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Monday, October 09, 2006

El Método (El Método Grönholm) [アルゼンチン映画]

metodo(アルゼンチン映画)

アイヒマン実験」って「ミルグラム効果」って言うのか。(゚Д゚)ノシΩ ヘェ!

> 閉鎖的な環境下における、権威者の指示に従う人間の心理状況を実験したものである。
> 実験者に対して、実験の目的や意義に対して疑問を呈する者もいたが、何人かの被験者は実験者の要請に従って、最後まで電流を流し続けた

なるほど。

スタンフォード監獄実験ってのは? ……ふーーーーーむ。これはさすがにひどすぎる。


本日の映画『El Metodo / El Metodo Gronholm』の中で採られている手法、すなわち「グロンホルム・メソッド」とは……まさか上記2件のような空恐ろしいものではないですけど……でも、まぁ、そういった路線ですよ。

うん。非人道的な映画ですよ。

などと書いたら、既に観た人たちは「えぇぇぇぇぇっ、そーゆー括り方!?」と言いつつもニヤリと笑ってくれ……ないかな。


あらすじ
マドリード・サミットの日を迎え、どのメディアも過激派による反グローバリゼーションのデモや暴動への警戒を呼びかけていた。

厳戒警備の敷かれたマドリードでは未曾有の大渋滞が発生している。カルロスは、しかし、無事にデキア社に到着した。多国籍大企業であるデキア社の管理職中途採用の最終面接まで進んでいたのである。

高層階の人事部の1室でカルロスは他の6名の候補者と顔を合わす。かつて懇ろだったニエベスとも偶然の再会を果たすこととなった。

7人の志願者が、もはやルーティンと化した書類記入を終えた頃、各人の目の前に置かれたモニターが不意に作動する。「本日の試験で1人に決まります。試験の方針に同意できない場合は辞退してくださってけっこうです。強制ではありません。ただし、この部屋にいる間は‘グロンホルム法’に基づいたルールに従っていただきます」

‘グロンホルム・メソッド’という、聞きなれないこの人事選考方法に戸惑っている暇は無い。再びモニターが作動し、7人の中に1人だけ人事部の人間が紛れ込んでいるのを炙り出せという課題が与えられた。

戦いの火蓋が切られたことを一同は悟った。

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆


『El Método』は、ミルグラム効果とか監獄実験ってほどの‘残虐’‘苛酷’なお話では無いですよ。全く無い。ぜーんぜん。そんな。そこのところは御安心を。

しかし、も一度言うけど非人道的なお話なんだよ。倫理的にはいかがなものかと眉を顰めちゃうんだよ。作品に対してではないですよ、お話の中で進行していることに対してですよ。

人の心なんて随分とモロいもので、いくら行け行けどんどんの人でも、コントロールする側の術中に陥ってしまったら人格も人生もアッサリと打ち砕かれてしまう。「あなたは用無しだ」と言い渡されて、敗者は摩天楼という山を下りなければならない。傷つけられたのはキャリアなのか尊厳なのか、または両方ともか。

なんて不快な映画だろう。「不快」ってのは、黒板を爪で引っ掻くような、んー全然ちがうな、えっと、胃がキリキリシクシクするような居心地の悪さという意味。

なんて言いつつ、「面白い」と褒め、「観てごらん」と私は薦めるでしょう。特に、就職活動をこれからするという学生さんは観ておくとよいのではないですか。(← ほんとかよ)


あのさ、労働が苦手というのと、就職/求職が苦手というのとは、違うことだよね。労働のできる人でも就職/求職が嫌いだったりするよね?

私、プラプラしてるところをいつも投網や鳥餅で捕まえられて、首根っこ掴まれてジタバタしてるのを次の仕事へ連れて行かれるような星回りの人生なので、「求職活動」の恐ろしさを本気では理解していません。就職活動のプロセスって、この映画みたいに非倫理的なことが、フィクションでなくてまかり通っているのかな? イヤな話だな、おい。

だけど、求職中のみなさん。
「イヤな話だな、おい」と言ってる内はダメです。ダメみたいです。

・何度もおんなじこと書かせんなよ、馬鹿馬鹿しいとか、
・ゎ。そーゆーこと言うかー、人として許せないなとか、

やれ辛いだの悲しいだの嬉しいだの、そういうこと思っちゃいけないようだ。疑うな、だけど信じるな、そして憐れむな。つまり心を持つな。人倫の道なんてものは不要である、と。課題を効率的に時に非情に処理できる力こそが就職戦線で生き残るための必須条件だって。

¿Hasta dónde estarías dispuesto a llegar para ser el elegido? 採用されるために君はどこまでやれちゃうの?

