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Friday, November 19, 2004

La Comunidad / 13サーティーン みんなのしあわせ [スペイン映画]

La Comunidad汚いもの・痛いこと・血が嫌いな私にとってAlex de la Iglesiaの映画は、「観ていることはできる」と「観たくない」とのギリギリなライン。といっても『EL DÍA DE LA BESTIA』と『PERDITA DURANGO(VHS: ペルディータ @amazon)』しか観たこと無いのですが。

(参考)
EL DÍA DE LA BESTIA @IMDb
PERDITA DURANGO @IMDb

『La Comunidad』も臭って来る感じ。なんかもう……汚部屋。「あーー、それ舐めちゃダメ!」って思わず画面の中に呼びかけちゃう感じ。

la comunidad■Julia
不動産屋の営業ウーマン(契約社員)。このところ営業成績が悪い。

ある大雨の日、お客にマンション物件(4階角部屋)を見せる。待ち合わせに急ぐJuliaは、雨でびしょびしょになったトランプを道で拾う。ジョーカーのカードである。

(メモ)
hace un frío que pela」と「lloviendo a cántaros」という、教わりがちな成句が2つ続く。スペ語学習者にはちょっと嬉しい(?)冒頭シーン。


客が去ったあと、‘売り物’であるその部屋に恋人(Ricardo)を呼んで好き勝手に使う。家具調度品も上質でいい部屋だ。前の住人はどうしちゃったんだか。規律の厳しい学校で育ったRicardoは、こういうことはイクナイとJuliaをたしなめる。Julia逆ギレ、「おとーさんみたいなこと言わないでよね。あったま来んのよ!」。

(メモ)
ここでまた学校で習う成句、「(que) me sacas de quicio」。

Ricardo: だって、会社にバレたら君クビだぞ?
Julia: クビ? どーせ短期の仕事だもん、もうすぐ切れるんだからクビもへったくれもありゃしないわよ。


二人はこの部屋(のウォーターベッド)で大はしゃぎ。それを隣人Charlyが双眼鏡で覗いている。

■Charly君(30歳前後)
ヒキコモリとまではいかないが、それに近い生活。口やかましい母親(Dolores)と同居。ネット好き。何よりも彼はスターウォーズオタク。ダースベーダーのかぶりもので毎日スターウォーズごっこ。ひとりで。母親Doloresはそれを叱りつける、「その格好で表に出るなって何度言ったらわかるの! ヘンタイだと思われんのよ!」


Julia達がまったりしてるところへ次の客が(部屋を見に)来てしまう。客は上階からの水漏れに気づく。「きっと上の階の人が蛇口を開けっぱなしにして気づかないで居るんだわ」。客が通報してしまう。消防隊員が駆けつける。

マンションの住人は総出でヤジウマ。これがまた、ほんとに不快感を存分に与えてくれる隣人ばっかなわけ。「あー、こんなマンション住みたくねぇー」と思わせるやつらなの。

こんな‘マンション自治会(=comunidad)’ヤだなー」と。


奮闘の末、ドアが開く。覗き込もうとする住人一同。隊員が一同を階下へ追いやる。そのときのCharly君のセリフ、「僕、ネットをやってるとこだったのに……」。「いいから、全員おりてくださいっ!」と隊員が怒鳴る。隊員がJuliaのことを通報者だと勘違いしているため、行きがかり上その場に残るJulia。

そんなJuliaを見咎めて隣人(女)が階下から叫ぶ、「Se queda ésa! (その女はそこに居るじゃない!)」。つまりJuliaのことを隊員にチクるかたちである。「彼女は下りなくていいわけっ!?」である。そういうさもしい人、いるじゃない。(自分が損することもさることながら)他人が得するのが気に食わないという人。そういう卑しさ。

(メモ)
ése(その男、彼)とかésa(その女、彼女)って、どーなのかな。語感、キツいんじゃないのかなぁ。ちょっとこの件は要調査。無礼なんじゃなかろか。言ってもJuliaとマンション住人は初対面だろ? 初対面の人をつかまえて「ésa」呼ばわりは、どーなのかな。私は気をつけるかもなぁ。気をつけつつも言っちゃいそうだが。


