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Saturday, January 07, 2006

Piedras / 靴に恋して [スペイン映画]

piedras原題の『Piedras』とは「石」という意味。それは、ラモン・サラサール監督の友人がある講演会で目にした出来事に由来している。

講演者がガラス容器を取り出してゲンコツ大ほどの石を入れていった。もう石が入らなくなったところで生徒達に質問した。「この容器はもう満杯かな?」「はい」と子ども達は答えた。講演者はおもむろに水と砂を注いでいった。そして容器は本当に満たされた。

「人生も同じこと。最初に大きな石を据えていかないといけない。愛、友情、家族……。そうしても、まだまだ他のものを詰め込むだけの隙間があるものだ。『Piedras / 靴に恋して』のヒロイン達はみな、‘大きな石’を置くべきタイミングで置くべき場所に置いて来ることのできなかった女たちなのである。石の置き場所を探そうと彼女たちが決心したところからストーリーは始まっている」


参照
http://www.yatv.com/cine/2002/02/214358.html
http://www.noticiasdenavarra.com/ediciones/20020205/cultura/d05cul0503.php
http://www.el-mundo.es/laluna/2002/160/1012473208.html


女友達がみな悪い評価をしていなかったので観ようと思ってはいたんだけど、やっぱり、『ルシアとSEX』とか『マルティナは海』系の、ヨーロッパ いこーる オサレ的イメージ先行型オンナオンナ向けウットリ式アイムカミング系映画だったらどうしよう……という不安が拭えずにいたのだ。

しかし、観てよかったです。

ありがとう>友人たち
観終わってみると、皆さんの褒め方の淡さが腑に落ちます。
「『面白いっ』ってのは無いけどヨカッタ」とは、たしかに。


話としては新奇なものでは全く無いよね。よくある話、でしょ? ではないの? じゃぁオマエ他にそういう作品を挙げてみろと言われても思いつきませんが、よくある話だろうと推測はします。

だけど、よかったなぁ。生理前でも無いのに、なんだ、おい、声上げて肩震わせて泣いちゃったシーンがあったぞ。映画館で観てたらヤバかった。よかった。

日本の会社も「やればできる子」じゃないか。こういう落ち着いた良い作品を入れようと思えば入れられるんじゃないか。(※と、褒めようと思ったんだけど、ひっかかる点はあったので、それはコメント欄で。たぶん私はまた怒るんだろうなぁ……)

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆


◆ANITA(アニータ)
28歳。発達障害。7歳児相当の知能しか持たない。だが、誕生日が2/29だから実際に‘7歳’。飼い犬のアルピノを午前中に散歩に連れ出す以外は家を出ることは無い。飛んで行く飛行機を見上げることが大好き。

犬と飛行機と自分。それだけを色鉛筆で描く毎日の繰り返し。

散歩の時に足を止める。向こうに見える大通りに何があるのか、見つめるけれども彼女の足はルーティンから逸れることは無い。いつもの歩道から、僅か数センチメートルの段差を降りて向こうへ歩もうというのは、彼女の世界にはありえない一歩。

◆ADELA(アデラ)
アニータの母。マドリード郊外の高級puticlub(※)の女主人。スクーターで通勤。夜は家を空けるので、ホアキンを雇ってアニータの世話を任せる。アニータを町に出したくない。

◇JOAQUÍN(ホアキン)
看護士(を目指す学生)。アニータの世話をするバイト。アニータを外出させた方がいいと思ってる。

◆ISABEL(イサベル)
夫は富裕層。別れ話を重ねてきた。足に合わない小さい靴ばかりイメルダのように買い漁ってる。そして万引癖。親友マルティナに愚痴る毎日。マルティナは大事な友人。

◆MARTINA(マルティナ)
TVパーソナリティ。人生相談番組などを持つ。イサベルの親友。

◆LEIRE(レイレ)
昼は靴屋の店員。夜の仕事はgogó(※)。KUN(クン)と同棲してきたが、このところ愛は消えかかっている気配。クンは家にほとんど居らず、たまに居ても寝るだけ。言いたいことがあるのに面と向かうと何も言えない。見つめあうと素直におしゃべりできない、TSUNAMIかよ。

◆MARICARMEN(マリカルメン)
タクシー運転手だった夫の死後、その仕事を継いでいる。夫の前妻の子といっしょに長らく暮らしてきた。腱膜瘤(というか外反母趾というか)が痛くていつもバブーシュを履いている。

