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Sunday, December 11, 2005

falsos amigos

「falso amigo」=「偽りの友,嘘っこのおともだち」。………といっても、友人に裏切られたとかいう話をしようというのではないです。スペイン語の「falso amigo」という文法用語(?)について書いておこうというのです。

「falso amigo」というのは:
○語で「  A   」という語は「  B   」を意味するから、△語では語尾なんかを△語っぽくちょっと変えちゃえば同じく「  B  」を意味するのだろうと思って「  A'  」と言ってみたのに、おやまぁ、△語の「  A'  」は「  C  」を意味してしまうのですね、△語で「  B  」を言いたかったら「  D  」と言わなければいけないのですね、

………という語のことです。


例)
英語で「library」という語は「図書館」を意味するから、スペイン語では語尾をスペイン語っぽくちょっと変えちゃえば同じく「図書館」を意味するのだろうと思って「librería」と言ってみたのに、おやまぁ、スペイン語の「librería」は「本屋さん」を意味してしまうのですね、スペイン語で「図書館」を言いたかったら「biblioteca」と言わなければいけないのですね。

例)
英語で「carpet」という語は「じゅうたん」を意味するから、スペイン語で「carpeta」って言っておけばどうせ「じゅうたん」を意味するだろうと思ったのに、おやまぁ、スペイン語の「carpeta」は「書類フォルダ」を意味してしまうのですね、スペイン語で「じゅうたん」を言いたかったら「alfombra」と言わなければいけないのですね。

例)
英語で「embarrased」という語は「どぎまぎしている」を意味するから、スペイン語っぽくしちゃえば同じく「どぎまぎしている」を意味するのだろうと思って、ある男性が「Estoy embarazado.」と言ってみたのに、おやまぁ、スペイン語で「Estoy embarazado.」は「俺は妊娠しているぜ」となってしまうのですね、スペイン語で「どぎまぎしている」を言いたかったら「Estoy avergonzado.」などと言わなければいけないのですね。

………という例が山ほどあるのでした。(※英語に限らず他の言語についてもね)


【参考】
「falso amigo」@Wikipedia (ちょっと「それはおかしくない?」ってツッコミたくなる箇所も無いではない)

英語⇔スペイン語
http://www.elenet.org/falsosamigos/faing.asp?palabras=Falsos

辞書もある。インタースペイン書店で取り寄せてもらえるんじゃないかと思う。
1) DICCIONARIO DE FALSOS AMIGOS INGLES-ESPAÑOL
2) ENGLISH FALSE FRIENDS - PALABRAS INGLESAS ENGAÑOSAS (2 ED.)
3) Diccionario de Dudas y Falsos Amigos del Ingles
4) Diccionario De Termino Equivocos ("Falsos Amigos" : Ingles-Espanol-Ingles/Dictionary of Equivocal Terms) (Miguel Cuenca Villarejo著)※絶版だろうからムリだと思う

5) FALSOS AMIGOS-FALSE FRIENDS (Glenn Darragh著)
False Friends. If thousands of English and Spanish words are similar in appearance and meaning, there exists also an important group of "false friends" (or, as they are known technically, false cognates): words that are similar or identical in appearance in the two languages but very different in meaning. In English, for example, a "suburb" is a residential area where the well-off exactly the opposite of Spanish "suburbio". Falsos Amigos presents more than a thousand such words, words which Spanish-speaking students think they know, but they don't! Numerous examples are provided of the correct and incorrect usage of each word, as well as a series of stimulations exercises. An indispensable study guide and reference manual.


