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Wednesday, August 30, 2006

El Espinazo del Diablo / デビルズ・バックボーン [メキシコ映画]

espinazoまず、スペイン内戦についてちょっとだけ読んでからこの作品を観た方がちょっとだけbetterだと思うよ。説明サイトはいろいろあるだろうけど、とりあえず検索の最上位を:

スペイン内戦 @wikipediaの冒頭より:

人民戦線政府 ⇔ 反乱軍
(左; アサーニャ大統領) ⇔ (フランコ将軍; 右)
(ソビエトの支援) ⇔ (ファシズム独伊の支援)

という対立の構図だけでもいいや。これで映画の理解がちょっとUPすると思うよ。ちょっとだけどね。(スペイン内戦について詳しく知る場合はこちらへ
____________________

荒涼たる地、乾いた風。町までは丸一日歩き続けなければならないような僻地。そこにぽつりと孤児院がたっていた。中庭のど真ん中には不発弾がめり込んでいる。カルロス少年は知り合いのアジャラ先生に連れられてこの孤児院にやってきた。

中庭から調理場の暗がりを何気なく見遣った時、カルロスはこちらを見つめて立っている男の子に気づいた。

新入りを目の敵として意地悪をしかけてくる‘先輩’たちに悩まされるカルロスではあったが、そこは子供同士のこと、やがて打ち解けるだろう。カサレス先生も静かにではあるが見守り支えてくれている。

espinazoカルロスの割り当てられた12番ベッドの脇の壁に、何かで引っ掻いたような文字が這っている。「…サン…ティ…」。Santi(サンティ)という子が前に使っていたのか。

夜毎、カルロスの名を呼ぶ囁き声が聞こえてくる。仕切りカーテンの向こうで人影が動く。そして影が廊下を走って遠ざかっていく。

誰か居るのかい? カルロスは日増しにその子のことが気にかかる。その子を探したい気持ちが募るが、用務員のハシントの厳しい見張りに阻まれる。‘厳しい’、そう、この容姿端麗な青年の眼差しは何と厳しいのだろう。

espinazo(コメント欄にメモあり)

El Espinazo del Diablo 公式
El Espinazo del diablo @IMDb
(英題: The Devil's Backbone)(和訳: 悪魔の背骨)
デビルズ・バックボーン 日本公式(音注意)
デビルズ・バックボーン @映画生活
デビルズ・バックボーン @象のロケット
デビルズ・バックボーン @goo映画
デビルズ・バックボーン @ぽすれん
デビルズ・バックボーン @シネマトゥデイ
デビルズ~@シネマカフェ

監督: Guillermo del Toro ギジェルモ・デル・トロ
製作: Pedro Almodóvar ペドロ・アルモドバル ギジェルモ・デル・トロ
製作総指揮: Agustín Almodóvar アグスティン・アルモドバル  Bertha Navarro  ベルサ・ナバロ
脚本: Guillermo del Toro ギジェルモ・デル・トロ  Antonio Trashorras アントニオ・トラショラス  David Muñoz  ダビッド・ムニョス
撮影: Guillermo Navarro ギジェルモ・ナバロ
音楽: Javier Navarrete ハビエル・ナバレテ
 
出演:
Jacinto(ハシント): Eduardo Noriega エドゥアルド・ノリエガ
Carmen(カルメン院長): Marisa Paredes マリサ・パレデス
Casares(カサレス先生): Federico Luppi フェデリコ・ルッピ
Carlos(カルロス): Fernando Tielve フェルナンド・ティエルべ
Jaime(ハイメ): Íñigo Garcés イニーゴ・ガルセス
Conchita(コンチータ): Irene Visedo イレーネ・ビセド

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Comments

DVDの特典映像での監督・俳優・制作陣の談話を聞いたり、IMDbの掲示板(ネタバレ注意!!)を見たりすると、色々と一つ一つのコマに意味を見出さなきゃいけないような気もしてくるのだが、そして映画って本来そうでなきゃいけないと思うんだが、まぁいいや、今回は私は手抜き。『El Mariachi』以来のラクラク鑑賞に流れてしまった。