住人を階下へ追い立て、隊員はいよいよ問題の部屋(5階)へ突入開始。ゴミ屋敷。Juliaもおそるおそる入っていく。と、そこへ、一足遅れて顔を出した隣人Domínguez(2階)がやってくる。Domínguezはゴミ袋の山をかきわけている。何か鼻歌を歌いながらである。呆気にとられるJuliaであった。

Domínguezの鼻歌は:

Quince hombres en el cofre del muerto.
¡Ja! ¡Ja! ¡Ja!
Y una botella de ron!
El ron y Satanás se llevaron al resto.
¡Ja! ¡Ja! ¡Ja! ¡
Y una botella de ron

である。つまり:
亡者の箱まで、はってのぼった15人
いっぱい飲もうぞ、ヨー・ホー・ホー!
あとのやつらは、酒と悪魔にやられたぞ
いっぱい飲もうぞ、ヨー・ホー・ホー!

である。『宝島 by ロバート L スティーブンソン』に出てくる歌かい?


隊員は搬出作業に専念する。その際、財布がこぼれ落ちる。Juliaはそれを拾った。中を点検。お札は当然いただいちゃう。なんかクロスワードパズルを作りかけたような落書きみたいな紙切れも一枚入ってたけど、そんなのは無視。


Ricardoは騒動に紛れて自宅へ帰った。Juliaはとりあえずこの夜は部屋(物件; 4階)に泊まることにする。一人、TVを見ている。Don Limpio(=Mr. Cleanのこと)のCMが流れてる。床磨きの洗剤だわ、まぁ、綺麗になってること……。ナニカ思うところがあったのか、Juliaは5階の例の部屋に上ってみた。ほんとうに、なんと汚い部屋だい。

いつの間にか、Juliaも「ヨーホーホー!」を口ずさんでいる………。

そういう風に始まる映画です。

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆


(コメント欄に語句メモなど)
(スペイン映画)
・邦題: 『13サーティーン みんなのしあわせ』
みんなのしあわせ @goo映画
Carmen Maura(カルメン・マウラ)主演
Alex de la Iglesia(アレックス・デ・ラ・イグレシア)監督
13サーティーン みんなのしあわせ @映画生活
みんなのしあわせ@映画生活
みんなのしあわせ@シネマカフェ

・スペインで購入(27ユーロ)(1ユーロ=130円くらいだった)(メイキングとか付録DVDあり)
13(サーティーン) みんなのしあわせ【字幕版】 [VHS]

監督: アレックス・デ・ラ・イグレシア Alex de la Iglesia
製作: アンドレス・ビセンテ・ゴメス Andres Vicente Gomez
脚本: アレックス・デ・ラ・イグレシア Alex de la Iglesia ホルヘ・ゲリカエチェバリア Jorge Guerricaechevarria
撮影: キコ・デ・ラ・リカ
音楽: ロケ・バニョス Roque Banos

 
出演:
Carmen Maura カルメン・マウラ: Julia フリア
Eduardo Antuña エドゥアルド・アントゥニャ: Charly チャルリ
María Asquerino マリア・アスケリーノ: Encarna エンカルナ
Sancho Gracia サンチョ・グラシア: Castro カストロ
Terele Pávez テレレ・パベス: Ramona ラモーナ
Enrique Villén エンリケ・ビジェン: Domínguez ドミンゲス

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Comments

↑ここまではそれでもネタバレしないよう努めてたけど、ここから先はホントに配慮しない↓

1. 人は動揺するとタバコの火を裸足(ストッキング)で踏み消すこともできるのだなぁ

2. 早くずらかればいいのに、ちょっとばかし性的魅力のある男(Oswaldo; 3階)に「今夜、僕の家でみんなでpartyするからいらっしゃいよ」とか言われると途端に舞い上がってシャワーとか浴びだしちゃうんだから、Juliaもおばかさんだ。………けど、身につまされる私。

3. あぁ、ホントにイヤなオナニーシーンだな

などなど……いろいろなシーンがあり……


一刻も早くこのマンションを立ち去りたいのに、別の客(中年女性二人組; 保守的っぽい・アッパーぽい)が物件を見たいと言って来てしまう。物件見せてる場合じゃない。サッサと帰って欲しい。そこでJuliaの‘逆セールストーク’:

Julia: ……略…… ここは学校も近いから子供たちも大喜び……っっつってもあれか、貴女たちは‘こども’居ませんもんね。 あれでしょ? "hacer la tijera"でしょ?

