El Viaje de Carol / キャロルの初恋 [スペイン映画]
先日の『デビルズ・バックボーン』の冒頭の内戦の図式をもう一度。
でも、この作品ではオープニングで説明してくれるから便利です(英文は割愛):
1936年スペインで内戦が勃発。1939年まで続いた。フランコ将軍が共和国政府に反旗を翻したのである。ドイツ(ヒットラー)とイタリア(ムッソリーニ)が反乱軍を支持、共和国側についた各国の人々が義勇兵として国際旅団を結成し参戦した。一方、疎開地では日々の生活が続いていた。(内戦について詳しくはこちら)
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キャロル12歳。アメリカ人の父とスペイン人の母のもと、N.Y.で育った。父がInternational Brigades(国際旅団)に参加するためスペインに渡り、母はキャロルを連れて故郷の北スペインの村に身を寄せた。キャロルの言動は保守的なこの村のあちこちで物議を醸す。ガキ大将のトミーチェとも衝突したが、決闘を経て付き合いを深め、恋をも育むにつれて、村での生活にぐいぐいと慣れ親しんでいくキャロルであった。戦局は大詰めを迎えている。大人の理不尽な諍いから子どもたちは守られるのだろうか。
えーっとですね。子どもモノ(ましてや初恋モノ)は大好きな私ですが、戦争モノは話が別だ。特に内戦モノなんてダメだよ。辛く悲しく苦しいだろ、だって。私がどうして『蝶の舌』を何年も棚に置きっぱなしにしてるかって。どうせ悲しいからですよ。
『キャロルの初恋』では、大人たちの表情に差す暗い影、社会全体を覆う圧迫感とは無縁であるかのように、子どもたちのわくわく冒険譚とほのぼの初恋物語が進行します。それはいいんだけど、もうね、後半、あーー、んーー、まぁここは黙っとくか。
とにかくやっぱりNGだわ。主人公たちがどんなに微笑んでくれていても、だ。
『キャロルの初恋』は、それでも、のどかな景色の中、可愛らしく微笑ましく嬉しい初恋なども描かれていたから救いがある方だったよ。第一、キャロルが裕福な側の人間だしね。こないだの『デビルズ・バックボーン』の孤児たちとは明らかに境遇が違うからね。
でも、内戦前~中~後の数十年の間に、どれだけの子どもがボロ雑巾のように汚され絞られ棄てられたのかと想像すると、苦しくてね。『デビルズ・バックボーン』でも、孤児が子どもの頃の家族写真を見て言ってたでしょう、「これが僕の父だ。会計士をしていた。な、エレガントだろ」って。
キャロルだって他の子だって、この映画の「この後」、どうなるかわからないじゃないか。
それを想像するのが苦しいので ――そんなこと言ってたらどんな映画だって苦しいってことになっちゃうんだけど―― 戦争ものはダメだ。内戦ものは特にダメだ。苦しすぎる。やるもんじゃないな、戦争、特に内戦はダメだ。イクナイ。ものすごく辛いもんな、たぶん。
(コメント欄へつづく)
・El Viaje de Carol @IMDb
(英題: Carol's Journey)(邦題: キャロルの初恋)
・キャロルの初恋 @映画生活
・キャロルの初恋 @ぽすれん
・キャロルの初恋 @象のロケット
・キャロルの初恋 @シネマトゥデイ
・キャロル~@シネマカフェ
・キャロル~@goo映画
監督: Imanol Uribe イマノル・ウリベ
脚本: Ángel García Roldán アンヘル・ガルシア・ロルダン
小説: 『A boca de noche』
制作: Fernando Bovaira フェルナンド・ボバイラ
音楽: Bingen Mendizábal ビンゲン・メンディサバル
撮影: Gonzalo F. Berridi ゴンサロ・F・ベリディ
出演:
Clara Lago クララ・ラゴ (Carol キャロル/カロル)
Juan José Ballesta フアン・ホセ・バジェスタ (Tomiche トミーチェ)
Álvaro de Luna アルバロ・デ・ルナ (Don Amalio アマリオお祖父さん)
María Barranco マリア・バランコ (Aurora アウローラ母さん)
Rosa Maria Sardà ロサ・マリア・サルダ (Maruja マルハ先生)



Comments
1) 保守的という像
電車の中でアウローラが喫煙する姿に地元民はぎょっとして目くばせまでしている。後のシーンで「Pensaba que sólo los hombres fumaban en este pueblo. この村じゃタバコ吸うのは男だけだと思ってたわ」というセリフがある
