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Tuesday, July 03, 2007

doblaje

山崎バニラさんのVANILLA'S DIARY: 吹き替え版の歴史というブログ記事をお見かけしたので、取り急ぎちょっとメモだけ。


スペインで映画館でもなんでも外国映画はほっとんど全部が吹き替えなのは、フランコ時代の名残り。と、スペイン人の友人から大昔(97年頃)聞いた。

どこかに記述ないかとザッと探した。

Wikipediaのdoblaje(=吹き替え)の説明
母語の保護・尊重のためと、検閲のし易さによるもの、とかなんとか書いてある。

2007.07.04 ちょっとだけ追記
>スペイン語圏の国の中で最も吹き替えが普及しているのはスペインである。それは1941年、フランコ政権下で公布された規則にまで遡ることができる。そのまた原形はというと、ムッソリーニの国語保護政策であった(←そうなのですか、知らなかった)。イタリア・ドイツ・スペインで採られたこの規則の政治目的には二つあった: 一つは国語というアイデンティティを通してナショナリズムを形成すること。二つには、国益にそぐわない外国思想を検閲し統制を図ることであった。(とかなんとか。駆け足なのでなんちゃって和訳。すみません)(加筆終わり)


スペインの学校の「ジャーナリズム」の授業で先生がなんか言ってた。えっと、たぶん先生が言ってたのはですね:

フランコ時代にはそうやってハリウッド映画なんかガンガン検閲しーの、吹き替えしーのだったから、ホントは恋人同士の男女という設定なのに、「兄と妹の家族愛」っていう‘教育的’な設定に勝手に変えちゃったりもしてたんだとかで、そうすると「おぉ、妹よ!」「ああ、お兄様」なんつってヒシと抱き合ったりしているというヘンテコリンなストーリーに成り果てたりしていましたよ、

……みたいなことだと私は聞き取ったんだけど、残念ながら当時はスペイン語の勉強を始めたばっかりで、まるで聞き取ってなかったような感じなので、自信ないです。


・レオン大学のCamino Gutiérrez Lanza氏のPDFファイル: ESTUDIO DE LA TRADUCCIÓN INGLÉS-ESPAÑOL Y CENSURA DE TEXTOS CINEMATOGRÁFICOS EN LA ESPAÑA DE FRANCO (1951-75) (=英西翻訳とフランコ時代のスペインにおける映画テキストの検閲についての研究)

関連のありそうな書籍

2007.07.07追記
後者については、スペイン書房の販売ページに詳細が掲載されており、「La absurda censura, la ideologia del imperio 馬鹿げた検閲、権力者のイデオロギー」とある。この本、面白そうだよね。(加筆終り)

(今はメモだけ)(おいおい書き足せれば書き足したいところです)


ついでに
ポルトガルは吹き替えではなくてテレビ放送なんかでも字幕が多かったという印象がある。

(※と言っても、私がポルトガルでそういうのを体験したのは90年代のことですけどね)(90年代のポルトガル旅行中に、テレビで見た日本のアニメが字幕だったので記憶に残っている)(2005年のポルトガル旅行のときにはテレビも映画も観ていないので、比較検証はできず)

取り急ぎちょっとだけ探してみたんだけど、Wikiのポルトガル語の「吹き替え」の説明中、「ポルトガルでは…」の項を読んでみる:

>Em comparação com o Brasil, e em contraste completo com a Espanha, em Portugal há pouca dublagem. (ブラジルと比べて、あるいはスペインとは全く対照的なことに、ポルトガルでは吹き替えはほとんど無い)

とかなんとか書いてある。やっぱりそうだったんだ。なんでだろうね。ってのは、まだ調べてない。おいおい調べていければ。

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Comments

スペインでは映画はみんな吹き替えだと聞いてたけれど、こんな歴史があったんですね。でも検閲する役人も英語がわからないから?と思ったりすると、何かとってもスペイン人らしいとか思えたり。スペインでは日本と同じで本当に英語通じないですもんね。通じるとむしろ危ない人の確率高かったりするし。

Posted by: KLE4c | Tuesday, July 03, 2007 at 17:10

KLE4cさん、いつもお世話になっています。(※私のスペイン関連ニュースの源の大半はKLE4cさんblogですから。もう、ほっとんど)

吹き替えにしてセリフをかぶせちゃう方が情報統制が楽だったんでしょうかね。そういう風に私は聞い(たような気がし)て、理解してきたのですが、もうちょっと詳しく正確に調べてみたいところですが、あいにく今は時間がとれなくて。