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆


El Método @IMDb
(友人monaさんにお願いして、セビージャのエル・コルテ・イングレスで買ってきてもらいました。ありがとう!)(14.95ユーロ)

監督: Marcelo Piñeyro マルセロ・ピニェイロ
戯曲: Jordi Galcerán ジョルディ・ガルセラン
脚本: Mateo Gil マテオ・ヒル Marcelo Piñeyro

出演:
Eduardo Noriega エドゥアルド・ノリエガ: Carlos カルロス
Najwa Nimri ナイワ・ニムリ: Nieves ニエベス
Eduard Fernández エドゥアルド・フェルナンデス: Fernando フェルナンド
Pablo Echarri パブロ・エチャーリ: Ricardo リカルド
Ernesto Alterio エルネスト・アルテリオ: Enrique エンリケ
Adriana Ozores アドリアーナ・オソーレス: Ana アナ
Carmelo Gómez カルメロ・ゴメス: Julio フリオ
Natalia Verbeke ナタリア・ベルベケ: Montse モンチェ

製作: Ricardo García Arrojo リカルド・ガルシア・アロッホ
撮影: Alfredo F. Mayo アルフレド・F・マジョ

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Comments

冒頭でテレビ・ラジオから聞こえてくる、サミットやらデモの懸念やらいう事柄について、ちょっと調べてみた。

「シアトル、プラハ、ジェノヴァの時のようにここマドリードでも過激派による反グローバリゼーションの暴動が警戒されている」などというアナウンサーの声が聞こえてくる。

anti-globalization反グローバリゼーション

経産省のpdfファイルなんかを斜め読みした感じでは、シアトル、ジェノヴァ、プラハの三都市では実際に国際会議に合わせて暴動が発生したのですね?

・しかし、マドリードでサミット開催ってのはフィクション、なんだよね?

厳戒警備体制によってマドリード都心部の渋滞がひどい。カーラジオから聞こえてくる、「国際的大企業に反感を持ってるはずのデモ隊がその企業の作った靴を履いてたりするんだよなぁ」というDJの半笑いが印象的。

※映画開始2分のところでこんなにムズカシイことを調べさせられ読まされている。

※でも伏線かもしれないから一応知っておかないといけないと思うので調べてしまう

※これで伏線でもなんでもなかったら泣く

Posted by: Reine | Tuesday, October 10, 2006 23:12

この映画、もう後は特に書くことは無いや。

1つのポストまでの椅子取り合戦だもん。それ以外に今ここに書けることは無いです。「最初に与えられた課題がコレコレでー、その時こういうことが興味深くてー、それで次はこうなってー、ああなってー……」などと書いていくはずもなし。

ネタバレをせずに何かを書き留めておくとしたら数点:

1) Eduard Fernándezの、好色をどうしても隠せないホワイトカラー中年男っぽさってのに『マルティナは海』の時よりも一層磨きがかかってた。ねちっこく絡みつく視線が………光ってた。えーっと、油とか脂で光ってる感じ。キラキラじゃなくてギラギラ。

Posted by: Reine | Tuesday, October 10, 2006 23:50

2) ナタリア・ベルベケが演じている人事課職員のモンチェ(モンツェ?)って女が、んまーー、コケタでね。

コケタとは、coquetaという語です。「えへ(はぁと♥」なんつって、首かしげて舌でもチョロンと出せばナニゴトも許してもらえちゃうんだろというのを物心ついた頃から着実に習得して血と肉にしてきた類の女のことを指します。……ってのはレネ山の定義だけどね

異性に媚びを売るオンナのことですよ。

あんな人事課職員が面接室近辺をウロウロしていて、男性志願者が鼻の下を長くしているような気配が部屋に満ちて来ようものなら、女性志願者は神経をカリカリと引っ掻かれると思うな。

自分(の主に外見・第一印象)によっぽどの自信がある女、例えばナイワ・ニムリ(※音注意)くらいの女なら、モンチェ(モンツェ?)がチョロチョロしたって意に介さないだろうけどもね。たいていの女性志願者にとっては、あんな風にオンナを撒き散らして歩いてる人事課職員は目障りだと思う。

Posted by: Reine | Tuesday, October 10, 2006 23:53

3) 「就職活動のプロセスって、この映画みたいに非倫理的なことが、フィクションでなくてまかり通っているのかな?」と本文中で述べましたが、んー、そうね、軽く触れておくにとどめるけども:

例えば、食欲という人間の活動の根幹とも言える部分に細工が施されていたとしたら、どうよ? 地位的優位に立っている者が、そういう搦め手で攻め込むというのは、どうよ?

