見てて、「これさー、この信号がこのとき赤だったらそれだけで成立しないんじゃん?」と犯人のことを心配したりします。なにか一つが一ミリでも狂ったら成り立たないような犯罪ってツッコミどころが多くて、なんだかトホホな気持ちで笑えたりするよね。

なんだったかな……、えっとね、殺した人間を車のトランクに入れて運んでる途中で急にトイレに行きたくなったので(?)ちょうど通りかかった公園のところに車を停めてトイレに駆け込んで用を足して出てきてまた車に戻って走り出すんだけど、目的地についていざトランクを開けたら死体がぜんぜん違う人の死体になっちゃってて、でもそれって、ちょうどおんなじ時に別の誰かが別の誰かを殺害して運ぶところでその犯人もおんなじところにおんなじ車を停めてて二台ともが車のキーつけっぱなしで運転席を離れてたから間違って乗って行っちゃった結果なんだっていう、メッチャクチャな話があったぞ、たしか。

で、刑事役の鶴太郎か誰かがラスト近くでこれっだけの謎が解明された時に、「こんな偶然ってあるものなんですね」とか感慨深げに呟いてんの。


ねーよ! 笑わせんなよ。


で、何が言いたいかというと、この『ナインシガレッツ』はいろんな人の事情が重なったり交わったりして、悪い方へ悪い方へとサイコロが転がっていく映画でした。偶然の負の連鎖。そういう意味で面白かったよ。


あと私がサスペンスものを見終わった時に想像するのは、その後の報道はどんな感じだったのかとか、公判を維持できるのかってことです。我々観客はすべてを見ているから犯行の動機も手順もわかってるけど、このドラマの中の警察やマスコミはコレとソレとアレは知り得ないじゃないか、それはいったいどうするつもりなんだろうと。そういうのを想像するのです。

その意味ではね、この『ナインシガレッツ』、どーーーーすんのかなって思ったよ。


以下、鑑賞してる途中でとってたメモ:
■ダメ男のパターンがいくつか見られます。

■それぞれの伏線はあからさまですけど、それぞれちゃんとわかりやすく回収してくれているから良いのではないでしょうか。

■ネネ役のLucas Crespi、私、久々のヒットだわ、この顔。こういう、美少年がぐれちゃってそのまま大人になってチンピラやってます的な顔、大好きなのよね。

■トムソン役のJesús Ochoa、苅谷俊介に似てる?

(※二人がタバコの害について口論しながら歩いてるシーン)
Images from Nicotina (2003)
(※このトムソンの表情、言い争いをしているにしてはあまりにも穏やかでしょ。そこ注意)

■日ごろ外国人の演技なんてうまいも下手もあんまり気にならない、というか、そんなの感じるわけもないし…と思ってきた私ですが、この作品はわりと演技ヘタだと思ったよ。コントみたい。ナンシー関言うところのぬいぐるみ演技。……んーーー、沢口靖子とかといっしょにしたらさすがに言い過ぎか……。それでも、まぁ、ああいう感じ。演出が悪いのかな。なんなんだろな。

■製作にお金はかかってない感じ。


(メキシコ映画)(コメント欄に語句メモ等)
Nicotina@IMDb
ナイン・シガレッツ@ぽすれん

監督 Hugo Rodríguez ウーゴ・ロドリゲス
脚本 Martín Salinas マルティン・サリーナス

出演:
Diego Luna ディエゴ・ルナ ... Lolo ロロ
Marta Belaustegui マルタ・ベラウステギ ... Andrea 隣人アンドレア
Lucas Crespi ルカス・クレスピ ... Nene ネネ
Jesús Ochoa ヘスス・オチョア... Tomson トムソン
Norman Sotolongo ノーマン・ストロンゴ... Svóboda スボボダ
Rafael Inclán ラファエル・インクラン ... Goyo ゴジョ(床屋)
Rosa María Bianchi ロサ・マリア・ビアンキ ... Carmen その妻カルメン
Daniel Giménez Cacho ダニエル・ヒメネス・カッチョ ... Beto ベト(ドラッグストア)
Carmen Madrid カルメン・マドリード ... Clara 妻クララ