いいんじゃないか、それでも。娯楽でいい。色々と考えながら観るもよし、ただ楽に観るもよしといった作品なんじゃない? 怖かったり、切なかったり、腹が立ったり、可哀相だったり。そういう話だよ。

Posted by: Reine | Thursday, August 31, 2006 at 00:25

どうして最初にスペイン内戦の構図だけをかじっておくように薦めたかと言えば、冒頭にそういった会話があるからです。

Ayala先生たちがカルメン院長に向かって:
Su marido fue un hombre de izquierda, un valiente. (訳: 貴女のご主人は左の、勇敢な方だった)

カルメン院長はこれ以上子どもを受け容れられないと言う:
Cualquier día llegan los nacionales, y ¿qué cree que van a encontrar? Rojos cuidando a hijos de rojos. (訳: 国民戦線の兵士がやってきたらどうなるかわかってるの? アカがアカの子を育ててるなんて)

nacional: 国民(戦線)軍(内戦期のフランコ軍)
rojo, ja: 共産主義者,左翼,共和派の人

文脈から対立関係図はわかるのかもしれませんが、一応。

Posted by: Reine | Thursday, August 31, 2006 at 22:01

・cagao→cagado, da: 臆病者,小心者

・chivar: vulg. Irse de la lengua, decir algo que perjudica a otra persona

・Cataluña está al caer.
→ estar + al + 不定詞: (今ちょうど)…するところである

・agarrar a un clavo ardiendo: 溺れるものは藁をも掴む(←窮地を脱する為にいかなる手段も厭わない)

・tebeo: (De TBO, nombre de una revista española fundada en 1917).
1. m. Revista infantil de historietas cuyo asunto se desarrolla en series de dibujos. (子ども向けの漫画雑誌)
2. m. Sección de un periódico en la cual se publican historietas gráficas de esta clase.

成句) estar más visto que el tebeo: fr. coloq. Estar demasiado visto. (とても有名な)

この成句なんか、以前説明したoración comparativaのパターンですな

・「お化けを見たのかどうか自分でも確信はない」 No estoy seguro de haber visto un fantasma.

estoy(ESTAR)の主語も僕、visto(VER)の主語も僕。同一人物が主語なのでhaber vistoとなる。

これが主語が異なるんだったら、de の後に「que + S2 + V2」と節が続かなきゃ。「彼がお化けを見たのかどうか、僕としては確信はしてない No estoy seguro de que haya visto ….」だよね、原則。

Posted by: Reine | Thursday, August 31, 2006 at 22:16

この映画で数少ない「笑みのこぼれるシーン」。キリストの重い大きな像を運ばされる子どもたちが、あまりの重さに耐えかねて一言: 「Joder, para estar muerto pesa la hostia. (くそぅ、死人の癖にすげー重いな)」

この文、2つポイントがあります。

1) la hostia: adv. vulg. malsonante(下品) → la leche
la leche: la leche: adv. vulg. mucho (= con abundancia).

2) 前置詞paraの用法: 【基準・対比】…の割には,…にしては.

この「para」の用法は英語の「for」もいっしょでしょ。 (※それにちょっとだけ言及している小咄?が、旧サイトに記してあります。『交遊録』の中の『比較的困る話』として掲載してます)

Posted by: Reine | Thursday, August 31, 2006 at 22:28

1) 主役の子はMatthew Broderickに似ているように感じました

2) 主人公のカルロス少年は一人でぶらぶら歩き過ぎると思いました。そうでないとホラー映画が撮れないのでしかたないのでしょうが。私も夜中に観ていたのですが、自分でも意識せずにこんなメモをとっていましたよ
↓↓↓↓↓
>夜中に一人で院内をうろつくのをやめてほしい
>観てるこっちが怖くなるので、勝手にそっちに行かないでほしい


3) ガキ大将役の子が初っ端の7分くらいで映る。その瞬間に「あーっと、この子は、えーっと。何の作品で出てた子役だっけかなぁ」ともどかしかった。絶対に観たことあるんだが、と。

30分を過ぎたところでやっと彼の役名が呼ばれるシーン。そこでIMDbの役名と照合し、やっとわかった、Íñigo Garcés! 『Secretos del Corazón』のCarlos君じゃないか!!!

