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Wednesday, December 01, 2004

Secretos del Corazón / Secrets of Heart / 心の秘密 [スペイン映画]

Secretos del Corazon 60年代。スペイン北部の町。Semana Santaの休暇はすぐそこ。

キーワード: chingar って何?

登場人物 (■ 町の人 / ◇ 村の人)

●Javi
9歳。親元を離れ、兄Juanとともに町の伯母の家で暮らす。
飛び石を渡って川を越えるのがまだ怖くてできない。お兄ちゃんはヒョイヒョイ渡るのに。暗闇も地下室も町外れの空き家も……まだまだ怖いものだらけの年頃。
学園祭のお芝居では主役のGarbancito役。

●お兄ちゃん Juan
腕っぷしも強く、適度にワル。
思春期の真っ只中らしい。
タバコにもオンナノコにも手を出してみたい年頃。
弟Javiの面倒はよくみているようである。
だが、デタラメを吹き込み過ぎ。
いちいち真に受けるJaviをおもちゃにし過ぎ。
学園祭のお芝居では魔法使いのTragaflor役。

■Rosa伯母さん 
未婚。ガミガミうるさいタイプ。他人との関係がギスギスしがちか。ああしろこうしろ的な、「~すべき」な態度をとりがちな人。Javi兄弟をこの町に寄越しなさい、いい学校に入れた方がいいからとママを説き伏せた。神経質。ガソリンの臭いで胸が悪くなるのでバスを見送るのは苦手。

妹Teresa(=Javiたちのママ)の夫の親戚とうまく行っていない。そのため、RosaとMaríaはTeresaの村にはほとんど行かない。Rosaは妹二人の歴代の彼氏をどれもケチョンケチョンにしてきた。

■Maríaおばさん
未婚。激しい恋も数多く経ている模様。「でも私を好きになる人のことは私は好きになれなくて、私が好きになる男の人は私に気が無かった。気が無かったのは私だったのかもしれないけど。まぁ、よくわからないわ」。アル中傾向。キッチンドリンカー。血圧が低すぎるので上げるためにお酒を飲んでいる(本人談)。バスを見送るとき、最後の最後まで走って追いかけてくれる。

※この人が「伯母さん」なのか「叔母さん」なのか。私が見落としたのかな。私は「María叔母さん」だと思い込んでた。長姉Rosa(家長的・権威的)、次姉Teresa(堅実)と来て、末がMaría(奔放)という構成だと思ってた。けど、やっぱりMaríaが二番目なんだろうな。Rosa(オールドミス)、Maria(オールドミス)と来て、三番目のTeresaだけが結婚・出産できました、と。そういうことか。ならば、「María伯母さん」。

■親友 Carlos
学校いっしょ。家も近い。
Javiと常にいっしょ。
町外れの怪しげな空き家に探検に行ったり。
お母さん(Carmen)とお姉ちゃん(Pili)。
学園祭のお芝居では進行役。

■Carmenおばさん(=Carlosの母)
Javiなど近所の子供にダンスを教えてくれる。
当り散らすことの多い夫の介護に倦んでいる。

■Carlosの父
喇叭手(ラッパ兵)だったのかな。ラッパが上手。傷痍軍人だろうか。癇癪もち。些細なことで妻を怒鳴りつける毎日。DV傾向あり?

■Pili(=Carlosの姉)
Juanが気があるとかないとか。いや、気があるのはJaviだとかちがうとか。年頃の女の子らしい恥じらいが芽生えてるっぽい。


◇ママ Teresa
夫は数年前に亡くなった。今はその家で舅と義弟と暮らしている。JuanとJaviは町の学校にやるために実姉のもとへ預けた。

◇亡き父 Antonio
猟銃の名手であった。銃の手入れをしていて暴発事故で亡くなったとJaviは聞いている。お父さんの死んだ部屋に入ってはいけないとJaviたちは日頃からきつく言われている。

◇Ignacio叔父さん
死んだお父さんの弟。牧畜業。分け隔ての無い人。村人から避けられているBenito爺さんにも牛の乳をあげてる。

◇お祖父さん 
息子Antonioが亡くなって以来、ひきこもってしまった。誰に対しても無口。無愛想。cascarrabias(=気難し屋)。おしゃべりな人間が大嫌い。