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Wednesday, October 10, 2007

Futuro imperfecto con valor imperativo en Guatemala

Futuro imperfecto con valor imperativo en Guatemala


karaokeみなさんこんにちは。
私は日本人です。スペイン南部で、この掲示板でもお見かけするとっても素晴らしい先生方のもとスペイン語を学びました。

日本人学習者の集う掲示板にて、グアテマラでは直説法未来形が命令として機能するなどとは教わらなかったと言う人がいます。私はその時制が命令として機能するとたしかに教わりました。私はその人に、このことは私がスペインで使用した下記の書籍においてもはっきりと載っていると説明しました:

1) Metodo De Espanol Para Extranjeros (nivel intermedio) (Edinumen)
2) Metodo de Espanol Para Extranjeros (nivel superior) (Edinumen)
3) Curso de Perfeccionamiento (SGEL)
4) Gramatica Comunicativa del espanol (Edelsa)
5) Sintaxis del Espanol (Santillana)

するとこの日本人女性学習者は、彼女のグアテマラの先生―――彼女いわくスペイン語教育の経歴も立派だとのことですが―――が、未来形が命令の機能を有するというのはスペインでの用法であるとメールで言ってよこしたと言うのです。

どうかみなさん、本件について教えてくださいますようおねがいします。そのような差異があるのだとしたら興味深いことですから。

よろしくおねがいします。end

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Monday, October 08, 2007

El Cochecito [スペイン映画]

cochecitoドン・アンセルモは歩いていた。友人ルカスと連れ立って墓参りにでも出かけようというのである。老体には町の雑踏を歩くのはこたえる。ルカスの家に着く頃にはアンセルモはすっかり息もあがっていた。

足が不自由だったルカスは先ごろ電動車椅子を購入し、今日はそれに乗って初めての遠出である。アンセルモがタクシーに乗り、そのすぐ後ろをルカスが電動車椅子を巧みに操ってついていく。

二人の老人はやがて電動車椅子仲間と集団であちこちへ出かけるようになる。そういうときルカスはアンセルモを車椅子後部に立たせ乗せてくれた。友達とそうやって過ごす日々は、普段家の中で疎外されがちだった老アンセルモには此の上ない幸福だった。しかし、電動車椅子を持っていないアンセルモがひとり取り残される日がしだいに多くなっていく。

アンセルモは自分も何とか電動車椅子を買おうと手を尽くすが、家族の猛反対もあって事はうまく運ばない。

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DVD(スペインから購入)のジャケットの説明を訳す
「ドン・アンセルモは友達といっしょに居たくって車椅子が欲しくなっちゃった……。」

「フランコ体制に漬かってしまった社会が自らの惨めさを笑い飛ばす術と映画製作の新手法を得たとき、ユーモアとエスペルペントはネオリアリズムに行き当たった。

隠居暮らしのドン・アンセルモが障害者用の電動車椅子を買うと言い出した。年金生活を送っている友達みんなが持っているからである。しかし年寄りの気まぐれと家族はいっこうに取り合ってくれない。ドン・アンセルモは貴金属を売り払ってまで車椅子を購入する。激怒した家族が車椅子を返品してしまったため、ドン・アンセルモはもはや強硬手段に出るほかない。

スペインにもブラックユーモアは存在し、スペインが自分自身をカリカチュアライズして笑い飛ばす術をもすでに手にしていると世界に向けて発信するべく、アスコーナとフェレーリの二人の才能がひとつになった。『El Cochecito』はフェレーリというイタリア人監督の名を世界中に知らしめたばかりでなく、スペイン映画がベネチア映画祭の金獅子賞にノミネートされるという栄誉に輝いた記念すべき作品となった。」

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スペイン在住の友人Kちゃんが日本に一度帰ってくるというので、DVDGOで注文した数作品を彼女のお宅に配達してもらい、それをひっ下げて帰国してくれるようお願いしてみた。『El Cochecito』はその一枚。

購入作品一覧に目を通した旦那氏(スペイン人)は黙っていられなかったようで、注文の詳細などについてSkypeでKちゃんと私が打ち合わせしているあいだ、『El Cochecito』とPepe Isbertについて電話脇で熱弁をふるっていた。「『El Cochecito』は俺のフェイバリット」とのこと。そして私と彼とはSkypeをはさんで『Bienvenido, Mister Marshall』のIsbertの名シーンを真似っこして楽しんだのだった。