倫理的にどうなのよ、と。そこが不快だったのです。(作品がじゃなくてよ。作品の中の‘奴ら’のやり口がよ。作品はブラボーだよ)

それでも勝てということらしい。
胃袋を制御されてもなんでも勝ち抜けと。

とかくこの世は住みにくい。

Posted by: Reine | Wednesday, October 11, 2006 00:03

語句メモなど
・cordón policial: (機動隊・警官・軍隊がデモ隊に対峙するときの)非常線

・trabajo infantil: 児童労働

・dinámicas de grupo: 集団力学,グループ・ダイナミックス

・topo: m. Persona que, infiltrada en una organización, actúa al servicio de otros. スパイ,密偵,間諜

※『El Lobo』において、エドゥアルド・ノリエガが演じていたのは、ETAの内部に送り込まれた内通者の役でしたが、つまりそういう立場の人間のことを「topo」という。

・motín: m. Movimiento desordenado de una muchedumbre, por lo común contra la autoridad constituid

・noción: f. Conocimiento o idea que se tiene de algo.

ジャック・ロンドンを読んだことがあるか

・「Ha pasado un ángel. (天使が通り過ぎたね)」とは、大勢で部屋にいてしゃべっていたのに一瞬みんなが黙っちゃって部屋中がシーンとしちゃうことってあるじゃない。ああいう時、このフレーズを言ってフッと微笑み合うのが常です。

・chaquetero, ra:
adj. coloq. Que chaquetea, que cambia de opinión o de partido por conveniencia personal

・¡No me metas en tu saco!
※meter en el mismo saco:
fr. Dar el mismo tratamiento o consideración, sin atender a diferencias que pueden ser legítima

wankerpajero=オナニー野郎

※三菱パジェロはPAJEROって書くと「オナニスト=オナニーする人」って意味になっちゃうから、スペイン語圏ではMONTEROなんですよ……っていうのは、スペ語界ではもうcliché(常套句)なわけ。常識問題(←ほんとか?) 

『日本車の名前を外国語で』とかいうスレッドで誰かが質問してたから、私、事細かに説明したことがあるよ。それだって6年前の話。だから、キョウビそういうことを嬉々としてネット掲示板なんかに書き込んでる人がいると、なんだか、くすぐったくなる。「それけっこう知ってる人多いと思うよ」って。

・niñato, ta: [niño + -ato]
1. adj. Dicho de un joven: Sin experiencia.
2. adj. Dicho de un jovenzuelo: Petulante y presuntuoso.
(侮蔑的な意味で使われがち)

・pijo, ja: [adj. despect. coloq. Dicho de una persona]
Que en su vestuario, modales, lenguaje, etc., manifiesta gustos propios de una clase social acomodada.

・piña: f. Conjunto de personas o cosas unidas o agregadas estrechamente

・日本語の曲が聴こえて来るシーンがある。さすが多国籍企業とでもいうか、社内BGMで流れてるんだな。クレジットで確認したらこれみたい:

Je Suis de Mauvaise Humeur
Written by CIMA CIMA / Yoichiro Yoshikawa
Performeed by CIMA CIMA

Posted by: Reine | Wednesday, October 11, 2006 00:16

もともとが舞台作品であるだけに、そういう造りの映画ではあります。だから、言葉は多くて速くて、聞き取りも難しめです。

1回目から言葉を聞き取ろうとしなくてよいと思いますよ。1回目は細かいヒアリングなんて置いといて、ストーリーの流れを純粋に楽しめばいいと思います。

ちなみにちょっと読んで回った限りでは、舞台と映画とでは細部も結末も違うらしいです。

Posted by: Reine | Wednesday, October 11, 2006 00:32

さちさん哀生龍さんから、某所でコメントをいただきましたがこちらでレスいたします。

えっとですね、このDVD、買っちゃってよいと思います。「気に入った」の針がどこまで振れるかは保証できませんが、「失敗したー」って思うことは無いと思いますよ。

あと、「アイヒマン」と「スタンフォード」と、そこから当然連想される『es [エス]』についてですが、えへへ、私の文章に騙されてはいけませんよ。この手の(=感動がゴールではない造りの)作品の感想文を書く時には、なるべくミスリードするように心がけてるのです。

