« películas en español / amazonでスペイン映画 | Main | Diarios de Motocicleta / モーターサイクル・ダイアリーズ [アメリカ映画] »

Wednesday, September 06, 2006

numerador y denominador

numerador(分子)とdenominador(分母)の話。

先日来、私のスペイン映画の嗜好について述べている。(参考記事: 『películas en español / amazonでスペイン映画』、『pelis recomendadas』) 私はアルモドバルが苦手だ、意識してか無意識のうちか彼の作品は避けていると言いました。

以前SNSで、20代の方から質問のメールをいただいた。(※その方はスペイン語がよくできる人で、映画については、私から見たらずいぶんと渋いスペイン人監督のファンで、大好きな作品としてメジャーどころのものとマイナーなものを幾つか挙げてた) その質問メールはだいたいこういう感じ(編集済):

『スペイン映画』のコミュニティーではみんなやたらと『オールアバウトマイマザー』が好きと書いていますが、あの作品、どこがいいのでしょうか。4回観て、「………で???」って感じでした。「有名だけど、お勧めするところはどこ?」みたいな。いまだに良さがわかりません。もしReineさんがあの作品を好きだったら、どの辺りがいいのか教えてもらえませんか?

たしかCabinaブログに書いてあった!!! ……と思って拝見させてもらったんだけど……あの作品だけ「ふぇらふぇらふぇらふぇらふぇら」の話で終わってました

人それぞれ価値観がウンヌンというのはわかっているつもりですが、どうしても『オール~』にあまり好印象をもてません、だけれど、あの作品を好きだと挙げる人が後を絶たないのを不思議に感じてます。正直、みんなが『オール~』を好きだと言うので、好きじゃない自分がおかしいのかとさえ考えていました。

むぅぅぅぅぅ。
私、これは難問だと感じました。自分もよくわかってないからね。『オール~』は、好きか嫌いかという判断はおあずけ状態なのでした。 「覚えてない」が正しい表現なんだ。なにせ、ふぇらのことしか書いてないんだし
____

さてそれでは苦しみぬいた上で、今夜返事を書こうとするとこうなる:
↓↓↓↓↓

> いまだに良さがわかりません

私もふぇらしか覚えてなくてすみません。


> みんなやたらと『オールアバウトマイマザー』が好きと書いていますが

「お薦めの/好きなスペイン映画は?」といったお題に対して皆さんいろいろ挙げてるでしょ? 『オールアバウト~』に限らず、ああいうのを眺めていて、私、ずっと前からどこかで言いたかった(問いたかった)んですけど、「他にはどの作品を観てきましたか?」ってこと。『オールアバウトマイマザー』あるいはアルモドバル監督を挙げる人がその他の作品をどれだけ観て来たのかなってことを、とても知りたい。

一つの作品のこと・一人の監督のことを好きだと表明する時に鑑賞数の多寡は関係ないじゃない?という向きもあるかもしれない。なるほど。それでは質問をちょっと変える、


じゃぁ好きじゃない作品は?」「じゃぁ苦手な監督は?」って。


答えてくれるなら傾聴します。IMDbCinema Scapeみんなのシネマレビューなどでは、ポイントをつけた投票者(評価者)が他の作品は何を観ていて何点を与えているのかっていうのは見られるようにできているよね。そういうのを知った上で彼ら投票者の評点を受け止めたいと欲する私などは、したがって、SNSのコミュにおいてもまた、それぞれの人の好き嫌いの傾向は当然知りたいと欲しちゃうのです。

だって、時々クビを傾げたくなる人もいるんだもん……。「ソレしか観てないうちのソレなんじゃない?」ってツッコみたくなっちゃう人が。 『オール・アバウト・マイ・マザー』のような有名作品を挙げてる人の中には、どこがいいんだかを示せずに言ってる人はいると思っています。

とは言え、私の鑑賞数が多いかって話にふられると困る。多くもなく少なくもないといったところでしょう。仮に私が‘多く観てるほう’だとしても、私は映画鑑賞眼については他人のことをとやかく言えないのです。私は決して映画好きであるがゆえに観て来たわけじゃなくて、ただのスペイン語の語学の一環として映画鑑賞をblogに記録しているだけの人間なのでね。私、感想なんてあんまり書いてないでしょう。文法とか語彙の収集と分析とかに偏っているでしょ。私のは「鑑賞」って感じじゃないのです。

