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Wednesday, February 16, 2005

Los Lunes al Sol / 月曜日にひなたぼっこ [スペイン映画]

Los Lunes al Sol冒頭、抗議集会から暴動そして機動隊との衝突という迫真のシーン(※これは迫真も何も、実際のニュース映像からの抜粋。2000年3月にNaval Gijón社(造船工場)が大量の解雇を発表した際の争議の模様です)。末端の労働者が大量にクビを切られたのだなというシーンから始まるのです。

SantaもLinoもJoséも工場を解雇されて失業中の身。川向こうの町に船で渡るLino、今日はスーツで決めている。一瞥してSantaが訊く: 「面接?」。そんな格好で対岸へ渡るのはイコール就職の面接ということぐらい誰でもわかる。Santaたちの暮らす町には仕事を失った男たちがたくさんいる。

良さそうな求人だとLinoは言うが年齢制限が最大の壁。40を越えた人間には現実は厳しい。「何の会社?」とSantaたちに訊かれ、Linoは「さぁ」の一言。業種も職種も選んでいる場合ではない。求人があれば応募する。まる。

オーストラリアはスペインのantípoda(対蹠地)、だから何でも正反対、ここには仕事は無いけど、あっちにはあるんだ……などなどと海辺の岩に寝転がってボソボソとしゃべる。「¿Qué día es hoy? 今日は何曜日?」「Lunes. 月曜さ」。

仕事の無い人間には、月曜も何曜も無い。お天道さんの下でヒネモスノタリノタリカナ。


Reinaという友達は警備員の仕事にありついた。Reinaの働く工事現場に潜り込ませてもらって、サッカー場を見下ろす。競技場の屋根が邪魔して肝心のゴールシーンが全く見えなかったりもするが、それなりに愉しいヒトトキ。

…のはずだったが、失業中のSantaたちとReinaとの間に生じていた亀裂が少しずつ拡がっているのを感じずにはいられなかった。Reinaは最近みんなが集うBarにも顔を見せない。「uniforme(制服)のせいさ」とSantaは言う。有職者と無職者を隔てる壁。


Joséのところは妻が缶詰工場で働いている。「お前んとこはカミさんが仕事に出てるんだよな」と言われることがJoséは苦痛。ローンだって妻が申し込むしかない。自分はハンコをつくこともできない。「¿Y yo qué cojones pinto aquí? で、俺は何の役に立つって?」。妻は、魚の臭いが身体に染み付いているのではないかという強迫観念からスプレーを大量に吹き付ける。工場の仕事は辛く身体にもこたえる。逃げ出したい。だが、自分がいなくなったら夫はどうなるのか。
・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆


(語句メモなどはコメント欄で)
(スペイン映画/フランス/イタリア)
・(月曜日にひなたぼっこ)
Los Lunes al Sol オフィシャルサイト(音量注意)
Los Lunes al Sol @IMDb
Los Lunes al Sol @Yahoo! Cine

OfertaDVDで14.75ユーロ(1ユーロ=136円くらいかな)(メイキングと2枚組み)
Lunes al sol, Los [Import]

Premios Goya(ゴヤ賞)(≒スペインのアカデミー賞)で最優秀作品賞、Javier Bardem(ハビエル・バルデム)に主演男優賞、Fernando León de Aranoa(フェルナンド・レオン・デ・アラノア)に監督賞。他、助演男優賞、新人賞。計五部門。

監督: Fernando León de Aranoa フェルナンド・レオン・デ・アラノア
脚本: Fernando León de Aranoa、Ignacio del Moral イグナシオ・デル・モラル
出演:
Javier Bardem ハビエル・バルデム ... Santa サンタ
Luis Tosar ルイス・トサル ... José ホセ
José Ángel Egido ホセ・アンヘル・エヒード ... Lino リノ
Nieve de Medina ニエベ・デ・メディナ ... Ana アナ
Enrique Villén エンリケ・ビジェン ... Reina レイナ
Celso Bugallo セルソ・ブガージョ ... Amador アマドール

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Comments

語句メモ (わりと話を追ってしまったので語句メモは少なめ)

(1)¿Le debo yo algo a alguien? 「俺、誰かに何か借りてる?」
deber: (金額)w借りている、支払う[返す]義務がある

(2) Te está tomando el pelo. 「あいつはお前をからかってるんだ」
tomarle el pelo a alguien: からかう、ばかにする

(3) No le hagas ni un caso. 「あいつの(言う)ことなんてまともに聞くなよ」
hacer caso: …の言うこと・意見・噂などを気に留める[掛ける]

(4) el año en curso: 今年
→ en curso: 進行中の、現在の

(5)
conflictividad laboral: 労働争議
patronal: 経営者団体
cierre patronal: ロックアウト、工場閉鎖
despido de 200 trabajadores: 200人の工員の解雇
fuerza pública: 治安部隊、警察(力)

(6) ¿Qué más (te) da? それが(お前にとって)どうだと言うんだ? 何を構うものか

(7)
crédito: 信用貸し、クレジット、ローン
capitulación: 婚姻財産協定(書)
sujeto: (権利・義務を有する)人 

(8) pintar: 【ふつう否定文で】重要である、値打ちがある

(9) piso piloto: モデルルーム

Posted by: Reine | Wednesday, February 16, 2005 at 21:42

(1) サッカーの試合を場外から観てる時、ロシア人の無職友達セルゲイと、ソ連のGKのLev Yashin(レフ・ヤシン; 1929-1986; Black Spider)の話で盛り上がる。