ミスリードと言ったら大袈裟ですが、まぁ、作品への想像の焦点をボケさせる文を書くように努めています。

ですから、惑わされないでください。

Posted by: Reine | Wednesday, October 11, 2006 00:43

reneyamaさん、オバンデス。

El Método 半年くらい前に見ました。不快ながらも良く出来た映画だと思います。そう、まるで『ES』のような。『ES』はもう二度と見たくは無いのですがEl Métodoは牛のように反芻したい映画です。それと色々語り合いたい気にもなるんですよね~。IMDBでもスペイン映画としては珍しく掲示板にスレッドがたっていました。
俳優陣は誰もが素晴らしいのですがパブロ・エチャリが上手いと思いました。彼、なかなかですね。
それで~。私、分からないところがあるんです。かのEduard Fernándezとナイワ・ニムリって顔見知りなんですか?だってトイレ・・・。
続きを楽しみにしています。

Posted by: benita | Wednesday, October 11, 2006 01:51

benitaさん、ありがとうございます

> 不快ながらも良く出来た映画

私が何十行もムダに費やして言ってたことが、benitaさんだとこんなに簡潔に書けるんだな! そうなの、そうなの、不快ながらも、なの。

> 色々語り合いたい気にもなるんですよね

答え合わせをしたいというか、そんな気持ちです、私は今。

> だってトイレ…

えーっとですね。トイレについてはですね、えーっと、ネタバレに用心して書くとなると……: 我々観客は、各登場人物の人となりをまず解釈する / 各人の背景を想像する / そうすると、出来上がる人物像は観客によって異なってくる /

で、私の想像だと、
・Eduard Fernandez: 好色中年(←身も蓋も無い)
・ナイワ・ニムリ: 自分の‘力’に確信を持ってる。‘力’とは色んな意味での力を指し、性的アピールをも含む。

そういう二人が出会うと、よしんば知り合いじゃなくってもああいうことになるんだと思います。阿吽の呼吸っつうか、凸と凹がハマるみたいな。

そういう風に私は解釈してました。……が、まだ私も読み(鑑賞)が足りていません。おさらいが必要です。

Posted by: Reine | Wednesday, October 11, 2006 02:06

Reineさん おはようございます!(“reneyamaさん” のほうが良いのでしょうか?)
なるほど、「es」のような作品をイメージしちゃいけないんですね。
就職・昇進関係??
ますます、どんな作品なのか分からなくなり、興味がそそられてしまいました。
買い物リストに追加しておきます!

Posted by: 哀生龍 | Wednesday, October 11, 2006 06:05

私が買わずにぐずぐずしていた理由。
えっと、シチュエーションの限られている映画だけに、要所要所にあるセリフの意味がつかめなかったら、おもいっきり置いてけぼりをくらうんじゃないかと恐れ、未だに手が出せずにいます(笑)

Posted by: さち | Wednesday, October 11, 2006 09:09

哀生龍さん
> 買い物リストに追加しておきます

速っ。

そうです、『es』のようなのを想像しちゃいけないんです。だけど、観終わった時には、私がどうして『es』の名をチラつかせたのかがわかっていただけると思います。

benitaさんが「そう、まるで『ES』のような」と書いてくださったのは、私には、こう、百人力っていうか。「あ。通じてくれてる」っていうのが嬉しかったですねぇ。

それとさちさん、そう、たしかにこれは腰が重くなる要因になりえますね
↓↓↓
> 要所要所にあるセリフの意味がつかめなかったら

そう言われて、理解できてなかった台詞が幾つかあったことを私もボロボロ思い出し始めています。意味が掴めないまま観終わっちゃったセリフがあるなぁ、そう言えば。何度か観た方がよいかもですね。