(KLE4cさんもご存知かと思いますが)
90年代前半にスペインとポルトガルを旅行した時、ポルトガルでは上述どおり日本のアニメのテレビ放送も字幕放送でした。そして、ポルトガルではたいていの町で英語でだいたいの用事は済みました。その時に、吹き替えよりも字幕の方が外国語教育って効率的に浸透するもんなのかしらと、チラッと思ったことがありました。

スペインと比べて、違いがあまりにもハッキリしていたので……。ね。

Posted by: Reine | Tuesday, July 03, 2007 at 21:09

初めまして!トラックバックありがとうございます。私のブログにもこちらのサイトの事書かせていただきました。
ところで、活動写真弁士はスペイン語でなんていうのでしょう?日本特融の芸なので困ります。以前スペイン人の先生に訳していただいたら
"narradora de cine mudo"(サイレント・ムービーのナレーター)との事でした。ナレーションだけじゃないしなぁ。でもこれが無難ですかね。
ちなみに大正琴は仕方がないから
"harpa japonesa pequena"と言ってます。いかがでしょう?

Posted by: バニラ | Wednesday, July 04, 2007 at 00:38

バニラさん、こんばんは。
バニラさんの記事をとても興味深く拝読しました。私のこの記事はただ幾つかのサイトのURLをメモっておいただけのような、非常にいい加減な仕上がりになっておりまして、まだたいした解決にもなっておらず、申し訳ないです。

さて、「活動写真弁士はスペイン語でなんていう」かという件ですが、それで落ち着いて考えてみると、バニラさんのarteをスペイン語で説明するのはたいへんですね。複雑ですよね。バニラさんのスタイルは唯一無二ですからね。

「harpa japonesa pequena」を奏でながらの「narradora de cine mudo」はとても良い説明だと思います。(※大正琴を訳すのは難しそうですね)

http://es.wikipedia.org/wiki/Cine_mudoを読んで知ったのですが、スペインではピアノやオーケストラで音楽効果を現場で付け足していたのですね。スペインでいう「narrador」は日本の(バニラさん達のような)弁士さん達の技や芸術とはちょっと違うような気がしますね。

今日は面白いことをいろいろ知りました。ありがとうございました。これからも御活躍ください。

Posted by: Reine | Wednesday, July 04, 2007 at 01:17

 はじめまして、バニラさんの所からとんでまいりました。
なるほど、そのような所以があったのですネ。
ためになりました。ありがとうございます。
 ごあいさつがてら、映画リストにも載っていたものですが、
" VENGO "がオススメです。私の好きな映画のひとつです。
昔は”アナ・トレント”がかわいい子役で、その将来を
楽しみにしていたのですが、パッとしませんでしたネ。
少し残念な気がしています。
 それと、私は熱烈なFCバルセロナのファンでもあります。
”ウイング”というポジションの呼び名は、戦術フォーメーションの
はやりすたれで、最近のサッカー界ではあまり使われなくなって
きております。ご参考までに。

 これからも楽しく拝見いたして行きたいと思いますので、
ヨロシク願います!

Posted by: カルロス | Wednesday, July 04, 2007 at 18:26

はじめまして。
ブログ村経由でやってきました。

映画に関してお詳しいですね。
また情報を楽しみにしておりますので、
よろしくお願いします。

Posted by: こ~じ | Wednesday, July 04, 2007 at 18:41

カルロスさん、こ~じさん、こんばんは。はじめまして。

いろいろたくさんお話聞かせていただきたいところなのですが、ちょうど今さっき別記事で申し上げましたが、今ちょっとバタバタしていてきちんとしたレスも差し上げられず申し訳ありません。カルロスさんからはサッカー用語についてもアドバイスいただいたというのに。

しばらく(2日か、1ヶ月か、そのくらい)経ったらまたあらためてコメントいたします。いきなりバタバタしていてすみませんが、これからもよろしくお願いします。

Posted by: Reine | Wednesday, July 04, 2007 at 18:59

あ、同じ頃スペイン、ポルトガル旅行してたんですね。
確かにポルトガルは英語かなり通じますよね。それから特に北部の方では、外国人と見ると英語よりフランス語話すか?と聞かれることが多かったような。実際バカンスに来てた車は圧倒的にフランスからが多かったから、儲けのためにも覚えていくもんなんでしょうけど、なのにスペイン語はほとんど通じなかった記憶が・・・。おとなりなんだし、発音は全然違うけど、新聞だったらスペイン語の辞書でも読めるくらい近い間柄なのにと、とても不思議に思ったものでした。
スペインも決して裕福な国ではなかったし、今も観光で食ってる国な訳だけれど、ある意味スペイン語しか話せなくても生きていけると言うことも大きかったのではないかなとも思ったり。夜行列車でアラブ系の人に金を脅し取られた時、始めに、英、独、仏、西の何語を話すんだ?と聞かれたことがあって、腹は立ったけど、こんな奴らも何カ国語も勉強するんだと変に感心した覚えがあったりします。