◇Benito爺さん
変人と噂され村人からは避けられている。お祖父さんとは気脈を通じている。


■Gutierrez君
兄貴Juanと同級。

■Julia
Juanら男子の間でちょっと知られた女の子。

■Ricardo
どうやらMaría伯母さんと知り合いらしい。

◇monaguillo(=侍者)の少年
Juanの友人。太っちょくん。彼もまた思春期。エロとタバコの物々交換。

◇Perla 
村のママの家で飼ってる雌犬。近所のサカリのついたオスにバックからchingarされてしまう。そりゃバックだろう。


「こどもモノは反則」とか「わかりやすすぎ」とか、くさす向きもあろうけれども、私のフェイバリット。公開当時に映画館で見て以来、何度見たかしれない。日本では98年春先のスペイン映画祭で上映されたっきり。どうかビデオを見てください。

ニュー・シネマ・パラダイス』がダイジョブな人ならこれもイケると思う。いや、私はそっちを覚えてないのだが。あれって大泣きする系だったっけ? あー、だったら違うかもな。『Secretos del Corazón』はダーダー泣く感じではないと思う。いや、私は見るたんびに泣くけどさ。

まぁ、ビデオ見てください。見なくてもいい人はこの先↓を。コメント欄に詳細あり(おそらくネタバレあり)
_______

(スペイン映画/フランス/ポルトガル)
・『Secretos del Corazón』
・英題: 『Secrets of the Heart
Montxo Armendáriz(モンチョ・アルメンダリス)監督

・スペインで購入(6ユーロ)(1ユーロ=130円当時)

(参考)
Secretos del Corazón @IMDb
すべてのシークエンスを説明してくれてるページ

監督: Montxo Armendáriz モンチョ・アルメンダリス
脚本: Montxo Armendáriz
出演:
Carmelo Gómez カルメロ・ゴメス ... Tío/Uncle Ignacio Zabalza イグナシオ叔父さん
Charo López チャロ・ロペス ... María マリアおばさん
Silvia Munt シルビア・ムント ... Madre/Mother ママ
Vicky Peña ビッキー・ペーニャ ... Rosa ロサ伯母さん
Andoni Erburu アンドーニ・エルブル ... Javier 'Javi' Zabalza ハビエル
Álvaro Nagore アルバロ・ナゴレ ... Juan Zabalza フアン兄ちゃん
Íñigo Garcés イニーゴ・ガルセス ... Carlos カルロスくん
Joan Vallés ジョアン・バリェス ... Grandfather おじいちゃん

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Comments

(1)
お芝居の進行役Carlosが「Érase que se era una vez ……」。「érase una vez / érase que se era una vez / había una vez」は「昔々あるところに(物語の始まりのフレーズ)」。

なので、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』はスペイン語では『Érase una vez en América』。

ついでに、「めでたしめでたし(物語の終わりのフレーズ)」は、「Y colorín colorado, este cuento se ha acabado.」

(2)
「Carlosん家に行ってくるー」とはしゃぐ兄弟に伯母が釘を刺す。「Carmenおばさんにあんまりdar la murgaするんじゃないよ」。

dar la murga = Molestar con palabras o acciones que causan hastío por prolijas o impertinentes. うんざりさせる

(3)
聖週間の休暇で村に帰る兄弟に、Rosa伯母さんがママTeresa宛の手紙を託す。Maria伯母さんがそれを見咎めて、「ねえさん、あんた、またmeter cizañaするつもりなのっ?」。

meter cizaña = 不和の種をまく

ちなみに、この手紙を読んだママはハラハラと涙をこぼします。Rosa伯母さんは何を書いていたのか。

Posted by: Reine | Wednesday, December 01, 2004 at 19:32

(4)(どういうシーンだったか忘れた)
dar la lata = うんざりさせる

(5)
子供たちがクルクル回してる、ガラガラと音のする、柄のついた木製のモノは、carracaという。http://www.tamborileros.com/tradiberia/idifono1.htmで音が聴ける。monaguillo(=侍者、侍祭)を先頭にして村中の子供がこれでギリギリガラガラ音を立てながら村中を駆け回る。