そんな、非映画人の私は、やはり分母を気にすることはやめられないですね。

「どんな監督の/どういった作品を/どれくらい観てきたうちのコレなんですか?」、「コレが好きなら、嫌いだと言えるのはドレなんですか?」っていうのは問いかけ続けるだろうと思います。そして、大っっっ量に(広く深く/広く浅く/狭く深く)観て来た人がもしも「『オール・アバウト・マイ・マザー』が好き」「アルモドバル作品が好き」って言うならば、それは私だって真剣に受け止めましょう。

しかし、たいていの人の「『オールアバウトマイマザー』が好き」あるいは「アルモドバルが好き」は……どうなのかな……約分したら1に近かったりしませんかね。
______


こないだ私は『裸の王様』ってどういう話だったのかなってことを朝のバスで考えていた。あれは権力者への批判なのか、それともイエスマンでしかない部下への非難? それとも民衆よ目を開けろと説いているの? いま検索してみた⇒『裸の王様 @wikipedia』。

アルモドバルが王様だと言いたいわけじゃないし、アルモドバルが好きだという人を衆愚だと言うつもりも全くありませんよ。そこのところは絶対に曲解しないでほしい。ただ、アルモドバルは特に好きじゃないんだけどなぁという自分の違和感に気づいちゃってる人に向けて、「You、言っちゃいなよ」と。それを私は言いたいのでした。


私の友人が「アルモドバルが好きだ」あるいは「オール・アバウト・マイ・マザーが好きだ」と言ったなら、それはそれである。なぜなら既に私はその友人のことを友人として知っているから。私のよく知るこの人がアルモドバルを/オールアバウト~を好きなのであるなぁと思うだけ。右耳から左耳に抜けるだけ(←人の話を聞けよ>我)。

しかし、私の知らない相手 ―― 例えば合コン相手……って、今さら合コンしねぇよ ――が、それらを好きだと言った場合、「じゃぁ苦手なのは?」って、私きっと尋ねてしまいますから、どうか答えを用意しておいてください。

|

« películas en español / amazonでスペイン映画 | Main | Diarios de Motocicleta / モーターサイクル・ダイアリーズ [アメリカ映画] »

Comments

一晩おいて読み返したが、なんだかよくわかんない文だな。なんかうまく言えないや。

Posted by: Reine | Wednesday, September 06, 2006 at 08:42

似たような話というか。
いや、またちょっと違う話だな、これは。

学生時代、ブラジル音楽を好きな人々の中にいた私でしてね。私はナニゴトに対しても「好き」という感情が異様に希薄な人間ですから、ブラジル音楽というジャンルについてもあまり多くは知らず、多くを語れないのね。だけど、周りの人々は随分と「通(つう)」な感じのとこまで突き詰めて好きだったように思う。

例えばの話 ――といっても、果たしてこれがその好例かどうかわからないんだが――、「enredoのどこの何年が好き?」とかいう質問に各人がツラツラツラッと挙げ、奏でたり歌ったりしてくれるような、そういう感じ。

ちなみにamazonで「enredo」で検索して一番上だったのはこれ(Sambas de Enredo das Escolas de Carnaval 91)だけども、その中なら私は9曲目が好きだったはずだよ。もう歌は覚えていないけど。

ブラジル音楽っていう括りの中のもっといろんな細かいことを、みんなよく知ってた。


それで、だ。
ある日、ガル・コスタ(=Gal Costa)を得意とする、歌のものすごい上手い女の先輩が、いやいやながらも他所の学生との合コンに引っ張られて行ってきたんだけど、後日彼女はこう語った:

「どんな音楽が好き?」っていう会話にどうしてもなるでしょ。言うと(反応が)メンドクサイからあんまり言いたくなかったんだけど、なんか(考えるのも)メンドクサクて「ブラジル音楽」って答えたのよ。そしたら、

「すっごいねー! じゃぁ、ひょっとしてアントニオ・カルロス・ジョビンとか聴いちゃうんだァ!?」

って。もう、なんかあたし疲れちゃって。だって、そこでアントニオ・カルロス・ジョビンの名前を出されると、もう、なんていうか………ねぇ? Reine、わかるでしょ?
__________