◆DANIELA(ダニエラ)
マリカルメンの義理の娘。かなりのヤク中。奪われた(と彼女が感じている)‘もの’に渇いている。この子は好き好んでクスリをやってるわけではない、悲しみがゆえにやるんですと、義母マリカルメンは医者に説明した。

◇KUN(クン)
レイレといっしょに暮らしてきたがもう限界だ。俺はレイレを愛していない。

◇LEONARDO(レオナルド)
仕事絡みでアデラの娼館を訪れたことがある紳士。客としてではなくアデラとの会話を楽しみたい様子。

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆


この人たちの糸が絡み合っていくというか、絡まっていたのが解けていくというか。です。

そうだなぁ。姉とはいっしょに観られる。かな。

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆

靴に恋して私はこの後コメント欄でイチャモンをつけると思うので、この日本版ポスターと冒頭のオリジナルポスターを見比べておいて欲しい。クリックすれば大きいところへ飛ぶから

靴に恋して 日本公式

Piedras @IMDb
靴に恋して @みんなのレビュー
靴に恋して @映画生活
靴に恋して @象のロケット
靴に恋して@ぽすれん
靴に恋して@シネマトゥデイ
靴に~@シネマカフェ
靴に~@goo映画

Piedrasのファンの個人ブログ(だと思う。 http://piedras.bitacoras.com)(すげぇ探究心; 犬の散歩コースを辿ってくれてるのは嬉しかったねぇ)

(スペイン映画)

監督: ラモン・サラサール Ramon Salazar
製作: フランシスコ・ラモス Francisco Ramos
脚本: ラモン・サラサール Ramon Salazar
撮影: ダビッド・カレテロ David Carretero
音楽: パスカル・ゲーニュ Pascal Gaigne
 
出演:
アントニア・サン・フアン Antonia San Juan
ナイワ・ニムリ Najwa Nimri
アンヘラ・モリーナ Angela Molina
ビッキー・ペニャ Vicky Pena
モニカ・セルベラ Monica Cervera
エンリケ・アルシデス Enrique Alcides
ダニエレ・リオッティ Daniele Liotti
ルドルフォ・デ・ソーザ Rodolfo De Souza
ローラ・ドゥエニャス Lola Duenas

リスボンの4月25日橋(旧名: サラザール橋)が見られて嬉しかったです。(94年春、旅行した時のもの)
4/25

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Comments

(1) オリジナルポスターを見る。「Toda persona se enfrenta a un camino ... no siempre hecho a la medida de sus ZAPATOS (人はみな歩んでいかねばならない、必ずぴったり靴に合うとはいえない行き路ではあるが)」とある。

この作品を観終えた人が今オリジナルポスターを見れば「なるふぉど。」と満足気に頷けると思う。ニヤリ、クスリと。

そのポスターできちんと説明されているメッセージが、日本版ポスターでは台無しなんだよな。それが残念ですよ。

日本版ポスターの「靴の数だけ、人生がある」。それはいいと思う。そういう映画だろうとは思う。問題は日本版劇場予告編ですわ。(DVDに収録されてた)


(2) 「靴の数だけ、恋がある。

それは違う。それは違うと思うよ。この映画は恋ばかりがテーマではないですよ。


(2a) 劇場予告編のダメダメコメント
「女性にしか解らないこの気持ち。靴に恋することで一時でも癒されたい!」渡辺いく子(スタイリスト)

く・つ・に・こ・い・を・し・て・い・や・さ・れ・る……?
この映画、そういう話じゃないよ、違うと思うよ、渡辺さん(って誰?) あの中で、靴に恋をして癒されていた人は居なかったと思うよ。強いて挙げても一人。

貴女はそうなのかもしれない、渡辺さん(って誰?)。それくらいで「癒された」とか言えちゃうとは、あなた幸せなんだね、渡辺さん(って誰?)

まぁ、言わされたんでしょう / 名前を貸しただけだろうと思うけど。っつうか、観た上でそう言ってんのかな、渡辺さん(って誰?)。まぁ、渡辺さん(って誰)がそう観たのなら仕方ないですな。


(2b) そしてサイアクなのがこのコピー
シャルル・ジョルダン、グッチほか超ゴージャスな靴が300足登場!