(6)
兄貴がJaviをからかって「お利口ちゃん(so listo)」っていうシーンがいくつかあった。「so」は、「para potenciar las cualidades del adjetivo o del nombre a que antecede.」「Se usa solamente seguido de adjetivos despectivos para reforzar su significación.」「常に形容詞に前置され、意味を軽蔑的に強める」。「listo」はふつうは褒め言葉なはず(=smart、賢い、利口な)だけど、兄貴としては皮肉ってるのかね。

Posted by: Reine | Wednesday, December 01, 2004 at 19:38

(7)
兄貴Juanがたいへんなことをしでかしたらしい。学校に呼び出されたRosa伯母。カンカンになってワナワナと帰宅。「(Juanが帰ってきたら)どうしてくれようか!」と怒りに震えるシーン。「Me va a oír」。直訳すると、「彼は私が話すのを聞くだろう」。怒ってる人と怒らせた人に応じて代名詞・活用を変える。me [te とか] va [van, vas とか] a oír.  

como advertencia para expresar enojo o irritación. 例) Si vuelvo a verte allí, me vas a oír.

(8)
ショーウィンドウでMichelinの人形が動いてるのを眺めるシーンがあるが、ちなみに、「michelin」 = spare tire = 腹の(回りの)ぜい肉。

(9)
『Garbancito』の劇。学校をサボってはいけませんよという教訓話(←なのかよ)。

hacer novillos = サボる

Posted by: Reine | Wednesday, December 01, 2004 at 19:59

ここから先はいよいよネタバレは避けられないです。っつうか全部しゃべっちゃいそうな勢いです。御注意を。
↓↓↓↓

〖町外れのデカい空き家について〗

JaviとCarlos、学校帰りに空き家に寄る。Javi、「男の人が住んでたんだけど、気が狂って奥さんと友達を殺したんだってさ」。

「どうして殺したの?」「秘密を知ってしまったからさ」「どんな秘密?」「知らないよ、誰も知らないんだ」「殺してから地下室に埋めたんだって。だから声が聞こえるんだよ」「誰から聞いたの?」「お兄ちゃんだよ」

(……やっぱりか、やっぱりJuanが吹き込んだんだね)

帰宅してJavi、「お兄ちゃん、Carlosといっしょにあの家に行ってきたんだよ。変な叫び声が聞こえたんだ」。

(報告するJaviを見つめる兄Juanの顔の面白がりっぷりが可笑しくて可笑しくて。でも、あぁ弟が可愛いんだなというのが伝わるシーン)

Juanのもっともらしい説:
「他の誰も知らない秘密を握ったまま墓場に行っちゃったんだ。今、それをしゃべりたくてしゃべりたくてたまらないんだよ。だから叫ぶの。秘密から逃れたくて叫ぶんだ。秘密にもいろいろあってね、しゃべっちゃった方がいいタイプの秘密もあるんだよ。そういうのを黙ってようとすると頭がガンガンして気が狂っちゃうもんなんだ」

Posted by: Reine | Wednesday, December 01, 2004 at 21:11

〖パパの部屋・椅子について〗
「ママがこの部屋に入るな入るなっていうのはね、パパとの秘密をしまってあるからなんだよ」

パパが死んだ椅子に座ってみろとJuanが言う。そうすればパパの秘密が聞こえると。

「死んだ人は抱え込んだ秘密から逃れたくて、秘密を誰かに打ち明けたくて、でももう誰にも聞いてもらえなくて。だから死者は叫ぶんだ。その椅子に座ればパパの声が聞こえるよ、パパはそこで死んでたんだ。おまえは小さかったから憶えてないだろうね。座れるかって? 俺は怖くないよ。座れるさぁ!」


〖秘密について〗
「秘密ってどこにしまっておくもの?」
「秘密の種類によるわね」
「パパとママしか知らないすんごい秘密だったら?」
「そういう秘密は心の中にしまうのよ」


〖Javiは地下室にワインを取りに行くのが怖くてたまらない〗
ママが言い渡す、「取りに行かなかったらいつまで経っても恐怖心は無くならないの」。

「強いひとの秘訣ってなんだか知ってる? ぜったいに恐いと言わないことなのよ」「だって強いひとは恐くないんだもん」「恐いのよ。誰だって恐いのよ。恐いけど我慢して、誰にも言わないの。それが勇敢な人の秘訣なの」