Posted by: Reine | Wednesday, October 11, 2006 10:22

さちさんのblogとさとさんのblogでもちょっとコメントしてきましたが、「果たしてこの作品は日本に来るか」というお題。

来ないような気がしたんだよね。
俳優陣は日本の映画業界が好みそうな面々なのね、たしかに。ノリエガだしナイワ・ニムリだしベルベケだし……。

だけど、
・派手な動きが無い
・打ち上げ花火系の派手なオチでは無い
・密室劇 / 会話劇
・オリジナルは戯曲
・心理戦の描写をひたすらしてる(※彼らの心理の読み取りあいを我々が読み取るのが実に面白い)

こういうのだと、日本に入れようって思わないでしょ、連中(←って誰)。

それでエロはあるのかエロはっ
……という「肉欲」方面も、日本の男性客が期待していると連中が勝手に設定しているエロではなかったので。

日本には入らないんじゃないかな。こういうの↑を却下するのが日本側の会社の連中。でしょ。悔しかったら入れてみな。

と煽っておこうと思う。入れてくれたりして。

Posted by: Reine | Wednesday, October 11, 2006 10:38

Reineさん
先日はTBやコメントありがとうございました。

素晴らしい記事ですね♪
これを参考書にして観れば、スペイン語わから~ん私もでじゅうぶんに堪能できそうですよお。
即、購入してみます(観ます)
早く観たい!


Posted by: betty | Saturday, October 14, 2006 21:57

bettyさん、お返事遅くなりましてすみません。
是非観てみてください。ああでもないこうでもないと話し合いたいです。しかし、参考書……! にしていただくのだったら、もっと頑張っておけばよかったかなぁと反省しております。

Posted by: Reine | Tuesday, October 17, 2006 22:20

>「面白い」と褒め、「観てごらん」と私は薦めるでしょう
セリフばかりで、非常に難しかったです。
が、確かに面白い。 そして、『es』とは違うけれど、『es』的な作品でした。

>採用されるために君はどこまでやれちゃうの?
この一文で、全てが言い表されていますね!
この企業が求めていた資質は、自分以外の全てを蹴落として上を目指せるような、冷徹な企業戦士。
こんな試験を行い、こんなタイプの人材を求めるような会社では、就職してからも辛そうですね。

Posted by: 哀生龍 | Saturday, October 21, 2006 16:17

哀生龍さん、コメントありがとうございました。
あぁ、よかった、『es』的であるというのに共感していただけて嬉しいです。

ホント就職って辛いなぁと、何を子供のようなことを言ってるのかと我ながら呆れますけれども、でも、ほんとに観てるのが苦痛でした。ヤな映画観ちゃったな、って。でも面白くて他の人に薦めたくなるから不思議な作品だなぁと。

あの会社がデモの日(=つまりサミット当日)にわざわざ面接の日を設定したのか、あるいは面接日がまず決定していて、そういえばその日にちょうどサミットがあるねってことに気づいてから面接の進行の計画を立てていったのか、そこを想像するのも楽しいと思いました。

いずれにしても、あの日にあの面接を行うことには、デキア社にとっては意味があったのだと思います。イケスカナイ連中ですぜ、全く。

Posted by: Reine | Sunday, October 22, 2006 00:01

>マドリード・サミットの日を迎え、どのメディアも過激派による反グローバリゼーションのデモや暴動への警戒を呼びかけていた。
>あの会社がデモの日(=つまりサミット当日)にわざわざ面接の日を設定したのか

Reineさんの記事を読んで、「あの日にあの面接を行うこと」の意味をあれこれ想像して楽しんで見ました。

「寄らば大樹の陰」「長いものには巻かれろ」的、大国指導で、先進国のルールで世界を動かすことを良しとしないデモの中、“大企業に安住の椅子を求める”ために試験に参加する人々・・・
そんな皮肉なのかな? と想像しました。

2度ほどTBに失敗してしまいました(涙)
相性が悪いのでしょうか・・・

Posted by: 哀生龍 | Sunday, October 22, 2006 09:03

哀生龍さん、TBの失敗は本当にご面倒おかけしてすみません。きっとそれはココログのせいだと思います。コメントの投稿ができないという方も少なからずいるようですので、きっとココログのせい。やっぱりどこかに引っ越そうかなぁ……。

あぁ、もう、面接についていろいろ語らいたいのに、ここでそれをやっちゃうとネタバレになっちゃいそうでできないのが辛いところですね。「El Metodoオフ(!)」でも開催して、既に観た人で集まってああだこうだ話し合いたくなりますね。

Posted by: Reine | Sunday, October 22, 2006 13:09

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