このDVDは、Kちゃんを囲んでのスペイン同窓会を東京で催したのでその席で渡してもらったわけだが、旦那氏が言うことには、スペインを発つ前にもう開封して観ちゃいたい衝動に駆られたほどだったとか。(いや、観てくれてかまわなかったよ) そうでしょう、そうでしょう。好きでしょう、好きでしょうとも。


などと言いつつ、実は私は『El Cochecito』という作品はこの夏まで知らなかった。

「"mejores peliculas espanolas"」などと検索すればそのようなリストだのアンケート・投票結果を掲載したページでもあるんじゃないだろうかと考え、なにげなくググってみたときに目に入ってきた作品でした。「おぉ、IsbertとLopez Vazquezが出てるのですか、それじゃぁ買ってみようかの」と、そういう軽い気持ちで購入ボタンをクリックした。

やっぱりね、そういう‘読み’はテキトーなようでいておおむね当たるよね。ほんと、買ってよかった。これ好き。面白い。くっくっくっと笑い声が出ちゃうシーンあり、まじめな顔で考え込んじゃうシーンあり。しんみりしたりいらいらしたり。爺さんを応援したくなったり叱りつけたくなったり。

年寄りが子供がえりをするとはよく言ったものであると微笑・苦笑しているうちに、観ている私までがお爺さんの扱いにだんだん困ってきたりしてね。

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今回はスペイン語字幕にかなり頼ったと思うな。こないだのホルヘ・サンツのネタの中でも言われてたことですが、ペペ・イスベルトというお爺ちゃんは、ほんとにガラガラ声でね。聞こえないんだよ。でもね、イスベルトの声質のせいばっかりじゃなくてね、話が聞き取れない原因はね、みんながみんな一斉にしゃべりすぎてんのよ。そのせい。

電動車椅子仲間の御隠居さんたちがいっぺんにワシャワシャとしゃべっている傍らで、若い身空で肢体不自由となっている男女がいちゃついたりもしている。登場人物が好き勝手しゃべってるシーンは幾度も出てきたと思う。それらがなんだか懐かしい感じでね。「あぁ、スペイン人ってこういう感じだったかもなー」と苦笑してしまう。

そんなわけで、この作品の一人ひとりの発話を聞き取る(書き取る)のはスペイン語ネイティブでもわりと手こずるんじゃないかなと思ったよ。

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆


(スペイン映画)
(コメント欄に語句メモ等)

El Cochecito@IMDb
直訳: 車椅子
英題: The Little Coach / The Wheelchair

監督: Marco Ferreri マルコ・フェレーリ
原作: Rafael Azcona ラファエル・アスコナ 『El Cochecito』

出演:
José Isbert ホセ・イスベルト ... Don Anselmo Proharán ドン・アンセルモ・プロアラン
Pedro Porcel ペドロ・ポルセル ... Carlos Proharán カルロス・プロアラン(アンセルモの息子)
Chus Lampreave チュス・ランプレアーベ ... Yolanda ヨランダ(アンセルモの孫 ;カルロスの娘)
José Luis López Vázquez ホセ・ルイス・ロペス・バスケス ... Alvarito アルバリート(カルロスの事務所の見習)
María Luisa Ponte マリア・ルイサ・ポンテ ... Matilde マティルデ (カルロスの妻)
Lepe レペ ... Lucca ルカ

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Thursday, October 04, 2007

Jorge Sanz en el Club de la Comedia (2)

先日のディクテーションの宿題ですが、答え合わせをしたいと思います。

⇒元記事: Jorge Sanz en el Club de la Comedia 

⇒ビデオ:

※これ放送作家がまずいて、ホルヘ・サンツはしゃべっているだけですからね。たぶん。
※いつものことですが、なるべく直訳でいきたいと思います。が、なかなかどうも…。
太字の語句はあとで辞書で確認しておいてください(←って誰に言ってんの、誰に)
※こまーーかーーいミスはありますよ。


【スクリプト】
¡¿Qué hay?! Buenas noches.

