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Saturday, September 15, 2007

La Colmena

La Colmena「La Colmena」とは「蜂の巣」という意味。原作はカミロ・ホセ・セラ。ノーベル文学賞受賞作家。

この作品(原作・映画)は登場人物がとても多いらしいので、たぶん最初にちょっと予習してから観た方がよいのだろう。


1) いつも頼る『スペインハンドブック』(三省堂)でセラのところを斜め読み。

> スペイン市民戦争(1936~1939)によるフランコ独裁体制の誕生は,多くの優れた作家を国外に追いやり,幾多の若き才能を圧迫してしまった.かくして戦後しばらくは,文学的不毛の時が続いたが,小説では,カミーロ・ホセ・セーラの『パスクワル・ドゥワルテの家族』(1942)や,カルメン・ラフォレーの『無』(1945)によって,……略……戦後文学があけぼのを迎えた.

>……略…… 戦後のスペイン小説は,さまざまな視点から市民戦争を捉えること,そして現代スペインの社会生活を赤裸々に描くことから始まった.前に述べた戦後小説の出発点ともいうべき2作品に次いで,マドリードの下町にうごめく庶民の生活を活写した,これまたセーラの傑作『蜂の巣』が51年に出版されると,これに示唆をうけた《若い世代》が意欲的な作品を次々に発表し,いわゆる客観主義リアリズムがおし進められることになる.


2) 持っていることを最近思い出した『スペイン・ポルトガル事典』でも斜め読み。

> ……略……内戦後の文壇に登場,スペイン文学に新しい方向を示す.代表作にマドリードのカフェを中心に1942年の大衆の生活を活写した『蜂の巣』(1951)


3) La colmena(原作)@Wikipediaなんかをザッと斜め読みしたりする。
↓↓↓
(テキトー訳)
■1951年にブエノス・アイレスで出版。性・同性愛・刑罰等に多く言及しているため、フランコ政権下の検閲制度に鑑みて、スペインでは発行できなかった。後にマヌエル・フラガが内務大臣に就任してからようやくスペインで初版刊行となった。

※Reine注※
マヌエル・フラガが内務大臣っていうとManuel Fraga@wikipediaを見たところ「1975~1976年」なので、つまりフランコの死後すぐ後ってことだね。四半世紀も経って、その時にやっと出版できたのね

■6章とエピローグから成る。各章がまた、並行する多数のエピソードの寄せ集めになっていて、それらがまるで巣の周りを飛び交う蜂のように交差する。

■お話の‘舞台’ははっきりしていて、1942年、つまり内戦直後のマドリード。ベリズモ(真実主義)に依って当時の社会生活を描いている。あんまり広くは無い空間にたくさんの人がちょこっとずつ登場するようになっている。

登場人物は300人ほどだが(※さ、さんびゃくにん? (;・∀・)? trescientosって300だよね? 300人? そ、そうなんだ……?)、富裕層と言えそうな者はほとんど出てこず、かと言って労働者階級やアウトサイダーに強くスポットライトが当たっているというわけでもない。大部分の登場人物が中の下とか、没落プチブルである。つまり不安定な境遇にある人々なのだ。未来の見通しも立たず、その日暮らしの生活。彼らの行く先に新たな展開が在るわけでもなし、今日も明日も昨日と同じ朝を迎えるだけ。

■内戦後まもなく世に出た、スペイン社会の現実を丸裸にする作品の一つ。


4) 出版から半世紀が経った時の『El Pais』誌による記事: <検閲が世に出したがらなかったある小説の50年>(2001年12月3日)より

■内戦直後のマドリードの人々を描いた小説。検閲する側にとってはあまりにも反体制的な内容だったため、アルゼンチンで出版せざるをえなかった。

■1951年に世に出た。みなさんも文学の授業で読まされたことがあるのではないですか。当時のスペイン社会には厳しい検閲が敷かれており国内では出版は不可能だったためアルゼンチンの出版社が引き受けた

■「視点というもの常に持っていたいものだ。もう何度も言ってきたことだが、これこそが本当に大事なことだから」という言葉で始まる

■今日の評論家はスペインを現代文学に誘ったのがまさにこの『蜂の巣』であると考えている

■内戦後まもなくのマドリード市民を描き出す。彼らが集うのはとあるカフェである。

■作品があまりに実存主義的かつ批判的で、ブラックユーモアを随所に含んでいたため、検閲によってスペインで発禁処分となった。

■カミロ・ホセ・セラは1916年ガリシア生まれ。小説家として広く知られるが、詩作・紀行文・新聞記事など他のジャンルの作品も数え切れない。

■マドリードで学生だった内戦中、フランコ側にあった。しかし後にフランコ独裁制を否定し、今日まで常に無党派で扇動的な姿勢をとっている。1950年代に文学誌『Papeles de Son Armadans』を創刊、独裁政権下で亡命していったスペイン人作家の作品を世に送り出した。1989年にノーベル文学賞を、95年にはセルバンテス賞をそれぞれ受賞。