ポルトガル語⇔スペイン語だって、あんなに似てるくせにfalsos amigosがあるから困っちゃうよ。ほら、こんなにたくさんあるってよ

例)
ブラジルの歌で「Pense em mim, chore por mim, liga pra mim, não não liga pra ele. (俺のことを考えて、俺のことを思って泣いて、俺に電話をかけてよ、ダメだ、アイツに電話なんかするな)」っちゅう曲が仲間内で流行ったことがあり、何かというとそのサビんとこを大合唱してたんだよな。それで「ligar (pra) + ダレソレ」は「電話をかける」だと刷り込まれてたんだわ。

だから、スペインに行った最初の最初の頃は、「電話かける……電話……電話……ligar……じゃないよ、スペイン語のligarは違うんだ……」って考える手間がちょっとかかってた。


さて。
話はここから徐々に逸れていきますからよろしく。


「falso amigo」というのとは違うんだけど、似た感じので厄介な語群があったよ。 

○語の「  A  」という語を△語っぽく「  A'  」って言ってみたのに△語にはそんなコトバは存在してませんでした、ってやつ。

例)
「値段が高い」のは英語だと「expensive」だよね。それに釣られて、スペイン語を習い始めた頃に「expensivo, expensiva」って言っちゃったことがあったよ。そんな単語、スペイン語には無いです。「caro, cara」というシンプルな単語で済むのにさ。

例)
ある日の授業中に私は、ポルトガル語の「negligenciar(ネグリジェンシアール)(怠る,おろそかにする,顧みない)」の発音を変えるだけで通じるだろうと思って「negligenciar(ネグリンシアール)」って言ってみたんだよな。そしたら先生が「へ?」ってすんごく奇妙な表情でした。私は堂々と「いや、だから、そのとき私はネグリヘンシアールしたわけですよ」と繰り返したんだが、「あぁ! お前、それポル語から造っただろう」って言われて。


さて。たとえばこういう‘きれいな’対照がある。

英語: preserve [動] 保存する,保護する
西語: preservar [動] 防護する,保護する,予防する

英語: preservative [形][名] 保存力ある,防腐の; 防腐剤
西語: preservativo, -va [形][名] 予防用の,防護的な; コンドーム


それでは、「(人が)保守的な,保守主義の」という語について同様に考える。

英語: conserve [動] 保全する,保護する
西語: conservar [動] 保持する,保存する

英語:conservative [形][名] 保守的な,保守主義の; 保守的な人
西語:   ?     [形][名] 保守的な,保守主義の; 保守的な人,保守主義者

この「  ?   」に何がくるかという話である。ここで「conservativo, -va」と言ってしまう人はけっこういると思うよ。同級生の英語人とかスウェーデン人などが言っちゃってたな。英語の「conservative」に釣られちゃってるのだろうな。「conservative」の各国語バージョンを見るとわかるかと思う。

スペイン語で「(人が)保守的である,保守主義者である」を言いたかったら、「conservativo, -va」ではないです。「conservador, -dora」です。


さて。←また「さて」か。


私がなぜこんな話を書こうと思ったかというと、日本版ポリティカルコンパスの結果がね、まぁ、ほぅそう出ましたかという結果だったのでね。

こういう位置
conservadora

「グラフの縦軸は政治的価値観を示します。上に行くほど保守、下に行くほどリベラル」

「グラフの横軸は経済的価値観を示します。左にいくほど経済左派、右に行くほど経済右派」


あなたの分類は「保守右派」です。
政治的な右度    4.6
経済的な右・左度  0


まぁ、それでね、「conservadora上等」と思ってですね

「conservadoraといえばconservativaと間違う人がいたもんだ」と思い出し

「じゃぁついでに falso amigo のことでも書いとくか」と思いつき……

それでこういう長い記事になったわけです。書き上げるのに何日かかかってるんだ、これ。

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Comments

解説にはこうあった。

《政治的価値観(コンパス縦軸)について》
右派(保守)は伝統や公共の福祉を重視する価値観です。常に日本の今後を思う人ですが、リベラルから見ると、さしたる根拠もなしに伝統や公共の福祉を主張する、小さな親切大きなお世話人間に見えるかもしれません。

左派(リベラル)は個人の自由を重視する価値観です。自分や他人の願いや思いを大切にする人ですが、保守から見ると、自分勝手で権利を履き違えた勘違い人間に見えるかもしれません。
____