誰が書いた? 誰がこれでOK出したんだ? 日本のcinéfilos (movie-goer、film lover、映画ファン)をバカだと思ってるだろ、わりゃ。靴が見たい奴ぁ靴屋に行きゃぁいいんだ。

嗚呼。それでか。それで日本版はあのポスターか。

っつうか、そもそもこれがゆえにこの映画は採用だったのか。映画の出来の良し悪しとか二の次だったのか。あなた、って誰に向かって言ってんだかわかんないけど、あなた、この映画を気に入ったから持って来たんじゃなかったの? 好きで、それを日本の人にも見せたいって思って持って来たんじゃなかったの?

だったら、靴メーカーの名前をちらつかせなくてもオハナシで勝負しようと…………あなたは思わなかったのか。あんなことでも書かなきゃ客が呼べないと思ったか。

いい映画をみせたいっていう情熱とかがあってその職についたかもしれない人も、そんなモノサシで映画を選ぶしかないサラリーマンになってしまったとかいう、そういう哀愁を私はここに見出さなければならないわけか?

いや、誰がどういう仕事をしてこの映画が日本に入って来たのかはまったくわかりませんが。どうにもならんことがこの世の中にはいっぱいだ。

Posted by: Reine | Saturday, January 07, 2006 at 20:28

語句メモ

・Ahora mismo no caigo.
caer: 理解する
・まだ看護士ではないです、Estoy opositando.
opositar: ~の採用[選抜]試験を受ける

・milonga: ラプラタ地方のゆったりとした2拍子の民族音楽・舞踊
・milonguero, ra: ミロンガの歌手[踊り手]

・cuerpo: (酒・味などの)こく,(ソース・スープなどの)濃度,とろみ

・No montes el número. → montar el número

・babuchas バブーシュ(モーロ人の履くスリッパ風の上履き)
・juanete: (特に脚の親指の)腱膜瘤
・a juego: 調和した,似合った

・por las buenas: 快く,進んで,よろこんで
・pez gordo: お偉方,大物

・deformación profesional: 職業習癖(職業上の習慣からくる考え方や行動の癖)

・アデラがレオナルドに作ろうという料理はsalmorejo

・「昨夜の調子は?」「Normalita, tirando a floja. フツウ、ややダメ寄り」
tirar a : (…の)傾向がある; (色が…に)近い
flojo, ja: 不活発な,不景気な

・puticlub 「ぷ(ー)てぃ(ー)くる(ぶ)」と発音→ prostíbulo(娼館)のこと。

・夜の仕事、gogó
英語の「go-go」は音楽とダンスの一ジャンルを意味するようだけど、スペイン語で「gogó」は、「ディスコのお立ち台で踊り狂って魅せてくれる専業の人」だと思う。職業ゴーゴーガール(?)。

こういう求職⇔求人サイトのようなものも見かけた。「ゴーゴーガールエージェンシー」。
↓↓↓
(※音量注意)
http://www.agenciadegogos.com

トニー・モラ
ベガ・シシリア

Posted by: Reine | Saturday, January 07, 2006 at 20:47

冒頭、男にフられた格好のイサベルが親友マルティナにしゃべるセリフ
↓↓↓

「マルティナ、足病医に行けだなんて、今こんなにあたしが深刻なときによくそんなこと言えるわね。あたし、もうボロボロなのよ。……略…… 足病医に行く必要なんて無いの。私に必要なのはビビビって来る何かなの、私が生きてると感じさせてくれるような人が必要なのよ!」

なんつったらいいのか。
このところ『カマキリな女』『Martin (Hache)』とこれと、立て続けに似たような女の叫びを聞いたのでゲンナリ顔で反応してしまったんだが。

この、「男あるいはセックスで自分は再生が可能である」っていう発想は万国共通なの? それともスペイン特有? どうしてこういうセリフがこうも多いのか。女性誌の「セックスできれいになる!」特集となんら変わらないと思うんだけどな。

セックスあるいは男で変わる程度のそんなチンケな人生ならば、変わる必要ないから、今そこで止めちまえ。と思うんだがなぁ。

そんなに男にあるいはセックスに期待しちゃっていいものかね。と、不感症でインポテンツな女は一人興味深く思うのでした。

Posted by: Reine | Saturday, January 07, 2006 at 21:28

さて、足病医のシーンですが。
日本語と外国語』( 鈴木孝夫著)だったか、イギリス人にとって靴を脱ぐという行為は服を脱ぐ行為と同じくらい強烈であると書いてあったのは。

