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Saturday, September 08, 2007

Carmen / カルメン [スペイン映画]

carmen原作をまずちょっと知っておく

1) カルメン@wikipedia
>フランスの作家プロスペル・メリメが1845年に発表した中編小説及びそこに登場する女性の名前である。この小説では、作者がスペイン旅行をした際に出会った山賊の身の上話としてカルメンの物語が描かれている。

2) ウィキペディア↑に書いていなくて『スペイン・ポルトガルを知る事典(平凡社)』に書いてあることを、以下にちょっと写す(※ちなみに、この『事典』はこれまで私はチラ見するだけだったけどサクサク読めて面白いよ)(でも、『スペイン・ポルトガルを知る事典(新訂増補版版)』を手に入れたいところです):

>……略…… 伍長ドン・ホセは女工カルメンに魅せられ、ついには密輸業者に身を落とす.彼女の情夫と渡り合って殺す破目にまでなったものの,カルメンはほどなく闘牛士ルカスに心を移した.復縁を迫るホセをはねつけた彼女は,予期していたかのように,ホセの刃に倒れる.占いを信ずる彼女は,ホセの手にかかって死ぬと確信していたのである.

>以上は第3章のホセの懺悔話の内容で,先立つ2章は話者と主人公たちの出会いの次第を物語り,最終章は本筋と無関係のジプシー談義に終始する.……略……

>主人公はともに宿命的情熱の犠牲者であり,作者の偏愛するアウトローだが,……略……

>奔放なジプシー女カルメンは,いわば近代人の枠外に設定された人物で,ロマン派好みの異国趣味を背景に,……略…… (冨永明夫

3) あとこういう記事なんかもわかりやすいかも。
カルメンとドン・ホセ―スペイン・セビリア


carmen2004年11月にスペイン人の友人たちから薦めてもらった作品群のうちのひとつ。その時、「『カルメン』は映画の半分エッチしてるらしいよ」という情報も寄せられたので、そしてまた私のおそらく苦手なビセンテ・アランダ監督作品ということもあり、正直なところ、これは鑑賞を後回しにしまくっていました。(mona氏に買って来てもらってから2年10ヶ月経ってる! ごめん、そしてthx)

このたび、どんなパーセンテージでどんな性行為に及んでいるかを確認すべく、ようやく観てみました。

しかしね。実際のところ、そんなでもないんだよ。以下の一覧を見てちょうだい。どれも30秒~2分くらいのシーン。

結論から言うと、この作品、別にエロくないよ

1回目: (43分頃)
カルメンがホセの筆下ろしをしてくれます。「私があなたをestrenar(=desvirgar)してあげる」「Te voy a enseñar cómo se hace, caloyo.」とか言ってます。騎乗位。(やや‘朝チュン’気味)

2回目: (47分頃)
朝の痴話喧嘩から仲直りエッチ

3回目: (50分頃)
回想(すっかりトリコになっちゃったホセがカルメンとの夜を思い出して悶々としている)

4回目: (1時間11分頃)
山ん中で。おっぱい、上の方ちょっとだけ。

5回目: (1時間13分頃)
洞窟の中で。おっぱいあり。

6回目: (1時間17分頃)
洞窟の中で。おっぱいあり。

7回目: (1時間41分頃)
※ホセじゃなくて別の男と。
後姿全裸。おっぱいあり。開脚あり。でも見えない。手をどかせ>カルメン。 いったん途切れてから、「これ入ってるよね」的なシーンあり。

8回目: (1時間49分頃)
カルメンの陰毛に顔をうずめんばかりのホセあり。

あと、二~三回、パス・ベガのお尻程度ならあったかも。しかし、その程度なんだよ。『carmen./カルメン 完全無修正R-18エディション』なんて大袈裟ですよ。こんなのに釣られてティッシュ用意して観たらガックリするよ。


この映画はシンプルに‘文学’だよね。
原作読んでないので何とも言えないのですが、わりときっちりストーリーを追っているのではありませんか??? (情報求ム) 無意味にSEXシーンを長回しにしてるわけでもないし。別に、ふつーーーに‘おはなし’だよ? だから、別に望んでいるような資料とはなりえないと思います>男性陣