Posted by: Reine | Wednesday, December 01, 2004 at 21:20

〖お祖父さん〗
(1)
Javiが宿題で描いたスペイン地図を見せると、この村はどこにあるのかと問う。「ぼくわからないや」「自分が生れた村がどこにあるかもわからないなら、そんな地図が何の役に立つというんだ」。

(2)
「ねぇママ、おじいちゃんは死んだら地獄に行くの?」「しーっ、なんてこと言うの」「あの人は無神論者だからってRosa伯母さんが言ってたよ」「Rosa伯母さんのいうことは流しちゃっていいから。お祖父ちゃんは、ちょっと神父さんたちとうまくいってないだけよ」

「わしは、神父だとか大臣だとかとにかくおしゃべりな人間が嫌いなだけだ」(←孫と嫁のヒソヒソ話をしっかりと聞いている祖父さん。まだまだ耳はOK)

(3)
「おじいちゃん、スリッパ左右逆だよ」「わざとだ。いつも同じ履き方してるとおんなじ側ばっかり磨り減るからな。こうすれば底が均等に磨り減るし、スリッパが長持ちする」「っつってもお祖父ちゃんめったに歩かないじゃない」

(4)
「俺はもう年寄りだ。そろそろ死ぬよ。でもまだ生きたい。どうしてだかわかるか?」「(…かぶりを振るJavi)…」

「俺にもわからないんだ。だけど生きていたい。……略…… 生きたい人もいればそうじゃない人もいる。そういうことだ。説明のつかないことがこの世にはある」

Posted by: Reine | Wednesday, December 01, 2004 at 21:35

〖教会に供えるろうそくについてJaviとIgnacio叔父さん〗

「あの(短くなっちゃてる)ろうそくは誰のかな」「さぁ誰のだろうね」「あのろうそくの人はすんごい悪いこといっぱいしてきたんだよ」「ん?」

「ろうそくの火が燃えるのが速い人は大罪人なんだ。救済されずに地獄へ行くんだよ」「……おまえ、それ誰から聞いた?」「お兄ちゃんだよ」

「…あ…の…小…僧……」。


〖後日ふたたび教会にて〗
「あ! うちのろうそくが溶けちゃってるよ。うちの誰かが悪いことしたんだよ!」「お前のお兄ちゃんだろうなあ」

Posted by: Reine | Wednesday, December 01, 2004 at 21:44

〖兄貴と太っちょくんのエロについて〗
「ちゃんと持ってきてくれた?」「持ってきた持ってきた」。で、タバコとエロ写真(ステレオ印刷)を交換。

(この時のJuanが歩いてるとこからずーっとニヤニヤしてる。実にいい顔を見せてくれる)


〖エロ写真ディテール〗
着物を着た女性がシナ作って横になってる。小鼓と羽子板がわざとらしく置いてある。日本人ってことだったろうけど、日本人の私なんかが見ると日本人女性っぽいルックスじゃない。

動かすと絵が変わる

女真っ裸。股間を扇子で隠してる。相変わらず微笑んでる。ハポネサじゃないと思う。

Posted by: Reine | Wednesday, December 01, 2004 at 21:51

↑↑ここまでは、読んじゃったとしてもストーリーの面白さを大幅に損なうものではないです。こんなに長いけど実はplotにはほとんどかすってない。と言ってもいいくらいです。

それはね、私だって気をつけてるんですよ。巧妙に避けてるんですよ。『La Comunidad』のときも『Carne Trémula』のときもね、わかる人にはわかるような避け方をしてますよ。

今回もその辺はがんばった。つもり。

で、これ以上はホントのホントにネタバラシになっちゃうので書けないんだな。

あぁ、すげぇ書きたい。描きたい場面がひっきりなし。最後の最後のシーンまで丹念にメモはとってある。これだけ素材が集まってるのに、もうこれ以上は書けないなんて。

まさに、「今、それをしゃべりたくてしゃべりたくてたまらない」「黙ってようとすると頭がガンガンして気が狂っちゃう」。

Posted by: Reine | Wednesday, December 01, 2004 at 22:07

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