これ、逆にね、私(たち)が他のジャンルについて何も知らないのと同じことなんだから、その男子他大生をそんなには悪く言えないんだけども。

でも私はね、合コン相手が ――だから今さら合コンしねぇよ―― 「俺、スペイン音楽が好きで」って言ってきたからって、

「すっごいねー! じゃぁひょっとしてフリオ・イグレシアスとか聴いちゃうんだァ!?」

とは聞き返さないよ。だってよくわからない世界のことなんだから。

Posted by: Reine | Wednesday, September 06, 2006 at 12:20

って、また一段と何の話かわからなくなりましたな。

フリオイグレシアスの例はなんか違うな。
あのクダリを何とすればスワリがいいのかな。

申し訳ない。
どうも「アルモドバル考」はうまく伝えられない。

Posted by: Reine | Wednesday, September 06, 2006 at 12:21

アルモドバル、
「神経衰弱ぎりぎりの女たち」大好きでした。
男取ったの取られたの、捨てたの捨てられたので大騒ぎのお祭りみたいな一晩と、その後に訪れた台風一過みたいに静かな朝。
で、「バチ当たり修道院の最後」と「アタメ」「キカ」を見てそんなに好きにはなれなかったものの、
どうしようもなくダメになりがちな私達、人間のドタバタっぷりを愛情をもって描いてくれる監督なのかな、という印象で、
その彼の愛情の持ちようが好きだったのだけれど。
「オールアバウトマイマザー」であれれ、年食ったのかしら?と。
人生ってとか、人ってとかって年寄りらしく語りたくなっちゃったのかと。
もうしばらくはこの人いいや、と思ったら
あらあら世間的には大好評、でびくり。
おすぎ大絶賛(でもこの人は「映画」が大好き過ぎて何でもかんでも大絶賛な気が…)のCMのせい?
これが「映画好き」界によるアルモドバル発見!だとしても、この作品が取り立てて騒がれる理由がよく分からなかったし、
彼の作品群を見渡せば何故これ?という感じはいや増すし。
「オールアバウトマイマザー」の取り上げられ方って、新聞かなんかに紹介された「ちょっといい話」が何かの拍子であちこちで話題になって、社会現象になっちゃった、みたいな感じ。
何なのよ?と思っていたので「どこがいいんですか?」の言葉にある苛立ちに「そうだ、そうだ!」と言いたくて書いてしまいました。
分子分母の話とはまるで関係ないのですけれど。

Posted by: aya | Thursday, October 26, 2006 at 00:32

ayaさん、コメントありがとうございます。嬉しかったです。

>「そうだ、そうだ!」と言いたくて書いてしまいました

You、書いちゃいなよ。

一連のアルモドバル監督作品って、下駄を履かせてもらってるように感じます。ワールドワイドに。‘ものすごく’とは言わないけど、……だって履かされてるじゃん……ねぇ?

なんか、「あなた、『アルモドバル好き』って言っときゃいいだろって思って言ってない?」って真正面から聞きたくなることもあります。「アルモドバルわからん」って感想を述べることを懼れてないかい?って。「良いと思わない」って言っちゃったっていいんだぜ、って。

IMDbなんかの、アルモドバル作品じゃなかったですけど何かスペイン作品のコメント欄でアメリカ人と思しき人が書いてたことが思い出されました。そのスペイン作品はIMDbなんかでも高評価を受けてたわけですが、そのコメント主は「みんな、ほんとにこれが良いと思ったのか。非ハリウッドだということのみをもって不当に高く評価しちゃぁいまいか」と疑問を投げかけていたのでした。

そういう‘空気’みたいなものは無きにしもあらずだと思っています。‘縛り’っていうか。

私は出典を明らかにできませんが、どうもナンシー関先生は
>「マイナーだからおもしろい」というテーゼがクセ者である。
>「マイナーでおもしろい」ものもあるが
>「マイナーでもつまらない」ものや
>「メジャーでもおもしろい」ものもある。
みたいなことを書いていたそうであります。

それは、私も心に留めていかねばならぬなぁと思った次第です。このblogのスペイン映画カテでもわかるかと思いますが、私も、「日本に入って来てるようなメジャークラスの作品は駄作、日本に入って来てないやつの方がよっぽど素晴らしいじゃないか」という書き方をわりとやらかしがちなので、そこのところは反省すべきかもしれません。