ホセという男が哀れやら惨めやらで勃つどころではないのでは? 私の場合は周囲を振り回す女は大嫌いなので、カルメンに対してどんどんむかついてきちゃって、ホセがカルメンをぬっ殺した時は喝采を上げたかったくらい。

このような文学モノは紙芝居のような印象を受けてしまうので、あまり私は感じ入ったりしないんだわ。(『セレスティーナ』しかり。) だけどそんな私でも、横たえたカルメンをいつまでも愛しむホセの姿やら、最後の最後、「¿Permitiría que Carmen fuese borrada de su existencia? (あなたの生涯からカルメンが消し去られてしまってもかまわないというのか)」と問われた時のホセの答えやらは、意外なほどにグッと来たのでした。


関連商品けっこうある。並べると色とりどりでいいよね。まず原作本和訳。

原著(フランス語)と、本作DVDと、別作品カルロス・サウラ監督の『カルメン』

(このたび私が観たのは友人mona氏にスペインで買ってきてもらった版)


そしてサントラ

Carmen日本公式

Carmen@IMDb
carmen. カルメン@CinemaCafe
carmen.-カルメン 完全無修正版@ぽすれん
carmen.カルメン@goo
carmen.カルメン@ウーマンエキサイト
carmen.カルメン@象のロケット
carmen.カルメン@映画生活
carmen.カルメン@シネマトゥデイ

監督: Vicente Aranda ビセンテ・アランダ
脚本: Vicente Aranda Joaquim Jordà   Prosper Mérimée プロスペル・メリメ(原作)

出演:
Paz Vega パス・ベガ ... Carmen カルメン
Leonardo Sbaraglia レオナルド・スバラグリア ... José ホセ
Antonio Dechent ... Tuerto トゥエルト(隻眼)
Jay Benedict ... Próspero メリメ
Josep Linuesa ... Lucas ルカス(闘牛士)

(コメント欄にメモ)(スペイン映画)

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Comments

1) 冒頭に現れる詩文(José Martí)

¿Del tirano? Del tirano di todo, ¡di más! y clava con furia de mano esclava sobre su oprobio al tirano

¿De mujer? Bien puede ser que mueras de su mordida; ¡pero no empañes tu vida diciendo mal de mujer!

2) 冒頭、ホセの独白
「Dicen que las mujeres y los gatos nunca vienen cuando se les llama, y acuden sin falta cuando no les haces caso.」

Posted by: Reine | Saturday, September 08, 2007 at 22:48

語句メモ

pinta: [女] Aspecto o facha por donde se conoce la calidad buena o mala de personas o cosas.

zorra: [女] prostituta

Don Prospero
don: (成人の男性個人名の前につける敬称)

a mano armada: Con armas.

caloyo: 新兵; 生まれたての子羊,子ヤギ

pasar lista: Llamar en alta voz para que respondan las personas cuyos nombres figuran en un catálogo o relación.

monigote:
2. [男] Persona ignorante y ruda, de ninguna representación ni valer.
3. [男][口語] Persona sin carácter, que se deja manejar por otros

panoli: (Del valenciano "pa en oli", pan con aceite, una especie de bollo).
adj. vulg. Dicho de una persona: Simple y sin voluntad.

fornicar: [自][再] Tener ayuntamiento o cópula carnal fuera del matrimonio.

fario: [男] Suerte, fortuna, sino.
buen fario / mal fario

chavo:
→ ochavo: 2. [男] Moneda española de cobre con peso de un octavo de onza y valor de dos maravedís, mandada labrar por Felipe III y que, conservando el valor primitivo, pero disminuyendo en peso, se siguió acuñando hasta mediados del siglo XIX.

coima:
→ concubina: Mujer que vive en concubinato.
→ concubinato: Relación marital de un hombre con una mujer sin estar casados.

dársela a alguien con queso: fr. coloq. Engañarle, burlarse de él.

medrar: [自] Dicho de una persona: Mejorar de fortuna aumentando sus bienes, reputación, etc.