¿Saben qué?, estoy harto de las grandes superproducciones americanas. A mí últimamente lo que me gustan son las películas intimistas, de bajo presupuesto, películas con planos más cortos donde lo importante es el ser humano, ¿no?

Vamos, las películas porno.

Las películas porno son solidarias, porque en las películas normales sólo destacan los actores principales, ¿no? Pues, en las películas porno, no.

Ejemplo:
En "Titanic", la protagonista de Titanic ni habla con el jefe de máquinas, ¿no? Pues la versión porno, no es que hablen mucho, pero es porque ella tiene la herramienta en la boca todo el rato.

Este ejemplo no vale.
Otro ejemplo:
En una película normal, viene un mensajero, entrega la carta y se va, ¿no? Pues, en la película porno llega el mensajero saca el paquete y también se va.

(※やんや、やんや。( ゚Д゚ノノ"☆パチパチパチパチ)

2007.10.06 つづき
Las películas porno fomentan la no-violencia, ¿no? Las tramas, en estas películas, se resuelven de una manera mucho más civilizada que en las películas normales, ¿no?, como de buen rollito, todo, sin conflicto.

Ejemplo:
Llega la protagonista, ¿no? y le para la policía para hacerle la prueba de alcoholemia. Pues ella, encantada de ponerse a soplar, ¿no? Y el policía, vamos, ya puede ir la chica hasta las cejas de JB, que como sople bien, y así con todo, ¿no?

Que llega el casero para cobrarte el alquiler: la prueba de alcoholemia.

Que viene el vecino para quejarse porque la música está muy alta: la prueba de alcoholemia.

Que viene el novio de la chica para quejarse de que hace muchas pruebas de alcoholemia: la prueba de alcoholemia.

Estas películas, básicamente lo que te enseñan es a compartir. Pero una peli porno, tú llegas a tu casa y te encuentras a tu novia en la cama metida con toda la banda. Te acercas a la cama y cuando estás al lado, te viene éste y te dice,

"Oye, colabora un poquito, joder, que es tu novia. "

Otra virtud que tienen estas películas es que cumplen una labor social. En estas películas, a las tías buenas les encanta acostarse con tíos bajitos, feos, malolientes. No existe la discriminación.

Esto nos abre una ventana de esperanza a todos los hombres, porque yo, la verdad, soy alto y guapo, pero lo de ducharme todos los días lo llevo fatal.

Si es que todos son ventajas en estas películas.

Ayudan en la lucha contra el paro, ¿no? Mecánicos, electricistas, fontaneros, todos tienen su sitio en las películas porno, ¿no? para que luego digan que la FP no tiene salidas.

(※やんや、やんや。( ゚Д゚ノノ"☆パチパチパチパチ)

Por eso es tan difícil después encontrar a un fontanero. Están todos haciendo pelis porno, claro.

Más ventajas:
Fomenta la vida sana, ¿no?
¿Ustedes se han fijado, que en estas películas nunca fuman después de hacerlo, no? Por otras cosas, porque se tendrían que fumar dos cartones. "Se les pondría así la voz, como la de Pepe Isbert".

Perderían el erotismo. No puede ser, se imaginan a un socorrista, después de hacer un boca-a-boca, de esos, ¿no?, "¿Te ha gustado, Chencho?"

Perdonen por lo de "chencho", pero es que es imposible imitar a Pepe Isbert sin decir "Chencho, Chencho".

Lo que tiene que ser duro, lo digo yo como actor, ¿no?, es hacer un casting para una de estas películas. Uno se imagina que va al casting, ¿no? y se pone en pelotas delante de una serie de señores que están tomándote las fichas, ¿no?

Tú estás ahí y dice, "A ver, Sr. Sanz. Curvilínea. Cargancia a la izquierda. Y de medida, pues como un vaso de tubo, ¿no?" Más o menos.

Lo que tiene, ahora que me meto en esto del casting, lo que debe ser realmente jodido es el director de una de estas películas y aguantar a los actores, porque siempre hay algunos que te vienen, en plan intelectual y te dicen:

"Oiga, Sr. Director, esto es una ordinariez. Mi personaje nunca diría: [Ah, ah, me voy, zorra]. Mi personaje diría más bien, [Ah, ah, me distancio .... ¡zorra!]."

