viernes
金曜日のまとめ
学校に行った。こないだまで携わってた書籍の中で出くわしたさまざまな疑問点を解消するための授業。「ここってこうじゃないですよね?」「これって間違ってますよね?」っていうのを片っ端から先生にぶつけてって、確認する作業。
おおむね(ほぼすべての疑問箇所において)私が正しかったということが確認できた。問題の書籍の編集作業中に私がヘンテコリンさに気づいて「これ、違うんじゃないですか?」と申し上げても、偉いセンセイたち(っつうか、一人、偉~いのがいて、ソイツが特にガンだったんだが)が却下(無視)しやがってた箇所のほとんどすべてにおいて私が正しかった。こちらの先生も、「おい、なんだこりゃ? こんな基本的なことを堂々と間違えて…」とヒき気味で。「『reneyamaの言ってることの方が正しいです』って僕たちが連名で日本のお偉方に文書で証明してあげようか?」とか(冗談だが)言ってくれた。
ほんと、勘弁してほしい。これらの疑問点がこうして晴れるまでのこの数年間、私がどれだけ混乱したと思ってんだ。「ここにはBは来てはいけない、Aであるべきなのだ」と思っていた法則の、ことごとく逆を行かれて、それまで当たり前だと思ってた確信をひっくり返されて、この数年間、私がどれだけクビをかしげてたと思ってんだ、がっでむ。
その辺を解決するにはこっちの先生に聞くしかねぇやとか思いつめて(?)、ついにはこっちまで飛んでくるハメになったんだ。飛行機代を請求したいくらいの勢いで頭に来ているが、それくらいの勢いで溜飲が下がったりもしている。
★゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・゜
さて。
そうやって授業を受けているうちに、一点、私が理解できない事柄に行き当たり。そのフレーズを使った例文を先生がいくつか挙げてくれたんだが、私はどうしても飲み込めず。それは月曜にもう一回考えることになった。
それが午後中ずっと気になっていたので、夜にファミリーの次女(28歳・保母さん)と三女(22歳・心理学専攻の学生)を夕飯に連れてった時に、二人にも尋ねてみた。そのフレーズを使った例文をいくつか作ってみてくれと頼んだ。娘たちは苦労しながら例文を作ってくれたんだが、それでも私は飲み込めず。食事する手も止まりがちになるほど3人で考え込み。ずっとそのフレーズを口の中でゴニョゴニョと呟きながらの夕飯になった。
お店を出たとき娘たちがゲラゲラ笑っているのでナニゴトかと聞いたら、私の後ろのテーブルの30代くらいのカップルもずっとそのフレーズを挙げて考え込んじゃってたんだと。そのカップルもああでもないこうでもないと空を見つめて例文を作り続けてる様子だったと。
「っていうか、たぶんほかのテーブルの人もそうだったと思う」と大笑い。
一人で夜の通りを歩いている時にカメラを構えて写真を撮るという行為は、いくら人通りが激しい町一番の大通りとはいえ、やはり躊躇われるので(←ひったくりなどに目をつけられるのではという危惧の念)、こうして友人と連れ立って歩いている時にまとめて撮っちゃうように心がけてます。
…と三女に言ったら、「そんなこと言ったってレネヤマー、あたしといっしょに居るから安心ってことは無いわよ? 私がたとえば屈強な男だっていうんならまだしも、こんな華奢な小娘じゃ抑止力にもなんにもなりゃしないわよ。二人まとめてやっつけられちゃうだけよ」と言われた。ごもっともです。
だから、「私が写真撮ってる間、あなた脇で空手の型でもやっててよ。これ見よがしに空手っぽいポーズとかとっててよ」と頼んだ。
三女の友人に会いました。息子(4歳)の写真を撮ってあげたら彼は大喜びで、私を好いたようでした。別れ際には頬っぺたにチゥをしてくれました。今回の旅行で私にキスをしてくれた唯一のスペイン人男性でした。(背後で組み立てられつつあるのは、セマナ・サンタ(聖週間)の行列を見届けるための座席。かな)
「La Posada de Antonio」という名前のbarです。
二階席もあってとにかく店内が広かったという記憶がある。……あれ……以前はただ「Posada」という店名だったような…と思いながら通り過ぎようとしたら、三女がすかさず説明してくれた。「Antonio」って冠がついたのはこの俳優が買い取ったからだと。あぁ、なるふぉど。彼はこの町の出身だったね。
そして我々はその隣の小さな小さな立ち食いbarへ。
店の表まで人が溢れてます。小雨が落ちてきましたが構う人などいません。
その夜、三女は彼氏と出かけた。
次女と私にもいっしょに町に出てくれとしきりに言う。
なぜかと言うと:
三女の彼氏は男友達と出かけることになってたのだ。男友達に誘われたので、「あぁ、いいよ、遊ぼうぜ」と言い切ってしまったのだ。だが本心は、男友達なんかと会ってるよりもカノジョ(三女)といっしょにいたい。そこで、彼氏と三女は、夜の町で偶然に出くわした風を装うことにしてあったのだ。何時ごろにドコソコの店の辺りで“偶然に”鉢合わせようではないか、と。そういう打ち合わせをしたのだ。
そのためには、カノジョ(三女)が一人でふらついているのは不自然なので、次女と私といっしょにふらふらしている体でいたいと、そういう計画だった。だから三女は執拗に私達を誘ったのだ。