Posted by: KLE4c | Thursday, July 05, 2007 at 12:27

KLE4cさん、英語の通じ方はスペインとポルトガルではっきりと差がありますよね。今日現在どんな感じなのかは知りませんけど、90年代前半から2005年までくらいのだいたいの印象としては、そうでしたよね。ポルトガルだと、たいていの町のたいていの商いの場で英語でやりとりができたような印象が。一方スペインは……うーーーん……といった感じ。

>夜行列車でアラブ系の人に金を脅し取られた時
>英、独、仏、西の何語を話すんだ?と聞かれた

これはこれは。KLE4cさんもいろいろな目に遭ってそうですね。御無事でなによりです。しかし、勉強熱心ですねえ、彼らも。生きるため、か。ヤんなっちゃうね。

Posted by: Reine | Saturday, July 07, 2007 at 14:24

メモ
本を一冊プラスしておきました。

Posted by: Reine | Saturday, July 07, 2007 at 14:26

MEMO
そうだよな。フランコとちょうど同じ頃にポルトガルにはサラザールが居たんじゃんんね? サラザールは、じゃぁ、「検閲のための字幕」って考えなかったのでしょうか?

映画の放映の仕方やら街の人々の‘英語しゃべれる度’やらに関して、ポルトガルとスペインでどうしてああいう違いがあるのかは、おいおい調べたいところ(※うーーーーんっと、そうねえ……今年度末くらいまでに知ることができれば上出来)

とりあえずwikiだけどいくつかページmemo
António de Oliveira Salazar
Censura em Portugal
サラザールの独裁

Posted by: Reine | Monday, July 09, 2007 at 23:27

スペイン・ポルトガルを知る事典』をめくっていてポルトガルの検閲についてちょびっと見かけた:

■【今日のポルトガル】の[文化活動]の項
文化活動は,サラザール時代に出版物の検閲制度など,政府の厳しい干渉によって著しく抑圧されたため,活力を失って一般大衆から遊離し,すぐれた知識人,作家は亡命した.1974年の革命後,検閲制度は廃止され,自由な文化活動,学術研究が始まっている.

■【ポルトガル映画】の[戦後の映画]の項
48年には,新国家体制の思想統制を狙ったポルトガル映画保護取締法令が発布され,映画への政治的介入が強化される.

■【ポルトガル映画】の[新しい波の登場]の項
(注: 62年,オリベイラ監督が『春の神秘劇』を発表して賞を獲得し云々…)ポルトガルの映画界ではこれ以降,政治的検閲と国産映画に無関心な一般観客に抵抗しながら,また,オリベイラの作品に刺激を受けて,ソウザJosé Ernesto de Sousaのイニシアティブで新世代が登場してくる.


……と、こういったわけでサラザール政権下のポルトガルでもやはり検閲は厳しかったようなんだけど、でもだったらどうしてポルトガルでもスペイン同様に「いいこと思いついた、お前、吹き替えで誤魔化しちゃえ」という運びにならなかったのか、というのが未だわからない私でした。

Posted by: Reine | Sunday, September 09, 2007 at 10:21

ポルトガル人の女友達がこないだチャットで言ってきた(※37~8歳,超文系,教職志望の学生に教えてる;映画にどれくらい興味があるかは知らないや)

「こういうこと考えたことがなかった。でも貴女の言ってること、理屈はほんとそうだと思う」

「考えたことがなかったのよ。独裁時代のことってあんまり知らないのよね」(※彼女が5歳の時に無血革命)

「でもこのテーマ、すごくinteressanteよね」

「ポルトガルじゃいっつも字幕だったのよ。今もね。で、そのおかげで我々が英語が上手なんじゃないかって言われれば、たしかにそうよね」

「だけど、じゃぁ、独裁政権がその辺どうやってコントロールしたのか、はたまたしなかったのかってことになると、私よくわかんないんだわ」

「そもそも、映画の数自体もスペインみたいに多くなかったのよ、ポルトガルって」

(私: それ外国映画のこと言ってんの?)

「そうそう。あんまり観なかったんじゃないかなぁと思って」

(私: 独裁時代に外国映画を輸入してなかったんじゃないかということね?)