(※やんや、やんや。( ゚Д゚ノノ"☆パチパチパチパチ)

Realmente, las películas estas yo las veo muy positivas. De hecho yo pienso que deberían hacer series de televisión familiares pornográficas, ¿no?

Ustedes imaginen:
"Los Zorrones Van a la Oficina" (※元ネタ『Los ladrones van a la oficina』)
"Al Salir del Top-less" (※元ネタ『Al salir de clase』)
"Sátiro de Familia" (※元ネタ『Médico de familia』)

Se imaginan a Emilio y a Lydia.

(※やんや、やんや。( ゚Д゚ノノ"☆パチパチパチパチ)

Hay que tener cuidado con los nombres de las series, porque muchas veces prometen y luego te llevan a engaño, ¿no?

Se imaginan:
"Lleno, por favor"
"Ana y los siete"

Yo creo que queda demostrado que estas películas son solidarias, anti-violentas, ayudan en la lucha contra el paro. Vamos, un poco como el programa político del PP (※Partido Popular), ¿no? Se imaginan las películas de PP, ¡uh! Mejor no pensarlo.

¿Saben la diferencia que hay entre Rocco Siffredi y Aznar?

Pues que Aznar, después de dos se marcha.

Buenas noches.

(※やんや、やんや。( ゚Д゚ノノ"☆パチパチパチパチ)

【訳】
どうもー、こんばんはー。
いやぁ、僕、ハリウッドの超大作映画ってもううんざりなんですよ。最近僕が気に入っているのは、もっと、こう、私的というか、低予算で、クロースショットを多用していて、人間こそが重視されている作品なんですよ。

まぁ、早い話がポルノですわ。

ポルノ映画って連帯感が凄いでしょう。だって、普通の映画って主役しか輝けないでしょ? ポルノは違いますから、そこんとこ。

たとえば『タイタニック』ですよ。あれ、ヒロインは機関室長と一度も言葉を交わしませんよね。ポルノは違う。いや、まぁ、ポルノ映画ではよくしゃべっているというわけじゃないんですが……しゃべってるというか、えーっと、しゃぶっているわけでしてね(※意訳)

あぁ、ダメだなこの例は。
違う例、行ってみよう。
普通の映画で郵便配達の人って家に来て手紙渡してサヨナラですよね。ポルノだと、配達人はpaqueteを取り出しましてね、それからサヨナラするんです。

ポルノ映画って非暴力主義を貫いてますよね。普通の映画よりも紳士的にプロットが展開するじゃないですか。あんまり揉めたりしないでツルッと行くんですよ。

ヒロインがやってきます、警官がアルコール検査をするとかなんとか言って彼女を止めますね。そうすると彼女、喜んで警官の言葉に従うんですよ。「フー、フー」吹きまくりでね。もはや酒気帯び運転がどうだこうだなんてどうでもよくなっちゃってて。といった具合にスムーズに話が進む。

ヒロインの大家が家賃を取り立てに来たら、「アルコール検査です」
お隣さんが音楽がうるさいと苦情を言いに来ても「検査でs」
ヒロインの彼氏が「検査しすぎ」と文句を言いに来ても「けんs」

……検・査・で・す。

ポルノ映画が教えてくれるものでは、協同の精神ってのもありますね。
家に帰ってきました、自分の彼女がベッドにいます――(※後ろにいる楽団を振り返りつつ)――バンドのメンバー全員と。あなたはベッドに近づいていく。するとこのバンドのおっさんが言うんですよ、

「おい、お前も少し協力しろよ、これ、お前の彼女なんだから」

ってね。

ポルノ映画に備わっている美徳といえば、社会奉仕の精神というのもありますよ。ポルノ映画だと、すんげぇ美人が、チビで不細工で臭い男たちと喜んで寝てるんですよね。そこには差別のサの字も無いんだ!