この点、スペイン人にとってはどうなんだったかなぁ。

もしもスペイン人にとっても同等の性的インパクトを与えるものであるなら、足病医のシーンはことごとくエロティシズムだったんだろうな。なんか、こう、映画館の温度がその瞬間にはちょっと上がるような。カップルで観てたりしたら、家まで待てないみたいなムラムラ感を与えるシーンだったのかもしれない。

どうなんでしょう。

それはさておき。
足病医を演じたNacho Duatoは、ちょっとスマイリーキクチっぽいですけど、そんなことを思わないように自分に言い聞かせていれば、ほほぅ、こりゃたまらん。でしょう。メガネ派な女性陣にはたまらないのではないでしょうか。

というか、綺麗な体をしている、何と優雅な身のこなしか、と思ったことでしょう。というのも、この人は舞踏家なのですね? Nacho Duatoで検索してhitしたサイトで間違いないですね?

素敵でしたなぁ。

Posted by: Reine | Saturday, January 07, 2006 at 21:41

男と女は金魚を飼っている。「No le eches tanta comida, que se muere. エサをそんなにやらないで。死んじゃうわ」

男は閉塞感で潰れそうな生活から逃げ出そうとする。女は「ごめん」って言う。何について「ごめん」なのかを本当にはわかっていない人の口から出る「ごめん」は、「謝っています」という記号でしかないから、言われた方は頭に来るよね。

だから「謝るな」と男は激昂する。

「あなたはいつもそうやって逃げ出すの。何も語ってくれないの!」女はそうなじるけれども、それじゃぁってんで発言の機会を与えられると実は自分も何も語れない、おあいこじゃないか。

愛してるから一緒に居たいというよりも、一緒にいるために愛が存在しなければならないという本末転倒な感じ。あるいは一緒に居さえすれば愛が在り続けるだろうと念じているというか。


愛はもうそこには無いのにね。
‘愛の無さ’には幾つパターンがあるのか

A. あなたと私の間には最初っから存在しなかった
B. こないだまで在ったけど消えてしまった
C. あなたは私をこれから先も愛さない

これらの‘愛の無さ’を、認められない/認めようとしない時って苦しいんだよな。その瞬間も辛いけど、ちゃんとその‘無さ’がわかった後でもずっとずっと「どうしてあの時の私はすぐに‘無さ’を受け容れられなかったんだろうか、なぜあんなにあがいたのだろうか」って、ずっとずっと気恥ずかしさを背負い込んで生きていかなきゃいけないんだよな。

辛いわな。

Posted by: Reine | Saturday, January 07, 2006 at 21:57

イサベルの自宅でのハイソな人々の晩餐会にて。レティシアという奥様が「女優だのなんだのは有名人ではあるけど社会階級的には低い身分」と発言。それじゃぁ有名TVスターのマルティナの立場が無いでしょうに。まぁ狙ったイヤミだったのですが。

レティシアが「ソースがもうちょっと欲しいわね」と言うのでマルティナがとってあげようとしたところ、「メイドがいるから貴女はそんなことしてくれなくていいのよ」と、階層差を見せ付けた。

そんな鼻持ちならないレティシアにイサベルはムッとした。親友マルティナも侮辱されたのだから。「私達はありがたいことに高級車も宝石も夫のおかげで手に入ってる。女なんてみんな娼婦のようなものなのよ」。


これ、たまたまなのだろうけど、この文脈でこのイヤミな超セレブマダムの役名が「レティシア」であるというのは絶妙だな。

スペイン皇太子と結婚した女性の名が「レティシア」だよね。しかも、皇太子と出会った頃の職業はテレビのニュースキャスターだった。

Posted by: Reine | Saturday, January 07, 2006 at 22:16

ぐっと来たシーンは、

1) 誘いに来た男が日が暮れるまで待ち続けるシーン

2) いつもからかっているだけのようだった立ちんぼの女たちが、実は、アニータのことを見守るような気持ちをも持っていたのかもしれないというシーン

3) 愛する男の香水の匂いをいつまでも嗅ぐシーン。あれはやるね。

Posted by: Reine | Saturday, January 07, 2006 at 22:24

(1) 墓碑が映るシーンで、字幕は「(  故人名  )、永遠に君を忘れない」となっていたと思う。けど、それじゃ伝わるものが減っちゃうと思うんだよ。

主語は誰? 友人があなたを忘れないって? 家族一同が? 我々のすべてが?