「だと思うんだよね。それかあれだ。政治思想的にデンジャラスな感じの作品じゃなくてもっと当たり障りの無い作品ばっかり輸入してたとかね………勘だけど」

勘なのか!

Posted by: Reine | Wednesday, October 03, 2007 at 00:48

ちなみに上のポルトガル人の彼女とは1984年くらいからの交友関係ね。よく続いてるよね、ほんと。

* * * * *

乾先生の『スペイン映画史』に詳しく書いてありました。

第4章 内戦後のスペイン映画 1940年代
  フランコ体制下の特質、検閲と映画産業振興政策
  国立映画研究所と検閲の実態 
  外国映画に見る検閲の歴史

第8章 転換期のスペイン映画 1976~1982
  検閲の全廃と自由の代償  
  検閲廃止直後のスペイン映画 1976~1977  


といったところか。以下、「吹替」以外の事柄も含めかなーり飛び飛びに引用:

>内戦後のいわゆるフランコ体制にあって、映画は常に検閲と闘わなくてはならなかった。

>青少年の保護という名目から出発したのであるが、次第に思想統制的な色彩を強めていく。

アウグスト・M・トーレスに拠れば、1941年4月23日に、スペインで公開される全ての外国映画はスペイン語に吹き替えることが義務付けられたという。

ベニート・ペロホ監督の『スサーナには秘密がある』の場合、1939年に主演女優ロシータ・ディアス・ヒメーノの名前をクレジット・タイトルから消去することが指示され、またベッドに入る前に彼女の素足が見える部分がカットの対象となり、更にウェディング・ドレス姿で「今では花嫁は全て承知の上で結婚式に赴く」と言う部分もカットされた。

※Reine注: ロシータ・ディアス・ヒメーノはフアン・ネグリンの息子と結婚してたから、か。
※Reine注: →フアン・ネグリン
スペインの政治家,生理学者.……略…(スペイン内乱勃発後)…37年5月首相に就任すると,内戦の勝利を第一として共産党と密接な関係を維持し続けた.内戦後はフランスおよびイギリスへ渡り,亡命政権の首班として反フランコ運動を展開し,56年パリで死去した。(『スペイン・ポルトガルを知る事典(私のは旧版)』より)


>検閲の実際を見ていると、キス・シーンは駄目、水着姿は駄目で、ましてや下着姿などもっての他、「ラ・マルセイエーズ」や「槌と鎌」を初め共産主義、社会主義、自由主義に関わる表現はカット。軍隊や教会、聖職者に対して少しでも敵対するような言辞もカットである。

>『凱旋門』は1948年に上映禁止となったが、翌1949年には公開が認められた。但しクレジット・タイトルからレマルクの小説を原作とする記述をカットするなど、いくつかの修正が為された上でのことであった。

>……略……(※内戦中に共和国を支援してたのでメキシコの映画は散々な目に遭わされて※)……略……メキシコ映画である旨をクレジット・タイトルから削除させられたものさえある。

>テオドロ・ゴンサレス・バリェステロスに拠れば、ジーン・ネグレスコ監督の『タイタニック』(53)には酒好きのあまり降格させられたカトリックの司祭が出てくるが、検閲でこの設定を変更することが求められたという。また、ディエゴ・ガランに拠れば、ジョン・フォード監督の『モガンボ』(53)の場合にはグレース・ケリー扮する人妻が不倫をするのであるが、これを不道徳であるとしてグレース・ケリーと夫との関係を無理矢理兄弟という設定に変えてしまったという。


私が10数年前にスペインの学校で聞いたような気がしてたのはこの話だな。ヽ(゚∀゚)ノ ちゃんと理解していたじゃないか、よくやったよ>我 


それで、IMDbの『Mogambo』のトリビアを見てみると、ほんとにそんなようなことが書いてある。

>When the film was dubbed into Spanish, Francisco Franco's censors found the adultery between Victor Marswell (Clark Gable) and Linda Nordley (Grace Kelly) immoral, so they changed the dialog to make them incestuous siblings.

>The censors in Spain did not allow adultery to be shown on the screen. For that reason, MGM changed the relationship of the characters of Linda Nordley (Grace Kelly) and Donald Nordley (Donald Sinden) from wife and husband to sister and brother in the dubbed version released in Spain. However, they did not delete a scene in which both share a bed together.

兄妹で同衾してたらそっちの方がよっぽどアレじゃんという話。

Posted by: Reine | Monday, December 03, 2007 at 20:09

メモ 後で読む
http://www.sisepuede.es/content/view/1745/11/

España, treinta años sin censura en el cine

Muchas de aquellas escenas "perdidas" que fueron guardadas bajo siete llaves han sido rescatadas treinta años después.