(2) ロケ地はPontevedraVigo

Posted by: Reine | Wednesday, February 16, 2005 at 21:57

いい映画だと思う。静かな(淡々としていて)誠実な(奇を衒ってない)映画。泣いてしまうシーンがあったから‘キツ認定’してもいいのかも。でも、主役のSanta(ハビエル・バルデム)が飄飄と暮ら(そうと)している様子に救われる。ギリギリの強がりなのかもしれないけど、彼の気性のおかげで絶望的な気分で観終わることは避けられた。

スペインの労働事情を垣間見る。リアルっぽくてキツい。

ただね、皆さん(って誰よ)にはどこまでキツいか……。それちょっとわからない。皆さん(って誰よ)の多くは定職持ってるでしょ。日本だと辞めない限り仕事失うことはないよね、だいたい。定職持った人にこの映画の苦しさってどういう風に伝わるのかな。っていうか伝わるのかな。

私、スペインで失業率の高い地域に暮らしていたけど、そのような町の中でも比較的(あるいは‘かなり’?)余裕のある人に囲まれていたんだなぁって、この映画観て思った。

別荘でみんなでバーベキューとか、マンションを買うの買わないのとか、それを賃貸にするからとか、親の遺産がどうでこうでとか、もう隠居して悠々と暮らすんだとか、娘の結婚式が新聞で報じられるお家とか、そういった人々だけと付き合ってたんだわ。

だから、私、あんまり路傍を見ることがなかったというか、見ようとしていなかったというか、見まいとしていたというか。

なんか農作物だか果物だかを半分に割る仕事というのがあって、それは大の男でも肉体的に非常に辛い労働であったのだけど、その働き口に朝早くから長い列ができたんだとか、当時そんな話を聞いたこともあったけど、深く考えようとはしなかったんだわ。

2年前にスペインでテレビ見てたら求人番組をやってた。あれはINEM(=Instituto Nacional de Empleo)の番組だったのかな。「○○市にて▲▲の仕事」っていうのを幾つかアナウンスしてた。

スペイン人の友達が、「すごいでしょ、国の機関がテレビ放送で紹介してるポストがこれだよ」って呟いた。‘これ’が何だったかを忘れてしまったのだけど、そうなぁ……たしかに…私はあの時打ちのめされたというか立ち尽くしたというか。呆気に取られたというか。

それもまた辛くて私は正視しなかったのではないだろか。だから覚えていないんだと思う。


※このことに関して、後日、スペインで友人とちょっと話をした

Posted by: Reine | Wednesday, February 16, 2005 at 23:22

「可哀相」「スペインって大変そうだね」という意味で辛かったんじゃないんだ。

私はどうしようって、そっち。逼迫。他人事ではないというか。そっちでキツかったわけよ。あたし、老後どうしようと蒼ざめるとか。いろいろリアルに考え込んじゃって、それで滅入ったといえば滅入った。

ずっとやってきた仕事が一段落ついた。終わったらスペイン行こうと思ってずっと堪えてきたのでした。やっと行けるんだわと、詳細を決めようとここ数日は自分で自分のお尻を叩いてたとこだったのですけど、この映画観て弱気になったわ。臆病風吹いた。貯金減らすのがヤだからスペイン行きを取りやめようかと思っちゃったわ。取りやめちゃいそうだ。

Posted by: Reine | Thursday, February 17, 2005 at 01:14

Javier Bardemしゅえんの"Mar Adentro"(=The Sea Inside)がOscar(=Best foreign language film of the year
)
とったね

って、これだけうつのになんぷんかかってるんだ

ちなみに"Los Lunes al Sol"においてJavier Bardemは, おなかなんてでっぷりぽってりとでちゃってて、 たぶんじっさいにたいじゅうをふやしたんじゃないだろかとおもわれるほどの ぶくぶくぐだぐだっぽさで、 "しがない""くたびれた"ちゅうねんっぽさをよくだしていましたよ

Posted by: Reine@Lisboa | Tuesday, March 01, 2005 at 19:21

Posted by: Reine | Wednesday, March 14, 2007 at 01:48

仮に本当だとしたら、タイトルは同じでも全くの別物と考えた方が精神的にも良さそうですよ(苦笑)。元IRA闘争メンバーが運営するアイリッシュバーという設定からして、話の筋から大きく足を踏み外してますしね・・・。

Posted by: さるくま | Wednesday, March 14, 2007 at 21:25

さるくまさん

>元IRA闘争メンバーが運営するアイリッシュバー

まったく苦笑いしか出てこないですなぁ。なんだろか、その設定は。連中は『Los Lunes al Sol』をどーするつもりだ? どーしたいんだ? 爆破シーンとかをふんだんに取り入れるつもりか? 対蹠地に思いを馳せるシーンも、あれか、軍事スパイ衛星でズームでもしてみたいのか?

Posted by: Reine | Wednesday, March 14, 2007 at 21:59

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