次女は「いかにも若いコのやることだわ」と鼻で笑ってた。男子が、男友達に誘われた時に、「いやぁ、俺、今夜はカノジョと出かけたいから」と断るのは、どうも沽券にかかわるようだよ。「あぁ、いいぜいいぜ、カノジョなんてほっといたっていいんだぜ、俺はカノジョなんかぜんぜんかまわないような男なんだぜ」というところを見せないとならぬと、そのくらいの世代の男の子は考えるもののようだ。
結局、次女と私は三女にはかまわずDVDを観ることにした。
PEDRO ALMODÓVARの『La mala educación』(『バッド・エデュケーション』)。(詳細は後日)
「今夜はお父さんがいないからこれを観よう」と次女が言う。「そうね、それがいいわね。アルモドバルの映画は親といっしょに観られないからね」と私は言った。前に母といっしょに別の作品を観てイタい目を見たので(詳細は後日)。
すると次女が、「性的なシーンがあるからっていう恥ずかしさもお父さんといっしょに観られない理由ではあるけど、そうじゃなくて、うちのお父さんの“政治的見解”みたいなもんと衝突するだろうという懸念からも、きっとこの映画はダメなの」と言う。「お父さんはきっと、『こんなにあの時代のわが国のことを悪く描き過ぎる必要などないのだ』ということでも機嫌を損ねると思うのよ。『おおげさに表現してる』ってブーブー言うと思うわ」と。
その辺はさておき(さておくのか)、観ることにしました。
ら、パッケージの中にDVDが入ってなかった。前の夜にお父さんは一人で観てしまったようでしたよ。
唐突ですが、夜のAlcazaba
そんなこんなで土曜の朝。
両親がいないのをいいことに、三女は仮ベッドを自室に入れて、彼氏といっしょに寝てるようです。次女が出かけ、私も出かけようとすると、三女は目をこすりながらわざわざ起きてきた。内側から鍵をかけると言う。「今日はお父さんたちは帰ってこない日だけど、万が一のために」と。「だって、そんなこと言ったって、帰ってきちゃったらあなたどうすんのよ」と聞いたら、「彼はベランダに追い出すとか、ベッドの下に隠すとかする」と。
が、がんばれ、若人。
そんなわけで閉め出されたので、私は数時間は家には帰れません。
閉め出されている間にAlcazabaという近所の史跡に行ってみた。またもや曇天。残念。快晴のつもりで見ていってください。
城塞の向こうに港
公園?
ちょっと離れたとこに闘牛場
これだって、青空と白壁と緑とオレンジの実が全てクッキリと写ったならどんなに美しかったか。
地面に小石で模様
城の外にはローマ劇場の遺跡
「ビラ貼り禁止」の表示も可愛らしく
____
P.S.
昨日(3/11)はマドリードの列車テロから一年。各局が特別番組を流していた。
あの日は、死傷者の携帯が列車の残骸の中で鳴り続けていたのだそうだ。もうすぐ東京の地下鉄からも10年。合掌。
木曜日メモ
1万円をユーロにしたら69くらいだったかい?
14.40 友人宅訪問にあたりお菓子を購入
8.5 ヌードル屋さん
10くらい? 雑費
金曜メモ
5くらい? 雑費
17.50 夜ご飯娘たちと
土曜メモ
5くらい? ネッツ代等
1.90 閉め出されてる間に近所の史跡に行ってみた
8.5 ヌードル屋
持ってきたユーロを大事に大事に使ってたつもりでいたのがあまりにも早い時点で底をついてしまった時、緊張の糸が切れてしまった。ずっとこまめにお金をメモってきてたのに、ふつりと切れてしまったわ。でも、今回の旅ではまだ一着も洋服を買っていない。だってバーゲンの時期じゃないからさ、定価では買う気がしないのよね。
がんばれ、おいら。何も買わずに帰国しろ。
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Comments
Reineさま
ヒマに任せてRene山ワールドを探索いたら懐かしい光景に息がつまりました。
ここだったんですね、留学先。
私が行ったのは2年半前でたった3週間でしたが、どの写真も場所が特定できちゃうくらい記憶が鮮明に残っています。
ホント、こんな素敵な旅行記を残しておいてくださったことに感謝、です。
Posted by: tonta | Monday, January 08, 2007 12:29
えーーー、奇遇ですね。驚きました。すごく嬉しいです。いや、ホント。こんな具合に過去が重なるなんて。ワクワクします。
その旅行記(というか「帰省日誌」のような気分でもあるのですが)でも何度も悔しがっていますが、ほんとうにあの時は晴天に恵まれませんでね。青空を撮りたかったのですが叶いませんでした。
あぁ、‘里帰り’願望が急速に盛り上がって参りました。どうすか、tontaさん、いつか一緒に行けたらいいですね←いきなりですが。
とは言っても私はこの間の唐突なサンフランシスコ探訪でお金を減らしましてね、友人のmona氏にもサンフランシスコに行っている場合ではないぞと叱られた(?)ばかりなのですなぁ………。
Posted by: Reine | Monday, January 08, 2007 12:41