右派(保守)ってのはこの国を愛しているってだけの話。この国とこの国に暮らす私を脅かすものからこの国とこの国に暮らす私を護り続けたいと願っているだけの話よ。

Posted by: Reine | Sunday, December 11, 2005 at 19:44

スペイン語に「conservativo, -va」という語が無いのかというと、そうではない。ちゃんとあるよ。

Real Academiaの辞書では「adj. Que conserva algo.」とある。形容詞で「保存に役立つ,保存の; 防腐の」。

Posted by: Reine | Sunday, December 11, 2005 at 21:47

面白い。よくぞ記事にまとめてくれた。

スペイン人の先生(ハビエル、アベッチの初期の恩師的存在)が、イタリア人生徒と日本人生徒のスペイン語学習における問題(壁のようなもの)は全く違うと言ってたのを思い出した。

イタリア人の友達に、subirとかが意味が違うから紛らわしいんだわ、と言われたことがあった。(もう覚えてるのはこの動詞ぐらいだな・・、もっと色んな会話したんだけど。)

彼ら(ラテン系原語圏や英語圏の人達)にはそういう厄介な問題があるというのを理解した上で、それでもそれ以上に似た単語があるんだから俺ら(日本人とか台湾人とか)に比べたらよっぽど楽だろーがよ、とはいつも思ってた。

Posted by: abetchy | Sunday, December 11, 2005 at 23:31

記事おもしろく拝見しました。
最後のポリティカルコンパスの結果、

政治的な右・左度(保守・リベラル度) 4.4
経済的な右・左度(市場信頼派・政府介入派) -4.07
あなたの分類は 保守左派です。

自分はわりとリベラル寄りだと思っていたので意外な結果でした。

Posted by: nabezo | Monday, December 12, 2005 at 12:41

わしの判定結果:

政治的な右・左度(保守・リベラル度) -3.4
経済的な右・左度(市場信頼派・政府介入派) 0.74
あなたの分類は リベラル右派 です。

鉄はどっちかのう(@_@;;

Posted by: SRB | Monday, December 12, 2005 at 13:31

>Abetchy
> よっぽど楽だろーがよ

これは、私も心底そう思いますよ。
というか、思うばかりではなく、私の場合、面と向かって言っちゃってたよ、彼らに。

彼らというのは、「インド-ヨーロッパ語族の人」っていうほど広範囲じゃなく、ロマンス諸語ってほど狭い括りでもない人々のことなんだけど、早い話が「欧米の生徒たち」かな。

私は今よりもずっとずっととんがっていたと思うし、性格もキツく、何に勝つ気かは知らねども常に勝つ気で教室に通っていたので、彼らのスペイン語のつたなさを大目に見てやることができなかった。

「私と同じクラスに居る自分をおかしいと思ったことはないのか」というのを、すげぇ遠まわしにですけど、問うたのでした。

「あなた達の母語とスペイン語との隔たりなど、私から言わせれば屁みたいなもんである、日本語の中の方言の違いよりよっぽどマシじゃねーかとすら思う、単語を入れ替えて行きゃぁ即興でできるだろうとさえ思ってる、あなた達が日本人の私と同じクラスあるいはもっと下のレベルにいるというのは、アリエナイ事態である、この学校で学んでいる歳月の差だとかスペ語を学んだ年数が私の方が多いじゃないかとかそういう問題じゃない、あんた達ヨーロッパ人がマルチリンガルじゃないというのはどうにも解せない」

という暴論を、もっともっと柔らかくですけど、面と向かって言ったことすらあるよ。

falsos amigosがもたらすマイナスが何だと言うのか、と。

Posted by: Reine | Monday, December 12, 2005 at 20:48

そしてポリティカルコンパス。

右の人と左の人は互いに「どこをどう答えたらソッチと出るんだ?」と思っていそうで面白い。

ちなみに私の経済面が「0」だったのは、あれだ、たぶん設問の意味が分かってなかったんだろう……。わかんないことにわかんないままを回答してったから、ゼロなんていうなんにも考えていませんような値がはじき出されたのではないだろうか。

Posted by: Reine | Monday, December 12, 2005 at 20:55

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