あそこには「君の夫は君を忘れない」と書いてあった。主語が夫であることがポイントなんじゃない? 印象は変わってくると思うんだよね。


(2) 私はスペイン語映画に限らずどんな映画でも字幕派で、日本語吹替バージョンはほとんど観ないのですが、マルティナの司会する人生相談番組のシーンを観て、吹替バージョンのメリットを思いました。

字幕だとどうしても追いつかないよね。あそこ、字幕に起こしきれない量のことばをTVの中のマルティナがしゃべっていて、けっこう大事なワードが散りばめられてたんだよな。

難しいな。

こんなことを思うと、スペイン語と日本語以外の映画はこわくて観られなくなっちゃうよね。字幕はどれくらい削られてるのかがわからないんだから。でも、字幕を頼るしかないもんな。

日本語吹替バージョンもこれからは毛嫌いするまいと思いました。

Posted by: Reine | Saturday, January 07, 2006 at 22:36

スペインから帰国してから数年間は戻れず、やっと遊びに戻れた時にいろいろとファミリーの娘たちとしゃべった。「reneyama、この数年間に彼氏は?」などと訊かれ、「別にカレシっていうんじゃないけど、まぁ、それなりの相手はいたよ」と説明した。

写真持ってないの? というので一枚見せたら、「あんた、こーゆー系が好きなのねー。スペインなんて、あんたにとっては大正解だったんじゃないのさ」と言われた。その時は「いや、そんなこと無いですよ」と否定してたんだけども、今回の映画で私はついに認めようと思います。

私は南欧系が此の上もなく好きらしい

Enrique Alcides(ホアキン役)もだけども、Daniele Liotti(クン役)とか、何なんだ、彼は。完璧じゃないか!


そして、Najwa Nimri (ナイワ・ニムリ)はエエ女じゃのう。と今回ついに気づいた。これまで、『大草原の小さな家』のネリー役のAlison Arngrimに似てると思ってて、別にそのせいではないんだけども、ナイワ・ニムリを特に美しいと思ったりはしなかったんだよな。綺麗だなぁ。

Posted by: Reine | Saturday, January 07, 2006 at 22:51

発達障害のアニータ(と、女優Mónica Cervera)について書きたかったんだけど、まだ頭の中がまとまらない。ことばを選ぶのが今夜の私には難しい作業になりそうなので、いずれまた。

Posted by: Reine | Saturday, January 07, 2006 at 23:03

確認したい点が一つあるんだけど。
↓↓↓

超ネタバレなので取扱注意
↓↓↓
_________

マリカルメンとレイレは夜っぴて語らった。翌日(と思われる)、リスボンへ散骨に行き、レイレは残留を決意し、マリカルメンだけがマドリードへ戻ってくる。

ちょうどその頃(と思われる)、アニータの行方がわからなくなり、アデラはホアキンとKUNが暮らすアパートに連絡を入れた。

やがて半狂乱のアデラはマリカルメンのタクシーをとめる。ホアキンとKUNをも拾い、タクシーはアニータを捜して街を走る。

その車中で、ホアキンはアデラにKUNを紹介する。「僕の恋人KUNです」。その時にチラッとKUNを見遣ったマリカルメン。

アニータを通りで発見しアデラとホアキンは駆け寄る。KUNはタクシーに残った。そのKUNにマリカルメンが話しかけた。

「私を覚えてる?」
「……(マリカルメンを見て頷くKUN)……」
「レイレは元気よ」
「……(微笑んで頷くKUN)……」
_______


1) レイレと別れた恋人がKUNであることをマリカルメンはなぜ知ってるの?

夜っぴて酒を酌み交わした時にレイレが語ったのだろう。「彼氏がね、名前はKUNって言うんだけどね……」とか。


2) なぜKUNに対してマリカルメンが「私を覚えてる?」なの?

もっともっと前のシーンで、KUNがマリカルメンのタクシーをとめようとしたが、もう仕事を上がって帰途についていたマリカルメンは乗せなかった。その時のKUNのことをマリカルメンが覚えていたというわけ?