Posted by: Reine | Sunday, December 16, 2007 at 20:20

(上の記事の概要)

スペイン、映画検閲廃止から30年 ―― 厳重に保管されていた‘失われた’シーンの数々が30年を経てようやく日の目を見る

・bajo siete llaves: しっかり鍵をかけて,厳重に保管して
・efeméride: 同日記録(過去の同月同日に起きた事件・事実を記した表または新聞の欄); 記録される重要な事件.
・la censura cinematográfica: 映画検閲
・el panorama audiovisual español: スペイン映像業界の概観
・en el mejor de los casos: せいぜいよくても,とどのつまり
・las secuencias mutiladas: 削除されたシークエンス
・sinsabor: 《主に複数で》 不快,苦しみ


・検閲はスペイン内戦(1936年~1939年)後に40年続いたフランコ体制の‘遺産’

・たくさんのシーンが削除されたし、削除されないまでも外国映画の場合は吹き替えの時点で修正されていた

・検閲によってスペイン映画のテーマは制限されたが、映画人は制度を愚弄するのにその才能を活かした

・Elsa Fábregas(声優; 87歳)
「映画作品の脚本がぶち壊され会話からフレーズを削除したり逆に誰も言ってないことをしゃべらなければならないのは不快だった」

・検閲制度は頑愚でどんな作品でもシーンのカットを免れなかった。もっと悪くすれば映画一本まるごと発禁処分に遭った

・あの時代の映画ではたとえばお婆さんが孫におしっこをさせようとするシーンや姑がシャワー中の婿を驚かそうとするといった取るに足らないシーンがカットされた

・Carmen Sevilla(77歳)は若い頃に大量の海外作品に出演した女優である。『La guerrillera de Villa』で彼女が歌った曲は「きわどい」としてカットされた。

・スペインでカットされるなどした作品の膨大なリストの一部
"Mogambo" (モガンボ
"Doctor Zhivago" (ドクトル・ジバゴ
"Casablanca" (カサブランカ
"A Clockwork Orange" (時計じかけのオレンジ
"Tarzán"
"Treasure Island"
"Solomon and Sheba" (ソロモンとシバの女王
"An American in Paris" (巴里のアメリカ人
"The Godfather" (ゴッドファーザー
"Psicosis" (サイコ
"El Cid" (エル・シド

La Sexta(テレビ局)が放映したドキュメンタリー番組などの試みで、当時切り取られたフィルムの一部が復元できたが、多くは失われてしまった。現存するフィルムは検閲後のものである。

・国営放送TVEもこの週末の『ウィークリー・リポート』という番組中、「さらば検閲よ、さらば」というテーマでこの30年間を取り上げ、‘禁じられた映像’のルポを放映した。同番組はウェブ上で、この30年間に生じた変化は「ハサミの時代から自由な創作活動への歩みを意味するものである」と述べている。また検閲制度廃止と政治体制の変化を経てスペイン映画はようやく以前には禁じられていたキスシーンや抱擁シーンを描くことができるようになり、シナリオは完全な形で世に出るようになり、映画界は時代に沿った国の姿を描写するようになった。

Posted by: Reine | Wednesday, December 19, 2007 at 12:14

スペインの社会―変容する文化と伝統 (waseda libri mundi―SPAIN)』にもフランコ政権下の検閲について書かれているようだ。というメモ

Posted by: Reine | Saturday, November 01, 2008 at 13:22

La censura franquista obstaculizó la adaptación al cine de obras de Hemingway
El régimen consideró al novelista como "una amenaza a la moral conservadora de España", según un investigador estadounidense.-Los embajadores españoles en EE UU intentaron suprimir las producciones basadas en sus obras
EFE - Málaga - 13/05/2009

Posted by: Reine | Thursday, May 14, 2009 at 00:55

http://twitter.com/reneyama/status/24040336976
5年ぶりにこちらに来てみて友人らの会話から窺える小さな変化と言えば、英語熱かもしれない。前は「あたしは英語は……(∀`*ゞ)エヘヘ…」ともじもじしてうつむいていた感じだったのに、今は多くの友人が英会話スクールに通ったり子供を通わせたりしている。

http://twitter.com/reneyama/status/24040541737
そして更に興味深かったのは、スペイン到着から数日(~多く見ても10日)の間に、それぞれつながりの無い3人の友人が「ポルトガルの英語運用力を見ろよ。スペイン人が英語ダメなのは吹替のせいだよな」と口にした点。

Posted by: Reine | Friday, September 10, 2010 at 05:24

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