2) 戦渦
contrabandista portugués (ポルトガル人の密輸業者)が闇の手紙配達を請け負ってくれている。共和派の人間同士の連絡をつけてくれる闇屋。ってことは、もうフランコ側がこの地域を制圧してるんだな。戦況が激化したので配達の手間賃も上がった。
3) 祖父アマーリオが前線を地図に示していく。フランコ側に完全に囲まれている(のはマドリードだろうか)。その時、アマーリオはフランコ側を「彼ら」、共和派を「我々」と表現している。
4) 共和派への圧迫
アウローラ&キャロル母娘を歓迎する晩餐での様子。場所は、ドローレス叔母(アウローラの実妹)&名士アドリアン夫婦の家。フランコ側によって警備されているようだ。
アルフォンソという知人(?)が「そろそろマドリードも陥落する」と言い、祖父アマーリオに「ですよね?」と意見を求める。
老アマーリオが共和派のシンパだと知った上でそういう話題をふり、回答を強要する。身近な知人の間でもこういう形での弾圧があったんだろうな。暗い時代だよな。怖いな。
5) こんな田舎町でもフランコ体制は迅速に展開されており、その先鋒にあるのがアルフォンソ氏らしい。こういう人が内戦後に旨味を啜った側なんでしょうね。
6) キャロルの家の表に落書きをされている
Yanqui Hijo Puta (ヤンキーくたばれ)
Al paredón (撃て!)
paredón: Sitio, generalmente delante de un muro, donde se da muerte por fusilamiento. 銃殺刑の時に壁に向かって立たされるでしょ、あの場所のことですわ。
Posted by: Reine | Saturday, September 02, 2006 at 23:36
・馬車で母と祖父が歌う童謡は『VAMOS A CONTAR MENTIRAS』
http://www.elhuevodechocolate.com/cancion19.htm(音楽注意)
・te ha deshuevao
「deshuevaoって何?」とキャロルは質問してるが、そういう時にはパソコンの音をミュートしてYoutubeで検索してみるんだ、キャロル。
・フランコの歌を歌いだす人がいるけど、それはhttp://news.bbc.co.uk/hi/spanish/specials/newsid_4447000/4447418.stmで聴けます。『Cara al sol』という歌だろうか。
・フランコ勝利宣言や新体制発足のニュースの中で「ただ一つ残念でならないのはガルシア空軍少尉の事故死です」と報じられているのはJoaquín García-Moratoのこと。
Posted by: Reine | Saturday, September 02, 2006 at 23:45
・importar [no importar] un pimiento: frs. coloqs. Importar poco o nada.
・ser uña y carne dos o más personas: fr. coloq. Haber estrecha amistad entre ellas
・maruja:
(Hipocorístico del n. p. María) f. despect. coloq. Ama de casa de bajo nivel cultural.
・hacer las paces:
fr. reconciliarse (volver a las amistades)
・Tú eres muy pequeñaja.
-ajo, ja: [接尾] Forma sustantivos y adjetivos con valor entre despectivo y diminutivo. Puede combinarse con -ar. También se combina con -arro. A veces toma la forma -strajo. Estas combinaciones tienen valor despectivo.
例)Tendajo, migaja, escobajo, pequeñajo. Espumarajo. Pintarrajo. Comistrajo.
・garbanzo negro
Persona que se distingue entre las de su clase o grupo por sus malas condiciones morales o de carácter.