これが我々男性にとって希望の窓を一つ開いてくれるんですよー。だって僕ってほら、背も高くってイケメンだけど、毎日ちゃんと風呂に入るってのがね、ほんと苦手なもんで。

これら全て、ポルノ映画のいいところですよ。

失業問題への取り組みを後押ししていたりね。機械工、電気工、配管工、ポルノ映画にはありとあらゆる職業の人が登場するでしょ。職業訓練コースが成果あげてないなんてよく言うよ。(※意訳)

だからちょっと修理工の人でも来てもらいましょうなんつって探そうったってなかなか見つからない。みんなポルノ映画に出ちゃってますからね。

更に、ポルノのいいところといえば。
健康問題にも取り組んでるでしょ。だって皆さん、ポルノ映画で一戦終わった後にタバコ吸ってるシーンなんて無いでしょ。

タバコ2カートンも吸ってペペ・イスベルトみたいなザラザラ声になっちゃったらエロティシズムが失われちゃいますからね。救助隊員がマウスツーマウスをやった後に「気持ちいいだろ、チェンチョ」なんて言ってるなんて。

「チェンチョ」については、ホントすいません。でもペペ・イスベルトの真似をするのに「チェンチョ、チェンチョ」無しではできないですからね。

厳しいなぁってのは、俳優として言わせてもらうと、オーディションだと思いますよ。オーディションに行くじゃないすか。行ったら素っ裸で並ぶわけでしょ? 目の前におっさんが何人か居て登録票なんかチラチラ見てるわけですよ。

「えーっと、それじゃぁサンツさん」なんて言ってね。「カーブあり。左が重そう。で、サイズは……コリンズグラスってとこですかね」

(※小声で)……まぁ、だいたいそれぐらいです。(にやり)

配役についてですけど、監督ってほんと大変だろうと思いますよ。俳優に対していろいろ我慢しないといけないから。居るんですよ、よく。しかつめらしい顔しちゃって監督んとこに近づいてきちゃぁ、「監督、これはありえないですなぁ」とか言う奴が。

「監督、僕が思うに、僕の演ずるこの男は『あー、あー、イくぜ、ビッチ』なんて絶対に言わないね。この男が言うとしたら『嗚呼、嗚呼、吾、まさに往かんとす………ビッチ!!!』ですよ」

なんつってね。

そんなわけでして。僕は本当にポルノ映画を好意的に評価してます。いっそのことテレビの連ドラも作っちゃえばいいのにって思いますよ。たとえばどうです、こんなの:

『Los Zorrones Van a la Oficina (あばずれども職場にGO)』
『Al Salir del Top-less (トップレスが終わったら)』
『Sátiro de Familia (かかりつけのエロ事師)』

エミリオとリディアが居ちゃったりなんかしてね。

連ドラのタイトルを決めるのも要注意ですよね。いいなあって思ってつけたのに後々考えると変な感じになったりしてね。

『LLeno, por favor (いっぱいにしてちょうだい♥)』
『Ana y los siete (アナと7人の男♥)』

って、どうよ、これ。


このとおり、ポルノ映画は連帯を訴え非暴力主義で失業問題に取り組んでいるわけです。なんか、国民党の政策みたいですよね? 国民党の映画ぁ??? うぇっぷ。想像したくねー。

それじゃ皆さん、ロッコ・シフレディとアスナールの違いってわかります?

えっとですね。
アスナールは、2回やったら退いちゃいます。

おあとがよろしいようで。
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【解説】
1) plano corto

2 no es que + 接続法(,sino que + 直説法)

3) herramientaがダブルミーニングです。herramientaはふつうの辞書では「工具,工具一式」。でも、俗語辞典では「ペニス」。「‘立派な道具’を頬張っちゃってるからしゃべれない」みたいなことを言っているわけです。‘立派’なんてどこにも現れちゃいないが。

4) paqueteがダブルミーニングです。paqueteはふつうの辞書では「小包」。でも俗語では、という件はペネロペ出演の『17歳』という映画の時に説明済み。

5) JB: ウィスキーのJ&Bのこと。「酔っ払って」みたいな意味の言い回し。


6) 「僕はごらんのとおりイケメンで背も高いが…」と言ってますが、ホルヘ・サンツは公称173cmで、私なんかは166cmくらいじゃないかなぁと考えているんだけどもね、小柄な俳優として知られていると思うんだわ。つまり、ここんとこは自虐ネタ。