■既に160もの版が存在し、30言語に翻訳されている。

■80年代初めには映画化もされた。セラもマティアス・マルティという新語考案者(←inventor de palabrasって日本語で何?)の役でカメオ出演しているのが面白いところである。『蜂の巣』は1982年のベルリン映画祭で金熊賞を獲っている。監督は内戦直後の失望感や貧窮といった社会の空気を巧みにとらえていた。ちなみにこの監督はミゲル・デリーベスの小説を映画化した『Los Santos Inocentes ~無垢なる聖者~』も撮っている


原著(スペイン語)

和訳
La Colmena@IMDb

La colmena - Búsqueda de libros de Google

Wikiですけれども
Camilo José Cela
カミーロ・ホセ・セラ
La colmena(原作)

・2003年2月にバルセロナFNACで購入。4年7ヶ月経ってようやく観ました。腐ってなくてよかったです(が、数ヶ月前に観ようとしたときは再生不能だったりした)

監督: Mario Camus マリオ・カムス
原作: Camilo José Cela カミロ・ホセ・セラ
訳本: José Luis Dibildos ホセ・ルイス・ディビルドス

出演:
Victoria Abril ビクトリア・アブリル ... Julita フリタ
Ana Belén アナ・ベレン ... Victorita ビクトリア
Agustín González アグスティン・ゴンサレス ... Mario de la Vega マリオ・デ・ラ・ベガ
Emilio Gutiérrez Caba エミリオ・グティエレス・カバ ... Ventura Aguado ベントゥラ・アグアード
José Luis López Vázquez ホセ・ルイス・ロペス・バスケス ... Leonardo Meléndez レオナルド・メレンデス
José Sacristán ホセ・サクリスタン ... Martín Marco マルティン・マルコ

……他、山ほど出て来るので追加などすると思う。えーっと、ちゃんと最後まで観たらですけどね

エェ━━━━━( ゚Å゚;)━━━━━!!?

う……うん、108分中、まだ75分くらいのところで止まってるんだよね。しかも語句メモとってないし……

後日!

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Comments

マリオ・バルガス・リョサやらガブリエル・ガルシア・マルケスら、ラテンアメリカの作家で日本で有名な人の名を挙げたあとスペイン人の先生が「カミロ・ホセ・セラは日本では(ほとんど)知られていないんじゃないか。そういえば、こないだ中南米のある国の大使が彼の名を知らなかったのには驚いた」と言ったところ、別のスペイン人の先生が「そんなことはない。知られているでしょう。本も翻訳されて出ているし、うちの生徒はみんな知っている」と反論した。

のだけども、私はやっぱり「知られてない」のだと思うよ。前にあがった2名と比べたら圧倒的に知られてないでしょうという文脈でね。スペイン語学習者が知ってるか知らないかというのはさておき、世の中では「知られてない」と言えちゃう状況なのではないかな。

Posted by: Reine | Wednesday, March 12, 2008 at 08:36

ネットの検索結果をもって知名度の高い低いを論じられるかどうかはアレですけども、一応検索してみようか

1) 携帯で。カタカナのフルネームを「・」のかわりに「 」(スペース)で検索、「"  "」で括らずに検索してみたら:

(※ezwebサイト、携帯一般サイト、pc一般サイト、の順に)
・マルケス: 5件  649件  4380件
・リョサ: 2件  169件  1230件
・セラ: 2件  122件  279件

(※他社の携帯でも同様の結果が得られるのではないですか)


2) 日本の某SNS内のコミュニティ参加人数
・ガルシア・マルケス: 3050人
・マリオ・バルガス=リョサ: 66人
・カミロ・ホセ・セラ: たぶんコミュニティが無い


3) 「日本で」じゃないけど、ついでにOrkut内コミュニティ(参加人数を単純に合計)
・gabriel garcía márquez: 39件; 55457人
・mario vargas llosa: 5件; 1268人
・camilo josé cela: 2件; 26人


こういう感じでもあるのでね。
まあ、こういう数字を挙げたところで「だからなに?」なんだけども(※注)、それでもやっぱりね、これを「セラも知られてる」と言うのはちょっと厳しいと思う。

(※ネット利用者の年齢層の偏りの有無とかそういう諸事情があるだろうし; それにSNSのコミュニティなんてのは、それでもって知名度の高低を示せるのかファンの多寡を示せるのか、その辺よくわかんないしね)

Posted by: Reine | Wednesday, March 12, 2008 at 08:55

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