・接続法・直説法で混乱しているキャロル
(×)Quiero que me lo juras. ⇒ (○)Quiero que me lo jures.
(×)Luego me lo jures. ⇒ (○)Luego me lo juras.
・No se te ocurra dejarla. (置いとかない方がいいぜ; 置いていくなんて考えないことだな)
・仲良しのCulovasoくんの名前は、「culo de vaso」ですよ。「コップの尻」、つまり「瓶底メガネ」の意。
・太っちょのCagurrioくんは、『La Comunidad』に出てた太っちょくんね。
・冷酷なアルフォンソ氏は、もう画面に出てきた瞬間にわかったよ。『La Espalda de Dios』で女を食い物にしていたAlberto Jiménezですよ。今回も実にいい感じに人非人だったねぇ。
Posted by: Reine | Saturday, September 02, 2006 at 23:53
祖父に私と二人で一緒に暮らしてよと頼みにいく。ちょっと口論のようなやりとりののち、強情な表情で立ち去ろうとするキャロル。ついに祖父が折れた。途端に笑顔で歩み寄るキャロル。
「Sabía que me ibas a decir que sí. (直訳: いいよって言ってくれると思ってたんだ)」
このセリフに「明日から一緒ね」という字幕があてられてた。まぁ、それはそうなんだけども。でも、どうしてそう訳したのかがわからない。
その字幕では、キャロルのおしゃまさんな策略と祖父の微苦笑とがうまく伝わらないじゃない。
Posted by: Reine | Sunday, September 03, 2006 at 00:02
トミーチェがキャロルを後ろから抱くようにして耳元で「君、綺麗だね」って囁くシーン。
なんて可愛いシーンだろか。なんて可愛い顔をするのだ、フアン・ホセ・バジェスタ。すごいね、この子。
脚本を読んで真っ先に監督がトミーチェ役に思い浮かべたのがバジェスタだってさ。
Posted by: Reine | Sunday, September 03, 2006 at 00:06
reneyamaさん、オバンデス。
>フアン・ホセ・バジェスタ
バジェスタくんってほ~んとかわいいと思う。もしや、あとは「El bola」ですか?reneyamaさんの「El bola」の感想とても楽しみです。バジェスタ繋がりではいちばんハードかもしれませんが・・・。
>Alberto Jiménez
「El bola」での父親役素敵でした。
ここで書いちゃっていいのかアレですが、「ラテン・ビート」行けなくなっちゃったんです。バジェスタくんの「7人のバージン」が来るって言うのにね~。「カマロン」も見たかったのに・・・。次回お逢いできる機会を楽しみにしています。
Posted by: benita | Sunday, September 03, 2006 at 20:45
benitaさんこんばんは。
バジェスタ君は、ちょっとたまらんですなぁ。私が10歳若かったらもっと騒いでたと思う。私の好きなタイプの顔じゃないのになぁ、可愛い・かっこいいんだよなぁ。『Planta 4ª』では小柄に見えていましたが、『キャロル~』ではそうでもなく、足が長く頭部が小さいためか、凄く均整がとれた体に見えました。
『El Bola』はビデオで持っているのですが、やっぱり内容が悲しそうで手を着けられずにいるのです。
>「El bola」での父親役素敵でした。
↑
わ。Alberto Jimenesが虐待親父なんだと思ってた。あれですか、‘El Bola’君が仲良くなる(?)お友達のお父さん役ですか。ごめんよ、ヒメネス。
『ラテンビート~』残念ですね。どうなのですか、『7人のバージン』でのバジェスタ君は。なんか、こう、もう「ワル、.。゚+.(・∀・)゚+.゚カコイイ!!」のでしょうか。でも、あらすじを読むとどうも切なそうですね。南スペインのchaval(=若造,小僧っ子)の感じが出てるのかなぁ、それは見てみたいなぁって思います。
Posted by: Reine | Sunday, September 03, 2006 at 21:16