3) 同様に、なぜKUNはマリカルメンを覚えていると頷いたの?

同様に、「あの時に乗車拒否した女運転手だな」というのを思い出したから?


この二人の点と点が結ばって線になるとしたら、これしか無いんだよね?

Posted by: Reine | Sunday, January 08, 2006 at 11:02

こんにちは!
トラバありがとうございました。
私もクンとマリカルメンの関係が謎のままで、ちょっと気持ち悪いんですが、良い映画だったので、細かいことは気にせずにおこうと思っちゃってます♪

Posted by: nmf | Sunday, January 08, 2006 at 16:58

nmfさん、ありがとうございます。

そうなのです。あのシーンで一瞬「えーーーっとこの二人は……えっと?」って頭が冷めてしまいました。もしかしたら削除されたシーンに、あの二人の関係を説明するような出来事が映っていたのかもしれない。なんてことも思いました。

まぁ、でも、考えるのはやめておこうと思います。
いい映画でしたから。ね。

Posted by: Reine | Sunday, January 08, 2006 at 22:16

TBありがとうございました。
こちらのブログは以前から拝見させていただいていました。

『ルシアとSEX』などの一度では消化できない映画も好きですが、この『靴に恋して』は直感的に響いてきて、映画館を半泣き状態で出た映画です。ホント大好き。

こちらの記事とは離れますが、『Martín』 、去年映画祭で『ROMA』をみて、ファン・ディエゴ・ボットに興味を持ち、取り寄せようかどうか悩んでいたところです。英語もスペイン語もあやふやな私では、無駄になりそうな気がしてきました(笑)

ではまたよらせていただきます♪

Posted by: さち | Sunday, January 08, 2006 at 23:28

さちさん、ありがとうございます。『靴に恋して』の原題と邦題に言及しているblogを探していてさちさんのAMAPOLAに辿り着いた次第です。

とにかく邦題と日本版ポスターの暴挙で私はアタマに来ていたのです。

『靴に恋して』は生き方の物語としてよかったです。それを、あんな惚れた腫れた風なコピーをつけてみたり、オサレ上等主義なポスターにしちゃってみたり。冒瀆ですわ。あんな軟派な路線では、硬派を気取る女の客は観るのをためらうでしょう。そういう人も好きになりそうな作品なのに。

あ。まだ怒ってるのか、私は。


さて『Martin (Hache)』ですが、英語字幕で大丈夫です。お願いだから観てください。と、このところいろんな人にお願いして回ってる感じです。お願いしてでも観てもらいたいような映画でした。

Juan Diego Bottoの美しさも気にならなくなるくらいお話がよかったです。

話それますが、Juan Diego Bottoはペネロペ・クルスとそっくりですよね。顔面相似形。唇のめくれ具合とかも。『ひとめぼれの法則―「顔」からはじまる運命の恋』の通りにコトが運ぶならば、Juan Diego Bottoとペネロペが惚れ合うはずだ。なんてね。

長くなりましたが、これからもよろしくおねがいします。今年の上半期でスペイン映画DVDの在庫を一掃する(=ここに記録する)つもりでいます。たまりにたまっていて。前に観た分で、ディテールを忘れ気味のもあって。

何か、ありましたらコメントください。

Posted by: Reine | Monday, January 09, 2006 at 09:57

はじめまして。
TBありがとうございました。
この作品についての詳細な情報を掲載してくださっていて、大変興味深く拝読いたしました。
TBお返しさせてください。

Posted by: una noche | Wednesday, January 18, 2006 at 19:46

una nocheさんの『靴に恋して』記事は、私もたいへんに興味深く拝読しました。これからもよろしくおねがいします。

Posted by: Reine | Wednesday, January 18, 2006 at 20:03

ここに辿り着いた人の検索ワードを見ていて気づいたんだけども、アニータの飼い犬の名前を「アルビノ」(濁点 ゛)だと思っている人がいないこともないのだね。白子。あの犬が白い部分の多い仔だったから?