「んまーーーー、大きくなって!」って呟いちゃったよ(心の中で)。

『Secretos ~』の時には10歳で、『デビルズ~』当時は14歳かよ。たった4年でこんな、こんな。『Secretos ~』の時には同級生の女の子のスカートの中を見せてもらおうと全財産をはたいたのに、アッサリと巻き上げられてボッタクリに遭っていたあの少年が、『デビルズ~』では女の裸を描いてみんなに見せびらかしたりしてる。

(※まぁ、今回のその裸婦図も女性性器の向きが縦一文字じゃなくて横一文字なんだけどな)(※そういえば一文字については旧サイトの『交遊録』の『Poem』という話でちょっと書いていますな)

Posted by: Reine | Thursday, August 31, 2006 at 22:49

IMDbのトリビアから
1) 霊のデザインは『Ring』などの日本のホラー映画の白塗りのお化け姿からインスパイヤだそうだ。Youtubeで日本の心霊番組やら心霊ビデオやらが多くUPされてるんだけど、それについて外国人がコメントしてたな、そういえば。

「日本人はどうしてこんなにghostものが好きなんだ?」と。

ほんと、何なんだろうね。そこんところは論文でも書けそうだな。というか既にありそうだ。なんか、こう、日本人の信仰心と関係があると思う。

2) 映画タイトルはspina bifida(二分脊椎)を指すらしい

Posted by: Reine | Thursday, August 31, 2006 at 23:01

メイキングで監督が言ってたことから:

Eduardo Noriegaは監督に「歯を黄色くしてみたらどうだろう?」って提案してきたらしい。‘粗野’なイメージを出すためだろか??? 監督は慌ててそれを否定したって。「ハシント青年は、そういうイメージじゃなくて、ルックスは完璧であって欲しいんだ」と。

だからノリエガはジムに通い、体を整え上げたとな。んもー、ほんと、たまらんかったもんなーー (*´Д`)ハァハァ

でも、言っときますけど私のゲイ友のミゲルは、私とは一時期結婚話も出たほど私とは愛し合っていましたが、このノリエガにソックリか、或いはそれ以上のオトコマエですから。この映画を観てて、あたし、やっぱりミゲルと結婚しようかと思ったよ、マジで。

さて。ハシント青年。
途中で年齢の設定をいろいろ考えちゃったんですけど。映画の中で彼は何歳なんだろうか。‘今’が何年かって表示はあったっけ?

映画の中の‘今’は「そろそろカタルーニャが陥落する」と言ってるんだから、1938年末くらいだろう(※バルセロナ陥落は1939年1月26日)  1925年のハシントの姿は10~15歳くらいに見えたんだよな。そうすると、今は23~28歳か。一番大きくて28歳としとくか。

ハシントが女を知ったのは17歳と言ってたな。11年前か。んーーー、となると、相手はその時に何歳で、いま何歳なんだろか。

……いろいろとね、げすなことを考えたんでげす。(←わ。)

Posted by: Reine | Thursday, August 31, 2006 at 23:13

ネタバレ系
連続性のgoofとまでは言えないのですけど、冒頭で気になったのが、アジャラ先生はカルロス少年のスーツケースをいつ車から校庭に持ってきたのかなってこと。