(注) tijeraの普通の語義 は 「ハサミ」。そして、"hacer la tijera"という成句(←成句なのかよっ?)はレズ用語で、日本語でいうと何だろうか、「貝合わせ」とかいうプレイだろか。

客A: ぱーどん?
客B: 彼女、私たちが洋裁屋だとでも思ってるのかしら?

Julia: "hacer la tijera"って言うんでしょ? あれよ、あれ、レズのカップルが、ほら、こうやってさ……(ジェスチャーで説明)……「"hacer la tijera(貝合わせ)"のできる部屋さがしてま~す」なんつって。おふたり、そういうことでしょ?

客A: (逆上) な、なんてことをっ

と、邪魔な客には激怒していただいてお引取りいただいた。

Posted by: Reine | Friday, November 19, 2004 at 17:27

途中、La Quiniela(サッカーくじ)の話になるのだが、「un empate entre equipos de fútbol como la Real Sociedad y el Sporting. (= SportingとReal Sociedadの引き分け)」ってスペインサッカーの常識から言うと、ありえない結果なの?

「『引き分け』に賭けた人間はスペイン中さがしても俺だけだったんだ」というセリフが出てくるほどに、ありえない結果なの?

Sportingと、Real Sociedadだったら、力に差がありすぎてどっちかがきっと勝つってなもんなの?

そこら辺、要調査。

Posted by: Reine | Friday, November 19, 2004 at 17:48

物語は「Carrera de San Jeronimo (サン・ヘロニモ通り)」が舞台である。ためしに検索したら実在の通りなんだな。びつくりした。

ちなみに、終盤で近隣の様子が映るのだが、Hotel Reginaというホテルもチラリと見える。そして、Hotel Reginaの地図を見ると、うゎ、ほんとだ、Carrera de San Jeronimo(サン・ヘロニモ通り)のすぐそばにあるんだね。

Madridに思い出のある人は見てて楽しいかも。残念ながら私はMadridはトータルで4夜しか過ごしたこと無いからワクワクはできなかった。

Posted by: Reine | Friday, November 19, 2004 at 18:36

新聞記事が大きく映るシーンで、メイン記事の脇の記事:

1. El alcalde cierra hoy el centro al trafico sin avisar de las alternativas. (マドリード市長、市中心部の通行遮断を発表)

これはおそらく99年の12月15日の実際の新聞記事。ほほぅ、実際の記事をそのまま画面に残しちゃうんかいというのが面白かったので、もう一つの記事についても調べてみたら、

2. Terra se convierte en un gigante de Internet. (ポータルサイト Terraが巨大化)

こっちは2000年5月17日の実際の記事。日付けが違うんだな。


Terraといえば、あるシーンではterraの看板(垂れ幕)が映りこんでもいたな。ってことはterraはこの映画のスポンサーかな? チラリズムによる宣伝かい?

って思ったのでスタッフロールを見たけど、たぶんTerraの名前は挙がってなかった。と思う。

ふしぎ。

Posted by: Reine | Friday, November 19, 2004 at 18:52

「el Oso y el Madroño にて待つ」という待ち合わせのメッセージ。

一人はそういう名前のbarで待ち、相手はそういう名前の像(待ち合わせスポットとして知られる)で待ってしまうというすれ違い。

ほんとに「el Oso y el Madroño」という名のbarがあるのかどうかは調べてない。ありそうだね。

Posted by: Reine | Friday, November 19, 2004 at 19:01

DVDのメイキングをちょびっとだけ見た。「comunidad」という語をこう定義していた:

Conjunto de personas que viven unidos y bajo ciertas reglas, por un mismo bienestar.(利益を共有し規則によって統べられた人で成る一団)

まぁ、そういうことだね。

Posted by: Reine | Friday, November 19, 2004 at 19:09

劇場っぽい、芝居っぽい。三谷幸喜の作品っぽい閉鎖空間っぽさ。だなぁと思って観てたが、メイキングで監督がやっぱり言ってた:

tuviera actores teatrales, la gente que está acostumbrada a trabajar en teatro(舞台俳優が必要だった。劇場で芝居をするのに慣れている役者が欲しかった)