7) 「las películas estas yo las veo muy positivas.」 ⇒
「las películas estas (直接目的語) / yo / las (直接目的語の繰り返し) / veo (他動詞) …」

こういう直接目的語の繰り返し方は、日本人の語順の感覚から言うと、たぶん楽っちゃぁ楽なんだぜ。先に直接目的語をポンって言っちゃってる間に残りを頭ん中で作文する時間ができるじゃないですか。


8) FP: Formación Profesional (職業訓練課程)のこと。昔は、大学まで進んで勉強したくない子がそういうコースに進むんだろうなどという言われ方をしてたり、労働市場では実際にはめざましい成果をあげていないじゃないかと批判されたりもしていた。らしい。が、最近じゃ成果もあがり評価も高いって、うちの‘義弟’が言ってました。

教育科学省のページ参照
Formación Profesional @ Wikipedia


9) Pepe Isbertというのは、有名俳優。José Isbertの別名ね。ガラガラ声で知られています。このブログではこれまでに『Bienenido Mister Marshall』と『Verdugo』などが彼の出演作品です。そして、この連休中に私はもう一作品見るつもりでいます。たぶん私はこの爺さん(と彼の演ずる役)が大好きだ。


10) チェンチョがどうのこうの言ってるのは、Isbertの出演作品で、Isbertが演じる爺さんがチェンチョとかいう孫を探して町中を「チェンチョ、チェンチョ」呼び歩くんだってさ。

→ 『La Gran Familia
「チェンチョ、チェンチョ」探し回るシーン@Youtube


11) EmilioとLydiaがどうだこうだは、Emilio Aragónと、Lydia Boschのこと。この二人は、90年代のファミリードラマ『Médico de Familia (かかりつけの医者,ホームドクター)』の主役を温かく爽やかに演じてた人。その二人が主演の『かかりつけの変態』っていうパロディエロドラマがあったら可笑しいでしょ、っていう話をしているのです。

それにしても、どうしてこんなに客がどっかんどっかん笑ってるかと言うと、エミリオ・アラゴンがたぶんこのお笑い番組のこの日の司会者なんじゃないの? 最後、ホルヘ・サンツが舞台裏に引っ込んだ時に笑顔で言葉交わしてるのがエミリオ・アラゴンじゃないかなぁと思うんだけども。


12) 『Lleno, por favor. 満タンにしてちょうだい♥』の方は知らないけど、『Ana y los siete アナと7人』の方はこないだスペインに帰った時にテレビで見たぞ、険しい表情で

アナ・オブレゴンっていうテレビ女優が「アタシって素敵なの」目線で作ったドラマじゃねーの? アナという女が7人の子持ちの男性の家に行ってどうのこうのいうドラマだったような。

アナ・オブレゴンって、どういうキャラかなぁ……、日本で言ったら誰なんだろう……。この人でしたか? カーセックスの最中をパパラッチされたのは???

お直しがすげぇ入ってるという印象はあった。それから、サッカーのダヴォール・シューケルとつきあってたな。ああ、そうか。ナンシー関先生から見た川島なおみみたいな印象かな、ひょっとすると。

私の担任だったマフィアの女房みたいな風貌の女の先生が、「気に食わない人を一人だけ消していいと許可されるなら、私が消したいのはアナ・オブレゴン。あの女ばっかりは……。」って呟いてたのを思い出す。何がそんなに嫌いだったんだい、ティーチャー。

Ana Obregon 公式


13) Rocco Siffrediっていうのはイタリアのポルノ男優。
ロッコ・シフレディ公式 (※エロ注意。エロ、ものすごく注意)


14) 最後の最後、「アスナルは2回やったらひっこんじゃう」っていうオチは:
これが放送された頃はまだアスナルが首相だった時で、2期目の終わりに来てたのかな。96~2000と、2000~2004とね。それで、たぶんこれが放送されたのは、アスナルが3選は目指さないってことをもう公表してた時期なんじゃないかと、‘義弟’が言ってます。

(ロッコ・シフレディは‘抜か三’だって余裕だろうけど)アスナルは二回でおしまいだよ、っていうオチです。


自分の人生で「抜か三」という単語をこのようにきちんと用いる時が来ようとは、今日の今日まで夢にも思っていませんでした。

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