まぁ、とにかく私はアルモドバルはそんなに好きじゃなさそうです。もっとわかりやすく作ってくれないと、私のように浅い人間性では理解しづらいのですよと。

それを認めちゃったっていいじゃんか、と。背伸びをやめたら楽だぜ、と。

Posted by: Reine | Thursday, October 26, 2006 at 10:59

あ、そういえば。
BS-2の衛星映画劇場で11/2の夜8時から『オール・アバウト・マイ・マザー』ですね。予告編をこないだNHKで観ましたら、なんだか良さそうにも思えてきましたよ。

ちなみに私は家族といっしょには観ないでしょう。

Posted by: Reine | Thursday, October 26, 2006 at 11:14

はじめまして。以前、DELEでこちらのサイトに辿りついてから、ちょくちょく読ませていただいてます。いつもいつも読み逃げなので、思いきって書きこませていただきました。

個人的には、アルモドバル作品では、「神経衰弱ぎりぎりの女たち」と「ハイヒール」が好きでした。語弊があるかもしれませんが、初期頃のタブーでもなんでもアリのB級映画っぽいノリと、独特の色使いが気に入っていました。感動を求めて、というよりあの騒動を楽しむ目的でみていたという感じでしょうか。

「オールアバウトマイマザー」については、ayaさんがコメントされいるのと同感でした。スペインでみたのですが、あれ?、なんかものすごく丸くなっちゃった!?というのが第一印象。アンチドラッグとかエイズとか、年をとってそういう社会派路線に行きたいのかなあ、なんて思いました。日本に帰ってきたら大絶賛でびっくり。涙を流すほどの感動は、私にはなかったです。現代の社会問題をとりあげたから、評判がよかったのかなあ・・。
でも、涙は流さなかった、というだけで、嫌いではない映画です。ズルイ言い方ですが・・・。
個人的には、賞をあらそってた「solas」のほうが、泣けて泣けて仕方なかったです。

・・・なんだかまとまりのない文章で、長々とすみません。
これからも記事を楽しみにしています!(←本当はこれだけ言いたかったのです(笑)

Posted by: mami | Friday, November 24, 2006 at 11:52

mamiさん、コメントをありがとうございます。やっぱり、あれですね、最初は何かの検索で偶然に通りかかってくれた方が、それから時々足を運んでくれるようになり、やがてコメントを残してくれる……というのは嬉しいものですねぇ。

> なんかものすごく丸くなっちゃった!?
> 社会派路線に行きたいのかなあ

あぁ、こういう風に書いていただけると私も勉強になります。そうか、アルモドバル作品を追っていくと、そういう「変節」が見受けられるのですか。私、今も昔もあまり熱心にアルモドバルを観ていないので、mamiさんやayaさんのような視点を持っていなかったのです。

> 日本に帰ってきたら大絶賛でびっくり

‘おすぎ効果’で何割か増しだったのではないでしょうか。朝だの昼だの、時には夜までも彼が声高に褒めちぎってたんじゃないでしょうか。それで、最初っから褒める気で映画館に足を運ぶ観客ってけっこういたと思うのです。


> 賞をあらそってた「solas」のほうが

『Solas』は私も観ました。
そして涙が滂沱滂沱滂沱でした。
『Solas』感想文
(↑ 文が雑ですみません。最近はもうちょっと丁寧に書くように心がけているのですが)

> これからも記事を楽しみにしています

10月からワサワサとしておりなかなか映画鑑賞の時間がとれませんでした。今週末はなんとしても1本書こうと思っております。

これからもよろしくお願いいたします。
いろいろと教えてください。

Posted by: Reine | Friday, November 24, 2006 at 22:49

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/33847/11779724

Listed below are links to weblogs that reference numerador y denominador:

» mujer infame / ヒドイ女 [Reino de Reine]
友人が「やっぱ人としていいわ、劇団ひとり」と一筆添えて動画のURLを知らせてくれた。◆ゴッドタンという番組(?)の中で劇団ひとりがしゃべった部分だそうだ。 【みどころ】 今回のゴッドタンは、「ヒドイ女... [Read More]

Tracked on Saturday, October 20, 2007 at 20:19

« películas en español / amazonでスペイン映画 | Main | Diarios de Motocicleta / モーターサイクル・ダイアリーズ [アメリカ映画] »