とかなんとか。うん、ほんとにそう。外の景色がずっと見えないから余計に舞台っぽさを感じるんだろう。

Posted by: Reine | Friday, November 19, 2004 at 19:19

で、その外界遮断っぽい場面設定が心身両面の息苦しさに繋がるんでしょ。

ずっと室内のシーンが続くというゲンナリ感・圧迫感がそのまま「こんな隣人イヤだぜ、こんな自治会に‘solidaridad(連帯)’や‘respeto(尊重)’を強いられんのはたまったもんじゃないぜ」という、御近所への辟易につながって。

廊下は薄暗いので、廊下シーンは一段とうっとうしい。廊下シーンは、すなわち、隣人と関わらなければならないシーンなんだよな。空気も悪そうで光の差し込まない空間だから息が詰まるというのと、こういう隣人に囲まれて見張られ喚きたてられることが鬱陶しいのと。両方。

「Julia、早く出ちまえよ」とイライラハラハラするのは、観てるこっちも一刻も早くここを去りたいからで。あー外のきれいな空気吸いてー、と。

部屋の窓から外界が見えるシーンがわずかにあるけど、それは協調を拒んだ人の部屋だったと思う。その人だけはこの自治会の押し付けるルールに聴従することなく外界の常識を保っていた、ってことかい? と思ったりなんだり。

でもその人はこのマンション自治会にあっては「和を乱した人」と受け止められていたわけで。

御近所づきあいってほんとうに難しいですよね。っていう話。(←なのかよ)

Posted by: Reine | Friday, November 19, 2004 at 19:31

SportingとReal Sociedadの強弱について、知らない人にたずねた。ていねいな返事が来た(ただし、その人はこの映画は観ていないらしい):

僕の記憶が確かならば、Real Sociedadができた頃(※ っていつ? 20世紀初頭とか?)は強豪で、いつもリーグ上位にいるいいチームだったと思う。他方、Sportingは弱小で、1部リーグにはほとんど居なかったんじゃないかと思う。ちなみに現在、Sportingは二部で、Real Sociedadも二部降格のピンチだよね。
__

んー。そうか。そこまで古い話になると説明がうまくいかなくなるんだな。問題のサッカーくじの時代のことを知らないといけない。

問題のサッカーくじが当たったのは「20年も前のこと」という話。じゃぁ、映画の中の‘現在’は何年なのかというと、現実の現在といっしょと考えていいんじゃないかと思う。

具体的に何が示してたというんでもないが、だいたいが携帯電話のモデルが現実の現在と映画の現在とでおんなじ感じだったから。

そうなると、サッカーくじが当たったのは70年代後半~80年くらいになるのか。その頃の両チームの具合を訊かないといけなかったんだな。私の質問の詰めが甘かったな。

まぁ、でも、そういうことでしょう。

弱小Sportingと強豪Real Sociedadが引き分けるなんてのに賭けるのは大博打だったということで、そしてそれが大当たりしたんですよ、という話なんだよね

Posted by: Reine | Saturday, November 20, 2004 at 20:37

Gyaoで3/16まで観られるって。あと5日か。
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スペインの大女優カルメン・マウラ(『神経衰弱ぎりぎりの女たち』)主演作。死んだ偏屈老人が隠し持っていた大金を巡り、アパートという閉鎖されたなかで繰り広げられる、壮絶かつ滑稽な争奪バトルを描いたブラックコメディです。キャラクターの立った出演者ばかりですが、特にスター・ウォーズマニアの男を演じるエドゥアルド・アントゥニャの怪演は爆笑もの! ゴヤ賞2部門(主演女優賞・助演男優賞)受賞作です。

分譲アパートのセールスをしている中年女性フリア(カルメン・マウラ)。思うように成績が上がらず、4年前に大企業をリストラされてから職を転々とする夫とはうまくいかず、漠然と幸せに憧れる日々。そんなある日、担当しているアパートの上の階に住むひとり暮らしの老人の死に偶然遭遇し、この老人が隠し持っていた3億ペセタもの大金をこっそり入手してしまう。が、同じアパートの住人たちもその大金を狙っていた…。
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Posted by: Reine | Monday, March 12, 2007 at 02:08

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