「¿Me estás buscando?」
buscar: 4. [他][再] provocar (= hacer que una cosa produzca otra).
例) Tú te lo has buscado.

entregarse: [再] Ponerse en manos de alguien, sometiéndose a su dirección o arbitrio.


mediante la aplicación de garrote vil: 絞首刑によって

garrote vil: (鉄輪を用いた)絞首台; 絞首刑

garroteについては『Verdugo』のコメント欄でちょっと書いたけど、『カルメン』ではこの絞め殺し道具のセッティングの様子が見られますよ。

Posted by: Reine | Saturday, September 08, 2007 at 22:49

3) オレンジにかぶりつくようなシーンは『マルティナは海』でもあったよね。でも、カルメンのかぶりつき方はあんまりエロくない。

4) この映画の私にとっての嬉しいところは、コルドバやセビージャでロケしてくれているところ。

コルドバ撮影
ローマ橋
メスキータ

Posted by: Reine | Saturday, September 08, 2007 at 22:52

5) 日ごろからいがみ合ってるというか、カルメン(の出自)を蔑んでいる女工のグループがあるようで、彼女らから売られた喧嘩を買った形で、カルメンはタバコ工場での勤務中に刃傷沙汰を起こす。身柄を押さえられて連行される。連行する係が、ホセだったのね。

連行されながらカルメンはバスク語を話し始める。ホセは「およっ?」と不意を食らったようにカルメンを凝視する。ホセはNavarra地方出身だから'Navarro'とあだ名されているくらいですから、バスク語は母語だからね。カルメンとしては「同郷のよしみでここは逃してくださいまし」とでもいうつもりか。

ここのシーンで、へえぇ、そういうストーリーなんだ?と、ちょっと興味をひかれた。カルメンはバスク語をしゃべるのですね。『カルメン オリジナル・サウンドトラック』にも、「6. 君はバスク語を話すのか? 」という曲目がある。

で、ちょっと検索したら「バスク語会話は、ホセのルーツにうったえかけ彼の魂を動かす。」と考察していく論文が読めたりしました。

Posted by: Reine | Saturday, September 08, 2007 at 23:03

これさ、原作ではホセの外見や女扱いについてはどのように書かれているのですか? 原作のホセも本作のレオナルド・スバラグリアくらいイケメンなの?

レオナルド・スバラグリアが綺麗すぎるのが残念だった。

いや、私はいいよ、私は。あれくらい綺麗な男を持ってきてくれたのは。観賞用としては。でも、なんていうか、彼の顔は綺麗すぎて高貴な感じさえ漂っちゃってるのが、どうもな。しっくりこない。

カルメンをみすみす逃しちゃった咎でホセは処罰を受ける。
独房で空を見つめて「軍隊に入ってから5年、ひたすら昇進だけを考えてどんなことにも耐えてきた」とホセは想う。「TenienteかCapitánくらいになるために今日まで真面目につとめてきたのに」という彼はSargentoである。

⇒ここで、Escalafón militar de España (スペインの軍隊の序列表)を見てみる。Sargentoとはどの辺なのか。

なんか、こう、レオナルド・スバラグリアが美しすぎて‘下っ端感’がいまひとつなんだよ。ええとこのご子息に見えちゃう。もっと、こう、‘シモジモ感’のある俳優がよかったな。スバラグリアは‘王子様タイツ’が似合いそう過ぎる。

おまけに童貞だったというのも、説得力に欠けるんじゃぁ? 23歳になるまで何もなかったんかい、それほどの美男子が、という違和感。(まぁ、別に顔でセックスするわけじゃないし、時代も時代なんだけども)

その辺、原作はどうなっているのでしょうか。

とにかくね、私はやっぱりスバラグリアではなくて仕事運についても女運についてももっと不器用に見える俳優がよかったと思うんだよね。

Posted by: Reine | Saturday, September 08, 2007 at 23:12

あぁ、くだらないことを書き忘れてしまった。

6) 最後の方、祭壇のような場で、横たわるカルメンにホセが接吻するシーンではFalcoの放送禁止クリップ『Jeanny』をちょびっとだけ思い出した。←無理矢理ですけど。

7) 従者Antonioは歌舞伎のあいつ(歩く性器みたいな男)に似てる。あと野村なんとかいう俳優をミックスした感じ。←意味不明

Posted by: Reine | Saturday, September 08, 2007 at 23:30

別の記事のコメント欄でも言ったことなんだけど:

『カルメン』を観て( ´_ゝ`)フーンってあっさり終わっちゃった人は、bettyさんの『カルメン』の記事を読んでからもう一度観てみたらいいですよ。感じ方が一変するでしょう。

Posted by: Reine | Sunday, September 16, 2007 at 08:37

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