1. アジャラ先生・ドミンゲスさん・カルロス少年、車を降りる。カルロス君は小箱を抱えてるだけでスーツケースは持ってない。他の二人も持って降りてはいない

2. カルロス君、中庭で一人遊び。その間、アジャラ先生たちは院長室で面談

3. カルロス君、庭で遊び続けてる。ハイメにいじめられる

4. アジャラ先生、(私が思うに院長室から)中庭に出てきた。手にはカルロス少年のスーツケースを持ってて、地面に下ろす。

ここがね。
「あれ? いつ持って来たの?」って思ったんだよね。でも、2.と3.の辺りで時間軸は分断されているわけですから、不連続のgoofとは言えないのです。その間にアジャラ先生が院長室から出て校外へ出て車に戻りスーツケースを持ってまた戻って来た……ってことで済んじゃうからね。

でも、やっぱりその流れじゃ奇妙だよって思うけどね。

Posted by: Reine | Thursday, August 31, 2006 at 23:26

超ネタバレ系
こないだDVDをネットで注文する時に悩んだ末に却下した作品がNarciso Ibáñez Serrador(ナルシソ・イパニエス・セラドール)監督の『ザ・チャイルド~フー・キャン・キル・ア・チャイルド?~』。

英題: WHO CAN KILL A CHILD?
原題: ¿Quién puede matar a un niño?

これさ、「子どもが死んじゃうシーンは…さすがになぁ……」っていう制作者側の自主規制(?)を逆手にとったような作品なんだけども。

うん。「子どもが死んじゃうシーンは…さすがになぁ……」ですよ。恐ろしい怨霊はどこに巣食っているか、ですよ。

Posted by: Reine | Thursday, August 31, 2006 at 23:33

あ。言い忘れてた。
この作品、私は今回は小難しいことを悩まずに娯楽作品として観たのでそういう意味では楽しめたと言えます。私にしては珍しいんだけどね。普段なら観ない要素がいっぱいだから:

・時代もの(私は現代の日常生活ものが好き)
・戦争もの
・ホラー/ファンタジー(そういうジャンルは観る意味をあまり感じない; ファンの人にはこんな私が理解されないだろうけど)

こんな私にしては珍しく好い評価をしていると思います。だけど、IMDbの7.4点は高すぎるとは思ってます。6.3くらいで妥当じゃないか、と。

「戦争やら何やらを通して人間の根底のどうのこうのを描いているのであるからして…」と、意義を見出そうと努めるならばどうしても高い点をつけたくなるのかもしれないですが、7.4は、それにしたってつけすぎだろって思ってる。

まぁ、これはホラー/ファンタジー音痴の私の感じ方。

Posted by: Reine | Friday, September 01, 2006 at 07:13

「デビルズ・バックボーン」の記事でコメントいただきましたGURUです。

もうすぐ日本でも公開されると思うのですが同監督の「パンズ・ラビリンス」に今注目しています。これもスペイン内戦が絡んでると思います(確か・・・)。
スペイン映画って何見たかなと思い出したところ、「ザ・チャイルド」が出てきたんですが、こちらに書かれてありびっくりしました。僕はかなりカルトムービーだと思ってます。
偏ったものしか見てないせいでスペイン映画は子供がよく死ぬというイメージが強いです(汗)。
「デビルズバックボーン」の爆発のシーンは衝撃的でした。

Posted by: GURU | Friday, February 09, 2007 at 01:19

GURUさん、コメントありがとうございました。『ザ・チャイルド』は私も買うか買うまいか迷い続けていまして、まだ観ていません。私の好きそうなジャンルではないのはわかっているのですが、各方面でなんか評価が高いような気配があるので一度観てみようかなどと。

そして、昔、スペイン人の先生が言い放って言い切っていたことですが、「スペイン映画って絶対だれかが死ぬのよね!」だそうです。子供に限らず死ぬんです。たしかに、これまでに数十本のスペイン映画を観てきましたが、誰も死ななかった作品ってホントに少ないのです。なんででしょうね。

Posted by: Reine | Friday, February 09, 2007 at 12:28

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