でも真っ白じゃなかったでしょ。背中とお尻に茶色の斑(ぶち)があって、両耳と尻尾も茶色だったでしょ。

あの犬の名は「アルピノ」(半濁点 ゜)です。アルプスです。

そしてまた、「アルピノ」はアニータ愛用の色鉛筆の商標でもあります。色鉛筆アルピノは、おそらくおそらく、Jaenに在るAITTEKという会社の製品だと思う。

Posted by: Reine | Friday, January 27, 2006 at 16:28

先ほどコメントをしたつもりだったのですが、残念ながら上手く行かなかったようです。

>靴が見たい奴ぁ靴屋に行きゃぁいいんだ
原題についての素敵なエピソードは、哀生龍が書き直すと上手く伝わらないような気がしたので、Reineさんの記事を本文中にリンクさせて頂きました。
映画を見る前は特に気にもとめていなかった邦題とポスターが、作品のテーマとは違ったイメージを与えると言うことに映画を見て良く分かりました。
ブランド物の靴を愛する女性に限らず、男性にもいろんな年代の方にも通じるテーマですよね。

Posted by: 哀生龍 | Sunday, October 08, 2006 at 18:25

哀生龍さん、コメントの際の不具合でご迷惑おかけしました。ココログは本当に困りものです。(※ヒドい運営に耐え忍んでいるので、ココログユーザーはドMとか言われているそうです)(※そういう送信時の事故が多発するので、投稿ボタンを押す前なんかに[Ctrl]+[C]をしとくのが癖になりましたもん)

さて、『靴に恋して』。
10ヶ月前にこの記事を書いた時にオリジナルのポスターにちょっと言及しました。


以下、ネタバレ気味


あの、上半身と下半身の組み合わせのズレが、とても面白かったのです。あの足元こそが、彼女たちそれぞれがこれから進むべき人生であるということなのでしょう? これまでは間違った靴を履いて足取りも重く見当違いの方向にノロノロと向かっていたけれども、これからは自分に合った靴で前を見て歩いていけ、と。

あれは優しく心強くいメッセージを込めたデザインだったはずなのであろうなと思ったのでした。

それが日本版になると靴店の新装開店チラシですからね。日本の会社側はずいぶん乱暴で無礼なことをしているもんだねと、呆れます。


> 男性にもいろんな年代の方にも通じるテーマですよね
↑↑↑
ホントにそうですよね。私、もう一度大声で言っておこうと思います:

『Piedras』は、「ヨーロッパいこーるオサレ的イメージ先行型オンナオンナ向けウットリ式アイムカミング系映画」などでは決して無い!!!

Posted by: Reine | Sunday, October 08, 2006 at 20:13

bettyさんのシネマでキッチュの『靴に恋して』を拝読した。

あちらのコメント欄で、ヘテロセクシャルの女性レイレとホモセクシャルの男友達との会話に言及している方がいたので、なんとなく思い出したことがある。それをメモっておこうと思った。

スペイン生活時代の終盤は、スペイン人女友達を介して知り合ったゲイの皆さんと交流していました。彼らは私にpiropo(後述)も言わないから鬱陶しく無いんだよね。私は私でいればいいだけで、オンナであろう / 女であろう / 男らしい女であろうなどと努めなくてよかった。

一番仲良かったのがミゲル(仮名)。過去にもこのブログで書いてきたけど、結婚話も頭をよぎったくらい。申し分なかった。満点の人でした。セクシャリティーの不一致を除けば。

朝は私を車で迎えに来て学校まで送り届けてくれ、夕方からは爺さん婆さんの茶飲み友達的に散歩などして過ごし、夜はご飯を食べ一緒に寝て……だった。学校以外の時間はほとんど一緒に過ごした。

彼との結婚話は冗談半分・本気半分で持ち上がっていましたが、私は実は一番信頼できる女の先生に相談すらしていた。先生は止めろと言った。

「割り切ったつもりでもね、実際に暮らしが始まると感情というのはそう簡単なもんじゃない。私の女友達でやはりゲイの男性と書類上の結婚をした人がいたけれども、Reine、貴方が帰宅して扉を開けた時に‘夫’がtío(男)とくんずほぐれつしているのを目撃するのは、貴女が想像しているよりもずっとキツいものなのよ。私の女友達は……最終的には自殺してしまった」

私はそれを心にメモっておいた。今でも。

さて、ミゲルは私とベタベタウキウキホノボノ過ごしている日々の中で「僕がゲイじゃなかったら僕たち絶対に付き合ってるよね」と言った。けれども私は答えた:

「貴方がゲイじゃなかったら、貴方、私とこんな風に付き合ってたと思う? わざわざ? 日本人と? 貴方がヘテロだったら貴方の周りのスペイン人女性が放っておくわけもないし、貴方が彼女たちに関心を持たなかったはずもないでしょ。貴方はきっとスペイン人女性と恋愛をしてそちらで手一杯だったんじゃないだろうか。我々は友人でも知人でもなかったかも。貴方の集合と私の集合は重なり合うことすら無かったんじゃない?」

その時、私はたぶんどっか哀しい目をしてたと思う。

注 piropoとは:
ラテン男が道端だろうが何処だろうが、目に入った女に投げかけるのが義務だと思い込んでいるっぽい、生活習慣あるいはマナーと化している、形骸化した無駄なおべんちゃら。「よー、べっぴんさん」的な。時に野卑な言葉も。

Posted by: Reine | Wednesday, October 11, 2006 at 14:30

はじめまして、靴に恋して、詳しい情報参考になりました。スペインにも愛情たっぷりのブログでよいですね!
チラシや予告のコピーやタレントのコメント、おかしいの
結構ありますよね。それで観る気なくしてしまったり・・
スペイン映画、この映画で興味を持ったので、またお邪魔させていただきます。

Posted by: womanfilm | Saturday, May 12, 2007 at 18:30

womanfilmさん こちらこそよろしくお願いします。ブログを拝見しまして、「女の映画」もいろいろに分類できるのであるなぁと、気づくことができました。面白い視点ですね。

『靴に恋して』の原題と邦題に関しては多くの人がブログなどで違和感を口にしてますよね。これ、ごく当たり前の感覚だと思うのですが、映画会社の人々はそういうのがわからないのかなぁと、ため息ついちゃったりします。

これからもいらしてください。

別途コメントをちょっとさしあげました

Posted by: Reine | Saturday, May 12, 2007 at 19:05

スペイン語圏の友人にいい映画を観たと報告するべく
邦題を探していてたどりつきました。

邦題だけでなく、ポスターも原版を知らなかったので
ものすごく驚き、怒り生まれてしまいました!
実は、靴とかバッグとかの大好きな友人が
この映画を観たいと言っていて
たまに軽い映画でも観ようかな~と思い、DVDレンタルしたのです。
ついでに言えば、そのレンタルショップではこのDVDが
「女優のファッションチェック特集!」的な企画棚にありました。
その棚を企画した店員もこの映画を観てないと思われます。

私は中国語の映画を観るとき、
Reineさんと同じように感じることが多々あります…
邦題もそうですが、なんたって字幕ですよね。
戦争モノなんかになると、
日本人の耳に入れたくないセリフなので変えた、
という思惑を感じます。
映画の本当の価値を損なうことに気づかなければいいというものなんでしょうかね…

あ、それと私が観たときには、
終盤のマリカルメンとKunのシーンは
「たぶん、マリカルメンとレイレの父が結婚したとき、
レイレとKunは家を出て同棲を始めたのだ。
だから以前会ったことがあるのだ」
と勝手に解釈していました。
ちょっと無理があるかもしれないですが。

Posted by: yuking | Saturday, May 19, 2007 at 22:37

yukingさん、コメントありがとうございました。
この作品は、原題と邦題に触れていないレビューを探す方が難しいくらいですよね。違和感を覚えた人がたくさんいるのだと思うと、なんというか、まだまだ捨てたもんじゃないよという安心感のようなものも去来します。

>「女優のファッションチェック特集!」

これはひどいw
『靴に恋して』でファッソンチェキラができると思うならやってみろと言いたくなりますなぁ。マリカルメンのところの息子なんて長靴履いてんだぞ、と。(息子は女優じゃないけど)

>日本人の耳に入れたくないセリフなので変えた

こういうのも、本当のセリフに気づいてしまうyukingさんのような方には耳障り・目障りでしょうね。こうなってくると、知らない外国語の作品っていうのは私は本当には理解できていないのかもしれないなという気になってきて、落ち着かないですね。

マリカルメンとKunのシーンの解釈も、そう言われてみるとそれでもストーリーはきれいにシュッと繋がるような気がしてきておもしろいです。これからも色々とおきかせください。よろしくおねがいします。

Posted by: Reine | Sunday, May 20, 2007 at 01:35

Posted by: Reine | Wednesday, October 17, 2007 at 15:01

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